• もっと見る
イスラム世界との結びつきを通じて、多様性を許容する社会の構築についてともに考えるサイトです。

« 2026年02月 | Main | 2026年04月 »

検索
検索語句
<< 2026年03月 >>
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31        
最新記事
最新コメント
タグクラウド
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
プロフィール

中東イスラム世界社会統合研究会さんの画像
日別アーカイブ
https://blog.canpan.info/meis/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/meis/index2_0.xml
米側15項目提案に対するイラン側反応[2026年03月26日(Thu)]
3月25日、イランの政府系プレスTVに対してイランは、現在進行中の戦争終結を目指す米国の15項目提案に対し、否定的な反応を示した。イランは、終結はテヘラン独自の条件と時期でのみ実現すると主張している、とイランの政治・安全保障担当高官が語った。この提案の詳細を知る高官はプレスTVの独占取材に対し、イランはトランプ米大統領に戦争終結の時期を決めさせることは許さないと述べた。「イランは、自らが終結を決意し、自らの条件が満たされた時に戦争を終結させる」と高官は述べ、要求が満たされるまで防衛を継続し、敵に「大きな打撃」を与えるというテヘランの決意を強調した。高官によると、ワシントンは様々な外交ルートを通じて交渉を進めており、テヘランが「過剰」とみなし、戦場における米国の失敗という現実からかけ離れていると考える提案を提示しているという。同当局者は、2025年4−6月と26年2月に行われた過去2回の交渉を、欺瞞的なものだったと指摘した。同当局者は、いずれの場合も米国は真に有意義な対話を行う意思はなく、その後イランに対する軍事侵略を行ったと強調した。そのため、イランは友好的な地域仲介者を通じて伝えられた今回の提案を、緊張を高めるための策略とみなし、否定的な反応を示した。
(1)同当局者は、イランが戦争終結に同意する5つの具体的な条件
1)敵による「侵略と暗殺」の完全停止
2)イラン・イスラム共和国に戦争が再び課されないことを保証する具体的なメカニズムの確立
3) 戦争損害賠償金の保証と明確な支払い
4)地域全体におけるあらゆる戦線およびあらゆる抵抗勢力の戦争終結
5)ホルムズ海峡に対するイランの主権行使は、イランの自然権および法的権利であり、今後もそうあり続ける。これは相手方の約束履行を保証するものであり、承認されなければならない
https://www.presstv.ir/Detail/2026/03/25/765835/iran-rejects-us-proposal-lays-out-five-conditions-ending-imposed-war-source
2.バブ・エル・マンデブ海峡封鎖への警告
(1)タスニム通信の取材に対し、イエメンのフーシ派(アンサールッラー)情報筋は、アンサールッラーは、ラマダン戦争(イランによる米イスラエル侵略に対する防衛)の初日から表明している通り、完全警戒態勢にあり、敵へのさらなる報復のためにバブ・エル・マンデブ海峡の制圧が必要になった場合、イエメンのアンサールッラーの英雄たちは重要な役割を果たす準備が万全だ、と情報筋は述べ、バブ・エル・マンデブ海峡で信頼できる脅威を生み出す能力を持つのはイランだけだと強調した。

(2)イラン軍事筋:
敵がイランの島嶼部やイラン領土のどこかで陸上行動を起こそうとしたり、ペルシャ湾やオマーン湾での海軍の動きによってイランに損害を与えようとしたりするならば、我々は敵を奇襲する新たな戦線を開く。そうすることで、敵の行動は彼らにとって何の利益にもならず、むしろ損失を倍増させることになるだろう。バブ・エル・マンデブ海峡は世界でも戦略的に重要な海峡の一つであり、イランはそれに対して完全に信頼できる脅威を作り出す意思と能力の両方を持っている。したがって、アメリカがホルムズ海峡の問題を愚かな手段で解決しようとするなら、自らの問題と窮地に新たな海峡を加えないよう注意すべきだ
https://www.tasnimnews.ir/en/news/2026/03/25/3549108/opening-bab-al-mandeb-front-possible-in-case-of-enemy-provocation-in-southern-iran-source

(コメント)トランプ15項目提案をイラン側は少なくとも表明的には、否定し「戦争の終結は、トランプ大統領が思い描く終結ではなく、イランが終結を決断した時に訪れる」と述べている。一方、米国は、アメリカ最強部隊と名高い国防総省の陸軍「第82空挺師団」に中東への派遣命令が出され、強襲揚陸艦トリポリもイラン周辺海域に近づきつつある。これは、米国の提案を踏まえた協議に応じなれば、カーグ島あるいは、ペルシャ湾岸の島に米軍が急襲をかけるという脅しでもある。米側の15項目提案とイランの5項目提案が重なりあう部分はほとんどなく、米側の狙いは、とりあえず、イラン側を交渉のテーブルにつかせることで、急騰しつつあるガソリン価格を抑え、乱高下する証券市場をいったん沈静化することにあるのではないかともみられている。イラン側は、米側と過去2回(2025年4−6月と2026年2月)協議に入りながら、いきなり事前警告もなく甚大な攻撃を受けた経緯からトランプ大統領がイランを仮に停戦に引きずり込んでも、時間稼ぎで、いつまた攻撃を再開するかわからないという疑心暗鬼に陥っている。一方、トランプ大統領の足元では、フロリダ州の下院補欠選挙で共和党議員が民主党議員に敗れるという波乱もあった。また、米自動車協会(AAA)によると、ガソリン価格は3月これまでに30%余り上昇し、1ガロン=約4ドルとなった。2005年にハリケーン「カトリーナ」がメキシコ湾岸の原油生産を停止させて以来の大幅上昇となっているとのこと。トランプ大統領の支持率も下がり続けている。トランプ大統領は、イラン戦争から手を引くためには、「勝利した」との体面作りが必要であり、一方、イランとしては、米・イスラエルの軍事圧力を耐え忍んだという実績が、体制維持に必要であり、仮に、米軍がイランのカーグ島やガス田を制圧するような事態になれば、25年10月以来、バーブエルマンデブ海峡の船舶航行を妨害していないフーシ派を動員して、紅海航行船舶のみならず、湾岸産油国のエネルギー・インフラ攻撃に東と西から同時に攻撃をかけるという脅しで、トランプ大統領の後戻りできない一歩を踏み出すことを留めたいと考えているとみられる。

Posted by 八木 at 16:59 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

水面下で米・イランの和平交渉がパキスタンの仲介で動き出している可能性[2026年03月25日(Wed)]
トランプ米大統領は3月24日、政権はイラン側の「適切な人物と協議している」と述べ、イラン・イスラム共和国は現在進行中の戦争を終結させるために「非常に強い合意を望んでいる」と付け加えた。
1.トランプ大統領のイランとの交渉に関する発言
「我々は現在交渉中だ…複数の担当者が交渉にあたっている。我々は正しい相手と交渉している」とトランプ大統領はホワイトハウスの大統領執務室で記者団に語り、交渉担当者のジャレッド・クシュナー氏とスティーブ・ウィトコフ氏、マルコ・ルビオ国務長官、そしてJD・バンス副大統領の名前を挙げた。「彼らは合意に至るだろう。実際、彼らは昨日、驚くべきことをした。彼らは我々に贈り物をくれた。そしてその贈り物は今日届いた。それは莫大な金額の非常に大きな贈り物だった」とトランプ大統領は述べた。「贈り物」の内容については、石油とガスに関連するものだと述べるにとどまり、それ以上の詳細は明らかにしなかったが、「それは非常に重要な賞だった。そして彼らはそれを我々に与えてくれた。与えると言っていた。つまり、私にとってそれはただ一つを意味していた。我々は正しい相手と取引しているということだ」とトランプ大統領は述べた。
トランプ大統領は同日、パキスタンのシャバズ・シャリフ大統領がソーシャルメディアに投稿した内容を共有した。シャリフ大統領は、双方が合意すれば、イスラマバードは戦争終結に向けた「有意義で決定的な協議」を開催する用意があると述べていた。
https://www.middleeasteye.net/news/trump-touts-iranian-present-thousands-us-troops-head-towards-gulf
https://www.nytimes.com/2026/03/24/world/middleeast/us-iran-peace-plan.html

2.トランプ大統領の対イラン15項目提案(イスラエルのチャンネル12報道ほか)
チャンネル12やそれをフォローしたタイムズ・オブ・イスラエル紙は、西側情報筋の話として、米国がイランに伝えた15項目の要求と利益のうち14項目を以下のように具体的に挙げている
(米国の対イラン要求)
1. イランは既存の核能力を解体しなければならない。
2. イランは核兵器開発を永久に放棄することを約束しなければならない。
3. イラン領内でのウラン濃縮は禁止される。
4. イランは、濃縮度60%のウラン約450キログラムを、合意されたスケジュールに従って、近い将来、国際原子力機関(IAEA)に引き渡さなければならない。
5. ナタンズ、イスファハン、フォルドの核施設は解体されなければならない。
6. 国連の核監視機関であるIAEAは、イラン国内において完全なアクセス、透明性、監視権限を認められなければならない。
7. イランは地域における代理勢力「パラダイム」を放棄しなければならない。
8. イランは地域における代理勢力への資金提供、指示、武器供与を停止しなければならない。
9. ホルムズ海峡は開放され、自由な海上回廊として機能し続けなければならない。
10. イランのミサイル計画は、射程と数量の両面で制限されなければならず、具体的な基準値は後日決定される。
11. ミサイルの将来的な使用は、自衛に限定される。
(その見返りとして、イランは以下の恩恵を受ける)
12. イランは、国際社会が課した制裁措置を全面的に解除される。
13. 米国は、ブシェール原子力発電所での発電を含む、イランの民生用原子力計画の推進を支援する。
14. イランが合意事項を遵守しない場合に制裁措置を自動的に再発動する、いわゆる「スナップバック」メカニズムは撤廃される。
https://www.timesofisrael.com/trump-says-talks-with-iran-progressing-as-israel-said-to-fear-premature-ceasefire/

(コメント)ニューヨーク・タイムズ紙報道によれば、外交筋からの情報として、米国は、パキスタン政府を通じて、イランに対し、中東戦争終結に向けた15項目の計画を送付した。これは、トランプ政権が経済的打撃と戦火の拡大への対応に追われる中で、紛争からの脱却策を模索し始めていることを示している。トランプ大統領は、「我々は正しい相手と交渉している。彼らは合意に至るだろう。実際、彼らは昨日、驚くべきことをした。彼らは我々に贈り物をくれた。そしてその贈り物は今日届いた。それは莫大な金額の非常に大きな贈り物だった」と、石油・ガス関連と匂わせる以外贈り物の中身が具体的に何かに言及することなく、交渉が進展していることを明らかにした。一方で、トランプ発言の真偽、接触が行われているにせよ、イラン側の交渉相手が誰で、どのような交渉が行われているのかは明らかになっていない1か月間停戦し、その間交渉するとの見方も出ているものの、イランは、オマーンの仲介の下での米国との交渉中に2025年6月と2026年2月の2度攻撃を受けたため、米国の約束を懐疑的に受け止める可能性が高い。また、交渉相手との観測がなされているガリバフ国会議長は、米国との接触の事実を明確に否定している。米国防総省は精鋭部隊である第82空挺師団から数千人の兵士を中東に派遣する予定だと述べている。米国の15項目提案については、報道されていない1項目が何であるか推測することは困難であるが、核開発関連では、米国は、UAEとの間で、「123協定」を締結し、UAEが独自にウランを濃縮したり、使用済み燃料を再処理したりしないことに同意させており、2015年のJCPOAでは、イランは、3.67%までのウラン濃縮を認められた経緯はあるものの、UAEと同じ条件ということで折り合う可能性はゼロではない。核燃料や使用済み核燃料は、ロシアから調達し、搬出するということも可能である。合意が容易でないのは、代理勢力との関係を断ち切れとの要求である。すなわち、レバノンのヒズボラ、イエメンのフーシ派、イラクのカターイブ・ヒズボラなどPMF(人民動員部隊)との関係遮断である。これについては、今回の戦争作戦を実行しているIRGCが飲むことのできない要求であり、これを克服することは極めて困難である。しかし、イラン側が、これまで、最高指導者直属であったIRGCを国軍に統合して、表面的には、これらの代理組織に直接働いかけが出来るという構図を塗り替えれば、米側との接点が見いだせる可能性がある。2015年に解除されていた国連制裁の再発動であるスナップバックは、トランプ政権1期目の2020年に、国連制裁再発動を試みたが、当時の欧州や中露が反対し、再発動されていなかったが、今回はイランが合意に反して核開発を進めたとして英・仏・独が主導し、ロシアと中国が提出した制裁発動延期決議案が否決され、2025年9月28日、再び発動されている。これは、米国が取り下げれば、欧州諸国が執着することはないとみられる。トランプ大統領が言及したイランからの贈り物が何なのか、パキスタンを通じて、メッセージを送っている人物が本当にいるのかは不明ながら、パキスタンが動き出しているのは、パキスタンもスンニー派多数の国ではあるものの、国内ではシーア派教徒が多いこと、ならびに交渉の表に出ているのが、パキスタンのムニール陸軍参謀長という軍関係者なので、イラン側の精鋭軍事組織「IRGC革命防衛隊」に実質的に影響力を有する人物が連絡をとっているとみるのが自然であろう。この人物は、アリーラリジャニ氏の後任として最高安全保障評議会(SNSC)書記に就任したIRGCの元副司令官モハンマドバゲル・ゾルガドル氏であるとの見方がある。
https://www.yomiuri.co.jp/world/20260325-GYT1T00202/

Posted by 八木 at 14:58 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

中東情勢悪化をうけた難民移民対策の必要性を訴えるイタリアとデンマーク両国の共同書簡発出[2026年03月22日(Sun)]
イタリア、デンマーク両国は、欧州が「2015年に見られたような難民や移民の流入を繰り返すリスクを冒すことはできない」として、ジョルジア・メローニ・イタリア首相とメッテ・フレデリクセン・デンマーク首相は、3月19日共同書簡を発出し、中東で続く紛争が多数の移民や難民を欧州連合(EU)への入国へと駆り立てる可能性があるとの懸念を表明し、国境管理の強化を求めた。(紛争地域の)人々がそもそも避難を余儀なくされる事態を防ぐため、欧州委員会に対し、中東への数百万ドル規模の支援を承認するよう求めた。そもそも人々が逃げ出すことを思いとどまらせるべきだ、と強調した。
以下3月20日付infomigrantsニュースの主要点
1.共同書簡のポイント
@ シリア内戦から逃れてきた数十万人の移民がEUに流入した2015年から2016年にかけて発生したような、EUへの難民・移民流入の再発は絶対に避けなければならない。これは直接影響を受ける人々にとって人道的大惨事となるだけでなく、EUの安全保障と結束にも影響を及ぼす恐れがある。
A 国内でより厳格な移民政策を推進してきた両首脳は、欧州委員会に対し、中東地域の住民を支援し、欧州への移民流入を抑制することを目的とした4億5800万ユーロの人道支援パッケージを承認するよう求める。支援策は、2月下旬に米国とイスラエルがイランを攻撃した後に始まった中東紛争の影響を、影響を受けた人々が欧州へ逃れる前に、中東諸国が対処するのに役立つはずである。
B 中東で続く紛争は、多くの分野でますます懸念が高まっており、すでに多数の避難民を受け入れている地域に拡大している。 EUは状況が悪化した場合に備え、必要な措置を講じなければならない。過去のように不意を突かれるわけにはいかない。そのためには、国境警備をさらに強化する必要がある

2.EU、革新的な移民対策を検討へ
両首脳はオランダのロブ・イェッテン首相とともに、最近、複数のEU加盟国および欧州委員会の代表者と非公式協議を行い、中東紛争が続く中で移民を減らすための「革新的な」方法を模索した。今月初めには、ドイツのフリードリヒ・メルツ首相も、イランの崩壊の可能性は「広範囲にわたる影響」をもたらし、移民のパターンにも大きな影響を与える可能性があると警告した。

3.国連難民高等弁務官事務所、大規模な人口移動に警鐘を鳴らす 
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は3月中旬、中東紛争により数百万人が避難を余儀なくされていることを受け、「人道支援ニーズの憂慮すべき深刻化」を警告した。国連事務総長報道官のステファン・デュジャリック氏は、レバノンでは数十万人が戦闘に巻き込まれており、継続的な空爆と避難命令によって地域社会全体が住まいを追われていると述べた。リタニ川以南の地域、バールベック県の一部、ベッカー渓谷の一部、そしてベイルート郊外の大部分で、大規模な人口移動が発生している。過去1週間で、66万人以上がレバノン政府に避難民として登録した」と発表した。UNHCRの推計によると、イランでは300万人以上が一時的に避難を余儀なくされており、その多くが安全を求めてテヘランや北部の都市部から逃れている。

4.ドイツはイランからの移民希望者にとって主要な移住先となる可能性
ロックウール財団ベルリンが2024年に実施した調査(ギャラップ社によるイラン人1,007人を対象とした世論調査に基づく)によると、イランからの移民希望者にとってドイツが主要な移住先となり、次いでカナダ(13%)、トルコ(10%)、英国とフランス(6%)が続くと予測されている。この調査では、ディアスポラ・ネットワークが移住の意思決定において重要な役割を果たし、移住費用の削減や社会統合の促進に貢献していることが強調されている。ドイツ政府の最新データによると、2025年1月から11月にかけて13,500人以上のイラン国民がドイツに到着した。しかし、保護率は依然として低い。連邦移民難民庁(BAMF)によると、1月と2月に申請された891件のイラン人難民申請のうち、承認されたのは27.6%で、2025年通年の承認率は11,626件の決定のうち22.8%にとどまっている。
https://www.infomigrants.net/en/post/70472/denmark-italy-urge-eu-to-provide-aid-and-prepare-for-migrant-arrivals-amid-iran-war
(コメント)欧州への非正規移民数の推移をみると、シリア内戦が激化した2015年には、100万人以上の非正規移民がEU域内に到着した。トルコからギリシャの島々に到着する非正規移民が激増したことをうけて、2016年3月当時のメルケル独首相がEUを代表して、トルコを訪問し、エルドアン大統領との間でシリアからの非正規移民の流れをトルコで歯止めをかけるEU・トルコ合意が成立し、以後、シリアからの欧州への移民・難民の流れは大幅に減少した。この合意により37,300人以上がEU諸国に再定住したとされる。中でも、2015年のシリア危機の間、ドイツは何十万人もの難民を受け入れた。2023年末時点で、約97万3000人のシリア人がドイツに居住しており、そのうち約71万2000人が難民認定または一時的な人道的保護を受けている。さらに近年では、2022年2月のロシアによるウクライナ侵攻後、98万人以上のウクライナ難民がドイツに登録された。2025年5月に発足した現在のメルツ政権は、国境管理をより厳格に行う意向を表明し、庇護申請希望者はドイツに到着する前に自らの事情を説明するべきだと主張し、シェンゲン圏内でありながら、EUの隣国からの入国を拒否されるケースが増えている。2025年5月には、補完的保護を認められた外国人の家族統合を2年間停止する閣議決定も行っている。さらに、ノンルフールマン原則を形骸化し、ドイツは、アフガニスタンへの犯罪者強制移送を開始している。ドイツのメルツ首相は25年6月17日、公共放送ZDFのインタビューで、2025年6月の12日間戦争で、イランの核施設などを攻撃したイスラエルを「私たちのために汚れ仕事をしてくれた」と称賛した。2026年2月末からのイスラエル・米国のイラン攻撃で、過去の称賛の言葉が、ブーメランのようにドイツに再び、難民・非正規移民の流れを生み出しかねないような危機を生み出している。
イタリアのメローニ首相は、就任以降、地中海の海上で身柄を確保した非正規移民をEU域外のアルバニアに上陸させて、そこで難民審査を行う協定を2023年11月、アルバニアとの間で結んだ。これについては、イタリアの裁判所が国外での収容を認めず、実施に移されていないものの、EUとしては、この方式も含め、庇護の対象外の非正規移民の国外退去を迅速かつ効果的に進めようとしている。イラン戦争を止めることは、世界のエネルギー危機だけではなく、また、紛争当事国の人々の人道問題、さらには、欧州にとっても、難民・移民問題の危機の再来を防ぐうえでも重要である。

Posted by 八木 at 19:07 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

2つの祝祭日にあたってのイランの新最高指導者ムジュタバ(モジタバ)ハメネイ師のメッセージ[2026年03月21日(Sat)]
イランの新たな最高指導者ムジュタバ・ハメネイ師は20日金曜日のメッセージで、イラン国民と世界中のイスラム教徒に対し、イランの新年にあたるノウルーズとイード・アル=フィトルの2つの祝祭を祝った。そして、「イスラムの戦士たちの目覚ましい勝利についても、皆に祝意を表する必要がある」と述べ、米イスラエルによる侵略で殉教した尊い犠牲者の遺族と生存者、そして1月にイランで発生した外国の支援を受けた暴動の犠牲者にも哀悼の意を表した。

1.過去1年でイラン国民が経験した3つの戦争
メッセージの冒頭で、ハメネイ師は過去1年間のペルシャ暦における重要な出来事の概要を述べた。「この1年間で、我が愛する国民は3つの軍事・安全保障上の戦争を経験した」と述べた。サイエド・ハメネイ師は、自身のテレグラムチャンネルで発表した声明の中で、イランが過去1年間に経験した三つの戦争について言及した。

第一の戦争:昨年6月、「イスラエル」は米国の支援を受けて、イランのエリート指導者や学者を標的とした攻撃を開始し、約1000人が殉教した。ハメネイ師は、敵は政権がすぐに崩壊すると考えていたが、国民の警戒心とイスラム教徒の犠牲によってその目的は阻止されたと説明した。

第二の戦争:1月のクーデター未遂事件。米国とシオニスト政権は、イラン国民が経済的圧力によって敵の目的を達成すると考えていたが、結果として多くの国民が殉教し、甚大な損失を被った。

第三次戦争:ミナブの学校の生徒、戦死した英雄たち、革命防衛隊、陸軍、治安部隊の指揮官や隊員、名もなき兵士、国境警備隊員、そしてその他大勢の人々を含む殉教者一行の見送りから始まった、現在進行中の米イスラエルによる侵略を指す。

2.敵の目的はイランの分裂
演説はさらに、現在の戦争の背後にある戦略的意図を分析した。最高指導者は、敵が自らを支持する大規模な民衆運動を組織することに失敗した後に戦争が開始されたと断言した。ハメネイ師は、敵は「体制の指導者と多くの有力な軍人を殉教させれば、親愛なる国民であるあなた方に恐怖と絶望を与え、あなた方を戦場から追い出すことができる」という幻想を抱いていると説明した。最終的に、敵の目的は「イランを支配し、その後分裂させるという夢を実現すること」だと警告した。

3.人々は敵に「混乱を招く一撃」を与えた
こうした困難にもかかわらず、最高指導者は聖月における国民の対応を称賛した。国民は「断食とジハード(聖戦)を組み合わせ、国土全体に及ぶ広大な防衛線を構築した」とし、広場、住宅街、モスクの至る所に強固な要塞を築いたと述べた。最高指導者は、この広範な動員が敵に「混乱を招く一撃」を与えたと指摘した。その結果、敵は「多くの矛盾した言葉や多くの不条理なことを口にし始めた。これは、思慮深さの欠如と認知能力の弱さの表れである」と述べた。

4.国民生活の安定を「最重要課題」に
ハメネイ師は、国家が直面する「経済戦争」についても言及した。故アリー・ハメネイ最高指導者が常に経済を「今年のスローガン」として掲げていたことを指摘した。敵による「経済的・経営的弱点」へのつけ込みに対抗するため、ハメネイ師は「国民生活の安定、生活・福祉インフラの改善、そして国民全体の富の創出は、敵が仕掛ける経済戦争に対する最重要課題であり、一種の防衛策、さらには大きな前進となるべきである」と強調した。

5.新年のスローガンと経済戦略
ハメネイ師は、国家が抱える課題に対する自身の理解は、国民との直接的な対話に基づいていると述べた。彼は「あらゆる階層の親愛なる国民の声」に耳を傾けるための個人的な努力について逸話を披露し、「例えば、ある時期には、私の要請で手配したタクシーに皆さんと一緒に乗り、匿名のグループとテヘランの街を巡りながら、皆さんの会話に耳を傾けていた」と述べた。師はこの方法を「多くの世論調査よりも優れている」と考えており、「経済や経営上の問題」に関する国民の批判と自身の理解がしばしば一致することに気づいたと指摘した。こうした洞察と専門家による調査に基づき、最高指導者は国の課題に対する新たな「専門家が検証した解決策」の策定を発表した。新年のテーマを正式に定め、「国家統一と国家安全保障に照らす抵抗経済」と宣言した。

6.近隣諸国との関係について
ハメネイ師はメッセージの別の箇所で、近隣諸国との「真剣かつ誠実な」関与政策を強調した。師は、イスラム教への共通の信仰、聖地、共通の民族性、そして「特に傲慢な勢力との対峙における共通の戦略的利益」など、こうした関係を強化するいくつかの「精神的要素」を挙げた。師は特に東の近隣諸国の重要性を強調し、「東の近隣諸国は我々にとって非常に近い存在だと考えている」と述べた。師は地域的な調和を具体的に訴え、「我々の二つの兄弟国であるアフガニスタンとパキスタンが、神の御心にかなうため、そしてイスラム教徒間の分裂を避けるためにも、より良い関係を築くべきだ」と強く求めた。さらに師は、この関係改善を促進するために「必要な措置を講じる用意がある」と付け加えた。

7.最高指導者、偽旗作戦に警告
最近の安全保障情勢について、最高指導者はオマーンとトルコへの攻撃へのイランの関与を明確に否定した。「トルコとオマーンはいずれもイランと良好な関係にあるが、これらの国々の特定の場所を標的とした攻撃は、イスラム共和国軍や抵抗戦線の他の勢力によって実行されたものではない。これはシオニストの敵による策略であり、イスラム共和国とその近隣諸国との間に不和を生み出すために偽旗作戦を用いている。同様のことは他の国々でも起こりうる」と強調した。
https://www.tasnimnews.ir/en/news/2026/03/20/3545721/ayatollah-khamenei-underlines-importance-of-national-unity-in-new-year-message

(コメント)3月20日は、ラマダン(断食)月明けの大祭イードアルフィトルの開始と、春の訪れを祝うノウルーズ祭と重なった。本来、二つのお祭りを祝うはずのイラン国民の頭上には、春の香りの替わりに、爆弾の雨が降り注いでいる。この機会をとらえて、イラン・イスラム体制の新たな指導者ムジュタバ・ハメネイ師がイラン国民ならびにシーア派イスラム教徒にメッセージを発出した。その中で、特に注目されるのは、ハメネイ師が恐れているのは、国民の分裂で、まさに敵は国民の分裂を煽っており、これに対して、国民は、「断食とジハード(聖戦)を組み合わせ、国土全体に及ぶ広大な防衛線を構築した」とし、広場、住宅街、モスクの至る所に強固な要塞を築くことにより、敵に「混乱を招く一撃」を与えたと指摘した。
この関連で、イラン当局は3月19日、オーストラリアから帰国した女子サッカー代表チームを英雄として歓迎した。一部の選手はオーストラリアで亡命申請を行った後、イランが家族に圧力をかけたとの非難を受け、申請を取り下げていた。女子アジアカップ出場のためオーストラリアへ渡航した選手6人とスタッフ1人は、初戦前に国歌斉唱を行わなかったことでイランの強硬派から批判を浴び、3月初めにオーストラリアに亡命を申請していた。彼女たちのうち5人は後で考えを変え、キャプテンのザフラ・ガンバリを含む他のチームメンバーと共に帰国した。国営テレビの映像によると、19日夜、テヘラン中心部のヴァリアスル広場で行われた歓迎式典には、イラン国旗を掲げた数千人が集まった。この広場では、ここ数週間、親政府集会が他にも開催されている。米・イスラエルの連日激しい爆撃をうけるイランの指導部にとって、国民が分裂して体制に反旗を翻すのか、体制継続を支持するのかが革命体制の命運を握る最重要事項であると考えている。5人が当初の亡命の意向を取り下げた裏には、本国の家族への脅迫などがあったのではないかと人権団体はみているものの、イラン指導部にとっては、本国の厳しい状況下、亡命申請を考え直して、本国に帰還した女子選手を「英雄」と位置付けて、大歓迎している。
ハメネイ師は、今回のメッセージ発出においても、公に姿を現さなかった。イランのシーア派で多数を占める12イマーム派は、874年に姿を消し、死ぬことなく隠れ続けている(ガイバ)と信じられている最後の指導者第12代イマーム(ムハンマド・ムンタザル)が世界の終末に救世主マフディとして再臨することを信奉している。ハメネイ師はイマームではないものの、米・イスラエルによる指導者斬首作戦が続く中、身を隠し、メッセージを発出し続けることで、イラン国民の求心力を保つことができるかが問われている。
https://www.aljazeera.com/sports/2026/3/20/iran-womens-football-team-feted-in-tehran-after-asylum-battle-at-asian-cup

Posted by 八木 at 16:43 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

カタール首相兼外相による対イラン戦争即時終結要求の背景[2026年03月20日(Fri)]
3月19日、カタールは、イランに対する米イスラエル戦争の「即時」終結を求め、湾岸主要エネルギー生産国として初めて、無条件での紛争停止を明確に要求した。カタールのムハンマド外相兼首相は、トルコのハカン・フィダン外相と並んで、「この戦争は直ちに停止しなければならない。侵略行為は直ちに停止しなければならない。この戦争の最大の受益者が誰なのか、そして地域全体をこの紛争に巻き込んでいるのが誰なのかは、誰もが知っている」と述べた。カタールの即時終結要求は注目に値する。なぜなら、18日にアラブ諸国とイスラム諸国が発表した声明では、戦闘の無条件停止は求められていなかったからだ。声明では、イランによる攻撃の即時停止が求められ、概して湾岸諸国の石油・ガス施設を攻撃したイランが非難されていたからである。18日、この声明は、リヤドでの会合後、エジプト、サウジアラビア、トルコ、アラブ首長国連邦、アゼルバイジャン、パキスタン、カタール、クウェート、レバノン、ヨルダン、シリアによって発表された。
https://www.middleeasteye.net/news/qatar-calls-immediate-end-us-israeli-war-after-attack-gas-facility
2.ネタニヤフ首相演説のイランのサウスパースガス田施設攻撃関連部分
その1:イスラエルは(サウスパース)アサルイェガス施設に対して単独で行動した。
その2:トランプ大統領は今後の攻撃を控えるよう私たちに求め、私たちはそれを実行している。
質問:トランプ大統領は19日、イスラエルによるイランのガス田への攻撃を好ましく思わないと述べた。そこで質問です。大統領はイスラエルがそのガス田を攻撃したことを知っていたのか?承認したのか?
2点申し上げる。まず1つ目は、イスラエルはアサルイェのガス施設に対して単独で行動したということ。2つ目は、トランプ大統領が今後の攻撃を控えるよう要請し、我々はそれを実行に移しているということ。
https://www.timesofisrael.com/on-19th-day-of-war-netanyahu-says-iran-can-no-longer-enrich-uranium-build-missiles/
(コメント) カタールのムハンマド首相兼外相は、この戦争の最大の受益者が誰なのか、そして地域全体をこの紛争に巻き込んでいるのが誰なのかは、誰もが知っていると述べた。最大の受益者とは、言うまでもなくイスラエルである。ネタニヤフ首相は、自分たちが、この戦争に米国を引きずり込んだという見方はフェークで、この世界にトランプ大統領に指図できる人がいると本気で思っているのかと語気を強めた。しかし、イランを除けば、この戦争で最大の被害をうけるのが、湾岸の石油・ガス資源国であるということがますます明白になってきている。カタールは、3月18日のイランIRGCによるミサイル攻撃で同LNGプラントがあるラスラファンの複合施設は「甚大な被害」を被り、液化天然ガス(LNG)輸出能力の約17%に相当する生産が停止したと報じられている。イランのアラグチ外相は、今回の攻撃をやむを得ない限定的な攻撃であったと主張した。カタールは、イランのサウスパースガス田とペルシャ湾の地下で共有するノースフィールド・ガス田でガスを採掘しており、天然ガスを三段階に分けて、増産を進めてきており、中国CNPCやシノペック(年間400万トン)、英国のシェル、仏のトタール(双方年間350万トン)、イタリアのENI(年間100万トン)などと2026年から27年間の長期LNG供給契約を結んでおり、さらに2021年末で一旦長期契約を打ち切った日本のJERAとも、2026年2月3日、JERAとカタール・エナジーは、28年から27年間の長期契約(年間約300万トン)を締結している。2030年末までにカタールのLNG生産能力を第一段階の1.1億トンから第二段階の1.26億トン、2030年までには、同国の生産量1.42億トン/年に引き上げる計画を進めてきており、LNGを運搬するための船舶も韓国や中国に積極的に発注し、カタールは米、豪州と並んで世界のLNG輸出の代表的な国のひとつとなっている。このため、カタールは、ホルムズ海峡の一時的な封鎖だけでなく、カタール沖合の天然ガス関連インフラの破壊が同国に長期的かつ甚大なダメージを及ぼすことを十分承知している。したがって、今回、カタールのガスインフラを攻撃したイランを非難することはもちろんであるが、イランの報復を呼び込んだイスラエルのサウスパースガス田施設攻撃に象徴されるエネルギー関連インフラへの双方による攻撃の停止を強く求めている。19日のネタニヤフ首相の演説では、イランのガス施設攻撃は、イスラエルの単独行動であったこと、トランプ大統領は、今後の攻撃を控えるよう求め、イスラエルはそれを実行していると述べている。これが、事実であれば、2月28日の開戦後、初めて、現在の交戦が、湾岸諸国のエネルギー関連インフラ全体を巻き込む、泥沼状態に陥る手前で抑制の兆候が出始めていることを示している。これと並行して、米政府が、イランの原油タンカーへの制裁を一時解除する兆候が出ているとの報道も出始めている。ベッセント財務長官は、米FOXビジネスのインタビューですでに海上にある約1億4000万バレルのイラン産石油について販売規制を取り除く可能性を検討中であることを示唆した。カタール首相兼外相の即時停戦要求とネタニヤフ首相の(石油・ガス関連)インフラへの攻撃停止が、ペルシャ湾岸における最悪の事態回避につながることを期待したい。
https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-03-19/TC5G98KGZAVB00

Posted by 八木 at 16:44 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

トランプ支持者であった米国の情報部門高官辞任の意味[2026年03月19日(Thu)]
3月17日、米国の国家対テロセンター所長で、元グリーンベレー隊員であり、トランプ大統領の長年の支持者でもあるジョー・ケント氏が、イラン戦争を理由に辞任したことが明らかになった。
1.ケント所長辞任のトランプ大統領あて書簡要旨(3月17日にXで書簡公表)
良心に照らして、現在進行中のイラン戦争を支持することはできないイランは我が国に差し迫った脅威を与えていなかった。この戦争は、イスラエルとその強力なアメリカロビーからの圧力によって始まったことは明らかである。大統領の最初の任期中、私は、大統領の価値観を支持していた。2025年6月までは、大統領が中東の戦争は「罠」であることを理解していた。最初の任期で大統領は、近年の如何なる大統領よりも、軍事力の行使を終わりのなり戦争に巻き込むように行使しないことを理解していた。カーセムソレイマニ(IRGCコッズ部隊司令官)殺害やISIS排除の時にも大統領はそれを示していた。イスラエルの高官や影響力のある米国メディアは、大統領の「米国ファースト」プラットフォームを傷つけ、イランとの戦争を焚きつける偽情報キャンペーンを展開した。これが大統領をだまし、イランがアメリカの差し迫った脅威であると大統領を信じ込ませることとなった。アメリカ国民に何の利益ももたらさず、アメリカ人の命の犠牲を正当化するものではない戦争に、次世代を戦場に送り込んで死なせることは支持できない
2.国家対テロセンターは、テロの脅威に関する米国政府の情報活動を統括し、既知および容疑のあるすべてのテロリストのデータベースを管理している。ケント氏は、国家情報長官のタルシ・ギャバード氏の下で勤務しており、両者は政治的な盟友だった。ギャバード氏は戦争開始以来、目立った活動を控えており、以前にも米国の海外軍事介入を批判していた。特にギャバード長官は民主党議員時代も、後に共和党に鞍替えした後も長年反戦の立場を貫いてきており、トランプ大統領が彼女を冷遇しているようにみえるとのこと。書簡の公表と、ケント氏の辞任表明をうけ、ホワイトハウスのレビッド報道官はソーシャルメディアで、「トランプ大統領が明確かつ明言したように、イランがアメリカを先制攻撃するであろうという強力かつ説得力のある証拠があった」と述べた。
https://www.nytimes.com/2026/03/17/us/politics/joe-kent-counterterrorism-resigns-iran-war.html

3.3月18日、ケント氏の上司であったタルシ・ギャバード国家情報長官(DNI)は、イランとの戦争が4週目に突入する中、米国にとって「差し迫った脅威」とは何かを判断するのは自分の職務ではないと議員らに語った。ギャバード氏は上院情報委員会の公聴会で、そのような判断を下せるのはドナルド・トランプ大統領だけだと主張した。民主党にとって公聴会の鍵となったのは、トランプ大統領が事態の重大性を全く認識していたかどうかであり、「イラン政権による『差し迫った核の脅威』が存在するという情報機関の評価は、イエスかノーかでお答えください」と、ジョージア州選出の民主党上院議員ジョン・オソフ氏は尋ねた。「上院議員、何が差し迫った脅威で何がそうでないかを判断できるのは大統領だけである…情報機関の責任ではない」とギャバード長官は答えた。オソフ氏は彼女の言葉を遮り、「米国に対する脅威とは何かを判断するのは、まさにあなたの責任である」と述べた。
バージニア州選出の民主党上院議員マーク・ワーナー氏は、ギャバード長官に対し、「イランが海峡に侵攻する可能性は低いという情報を提供したのか」と問い詰めた。ギャバード氏は、トランプ大統領が世界の石油供給量の20%を輸送する水路をイランが封鎖したことに驚きを表明したという発言について、「承知していない」と答えた。先週、政権当局者らは、ホルムズ海峡を事実上封鎖したイランの行動に当局者が不意を突かれたと報じたCNNを非難した。「歴史的に見て、イランは常に支配力を行使して脅迫してきた」とギャバード長官は述べた。「大統領との内部協議の内容は、これまでも、そしてこれからも公表しない」と付け加えた。
https://www.middleeasteye.net/news/top-us-intelligence-official-says-its-not-her-job-assess-imminent-threats

(コメント)予想通り、ケント氏の姿勢はトランプ大統領から厳しい非難を浴びた。17日「彼はいい人だと思っていたが、安全保障に関しては弱腰だと常に思っていた。イランは脅威ではないと言ったのだから、彼が辞任したのは良いことだ。」とトランプ大統領は、大統領執務室で記者団に語った。上司のギャバード国家情報庁長官の反応をみても、イランが米国への差し迫った脅威であるとのブリーフィングを行ったとはみられない。ケント氏が述べているように、イスラエルとイスラエルロビーの働きかけが、トランプ大統領のイスラエル攻撃開始に決定的影響を与えたことが伺える。ケント氏も、25年6月のイラン・イスラエル戦争を止めた時点と現在では、トランプ大統領の行動に決定的な変化がみられることを示している。イスラエルの対イラン戦争の動機はあきらかであり、40年以上求め続けてきたイラン革命体制を崩壊させることで、これまでイスラエルの脅威とみなしてきたハマスの軍事部門指導部、ヤヒヤ・シンワル、ムハンマド・ディーフ、政治部門トップであったイスマイール・ハニーヤを次々に殺害し、隣国レバノンでは、ヒズボラのトップのナスラッラー師をバンカーバスターで排除し、おそらくシリアでは、間接的にアサド政権の崩壊を支援し、そして、イランでの最高指導者ハメネイ師殺害、その後の事実上のトップのアリー・ラリジャニ氏殺害という親イラン勢力指導者・高官の斬首作戦を展開し、イランイスラム体制を崩壊させ、親イスラエル政権を樹立することにあるのは間違いない。しかし、米国の利益は、イスラエルとは一致しないはずである。トランプ大統領には、ベネズエラでのマドゥロ大統領急襲作戦の成功体験で、ハメネイ殺害でイラン政府が同じ行動をとるのかと期待していたとすれば、それは大きな読み間違いであろう。米国情報機関もそのようなお墨付きは与えていないはずである。こうした中にも、湾岸諸国や世界のエネルギー消費国を巻き込み、傷口がどんどん広がっている。トランプ大統領を止めるのは、西側指導者でも湾岸指導者でもなく、また、中国やロシアでもなく、結局は足元の米国民しかないということが明らかになりつつある。

Posted by 八木 at 17:54 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

イスラエルによるイランの天然ガス施設攻撃に対するイランの湾岸エネルギー施設報復攻撃の警告[2026年03月19日(Thu)]
イランは、3月18日湾岸アラブ地域の主要なエネルギー施設および石油化学施設付近に居住する住民に対し、緊急避難勧告を発令した。これらの施設は今後数時間以内に正当な軍事目標となる可能性があると宣言した。警告対象施設には、サウジアラビアのサマリーフ(SAMREF)製油所、アラブ首長国連邦のアル・ホスン(Al-Hosn)ガス田、サウジアラビアのジュベイル(Jubail)石油化学コンプレックス(シェブロン)、カタールのメサイード(Mesaieed)石油化学コンプレックス、カタールのラス・ラファン(Ras Laffan)製油所などが含まれる。住民は直ちにこれらの施設から距離を置くよう強く促された。

警告文
「これらの施設は直接的かつ正当な標的となり、今後数時間以内に攻撃される。したがって、すべての市民、居住者、従業員は直ちにこれらの地域から避難し、遅滞なく安全な距離まで移動するよう要請する」(個別施設名)。


イラン革命防衛隊(IRGC)「ハタム・アル・アンビヤ」中央司令部は、イランの燃料、エネルギー、ガス、経済インフラを標的とした米イスラエルによるいかなる攻撃に対しても、攻撃の元凶に対し強力かつ直接的な報復を行う、敵は、そのような攻撃が行われた場合、イラン軍による強力な反撃を覚悟すべきである、と宣言する厳しい声明を発表した。イランはこれは「正当な権利」の範囲内であり、今後の報復は「迅速かつ壊滅的なものになる」と警告した。この後、実際に、カタールのラス・ラファン工業地区が、攻撃により「甚大な被害」を受けたと当局が明らかにした。同工業地区は世界最大のLNG輸出プラントを擁する。アブダビは、ハブシャンのガス施設などを標的としたミサイルを迎撃し、破片が落下した影響で操業を停止したと発表した。イランのファルス通信は18日、バーレーンのLNG精製施設が激しいミサイル攻撃を受けたと、情報源を明示せずに伝えた。この施設は米国関連施設の一つとみられる。

2.米国と「イスラエル」がイランのサウスパースガス田のガス施設を攻撃
イラン国営テレビは、18日サウスパースガス田の第3、第4、第5、第6段階が攻撃されたと報じた。イスラエル当局も同様に、18日朝、ブーシェル州にあるイラン最大の天然ガス処理施設を爆撃したと発表した。一方、イランの報道によると、サウスパースとアサルイェ地域が攻撃され、複数の段階が操業停止に追い込まれた。取引データによると、イランのガス施設への攻撃後、欧州のガス価格は6%上昇し、3月9日以来初めて1,000立方メートル当たり650ドルを超えた。米ニュースサイトのアクシオスは当局者の話として、イスラエル軍がトランプ米政権と調整し、承認を得て、イラン・ブシェール州の天然ガス関連施設を空爆したと伝えた。米・イスラエル軍のイラン軍事作戦開始以降、イラン経済に重要な天然ガス施設の攻‌撃は⁠今回が初めてとされる。
https://english.almayadeen.net/news/politics/iran-issues-urgent-evacuation-warnings-near-key-gulf-energy
https://jp.reuters.com/markets/commodities/T22QO23VMVKIRA2OZEMOCEY2MQ-2026-03-18/
https://www.bloomberg.com/jp/news/articles/2026-03-18/TC424GT96OSG00

(コメント)イランのサウスパースへの攻撃は、戦闘開始以降でイランの上流施設が標的となる初の事例とみられる。米国は先週、原油輸出拠点カーグ(ハルグ)島を攻撃したが、標的は軍事施設に限定していた。今回エネルギー上流施設が攻撃されたことで、イラン側は、攻撃対象を湾岸全域のエネルギー施設に拡大するとみられ、国際石油価格、天然ガス価格の更なる急騰は避けられない。上流施設、精製施設の破壊合戦が行われれば、仮に戦闘がやんでも、施設修復に時間がかかり、消費国は、この間に調達先の多様化を求めることは確実であり、イランだけではなく中東資源国全体のエネルギー産業に中長期的打撃を及ぼすことは確実である。また、ペルシャ湾が、原油の流出などで汚染される可能性もあり、そうなれば、海水淡水化によって真水を賄っている湾岸諸国住民にとっても大打撃となる。誰にとっても必要のない、甚大なる害をもたらすだけの戦争をなぜ、国際社会は止めようとしないのであろうか。

Posted by 八木 at 10:39 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

トランプ大統領の有志連合参加要請に対する各国の反応[2026年03月17日(Tue)]
トランプ大統領は、世界の原油輸送量の20%以上が通過する狭い海峡であるホルムズ海峡の再開に向けて米国と協力するNATO加盟国からの支援が不足していることに怒りを表明した。トランプ大統領は16日、「多くの国が協力の意思を示している」と発表したが、具体的な国名は公表しなかった。「非常に熱心な国もあれば、長年にわたり我々が支援し、恐ろしい外部勢力から守ってきた国々の中には、それほど熱心ではない国もある。私にとって、熱意の度合いは重要だ」と述べた。トランプ大統領はまた、米国がNATOの資金の大部分を拠出しており、ウクライナの対ロシア防衛費の大部分も負担していることから、ブリュッセルはワシントンに恩義があると示唆した。「プーチン大統領に聞いてみればいい。プーチンは我々(米国)を恐れている。しかし、欧州を全く恐れていない」と述べた。
一方、中国も「有志連合」への参加に後ろ向きであることをうけ、「戦争中」であることを理由に、3月末からの中国訪問と習近平国家主席との会談を1ヵ月程度延期したいと申し出たことを明らかにした。
1.西側同盟国右矢印1ドイツ、フランス、英国は、既に参加を拒否
(1)英:トランプ大統領は、特に英国の姿勢に「驚いた」「不満だ」と述べた。トランプ大統領は、英国のキア・スターマー首相との別の会話について、スターマー首相が米国の支援の是非について顧問と協議したことを非難した。「私はこう言いました。『チームと会合を開く必要はありません。あなたは首相なのですから、ご自身で決定を下せるはずです。掃海艇を派遣するかどうか、あるいは対策を強化するかどうかを決めるために、なぜチームと会合を開かなければならないのですか?』
(2)仏:トランプ大統領は仏のエマニュエル・マクロン大統領話し合ったものの、「強く説得はしなかった。なぜなら、私の考えでは、我々は誰の助けも必要としていないからだ。我々は世界最強の国家だ。圧倒的に最強の軍隊を持っている。彼らを必要としていない。だが、興味深いことに、場合によっては彼らと協力するかもしれない。必要だからではなく、彼らがどう反応するかを知りたいからだ。」と述べた。
(3)独:3月16日、ピストリウス国防相は、トランプ大統領の要求に応じることによって「紛争に引きずり込まれるおそれがうまれる。NATO域外での活動について、国際法上の根拠やドイツ連邦議会の承認が必要になる。艦船の派遣は間違いなく事態の解決には寄与しない。(トランプ氏が」何を期待しているのか。強力な米海軍が単独では成し遂げられないことを、欧州の数隻の護衛艦に期待しているというのか。これは我々の戦争ではない。我々が始めた戦争でもない」と語り、イランに対する攻撃から距離を置く姿勢を示した。
https://www.middleeasteye.net/news/trump-clashes-nato-countries-over-refusal-help-reopen-strait-hormuz
https://www.aljazeera.com/news/2026/3/16/eu-leaders-reject-military-involvement-in-strait-of-hormuz-amid-war-on-iran#:~:text=Pushback%20comes%20as%20US%20President,military%20operations%20during%20the%20conflict.
2. 中国の立場右矢印1間接的に参加拒否。トランプ大統領訪中を一カ月延長
(1)3月13日、林堅外務省報道官は、トランプ大統領の呼びかけについて問われた際に「中国の立場は明確だ。我々は改めて、関係各国に対し、軍事行動を直ちに停止し、緊張のさらなる高まりとエスカレーションを避け、地域情勢の混乱が世界経済成長に大きな影響を与えることを防ぐよう求める。ホルムズ海峡とその周辺海域は、最近の緊張の高まりにより、国際的な物資とエネルギーの輸送を阻害し、地域と世界の平和と安定を損なっている」と述べた。
(2)3月16日、ドナルド・トランプ大統領は、イランとの戦争が続いているため、北京で予定していた習近平国家主席との会談を「1カ月ほど」延期するよう要請したと述べた。トランプ大統領は3月末に習主席との会談のため中国を訪問する予定だった。中国と協議している。会談したい気持ちはあるが、戦争のため、私はここにいなければならない。そのため、1カ月ほど延期するよう要請した。彼(習近平国家主席)と会えるのを楽しみにしている。我々は非常に良好な関係を築いている。特に裏があるわけではない。非常に単純なことだ。戦争が起きている。私がここにいることが重要だと考えている」と述べた。
(コメント)2019年のホルムズ海峡付近の安全航行を守るために結成されたトランプ第一次政権下の米国主導の「有志連合」には、湾岸諸国のほかには、英、豪、アルバニア(イランの反体制派の拠点アシャラフ3を国内に受け入れていた経緯あり)、韓国が参加を表明した。今回のトランプ大統領の要請に、西側の同盟国、特に、英、仏、独は参加を明確に断り中国も事実上、参加しない意向を表明した。これに対して、トランプ大統領は、英国のスターマー首相に失望を表明し、また、NATOメンバー国に対しても、米国の要請に協力しないことが何を意味するか、ウクライナ支援はどうなるのかわかっているのかと脅した。また、原油の約4割をホルムズ海峡経由で調達している中国が、ホルムズ海峡の安全確保に参加しようとしていないことをうけて、「表現は穏やかながら」戦争中であることを理由に、中国に一カ月程度の訪問延期を申し出たことが明らかになった。こうした中、日本と韓国の対応に関心が集まっており、なかでも19日に首脳会談が予定されている高市総理が、トランプ大統領の要請にどのような回答をもって訪米するのか、ますます注目されている。

Posted by 八木 at 11:26 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

トランプ大統領によるホルムズ海峡安全航行確保のための新たな「有志連合」結成と主要国への船舶派遣要請 [2026年03月16日(Mon)]
3月14日イランへのさらなる爆撃をちらつかせた後、トランプ大統領は中国、フランス、日本、韓国、英国に対し、海峡の安全確保のために軍艦を派遣するよう要請した。トランプ大統領は、ホルムズ海峡の恩恵を受けている国々が、そこで悪いことが起きないよう確保する手助けをするのは当然のことだと主張し、もし(積極的)反応がないか、否定的な反応をすれば、北大西洋条約機構(NATO)の将来は非常に悪いことになるだろう、と脅した。こうした中、3月19日に高市総理の訪米・首脳会談が予定されている日本の対応に国際社会の注目が集まっている。

1.トランプ発言(以下3月15日付アルジャジーラ報道より)
3月14日、トランプ氏は自身のソーシャルメディアプラットフォーム「Truth Social」に「イランの軍事力は100%破壊された。イランは、ドローンを1、2機飛ばしたり、機雷を敷設したり、近距離ミサイルをこの海峡沿い、あるいは海峡内に発射したりする可能性がある。この人為的な制約の影響を受けている中国、フランス、日本、韓国、英国、その他諸国が、ホルムズ海峡に艦船を派遣し、完全に首を切り落とされた国(注:イランのこと)による脅威がなくなることを願う。その間、米国は沿岸部を徹底的に爆撃し、イランの船舶を次々と撃沈していく。いずれにせよ、我々は間もなくホルムズ海峡を開放し、安全で自由な海峡にするだろう!」と投稿した。
3月15日、トランプ米大統領は、ホルムズ海峡を航行する船舶の安全を確保するための艦船派遣を巡り、中国が前向きな動きを示さなければ、3月末から予定する訪問と習近平国家主席との会談を「延期するかもしれない」と語った。欧州各国に対しても、協力しなければ米欧の同盟関係は「極めて厳しい未来」になるとも警告した。

2.イラン側反応
(1)イラン革命防衛隊海軍司令官のアリレザ・タンシリ氏は声明で、米国がイラン海軍を壊滅させた、あるいは石油タンカーの安全な護衛を提供しているという主張は虚偽であるとして、「ホルムズ海峡は軍事的に封鎖されておらず、単に管理下にあるだけだ」と声明で述べた。
(2)イランのアラグチ外相は、「ホルムズ海峡は開放されている。閉鎖されているのは、我々の敵、我々とその同盟国を攻撃している国のタンカーや船舶だけだ。その他の船舶は自由に航行できる」と述べた。

3.国際社会の反応
現在までのところ、トランプ大統領のホルムズ海峡警護のための軍艦派遣要請に公に同意した国はない。
(1)英国:、エド・ミリバンド英エネルギー相は、「海峡の再開は極めて重要であり、同盟国と協力し、何ができるかを精力的に検討している」と述べた。
(2)中国:外務省当局者は、北京は敵対行為の停止を求めており、「すべての当事者が安定した円滑なエネルギー供給を確保する責任を負っている」と述べた。
(3)日本:自民党の小林孝之政調会長は、3月15日のNHKの番組で、「法的には可能性を排除しないが、紛争が続いている現状を鑑みると、非常に慎重に検討すべきだと考えている。」と述べ、自衛隊による船舶防護について「非常にハードルが高い」と指摘。「トランプ氏の発言はその時々で変化する」とも述べ、首脳会談で真意を見極める必要があると主張した。」と述べた。
(4)フランス:仏外務省は3月14日の声明で、「姿勢は変わっていない。依然として防衛的な姿勢だ」と述べ、マクロン大統領がフランスはイランとの戦争には参加しないと表明したことに言及した。
(5)韓国:石油の70%を湾岸諸国から輸入している韓国は、トランプ大統領の発言を「注視している」とし、「エネルギー輸送ルートの安全を確保するため、様々な措置を包括的に検討・模索している」と述べた。
(6)豪州:アルバニージー首相率いる豪内閣キング運輸インフラ相は16日、豪放送局ABCラジオに対し、中東情勢の結果として生じている経済危機にこの国は十分備えているが、艦船を派遣する計画はない、と語った。

4.イランと協議しているとみられる国々
(1)インド:液化石油ガス(LPG)を積んだインド船籍のタンカー2隻がホルムズ海峡を通過した。インドはLPG輸入の80%をこの海峡に依存している。イランとの戦争により、インドの3億3300万世帯で調理用ガスが深刻な不足に陥っている。インドは長年イランと関係を築いてきたが、開戦直前にイスラエルを公式訪問してネタニヤフ首相との友好関係をアピールしたモディ首相率いるインド政府はアリー・ハメネイ師の殺害を非難していない。一方、数百万人のインド国民が働き、毎年510億ドルもの送金を本国に送っている湾岸諸国へのイランの報復攻撃は非難している。イランのモハマド・ファタリ駐インド大使は、テヘランが封鎖の例外として一部のインド船舶のホルムズ海峡通過を許可したと述べたが、船舶の数は明らかにしなかった。
(2)トルコ:トルコ所有の船舶も先週、アンカラがテヘランと直接交渉した結果、同様に通過許可を得た。さらに14隻のトルコ船舶が通過許可を待っているとのこと。
(3)フランスとイタリア:、自国船舶の海峡通過を認める協定を交渉するため、イラン当局と協議を開始したと報じられているが、公式な確認はまだない
https://www.aljazeera.com/news/2026/3/15/trump-calls-for-naval-coalition-to-open-strait-of-hormuz-can-it-work

(参考1)アラグチ・イラン外相のCBSとのインタビュー(2026年3月15日)
Qイランは停戦を求めたのか
A.いいえ、我々は停戦を求めたことは一度もありませんし、交渉を求めたことも一度もありません。我々は必要な限り自衛する用意があります。そして、我々はこれまでそうしてきましたし、トランプ大統領が、これが勝利のない違法な戦争だと認めるまで、そうし続けるつもりです。ご存知のように、トランプ大統領が楽しみたいというだけの理由で、人々が殺されているのです。彼はこう言っています。ですから、私たちは――ええ、彼が言ったように、彼らは船を沈めたり、さまざまな場所を標的にしたりするのは楽しいからだというのです。そして、戦争(国防)長官は、慈悲はないと言っています。これは実際には戦争犯罪です。そう言うこと自体が戦争犯罪です。ですから、これはトランプ大統領とアメリカ合衆国による選択戦争であり、私たちは自衛を続けていきます。
Qこれはイランにとっての生存戦争か
Aいいえ、これは生存戦争ではありません。私たちは、ご存知のように、安定していて十分に強いのです。私たちは、この侵略行為から国民を守っているだけです。そして、アメリカ人と話し合う理由が全く見当たりません。なぜなら、彼らが私たちを攻撃することを決めた時、私たちは彼らと話し合っていたからです。しかも、それは二度目(25年6月の攻撃を指す)のことでした。アメリカ人と話し合って良い経験などありません。私たちは話し合っていたのに、なぜ彼らは私たちを攻撃することにしたのでしょうか?もう一度話し合いに戻っても、何のメリットがあるというのでしょうか?
Qイランは、湾岸地域におけるアメリカの同盟国である近隣諸国にドローンとミサイルを送り込んでいる。戦争前、イラン政府はこれらの国々と貿易を行い、関係を築いていた。もしイラン政府がこの紛争を生き延びたとして、ドローンを送り込み民間人を標的にしている国々と、どうやって再びビジネス関係を築けるのか
A明らかにこれらの国々は、アメリカ軍が我々を攻撃するために自国の領土を明け渡した国々です。では、我々はどうするのでしょうか?ただ座って、アメリカ軍が自国の領土から我々を攻撃しているのを見ているだけでしょうか
Qイランのドローンは、民間地域で、施設やホテルや民間人を攻撃したのではないか
Aいいえ、これは事実ではありません。我々はアメリカの資産、アメリカの施設、アメリカの軍事基地だけを標的にしています。すべてはアメリカ人のものであり、彼らがその土地を利用しているというのは事実です。例はたくさんあります。つい昨日も、彼らはHIMARS砲弾ロケットを使って我々の島々を攻撃しました。これは低射程のロケットで、彼らはUAEの領土を使って我々を攻撃しています。1週間ほど前には、3機のF-15戦闘機がクウェートで味方の誤射で撃墜されたようです。しかし、誰も彼らがクウェートで何をしていたのかを問いませんでした。彼らはクウェート、つまり友好国である隣国の領土を使って我々を攻撃していたのです。ですから、我々がこれについて沈黙を守ることはできないのは明らかです。
Qフィナンシャル・タイムズ紙は、フランスとイタリアは、船舶の安全な航行を確保するため、貴国政府と協議していると報じている。石油・ガス輸送船の航行再開について、貴国は前向きな姿勢を持っているのか?
A私たちは船舶の安全な航行について話し合いたい国からの申し出を歓迎します。それは私たちの状況によります。特定の国名を挙げることはできませんが、多くの国から船舶の安全な航行を求める申し出を受けています。これは軍が決定することであり、軍は既に、様々な国の船舶群が安全に航行できるよう許可することを決定しました。我々は海峡を閉鎖していないため、船舶の安全を確保しています。米国の侵略行為による治安の悪化のため、船舶が自ら航行できないのです。
(以下省略)
https://www.cbsnews.com/news/iranian-foreign-minister-abbas-araghchi-face-the-nation-transcript-03-15-2026/

(参考2)メローニ・イタリア首相のイタリア上院での発言(3月11日)
メローニ首相は11日、上院で演説し、米国とイスラエルによるイラン攻撃について、「国際法の範囲外」の介入であり、イタリアはこの介入に参加しておらず、参加する意思もない国際法の範囲外で実施される一方的な介入が増えている中、米国とイスラエルによるイランへの介入もこれに位置づけなければいけない、とも強調し、米・イスラエルの軍事行動から距離を置く姿勢を改めて示した。
https://www.asahi.com/articles/ASV3C73G0V3CUHBI001M.html
(参考3)フォン・デア・ライエンEU委員長発言とイランの反応
フォン・デア・ライエン委員長は3月9日のX(オンライン掲示板)への投稿で、「イラン国民は自由、尊厳、そして自らの未来を決定する権利を持つに値する。たとえそれが戦争中および戦後において危険と不安定に満ちたものとなることを承知していたとしてもだ。我々は今、予期せぬ結果をもたらす地域紛争を目の当たりにしている。キプロスにある英国軍基地が標的となった。私はキプロスへの全面的な連帯を改めて表明したい」と述べた。これに対して、イラン外務省バカイ報道官は自身のXアカウントへの投稿で、フォン・デア・ライエン委員長の発言に対し、「偽善はやめてほしい。あなたは歴史の誤った側に立つことでキャリアを築いてきた。占領、ジェノサイド、残虐行為を容認し、今度はイラン人に対する米国とイスラエルの侵略犯罪と戦争犯罪を隠蔽しようとしている。ミナブ市で165人以上の罪のないイランの幼い天使たちが虐殺された時、あなたはどこにいたのか。病院、史跡、石油施設、外交警察本部、消防署、住宅街が残虐に標的にされた時、なぜ何も言わないのか」イラン報道官は欧州当局者に問い詰めた。「無法行為と残虐行為を前に沈黙することは、共犯に他ならない。あなたの投稿への反応で、人々があなたの『犯罪者の隠蔽』についてどう思っているか、よく見てほしい」と投稿
https://www.tasnimnews.ir/en/news/2026/03/10/3537054/iran-condemns-von-der-leyen-s-hypocritical-comments-amid-us-israeli-aggression

(参考4)2019年の米国主導のホルムズ海峡護衛のための有志連合形成の例
2019年5月12日にフジャイラ沖で4隻のタンカー等が爆発損傷し、続いて安倍総理のイランの最高指導者ハメネイ師との会談当日6月13日早朝に、ホルムズ海峡付近で日本船舶を含むタンカー2隻が爆発損傷した。米国は、これらの爆発損傷行為の主体はイランであるとみなし、一方、イラン側は完全否定してきた。米国は、ホルムズ海峡等の航行の自由と安全を確保するためとして、海峡を航行する船舶護衛のための「有志連合」構想への参加を日本を含む各国に呼びかけ、「国際海上保安機構」(仮称)と称する組織を立ち上げた。こうした中同年9月14日、サウジのアラムコ石油施設が何者かによる飛翔体による攻撃をうけ炎上し、その生産能力の約半分を失ったという報道が世界を駆け巡り、国際石油市場に激震が走った。米、サウジはイランに攻撃の責任があると非難したが、当時はイエメンのフーシ派が犯行声明を発出する一方、イラン、イラク方面からの飛翔体攻撃をうけたとの見方も有力で、現在まで攻撃を行った当事者は、特定されていない。2019年11月7日、アラビア半島周辺海域では、米国のイニシアティブで、船舶の安全航行を守るための「有志連合」とよばれる国際海事安全機構International Maritime Security Construct (IMSC)が正式に立ち上がった。有志連合には、米、英、豪、バーレーン、サウジ、UAE、韓国、アルバニアが参加した。一方、当時のローハニ・イラン大統領は、2019年9月25日「ホルムズ平和の努力」(HOPE)を提案し、ペルシャ湾の安全航行は、域内の周辺国が中心になって取り組むべきであるとの構想を発表した。当時、仏は欧州主導の有志連合構想を模索したが、実行には移されなかった。日本は、周辺海域に調査研究目的の海上自衛隊艦艇を派遣することを決定した。中国は、終始慎重姿勢を貫き、インドは独自に艦艇を派遣するとした。イスラエルは参加しなかった。

(コメント)米国・イスラエルのイラン攻撃とイランによる湾岸諸国を巻き込む反撃ならびにホルムズ海峡の事実上の封鎖を受けて、国際世論は、この戦争の人道上ならびに国際エネルギー市場への甚大なる悪影響を懸念する観点から、早期に停戦を実現してほしいとする立場と、米・イスラエルのイラン攻撃は棚上げにして、ホルムズ海峡の通航に悪影響を及ぼし、湾岸アラブ諸国に攻撃を加えるイランを非難する立場に大きく分かれている。西側指導者の反応も分かれている。今回の米・イスラエルによるイラン攻撃を明確な国際法違反と指摘したスペインのサンチェス首相発言だけでなく、トランプ大統領に極めて近いと言われてきたメローニ・イタリア首相は3月11日、イタリア上院で演説し、米国とイスラエルによるイラン攻撃について、「国際法の範囲外」の介入であり、イタリアとして軍事行動に参加することはないと明言した。一方、フォン・デア・ライエン委員長は3月9日のX(オンライン掲示板)への投稿で、「イラン国民は自由、尊厳、そして自らの未来を決定する権利を持つに値する」と述べ、暗に米・イスラエルのイラン攻撃を擁護し、イラン国民が体制転換の行動に出ることを支持した。こうした中、米軍のイランの石油輸送の9割を担うカーグ島への攻撃に対し、イランもUAEなどの米国関連施設を攻撃し、ペルシャ湾をはさむ戦闘はますます激しさを増している。
 トランプ大統領は、ホルムズ海峡の安全航行を守るため、新たな有志連合がまもなく形成されると述べた後、ホルムズ海峡の恩恵を受けている国々が、そこで悪いことが起きないよう確保する手助けをするのは当然のことだと主張し、もし(積極的)反応がないか、否定的な反応をすれば、北大西洋条約機構(NATO)の将来は非常に悪いことになるだろう、と脅した。新たな有志連合に、どの国が参加するかは明らかになっていないものの、有志連合結成が現実となる場合には、米国のほか、イランの攻撃を受けている湾岸諸国の幾つか、具体的には、現実に大きな被害をうけているUAE、バーレーン、サウジなどが参加するとみられる。トランプ大統領としては、有志連合の正当性を高めるために、できる限り多くの国の参加を求めているとみられ、中でも、英国など欧州主要国ならびに中国など石油・LNGの大半をこの地域からの輸入に頼っている北東アジアの国々の参加を強く求めてくるとみられる。トランプ大統領は、中国には、月末のトランプ訪中の前にも、行動をとるよう求めてきており、場合によっては、訪中延期もあり得ると警告を発した。こうした中、日本の高市総理がまもなく訪米する。2019年には、調査研究目的で、海上自衛隊派遣というぎりぎりのラインで対応したが、今回は、どのような対応で、日本の法律上の制約とトランプ大統領との良好な関係の維持のバランスをとるのか、非常に難しい決断を迫られている。

Posted by 八木 at 14:03 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

40年前のイラン最大の石油輸出基地カーグ島攻撃の妄想を実行に移したトランプ大統領 [2026年03月14日(Sat)]
トランプ米大統領は3月13日、米軍がイラン最大‌の石油輸出基地カーグ(ハルグ)島の軍事施設を攻撃し「完全に破壊した」と明らかにした。ホルムズ海峡での船舶航行妨害が続けば、石油施設も攻撃対象にする方針を示した。これに対し⁠イラン軍は14日、石油施設が攻撃されれば米国と協力する企業の関連施設を標的にすると警告した。WTI原油価格は、再びバレル100ドル近くまで上昇している。

1.イランの石油産業の中枢カーグ島とは
イランの著名な作家ジャラル・アル=アフマドはこの島に立ち、人里離れた海岸を眺めながら、この地を「ペルシャ湾の孤児の真珠」と名付け、今日、ブーシェル州にある面積22平方キロメートル(8.5平方マイル)のこのサンゴ礁の島は、イラン国民の間で「禁断の島」として広く知られ、シャー時代には、島流しの刑務所として見捨てられていたが、今や、イラン経済にとっての揺るぎない石油積出しの中枢基地となっている。ブーシェル港から北西55km(34マイル)、イラン本土から15海里(約28km)に位置するカーグ島は、イランの石油輸出総量の90%を処理し、年間約9億5000万バレルを取り扱っている。長さわずか8km(5マイル)、幅4〜5km(2.5〜3マイル)の島だが、周囲の深い海域が地理的に有利な条件となっている。この水深のおかげで、巨大なスーパータンカーも安全に接岸し、主にアジア市場向けの原油を積み込むことができる。中でも中国は最大の輸入国である。イラン石油省によると、同島の施設は石油産業にとって極めて重要な中枢機能を果たしている。このターミナルは、アブザール、フォルザン、ドルードという3つの主要な沖合油田から原油を受け入れ複雑な海底パイプライン網を経由して陸上の処理施設に輸送した後、貯蔵または世界市場へ出荷される。長年にわたる国際制裁によって生産が断続的に阻害されてきたにもかかわらず、イランは島のインフラを積極的に拡張してきた。2025年5月、S&Pグローバル・コモディティ・インサイトは、テヘランがそれぞれ100万バレルを貯蔵できるタンク25号と26号を改修し、ターミナルの貯蔵容量を200万バレル増加させたと報告した。歴史的に見ると、継続的にアップグレードされてきたこれらのターミナルの積載能力は、驚異的な最大700万バレル/日に達しているが、現在のイランの輸出量は国内市場向けの生産量に加え、約160万バレル/日となっている。

2.トランプ大統領のカーグ島攻撃発言
3月13日、トランプ大統領はイランのカーグ島に対し、重要な石油インフラを攻撃せずに強力な空爆を実施したと発表し、ホルムズ海峡の船舶航行を妨害しないようイランに強く求めた。トランプ大統領は声明で、今回の攻撃を「中東史上最も強力な爆撃の一つ」と呼び、イランで最も重要な石油施設がある全長約8キロの島では、軍事施設のみが標的となったと述べた。トランプ大統領はソーシャルメディアで、「私はカーグ島の石油インフラを破壊しないことを選択した」と述べた。「しかし、イラン、あるいは他の誰かが、ホルムズ海峡における船舶の自由かつ安全な航行を妨害するような行為を行った場合、私は直ちにこの決定を再検討する」と付け加えた。
https://www.politico.com/news/2026/03/13/us-kharg-island-trump-iran-hormuz-00829134?cid=apn

3.イラン側反応(準国営通信社ファルス通信による情報をもとに、アルジャジーラが報道)
ファルス通信はカーグ島への攻撃を確認したと報じている。攻撃対象となったのは、陸軍防衛施設、海上基地、ヘリコプター管制塔、そしてヘリコプター空母としている。陸軍司令部からの反応があり、カーグ島の石油施設が攻撃された場合、イランは地域内のアメリカと何らかの形で関係する石油施設や設備に対して報復攻撃を行うと述べている。これは強力な声明であり、ここ数日間、イランはサウジアラビアやカタールなどで散発的な攻撃を行い、これらの施設の一部に対して攻撃を行ってきたが、すべてを混乱させたり、これらの国の石油産業を壊滅させたりするほどの規模ではなかった。今やイランは、これらの施設や湾岸諸国のその他の施設に対する大規模な攻撃を示唆しており、実行されれば地域全体、ひいては世界の石油・ガス産業全体にとって壊滅的な事態となる。イランは、これを切り札として温存しているようで、彼らはこれまで自制を保ってきたが、アメリカが示唆し脅迫しているように、イランの石油施設が攻撃された場合、その自制は終了する可能性を示唆している。
https://www.aljazeera.com/news/liveblog/2026/3/14/iran-war-live-pentagon-vows-to-ramp-up-us-military-campaign-against-iran

(コメント)トランプ氏は、イラン・イラク戦争当時の40年前からイランの石油輸出拠点であるカーグ島を占領することで、湾岸地域における米軍の影響力を誇示し、イラン・イスラム共和国に制圧を与えることを夢見ていた。カーグ島占領構想は、既に40年前にトランプ氏の脳裏に浮かんだものであり、トランプ氏は、「イランには厳しく対処するつもりだ。彼らは我々を心理的に打ち負かし、愚か者扱いしてきた。我々の兵士や船舶に一発でも銃弾が当たれば、カーグ島を徹底的に攻撃する。侵攻して占領するだろう」と、1988年にガーディアン紙に語っている。当時のインタビューは、イランが原油輸出量の約9割を担う同島の占領について、米国とイスラエルが協議していると複数のニュースサイトが最近報じたことで、現在注目を集めている。イラン・イラク戦争の真っただ中の1980年代後半、米海軍はホルムズ海峡を通過する船舶を護衛し、イランの石油施設や機雷を攻撃していた。即ち、40年前のカーグ島占領という亡霊が今蘇ってきたといえる。トランプ大統領は、13日の攻撃を、中東紛争の歴史の中でも、最も強力な爆撃を実行したとしつつ、石油関連施設への直接の攻撃は控えたと述べた。一方で、ホルムズ海峡における船舶の自由かつ安全な航行を妨害するような行為を行った場合、私は直ちにこの決定を再検討すると述べ、石油関連施設への攻撃が排除されているわけではないと警告を発している。仮に、石油輸送の9割を担うカーグ島の石油施設が破壊されれば、イランの経済的生命線が断たれることを意味し、そうなれば、イラン指導部、すくなくとも革命防衛隊やバシジは降伏するのではなく、可能な限りの湾岸産油国の石油施設の破壊を試み、湾岸産油国を巻き込んだ自滅の途を選択するのではないかと悪夢がよぎる。イランの革命政権体制に不満を抱きながらも、歴代の米政権は直接的体制転換を控えてきた。自制が効かなくなったトランプ政権は、世界最大の軍事力をイラン攻撃に投入すれば、革命政権体制は最終的には崩壊するであろうが、その代償として、本来死ななくてもよかった市民のおびただしい犠牲と、未だ経験のないエネルギー価格の高騰に世界中が苦しむことになる
https://www.middleeasteye.net/news/trump-reportedly-wants-seize-irans-kharg-island-he-floated-idea-40-years

Posted by 八木 at 15:01 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

| 次へ