
ネジバナ[2025年06月15日(Sun)]
大百池公園から泉谷公園までの明るい草はらでネジバナが咲いています。公民館の駐
車場脇のわずかな草地でも見られます。人工の場所に勝手に生えているのですから、
雑草と言えば雑草ですが、小さな花がらせん状についていて心惹かれる姿です。ラン
科ネジバナ属の多年草で、日本各地の日当たりの良いやや湿りがちな草はらに自生し
ているそうです。ラン科植物ですので、根っこで繋がった菌類と共生しています。株
を掘り上げ自宅で育てようとしてもうまくいかないことが多いようです。野のものは
野で楽しむのが一番のようです。ところで、ネジバナは「もじずり」ともよばれてい
ます。百人一首にある次の歌はよく知られています。「 陸奥(みちのく)の しのぶも
ぢずり 誰ゆゑに乱れそめにし 我ならなくに」。これは次の意で説明されることがあ
ります。「ネジバナのように私の心が乱れるのは、あなたのせいですよ」。ところが
「もじずり」について「現在の福島県信夫地方で作られていた、乱れ模様の摺り衣
(すりごろも)のこと」説もあります。きれいにらせん状にならんだ姿は乱れている
とは思いませんので、こちらが正解で野草のことではなさそうです。