ヤツデ[2019年11月28日(Thu)]
大百池公園や泉谷公園の森の中でヤツデの花が咲いており、小さな虫たちが集まって
います。ヤツデは暗い森の中でも良く育つように上部の葉は小さく、下にいくほど葉
柄がのび葉も大きくなり、光をもれなく受け取れるようになっています。そのため林
床に太陽光が届かなくなるのであまり増えすぎるのも困ったものです。ヤツデの花は
球状のかたちをしています。よく見るとオシベ・メシベのある両性花、オシベだけの
雄性花があり、同時にこれらが成熟するのではなく、先にオシベのある優性期があ
り、これが落ちるとメシベが成熟し、自家受粉を避ける仕組みになっているそうで
す。自家受粉を避けるのは種の中での多様性を高めるためと考えられています。その
方法はいろいろあります。イチョウやキンモクセイでは雄株、雌株とはっきり分かれ
ています。同じ個体でオバナ、メバナと違った花をつける植物は多いですが、その成
熟時期をずらして自家受粉を避けているそうです。同一個体のオシベ、メシベでは受
粉が成立しない自家不和合性をもつ植物は被子植物のおよそ半分といわれています
が、逆に言えばそうでないものが半分ということですから、植物の繁殖戦略も複雑だ
ということでしょうか。