かつて吉田茂氏の死去で国葬が決った時、各紙の死亡広告に、ご長男の喪主吉田健一氏による文章が載った。
「ごく内輪で見送るはずのところ、図らずも皆様に見送っていただくことになり、感謝の言葉もありません」というような内容であった。
健一氏は文筆家であり、言葉を選んでの文章かつ掲載であっただろう。後日、死亡広告の名文として、各紙が褒め称えていたことを覚えている。
後に、私も、父母、義父母の通夜なり、葬儀の時の挨拶には、「ごく内輪のはずが、大勢の皆様に見送られて」と、引用したことを思い出す。
今回は、こういうことはなく、誰が遺族か?と思うほどであった。
あれば、も少し国葬反対者も少なかったのではないか。