学習障害もかかえているSさん(仮名)の書類作成を手伝いました。

書類に署名をするときSさんが「小学校6年になるまで、自分の名前が書けなかったんですよ」とつぶやきながら「う〜ん、うまく書けない、あれ?書き順これでよかったかな…」と署名。
平成後半生まれのSさんの名前は二つの「凝った漢字」。生まれたとき自分につけられた「凝った漢字」で、小さい頃から今日までーー幼稚園や学校、テスト、試験のときになどに「自分の名前が書けない」ーー苦労をしてきたようです。
子供は自分の名前を選べません。Sさんのつぶやきを聞いたとき、私は小さな子でも「簡単に書ける名前」ーー正とか直とか、明などーーを親から付けてもらった人は、小さい頃に一人で初めて自分の名前が書けた時、親が一緒に喜んでくれる経験ができる、そしてこの大事な経験は、Sさんのように、誰もができるわけでない、ことに気づきました。