ウバユリ[2026年03月26日(Thu)]
大百池公園城の台の森の中でウバユリが艶々した葉を広げています。ウバユリはユリ
科の多年草で、日本各地の林内や林縁に生える植物です。高さは1メートルほどにな
り、夏に淡い緑白色の大きな花を横向きに咲かせます。同じユリの仲間ヤマユリと同
じようにタネから花を咲かせるまで数年から10年ほどかかるのですが、その生存戦略
はかなり違います。ヤマユリは花を咲かせた後も地下の球根は育ち続け、その寿命は
30年以上とも言われています。一方ウバユリは数年にわたり育てため込んだ球根の栄
養すべてを使って花を咲かせ種子をつくります。そのため球根は文字通り消滅してし
まうのです。ずいぶん効率が悪い生存戦略と思いますが、ウバユリ型(単回結実型)
は「不利に見えて、特定の環境では合理的な戦略」と考えられています。林内のよう
な暗い環境では、光が乏しく毎年安定して開花・結実するのが難しいため、ウバユリ
は長年かけて養分を蓄え、「ここぞ」という条件の年に一度だけ大きく開花し、多数
の種子を一気に残します。これは繁殖機会が限られる環境で成功率を高める方法のよ
うです。



