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2017年12月20日

権利擁護


スタッフのNです。
グループホームでは、虐待防止のために、職員が一年に一回、権利擁護を考える研修に参加することが義務付けられています。先日、参加してきました。

平成23年、「障害者虐待防止法」と呼ばれる法律が施行されました。これは、虐待を禁止する法ではなく、虐待をしかねない立場の人に、支援が入るための法だそうです。それを聞いて、私はほっとしました。虐待が起こりそうな時には、相談して、助けてもらえば良いのですね。ところで、「虐待をしかねない」ってどういうことでしょうか?まず思いつくのは、職員による暴力・暴言等でしょうが、これは、私の周りでは心配ありません。どちらかというと、虐待防止法では、「利用者さんの安全を守るため」という理由で、施設がご本人の行動を制限しなくてはならない場合が想定されています。例えば、日本の障害者施設では、自傷行為を防ぐために薬を飲ませたり、他の人に迷惑にならないように部屋に閉じ込めたりする「身体拘束」が、今でも行われているそうです。お金の管理が難しい利用者さんのお金をお預かりして、ご本人に説明せず、施設のサービス利用料を差し引いていた、という「経済的虐待」も、よくあるとか。どれも最初は、「利用者さんのための支援」として行われたことなのでしょうが、本当にそうでしょうか?
ご本人はそれを望んでいるでしょうか?他に、もっと良い支援の方法はないでしょうか?いつの間にか、施設側の都合で習慣化していないでしょうか?障害者施設基準では、利用者さん一人一人の状況を、組織で慎重に分析することが義務付けられています。利用者さんに危険がある場合、支援者全員が出席する会議で、その方の安全を守る方法について、あらゆる可能性を検討します。どうしても他に方法がなく、利用者さんに危険が迫っているので、行動を制限しなければならない場合、ご本人に説明して、一番負担が少ない方法を考えます。誰か一人の独断ではなく、何人かの職員が一致して、どうしても制限が必要と判断した場合、最も短い時間だけ、制限させて頂くように定められています。利用者さんの人権を守るため、手続きが細かく定められているのはありがたいと思います。ですが私は、「組織で決定したことをご本人に説明する」という手順に違和感を覚えます。IPSでは、このような制限や管理をしなくて良いように、日ごろからメンバーさんと話し合いをしています。メンバーさんが、自分にとって危険なことは何か?どうすれば防ぐことができるか?緊急やむを得ない時スタッフに何をして欲しいか?ご自身で考えて、スタッフに意思表示してくださいます。それでスタッフがメンバーの安全を守る自信がない場合、IPSができる支援の方法を伝え、話し合って同意したことを個別支援計画にしています。
メンバーさんは、自分で自分を守るために、早めに受診し、他のサービス機関にも相談してくださるので、IPSでは、やむを得ず行動を制限する事態が起きるのを防ぐことができています。利用者さんの人間性を守るのは、拘束帯で縛る手続きではなく、人と人の輪につなぐ関わりではないでしょうか。
少し話がそれますが、来年度、グループホームの制度が一部改正になります。どうも私は、新しい制度が、利用者さんが訴訟を起こした場合に備えて施設を守る方向に強化されている気がして苦しいです。福祉サービスそのものに細かい制限が加わる中で、IPSではどういう支援を作り出せるか…来年もしっかりメンバーさんと話し合って、一緒に考えてゆきたいと思っています。
(記事 Nari)
posted by kuniko_sakamoto at 17:29| Comment(0) | 報告
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