ウメ[2026年01月20日(Tue)]
泉谷公園でウメが咲き始めました。八重の紅梅です。この場所のウメは枯れたものが
多く、補色もうまくいっていませんので寂しくなっています。それでも厳寒期に忘れ
ず咲いてくれる紅梅には心安らぐものがあります。ウメといえば「梅にうぐいす」で
すが、「梅に鶯」は、日本人にとってたいへん親しみ深い取り合わせですが、実際の
自然観察では、梅の木に来る鳥はウグイスよりもメジロであることがほとんどです。
それでも「梅に鶯」が定着したのには、いくつかの理由があります。まず、ウグイス
は姿を見せにくい鳥で枝先に姿を現すことは稀ですが、早春に美しいさえずりを響か
せます。人々はその声を梅の咲く季節と結びつけ、「声はすれども姿は見えず」とい
う印象のまま、心の中で梅と重ね合わせたのでしょう。また、中国文学・絵画の影響
があるようですが、説明は省略します。さらに、言葉の響きや美意識も無視できませ
ん。「梅に鶯」は音の調子がよく、早春の気配や気品を端的に表す表現として完成度
が高い組み合わせです。このように、「梅に鶯」は自然の写実というより、季節感・
文学・美意識が作り上げた理想像といえるでしょう。現実と理想のずれそのものが、
日本の自然観の奥行きを物語っているとも言えます。



