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ウクライナ危機(シリアのアサド大統領、ロシアのウクライナへの軍事侵攻を正当化し、支持)[2022年02月26日(Sat)]
2月25日、シリアのアサド大統領は、プーチン大統領に電話し、今回のロシアのウクライナに対する軍事行動は、ソ連崩壊以後の「歴史の修正」であると語り、ロシアの侵攻への支持を表明した。ロシアは、2015年9月30日に突如、アサド政権を支える立場でシリア内戦に介入し、2016年12月には、ロシアやイランの支援をうけたアサド政府軍が、反体制派の最重要拠点だった第二の都市アレッポを陥落させ、シリア内戦での軍事的有利を確立し、アサド政権は今日にいたる10年間の内戦を生き延びることができた。ロシアにとっては、中東で唯一となる地中海に面したタルトゥース軍港をロシア海軍が使用(注1)し、地中海沿岸の都市ラタキヤに近いフメイミム空軍基地も使用している。現在、63,000人以上のロシア軍人がシリアに配備されているとされ、いわばロシアはウクライナ、欧州の南東からもにらみを利かしていることになる。2月15日には、ショイグ国防相がシリアを訪問し、アサド大統領と会談するとともに、両国軍事演習を視察したことが確認されている。ウクライナ戦線には、シリア人傭兵も投入されている可能性がある。
(注1)2017年、ロシアはシリアとの間で49年間のタルトゥース軍港無料リースを締結し、施設の使用権を延長したとされる。また、ロシアはシリア沿岸都市ラタキア近くのフメイミム空軍基地の拡張の一部を完了したとされ、同基地では過去に、ロシアは基地に核対応の長距離爆撃機を配備したこともある。ロシアはまた、シリアにS-400ミサイル対空防衛システムを配備したとされる(これまでは性能が劣るS-300までを配備していたとされる)。また、ロシアの強襲揚陸艦6隻が今月初めにタルトゥース港に停泊し、給油、保守、補給を行った後、黒海に出て軍事演習に参加した。
(注2)2022年1月、シリアの地元メディアは、ロシアがウクライナでの戦闘に参加するために月額700ドルで、2,500人から4,000人の親アサド・シリア傭兵を募集したと報じた。ロシアがシリア人傭兵を地域紛争に投入するのは今回が初めてではなく、2019年に激化したリビア内戦では、ロシアは、ロシア人傭兵のほか、政権側シリア人を傭兵としてリビア戦線に投入した。一方、リビアで、当時のシラージュ暫定政権を支えたトルコは、シリアのイドリブの反体制派シリア人を傭兵として、リビア戦線に投入した。

(参考)アサド大統領のプーチン大統領との電話会談(シリア国営通信SANA)
シリアのアサド大統領は2月25日にロシアのプーチン大統領と電話をかけた。アサド大統領は、今日起こっていることは歴史の修正であり、ソビエト連邦の崩壊後に失なわれた世界におけるバランスを取り戻すことであると強調し、西洋のヒステリーは歴史をアウトローだけが求める混沌という間違った場所に留めようとするものである、と語った。大統領は、今日のロシアは自らを守るだけでなく、世界と正義と人類の原則を守っているとみなした。
アサド大統領は、西側諸国はシリアとウクライナのナチス、そして世界のさまざまな地域でテロリストを支援するために汚い方法を使用し、人々を支配することを目的とした政策遂行の結果として混乱と流血の責任を負うと述べた。
大統領は、NATO拡大を阻止することはロシアの権利であるという正しい立場への確信に基づいて、シリアがロシア連邦を支持することを強調し、その理由としてそれは、世界へのグローバルな脅威となり、世界の安定に打撃を与えようとする西側諸国の無責任な政策を達成するツールになっているからである、と語った。
アサド大統領は、シリア軍とロシア軍はともにひとつの敵に立ち向かっているとみなした。その敵とは、シリアでは「過激主義」であり、ウクライナでは「ナチズム」であり、ロシア連邦は超大国が軍事力だけで偉大であるわけではなく、法規、高い道徳、人道主義の原則を尊重することで世界に教訓を与えることになると指摘した。
プーチン大統領は、ドンバスでの特別軍事作戦は、過去8年間、そこに住む人々の苦しみを食い止め、安定を回復することを目的としていると強調した。大統領は、ロシアは過去数年間、交渉と外交に依存しており、力を行使する決定は、西側から指図されたウクライナ当局が、議会によって批准された協定を遵守しないと発表した後にのみ行われたと付言した。 両国、そしてドネツク共和国とルガンスル共和国が軍事支援の要請を提出した後、ロシアの兵士がすべての崇高な目標を達成すると強調した。
https://sana.sy/en/?p=264582
https://www.middleeasteye.net/news/russia-ukraine-war-syria-assad-correction-history
https://www.middleeasteye.net/news/russia-syria-defence-minister-arrives-naval-drills

Posted by 八木 at 10:58 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

ウクライナ危機(トルコは、ロシア軍艦のボスポラス・ダーダネルス両海峡通過拒否を求めるウクライナの要請にどう対応するのか)[2022年02月25日(Fri)]
2月24日遅く、トルコのチャブシュオール外相と米国のブリンケン国務長官はウクライナの最新の動向について電話会談した。チャブシュオール外相は、ウクライナでのロシアの軍事作戦を拒否し、それは国際法違反であり、ウクライナの領土の一体性と政治的統一を支持していることを繰り返し述べた。米国務省のプライス報道官はブリンケン国務長官がウクライナの主権と領土保全を擁護する強力で明確な支援を表明したトルコに感謝したことを強調した。
トルコはNATOのメンバー国であり、黒海を通じ、ロシアともウクライナとも隣接している国である。トルコは、上記のとおり、ウクライナの主権と領土の一体性維持の必要性を強調し、ロシアのウクライナに対する軍事行動を強く非難した。それでは、トルコは、言葉の批判に加えて、痛みを伴う制裁をロシアに対して発動するのであろうか。24日、ウクライナは、トルコに対して、ロシアがウクライナへの攻撃を開始してから数時間後、黒海と地中海を結ぶボスポラス海峡とダーダネルス海峡をロシアの船舶に対して閉鎖するよう要請した。1936年のモントルー条約(注:1936年にスイスのモントルーで調印された、トルコ領内のボスポラス海峡・マルマラ海・ダーダネルス海峡の通航制度を定めた条約)の下で、トルコは地中海と黒海の間の船舶の通過を管理しており、ウクライナへのロシアへの軍事侵攻が明白になった今、トルコが、ウクライナの要請にどのように対応するのかが注目されている。
(参考)モントルー条約とは
1936年、英、仏、ソビエト連邦などの世界大国は、スイスのモントルーで、黒海でロシア、ウクライナ、ルーマニア、ブルガリア、ジョージアに近接するトルコがボスポラス海峡とダーダネルス海峡を支配することに合意した。海峡の管理に加えて、この条約は、戦時中にすべての外国の軍艦に対して海峡を閉鎖することを含め、海軍船舶の通過を規制する権限をトルコに与えている。トルコはまた、トルコと戦争をしている国からの商船の通過を拒否することができる。ロシア、ウクライナ、ブルガリア、ルーマニア、ジョージアを含むすべての黒海諸国は、海峡を通って船舶を運航することを希望する場合、トルコに8日前に通知しなければならない。 これに対して、黒海沿岸諸国以外の国々は15日前に通知する必要がある。ただし、黒海沿岸諸国は、潜水艦が黒海の外で建造、購入、または修理のために運航する場合に限り、事前の通知なしに潜水艦を通過させることができる。航空機が海峡上空を越える場合にも航空機の領空通過をトルコ政府から許可を得る必要がある。条約は、第二次世界大戦中、枢軸国がソビエト連邦を攻撃するために海軍船舶が海峡を通過することを阻止した。
条約の第19条は非常に明確であり、トルコが交戦者でなければ、軍艦への通過を許可する必要があると考えられている。一方、ウクライナ政府は、同じ条項がトルコに海峡を閉鎖する権限を与えていると主張している。この条項は確かに軍艦の通過を許可しているが、戦時中であれば、交戦国に属する戦艦へのアクセスを拒否できるとしている。 これは解釈の余地があるが、実際に戦闘に従事している軍艦は通過できないと一般的に理解されている。一方、条約の第20条は、トルコ自体が交戦者である場合、海峡を軍艦に開放しておくかどうかを決定するのはトルコの決定次第であるとしている。 第21条はまた、トルコが差し迫った戦争の危険にさらされていると考えれば、海峡を閉鎖することができると規定している。
(コメント)モントルー条約との関連でいえば、ウクライナがNATOのメンバー国であれば、トルコもNATOの一員であり、ロシアは同盟国を攻撃する敵対国であるととらえ、ロシアの軍艦のボスポラス海峡とダーダネルス海峡通過を拒否することができると考えられる。しかし、ウクライナはNATOのメンバー国ではなく、トルコにとって共同防衛の対象国ではない。欧米のNATOメンバー国でさえ、直接ウクライナに軍隊を送って、ロシア軍と戦う選択肢はとっていない。したがって、トルコは条約を理由にロシアの軍艦の通過を拒否することはないと考えられる。トルコのエルドアン大統領は、シリア内戦、リビア内戦、ナゴルノ・カラバフ紛争などの非常に危機的な部分でプーチン大統領と直接渡り合ってきた経験から、プーチン大統領がどのような思考の持ち主なのかを十分知りぬいている。仮に、トルコが、ロシアの軍艦の海峡通過を拒否すれば、プーチンの怒りが爆発し、しかもいつまでも続くことを認識している。欧米の腰が引けて、軍事的対応を躊躇っている中で、ロシアから天然ガスの供給をうけ、原発を建設中で、貿易・観光でも深い関係にあるトルコが、欧米に突出して、対ロシア制裁の先頭を走ることはありえないといえる。
https://www.dailysabah.com/politics/diplomacy/turkey-us-top-diplomats-talk-latest-ukraine-developments
https://www.middleeasteye.net/news/russia-ukraine-war-turkey-black-sea-power-montreux-explained
https://www.aljazeera.com/news/2022/2/24/ukraine-asked-turkey-to-close-black-sea-waterways-to-russia

Posted by 八木 at 16:52 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

ウクライナ危機(ロシアのウクライナ東部地区独立承認で注目されるトルコの対応)[2022年02月22日(Tue)]
2月21日(日本時間22日早朝)ロシアのプーチン大統領は、親ロシア派武装勢力が実効支配するウクライナ東部の「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」の独立を承認する大統領令に署名、両地域に軍を派遣し平和維持活動にあたると表明した。

これに対して、トルコ政府は、直ちにウクライナ東部における「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」のロシアによる独立承認を批判し、それを国際法とウクライナの領土保全の違反であるとみなした。トルコ外務省は「ドネツク人民共和国」と「ルガンスク人民共和国」承認というロシアの決定は、ミンスク合意だけでなく、ウクライナの統一、主権、領土保全の重大な違反を構成し、ロシアが主張する決定は受け入れられず、拒否する、との声明を発出した。

NATO加盟国であるトルコは、黒海でウクライナとロシアの両方と海上境界を接し両国と良好な関係を築いており、ロシアによるウクライナ侵攻の危機が迫っていると伝えられている中、両国間の調停を申し出ていた。

(コメント)トルコはNATOのメンバー国であり、ロシアのウクライナ東部地区国家承認を受けて、欧米から対ロシア制裁で協調するよう求められるのは必至である。2021年に完成した独向けのノルドストリーム2によるロシア製天然ガスの供給開始は当分見通せなくなることは間違いないが、ロシアからの天然ガスに依存するトルコも難しい立場に追い込まれる。トルコの2020年の天然ガス輸入先の一位はロシア(33.6%)、2位アゼルバイジャン(24%)、3位アルジェリア(11.6%)、4位イラン(11%)となっている。ロシアからは、合計315億立方メートルの輸送容量を誇るトルコ・ストリーム海底パイプライン2本(2020年1月8日開通式。一本の輸送容量は、157.5億立方メートル)が通り、一本がトルコ国内消費用、他の一本が欧州への延伸用となっている。このほか、ブルーストリーム・パイプライン(年間輸送容量130億立方メートル)が稼働している。さらに、トルコのアックユでは、ロシア製原発の建設が進んでいる。また、軍事面でも、米国の強い反対にもかかわらずトルコはロシア製対空防御システムS-400の導入も進めた経緯がある。
地域紛争においても、トルコは、2017年1月からロシアとの間でシリア内戦での緊張緩和・停戦プロセスを進めるアスタナ・プロセスのスポンサーとなり、さらに2019年から20年春にかけて東西両勢力の戦闘が激化したリビアでの停戦合意にも大きく貢献した。さらに、2020年9月に再燃したナゴルノ・カラバフ紛争でも、両首脳の介入が停戦に大きな役割を果たした。2015年11月にシリア・トルコ国境付近上空を飛行していたロシア軍機がトルコ空軍機に撃墜された事件で、プーチン大統領は、「背中から刺された」として、トルコを厳しく非難したが、翌2016年6月エルドアン大統領が謝罪した形をとり、以後、両国首脳の対話が活発化し、立場の違いを乗り越えて、地域紛争の鎮静化に貢献してきた。
今回のウクライナ危機と、プーチン大統領のウクライナ東部地区独立国家承認で、国内の通貨危機、インフレに直面し、2023年の大統領再選に黄色信号が灯り始めているエルドアン大統領が、どこまで、自国の経済的利益を犠牲にして、欧米と対ロシア制裁で連帯するのか、あるいは表面的な対応に留まるのかが注目されている。因みに、トルコは、東地中海の北サイプラス・トルコ共和国を承認している世界で唯一の国である。
https://arabic.sputniknews.com/20220221/%D8%AA%D8%B1%D9%83%D9%8A%D8%A7-%D8%A7%D8%B9%D8%AA%D8%B1%D8%A7%D9%81-%D8%B1%D9%88%D8%B3%D9%8A%D8%A7-%D8%A8%D9%80-%D9%84%D9%88%D8%BA%D8%A7%D9%86%D8%B3%D9%83-%D9%88%D8%AF%D9%88%D9%86%D9%8A%D8%AA%D8%B3%D9%83-%D9%81%D9%8A-%D8%A3%D9%88%D9%83%D8%B1%D8%A7%D9%86%D9%8A%D8%A7-%D8%BA%D9%8A%D8%B1-%D9%85%D9%82%D8%A8%D9%88%D9%84-1058973533.html
https://www.jetro.go.jp/biznews/2020/01/d969b9eb080a20ce.html

Posted by 八木 at 10:15 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

ベネット・イスラエル首相は、まもなく決着するイラン核合意の有効期間は2年半と言明[2022年02月21日(Mon)]
ベネット・イスラエル首相は、2月20日定例閣議で、ウィーンで進行中の米・イラン間の核合意協議に触れ、同協議はまもなく決着する見通しであるものの、合意は「2年半」という短い期間しか有効ではなく、期間経過後、イランは、「高度な遠心分離機」の大規模施設を有することになるとの見通しを述べ、イスラエルは、市民防衛のために、合意達成後の段階に備えていると言明した。一方、イラン議会も、ライシ政権に対して、米国が合意から再び離脱しないよう保証をとるよう要請した。これらの報道から、@イラン核合意の復活は大方の予想通り近い、Aイラン核合意が復活しても、新たな10年の期間ではなく、2015年7月合意の残存期間の2年半のみが対象となる、B残存期間経過後は、米、イランともその合意に縛られることはなく、あらゆる選択肢が可能になる、C少なくとも、トランプ政権がイランに課したイラン産石油取引禁止などの主要な経済制裁は、今後2年半は解除された状態となる見通しが高まったといえる。
1. ベネット・イスラエル首相発言
2月20日、ナフタリ・ベネット・イスラエル首相は、イスラエルは「イスラエル市民の安全を自分たちで維持できるように、あらゆる方法でウィーンの核交渉で誕生する合意の後の段階に備えており、その合意は、以前の合意よりも「短くて弱い」ようであり、イランが合意期間経過後、「高度な遠心分離機のスタジアム」を建設することを可能にするだろうと述べた。 ベネット首相は、以前の10年間をカバーする2015年合意は2025年に失効し、潜在的な新たな合意は2年半しか有効ではないと述べた。そして、「最初の署名以来、2つの出来事があった。イラン人は彼らのウラン濃縮能力を構築する上で大きな進歩を遂げ、そして時が経過した」と定例閣議の冒頭で発言した。
https://www.timesofisrael.com/bennett-were-readying-for-the-day-after-new-weaker-iran-nuclear-deal-is-signed/
2. イラン議会のライシ政権への要求
一方、イラン議会は、2月20日に読み上げられた声明の中で、2020年以来保守派と強硬派が管理している290人のイラン国会議員のうち、250人の議員が、エブラヒーム・ライシ大統領に包括的共同行動計画(JCPOA)復活に際しての彼らの提示する条件を遵守するよう求めた。議員らは、「残酷でテロリスト」である米政府、そしてその「弱くて軽蔑的な」(米国の)信奉者である仏、独、英は、過去数年間、核合意に拘束されないことを示してきたので、イランは経験から学ぶ必要があるとして、(イラン議会としての)レッドラインを提示した。
イラン議会はライシ大統領に対して、米政府がドナルド・トランプ前大統領の下で一方的に2018年に合意を離脱し、制裁を科したように、米国といわゆるE3によって、合意を二度と放棄しないという保証を求めた。国会議員らは、米国の政権とJCPOAの他の国々は、イランが合意に違反した場合、国連によるイラン制裁を自動的に再発動させるというスナップバックメカニズムを活用しないことを誓約しなければならないと、核合意で定義された条項に言及して述べた。国会議員らはまた、「誤った言い訳」の下で課されたすべての制裁を解除しなければならないと主張した。これらは、イラン制裁法(ISA)、対敵対者制裁措置法 (CAATSA)、およびドル取引に対するUターン(注)制裁に基づくものに加えて、核、テロ、ミサイル、人権を指定した制裁を指す。
(注)Uターン取引とは:顧客または販売者が米国の制裁に直面している場合に米ドル取引を行う方法を指す。 たとえば、2008年11月以前は、米国財務省の外国資産管理局は、転送が非イランの銀行によって開始され、米国のシステム(U ターン)を経由して別の非イランの銀行に向かうことを認める場合があった。 Uターン・システムは2008年11月10日に終了し、イランとの取引規則、31 CFR Part560が修正された。
イラン議会の要求の効果的な実施を確保するために、議会は不特定の「検証」プロセスを要求し、その後イランは核開発のレベルを縮小して再びJCPOAの条件に完全に準拠するように行動することになるとされる。
https://www.aljazeera.com/news/2022/2/20/irans-parliament-sets-conditions-for-return-to-nuclear-deal

Posted by 八木 at 14:56 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

フーシー派のアブダビ攻撃をうけて活発化するUAE外交(MBZアブダビ皇太子とモディ・インド首相とのオンライン会談)[2022年02月21日(Mon)]
2022年1月のイエメン・フーシー派による少なくとも3たびのアブダビ攻撃をうけてUAE外交が活発化している。フーシー派攻撃後、イスラエルのベネット首相はUAEへの連帯と軍事・治安協力を惜しまない姿勢を明らかにした。過去数年関係が冷え込んでいたトルコのエルドアン大統領も2月14日アブダビを訪問(2013年以来初訪問)して、経済連携協定締結を目指して取り組みを活発化させる意向を表明した。そして、2月18日には、UAEの実質的指導者ムハンマド・ビン・ザーイド・アル・ナヒヤーン・アブダビ(通称MBZ)皇太子は、インドのモディ首相とオンライン会談を行い、主要点以下の共同声明を発出した。注目点は、経済連携協定の締結、アブダビにおける特定産業先進技術ゾーンを設立、「合同水素タスクフォース」の設立、e-ビジネス・e- 支払いソリューションの促進、UAE労働力の技能向上のためのインドの支援など様々であるが、UAEが2022-23年安保理の非常任理事国を務めること、インドが2023年G20の議長となること、UAEがCOP28のホスト国になること等両国が国際場裡でリーダーシップを発揮することが注目されている。そして、防衛・安全保障分野では、地域レベルと国際レベルの両方で、あらゆる形態の国境を越えたテロリズムを含む、過激主義とテロリズムとの闘いへの共同のコミットメントを再確認したことが声明に盛り込まれた。「あらゆる形態の国境を越えたテロリズム」とは、UAEにとって、まず第一にフーシー派や同派と連携する「アラビア半島人民の正義の約束」旅団とされる組織からの脅威であり、インドにとっては、隣国パキスタンを念頭においたものとみられる。UAEはイスラエルとインテリジェンスや軍事技術面での協力を強化しており、インドもイスラエルと良好な関係にあり、MBZ皇太子はUAEとイスラエル、インド間の安全保障分野での協力を、自国の安全保障上最優先課題に掲げているとみられる。因みに、フーシー派による1月17日のアブダビ攻撃でインド人2名が亡くなり、1月2日のフーシー派に拿捕されたUAE船舶の乗組員11名のうち、7名がインド人であったと報じられており、この関連でも、UAEとインドは、フーシー派をテロ組織とみなし、治安協力の重要性を共有しているとみられる。米国バイデン政権は、トランプ政権終了前日に効力を発したフーシー派のテロ組織指定を2021年2月に解除しているが、UAEは、フーシー派をテロ組織に再指定するようバイデン政権に働きかけている。
https://sputniknews.com/20220218/india-pledges-to-bolster-defence-economic-cooperation-with-uae-amid-threat-from-houthis-1093148682.html

UAE・インド共同声明主要点(2月18日)
●2022年2月18日、インドのモディ首相とであるシェイク・ムハンマド・ビン・ザーイド・アル・ナヒヤーン・アブダビ皇太子兼アラブ首長国連邦(UAE)軍の副最高司令官がオンライン会合した。 モディ首相はUAEの創設50周年に祝意を表明し、MBZ皇太子はインド国民の独立75周年に祝意を表明した。両国首脳は、50年間にわたる強力な二国間関係を確かめ、UAEとインドの間の将来を見据えたパートナーシップのロードマップに合意し、より深く幅広い協力の機会を伴う包括的な戦略的パートナーシップを強化した。 ロードマップは、両国がより緊密に協力して、共通のグローバルな課題に取り組み、共通の目標を達成し、将来に備えた強固で回復力のある関係を構築することを保証する。 ロードマップは、新しい貿易、投資、イノベーションのダイナミクな開発を促進し、多様な分野での二国間関与を強化する。

●両国間のパートナーシップは、経済、気候変動と野鳥(フサエリショウノガン)保護、産業と先端技術、低炭素水素開発と投資、食料安全保障、金融サービス、およびインドとUAEの共同スタンプの発行を含むいくつかの分野での協定と覚書をもたらした。両国首脳は、経済的相乗効果と共通のビジョンを認識し、二国間の包括的経済連携協定(CEPA)の署名を歓迎し、この協定が両国間のより強力な経済関係の先駆けとなり、貿易と投資の新たな道を開くことを確信した。 両国首脳は、ジュベルアリ・フリーゾーンに専用のインド市場地区を設立することを歓迎し、とりわけ、食糧回廊を設置するUAEの企業や両国合弁事業に焦点を当てる専用の投資ゾーンを確立する取り組みを促進するなど、インフラプロジェクトへの双方向投資をさらに促進するよう両国省庁に指示した。さらに、両国首脳は、アブダビ首長国に特定産業先進技術ゾーンを設立し、インド人の投資家に投資機会を創設することを奨励した。それは既存の現地のバリューチェーンと将来のロジスティクスとサービス、医薬品、医療機器、 農業、アグリテック、鉄鋼、アルミニウムなどの特定分野の経済ゾーンを統合するものとなる。

●文化協力(省略)

●エネルギー協力:過去50年間、エネルギーセクターは、UAEとインドの間の特別で相互に有益な関係を可能にした重要な柱の1つであった。 今日、インドはUAEの最も重要なエネルギー取引パートナーの1つである。近年、特にエネルギー分野において、両国間の戦略的関係が強化されている。 包括的戦略的パートナーシップを通じて、両国は重要な投資機会を促進し、提供してきた。 UAEはインドへの主要なエネルギー供給国であり、インドの増大するエネルギー需要への対応に引き続き取り組んでおり、インドの戦略的石油備蓄プログラムに原油を介して投資した最初の国際的パートナーである。 インドの企業は、UAEのエネルギー部門全体で着実に参加を増やしており、アブダビの主要な石油利権および探鉱パートナーの一部を代表している。新エネルギーを含むインドのエネルギー需要に応え、インドの成長する経済に妥当な価格で安全なエネルギー供給を確実に提供するための新しい連携の機会を特定するために、さらなる作業が行われる。 UAEとインドが共同で世界的なエネルギー転換を推進しているため、両国は引き続き協力して、低炭素未来への公正かつ公平な移行を実現することに取り組んでいる。

●気候変動対策と再生可能エネルギー:モディ首相は、2023年にUAEがCOP28のホスト国に選ばれたことに祝意表明。両首脳は、気候変動対策の緊急性を認識し、エネルギー転換とパリ協定の実施を促進するための気候変動対策の加速に向けた協力を強化することに合意した。 両首脳はまた、COP、国際再生可能エネルギー機関(IRENA)、および国際太陽光同盟(ISA)の文脈で緊密に協力することに合意した。気候変動対策は、社会、経済成長、そして企業にとって重要な機会をもたらすことを認識し、両国首脳は互いのクリーンエネルギーミッションを支援することに合意した。 これに関連して、両国首脳は、グリーン水素の生産に特に焦点を当てて、技術のスケールアップを支援するための「合同水素タスクフォース」を設立することに合意した。 両国首脳は、インドのクリーンテクノロジープログラムとイニシアティブへの継続的なUAE投資を認め、ビジネス間と官民パートナーシップの強化を求めた。

●新技術:両国は、急速にデジタル化する世界が経済成長と人間開発を加速し、投資の新たな機会を創出する大きな機会を提供することを認識し、重要な技術分野で協力し、e-ビジネスとe- 支払いソリューションを促進させることに合意。近年の両国での起業(スタートアップ)の急速な成功を認識し、両国首脳は、両国の起業を促進して両国の地域に拡大し、成長の基盤としてそのようなプラットフォームを利用するために協力することに合意した。 起業は、とりわけ、金融技術、教育技術、ヘルスケア、ロジスティクスとサプライ・チェーン、農業技術、チップ設計、グリーンエネルギーに焦点を当てる。 首脳は、協力を促進するためのメカニズムとセクターを検討するよう当局に指示した。

●労働者の技能向上:両国は緊密に協力して、市場のニーズに沿った訓練プログラムへの労働力のアクセスを確保し、将来の変化する仕事へのニーズに対応するため、インドからのUAE労働市場のスキルニーズを確実に満たせるようにすることに合意した。

●食糧安全保障:両首脳は、インドとUAEが、UAEの最終目的地となる港にまでインドの農場からつながるインフラストラクチャと専用のロジスティックサービスの促進と強化に貢献することに同意し、関係省庁にパイロット・プロジェクトの開始を指示した。

●保健分野協力:両国は新型コロナワクチンの世界供給面でインドとUAEによって払われている役割の重要性を認識し、この分野の研究、生産、信頼できるサプライ・チェーンの開発ならびに急速に拡大するインドの保健インフラ分野へのUAE企業の投資拡大に合意した。

●教育協力:両国首脳は、UAEにインド工科大学の設立で合意

●国際場裡での協力:モディ首相は、UAEが2022-23年安保理非常任理事国になることに祝意を表明し、完全なる支援を約束した。一方、MBZ皇太子はインドが2023年G-20議長国になることに祝意を表明した。

●防衛と安全保障:両国首脳は、地域の平和と安全の維持に貢献する海事協力を強化することに合意した。首脳は、防衛交流、経験の共有、訓練および能力開発を継続することに合意した。
両国首脳は、地域問題について話し合い、中東の平和を維持し強化することの重要性を想起した。彼らは、対話と協力がより統合され、安定し、繁栄する地域の礎石となる必要性を改めて強調し、インドはこの点でのUAEの見方を歓迎した。両国首脳は、中東和平プロセスについて、二国家解決に沿った、関連する国連安保理決議、および当事者間の以前の合意に基づくプロセス再活性化への支援を含む、地域の平和と安全を維持し、地域紛争を解決するための国際的な取り組みを支援することに合意した。彼らは、アブラハム合意(注:2020年9月15日、UAE、バーレーン、イスラエル、米トランプ政権間で署名)が地域の平和に貢献し、中東地域に前向きな変化をもたらすことへの希望を表明した。
首脳は、地域レベルと国際レベルの両方で、あらゆる形態の国境を越えたテロリズムを含む、過激主義とテロリズムとの闘いへの共同のコミットメントを再確認した。 彼らは、テロ、テロ資金供与、過激主義との闘いにおいて二国間協力を深めることに合意した。 この文脈において、彼らは、人々の間の平和、節制、共存および寛容の価値を促進することの重要性を強調し、あらゆる形態のテロ、過激主義、暴力、憎悪、差別および扇動を放棄する必要性を強調した。
最近のUAEに対するテロ攻撃(注:1月17日、24日、31日のフーシー派によるアブダビ攻撃)を考慮して、モディ首相は、UAEの指導者、政府、人々とのインドの完全な連帯を確認し、この臆病なテロ行為の犠牲となった人々に対してUAE側に哀悼の意を表した。

Joint India-UAE Vision Statement - Advancing the India-UAE Comprehensive Strategic Partnership: New Frontiers, New milestones
https://www.mea.gov.in/bilateral-documents.htm?dtl/34877/Joint_IndiaUAE_Vision_Statement__Advancing_the_IndiaUAE_Comprehensive_Strategic_Partnership_New_Frontiers_New_milestones

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急速に関係改善を図るトルコとUAE[2022年02月15日(Tue)]
2月14日、トルコのエルドアン大統領は、2013年以来となるUAEを2日間の予定で訪問し、UAEの実質的指導者であるムハンマド・ビン・ザーイド・アルナヒヤーン(通称MBZ)アブダビ皇太子と会談した。エルドアン大統領は、ドバイ万博のトルコ館も訪問し、トルコ・ナショナルデーの式典にも参加する予定。
UAEの通信社WAMによれば、訪問の機会に、貿易、産業、保健と医学、陸上・海上輸送、気候変動対策を含む13の協定が署名された。トルコの通信社アナドール通信は、防衛に関する合意、ならびに、包括的経済パートナーシップ協定(CEPA)として知られる二国間貿易投資協定の交渉開始に関する共同声明に署名した、と伝えた。
MBZ皇太子は、2012年以来となる2021年11月24日にトルコのアンカラを訪問し、数十億ドル相当の投資協定を締結するとともに、100億ドルの投資基金の設置を表明していた。
エルドアン大統領は、イスタンブール出発前に、今次訪問は、UAEとの間の今後50年にわたる友好構築の礎になるものであり、訪問中、「両国経済の補完的構造」における機会を模索すること、ならびにトルコとUAEの対話と協力は、我が地域全体の平和と安定にとって非常に重要であると述べた。2022年1月、両国は現地通貨で約50億ドルのスワップ取引に合意しました。
ガルガーシュUAE大統領補佐官(前外務担当相)は、「エルドアン大統領のUAE訪問は、MBZ皇太子のトルコ共和国訪問に続くものであり、両国関係に新たな前向きなページを開き、地域の安定と繁栄を目指すUAEの、より強力な対話と協力の架け橋を築く努力と軌を一にするものである」とコメントした。
(コメント)両国関係改善の兆候は、2021年9月1日にUAEのタハヌーン・ビン・ザーイド国家安全保障補佐官がトルコを訪問し、エルドアン大統領と会談し、その後、両国間の情報機関間の対話が実施され、さらにエルドアン大統領とMBZ皇太子との電話会談が実施され、それが11月のMBZ皇太子のトルコ訪問、そして今回のエルドアン大統領の訪問につながった。
両国関係は、過去数年緊張関係に支配されていた。リビアでは、2019年に戦闘がピークに達したトリポリを拠点とするシラージュ暫定政権をトルコ軍が支え、一方、東部を拠点とするハフタル将軍率いるリビア国民軍を、UAEやエジプト、ロシアなどが支援していた。2017年6月からのUAEほかアラブ3か国の隣国カタール外交断絶と陸海空の封鎖にあたっては、トルコはいち早くトルコ軍部隊をカタールに派遣し、カタール防衛の意思を明らかにした。トルコとUAEは、ムスリム同胞団に対する立場でも開きが大きく、前者が同胞団に同情的であるのに対して、UAEは同胞団をテロ組織とみなしている。東地中海のガス開発でも、UAEとトルコは相反する立場をとってきた。
こうした中で、両国が急速に関係を改善した背景は何であろうか。エルドアン大統領にとっては、2023年の大統領選挙での当選に黄色信号が灯りはじめていることに危機感を覚えていることが背景にある。トルコリラは暴落を続け、インフレが亢進し、国民生活が困窮している。2019年のイスタンブールやアンカラといった主要都市の首長選で、与党公正発展党(AKP)の候補が、CHP(人民共和党)の候補に敗れ、エルドアン大統領の再選は盤石ではないことが明らかになっていたが、最近の経済情勢、国民生活の悪化がエルドアン大統領にとって致命傷になる可能性が出てきた。エルドアン大統領としては、過去の確執にこだわらず、経済の立て直しに取り組むことが求められている。このため、UAEの巨額の投資の呼び込み、現地通貨のスワップ合意などで、為替の安定を図り、国民生活の困窮に応える姿勢を国民に示すことが求められてきた。一方、UAEについては、本年1月以来、フーシー派によるアブダビ攻撃にも直面してきた。地域で、イスラエルとの同盟国をアピールしすぎると、イスラエルとの正常化に反対する勢力から標的になる可能性があり、2月に入ってからは、イラクの「アラビア半島人民の正義の約束旅団」と称する正体が不明なグループからの攻撃も受けている。イスラム・スンニー派の大国トルコとの関係を強化することは、親イラン・シーア派の過激組織の動きを牽制することにもつながる。さらに、トルコは、人口8千万人以上を擁する大きな消費市場である。トルコとの経済関係の強化は、経済の多角化を目指すUAEにとっても利益が大きいと思われる。さらに、地域で強力なインテリジェンス能力を有するMITとUAEの情報機関協力は、自国の安全保障にとっても極めて重要であると考えられる。先週トルコの政府系メディアは、トルコ・イスラエル系ビジネスマンの暗殺を阻止するために、トルコとイスラエルの合同諜報作戦が実施され、イランのエージェントとされる数人がトルコで逮捕されたと報じた。UAEはイスラエルとの間で、インテリジェンス・治安協力を強化しているとされ、それにMITが加われば極めて強力なインテリジェンス網が構築されると考えられる。
https://www.voanews.com/a/erdogan-visits-uae-in-bid-to-repair-ties-with-arab-world-/6441043.html
https://www.aljazeera.com/news/2022/2/14/erdogan-to-visit-uae-to-bolster-political-economic-ties
https://www.reuters.com/world/middle-east/turkeys-erdogan-visits-uae-first-time-decade-2022-02-14/
https://www.dailysabah.com/politics/diplomacy/erdogan-visits-uae-to-strengthen-economic-political-ties

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米銀行に凍結されたアフガン資金を911被害者に割り当てるとの決定にタリバーンは大反発[2022年02月14日(Mon)]
2月11日、ジョー・バイデン米国大統領は、米国の銀行で凍結されていたアフガニスタン資金90億ドルのうち、約70億ドルの処分を許可する法令に署名し、この金額の半分が2001年9月11日の同時多発テロの犠牲者の家族を補償するために割り当てられるとの見方を述べたことに対し、タリバーンは、凍結資金は、アフガン国民のためのものであり、その決定は誰もが納得できるものではないとして、激しく反発した。他方で、タリバーン報道官は、問題解決に向けて米国政府と協議を継続していく意向を表明した。
アフガン・米国関係活動家のひとりも、バイデン大統領が提案しているのは、9.11被害者家族の正義実現のためではなく、米軍の悲惨な撤退によってもたらされた飢饉の危機に瀕している貧困国アフガニスタンからの公的資金の略奪である、と指摘。911の被害者家族は、同時多発テロ事件にかかわった19名のハイジャック犯のうち15名がサウジアラビア国籍であり、サウジアラビア当局が何等かの支援を行ったのではないかとして、サウジを相手に米国の連邦地裁に訴えを起こしている。
https://www.aljazeera.com/news/2022/2/11/theft-afghan-americans-decry-decision-to

(アルジャジーラ・ムバーシャル記事内容)
タリバーン運動の政治事務所報道官であるムハンマド・ナイームは、ジョー・バイデン米国大統領の最近の決定は「アフガニスタンの人々とすべての人類に対して間違って不当であり、問題は個々人の問題ではない」と述べた。

報道官は、アル・ジャジーラ・ムバーシャルの夕方のプログラムとのインタビューで、米国の銀行へのアフガニスタンの資金はタリバーン運動関係者の所有物ではなく、アフガニスタンのあらゆる分野の人々のものであると付け加えた。

ナイームは、国際社会と「賢明な米国人」に、そもそも人道を支持し、アフガニスタンの女性と子供たちの権利を守るためにバイデンの決定に立ち向かうよう訴えた。

アフガニスタン国民がお金を取り戻すのを阻止する権利は誰にもない。また、現在の(タリバーン)政府だけが、アフガニスタン国民のお金の処分を含む願望を代表することができる」と付言した。

米国大統領ジョー・バイデンは、米国の銀行で凍結されていたアフガニスタンの資金のうち、約70億ドルの処分を許可する法令に署名し、この金額の半分が2001年9月11日の同時多発テロの犠牲者の家族を補償するために割り当てられることを示した。

ナイームはアル・ジャジーラ・ムバーシャルとの対話の中で、9月11日の(米国同時多発テロ事件の)犠牲者を補償するためにバイデンがアフガニスタン資金の一部を割り当てたことに驚きを表明し、「アフガニスタンの人々にいったい何の落ち度があったというのか」と疑問を呈した。彼は続けて、「我が国民が直面している問題は、政府が直面している問題よりもはるかに大きい。アフガニスタンの人々はこれらの出来事とは何の関係もないので、米国大統領を指している誰かがわが国民のお金を勝手に差し引いて、この醜い方法で処分することが許されるのか」と付言した。

ナイーム報道官は但し、「米国の決定は暫定的であり、最終的なものではないと聞いている。アフガニスタン国民の利益になると私たちが期待する他のステップがある(彼は明らかにしなかった)。それが実施され、米国の銀行のアフガニスタン人の凍結された金融資産が解放されることを期待する」と語った。

ホワイトハウスの幹部は記者会見で、バイデン政権によるアフガニスタンの資金の取り扱いは「法的に複雑」であることを認め、今回の発表は数ヶ月続く可能性のある手続きの始まりに過ぎないと述べた。

ホワイトハウスは、バイデン大統領が1977年にさかのぼる法律の下で彼に与えられた「特別経済権限」を行使したことを明らかにし、アフガニスタン中央銀行の資産をニューヨークの連邦準備制度の凍結口座に移管する予定であるとしている。

ナイーム報道官は米国の決定について、アフガニスタンの人々に害を及ぼし、子供、女性、そしてアフガニスタンの人々一般の苦しみを増大させる。人々の権利を侵害し、法律や慣習に違反して彼らのお金を処分するものである、とコメントしている。報道官は、「我々だけがこの奇妙な行動を非難しているのではなく、ほぼ全世界中が我々に同意している。一部の正気の米国人でさえこの決定を非難している、これは国際的な原則や規範に準拠しておらず、理性や論理に反しているため、私たちの国民のお金を処分する権利は誰にもない、と述べた。

米国の法令は、タリバーン政府が資金を処分することを可能にすることなく、35億ドルのアフガニスタン中央銀行の資金がアフガニスタンの人々のための「人道援助」プログラムへの資金供給のために使われることを規定している。タリバーン報道官は、この米国の法令の規定について、「現在の(タリバーン)政府以外に我が国民を代表する当事者はないので、それはまやかしであり冗談である」とコメントした。さらに、「このお金が特定の人々やタリバーン運動に使われないことを意図しているのなら、我々はそれを必要としないことを以前に強調した。むしろ、アフガニスタンに来る人道援助は我々(タリバーン)自身のためではなく、我が国民のためであり、彼らに届けられるであろう。我々こそがアフガンの人々を代表している」と述べた。皮肉な口調で、ナイーム報道官は「バイデンはアフガニスタンの人々の大統領であるのか。それはどの側からもアフガニスタンの人々を代表しているといえるのか。この決定どのように受け入れることができるであろうか。彼は支援金を人々に配布するために彼自身で来ることができるというのか。」と付言した。

タリバーン政権報道官は、最終的に決定が実施されれば米国の決定に立ち向かうための対応についてアルジャジーラ・ムバーシャルの質問に応えて、「問題を解決する最善の方法は、相互理解、対話、交渉の道である。これが私たちの方針であり、課題とすべての問題を解決するための我々の方針であり、我々はそれを望んでいる。将来のこの問題や他の問題についても同様である。」と述べ、さらに我々は、米国人と国際社会一般に、本件は、タリバーン関係者や誰かを罰することよりも大きな問題であり、我々は、アフガン国民全体の権利について話しているのであると、付言した。

彼は、懸案事項の解決のため、米国との直接の話し合いと会合が続いていることを指摘し、タリバーン政権側として、それを継続したいという願望を強調した。
https://mubasher.aljazeera.net/news/politics/2022/2/13/%D9%85%D8%AD%D9%85%D8%AF-%D9%86%D8%B9%D9%8A%D9%85-%D9%84%D9%84%D8%AC%D8%B2%D9%8A%D8%B1%D8%A9-%D9%85%D8%A8%D8%A7%D8%B4%D8%B1-%D9%86%D8%AA%D9%88%D9%82%D8%B9-%D8%B9%D8%AF%D9%85

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南のフーシー派だけでなく、北のイラクの正体不明組織からも脅迫を受けているUAE[2022年02月11日(Fri)]
1月17日、24日、31日にイエメンの反政府武装組織フーシー派は、UAEのアブダビ、ドバイに向け、ドローン、ミサイル攻撃を実行した(フーシー派作戦名:イエメンのサイクロン作戦第1号、2号、3号)。17日の攻撃では、アブダビの石油施設付近のダンクローリー車3台とアブダビ空港が狙われ、外国人労働者3名が死亡した。2回目、3回目の攻撃では、UAE側がミサイル等迎撃に成功したとされている。こうした中、UAEへの攻撃を加えているのは、UAEの南西側のフーシー派だけでなく、北側からも脅威を受けていることが明らかになった。脅威を与えているグループは、「アラビア半島人民の正義の約束旅団」とよばれるこれまであまり知られていないグループである。同グループは、イラクのカターイブ・ヒズボラと関連があるのではとの見方があるが、真偽・詳細は不明である。同グループは、2月2日、「正義の約束の旅団」グループは4機のドローンでUAEの首都アブダビへの攻撃を主張し、UAE国防省は攻撃を確認したうえで、3機のドローンを撃墜したと主張した。同旅団は、次の攻撃はUAEにとってより深刻で苦痛になるだろう」と強調した。
さらに、2月10日声明を発出し、「あなた方の国の施設、塔、港湾、駅は私たちの正当な標的である。あなた方への懲罰は固定翼のドローンや長距離ミサイルに限定されないので、(UAEが独立した)1971年以前の状況に連れ戻される前に機会をつかむように」と警告した。
https://www.alalam.ir/news/6037738/%D8%A3%D9%84%D9%88%D9%8A%D8%A9-%D8%A7%D9%84%D9%88%D8%B9%D8%AF-%D8%A7%D9%84%D8%AD%D9%82-%D8%AA%D8%AA%D9%88%D8%B9%D8%AF-%D8%A7%D9%84%D8%A5%D9%85%D8%A7%D8%B1%D8%A7%D8%AA-%D8%A8%D8%A7%D8%B9%D8%A7%D8%AF%D8%AA%D9%87%D8%A7-%D9%84%D9%85%D8%A7-%D9%82%D8%A8%D9%84-%D8%A7%D9%84%D8%B9%D8%A7%D9%85-1971

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ウクライナ危機を見据えたバイデン政権の要請に対するLNG輸出大国カタールならびに輸入大国日本の対応[2022年02月09日(Wed)]
1.LNG輸出大国カタールの対応
毎年恒例のガス輸出国フォーラム(GECF)サミットは、ロシアがウクライナに侵入した場合のガス供給不足に対する欧州の懸念の中で、2月22日にカタールが主催して開催される。フォーラムの主要メンバーには、ロシア、イラン、カタールが含まれる。米国とオーストラリアは世界の18の主要な天然ガス生産国のうちの2つであるが、フォーラムには参加していない。 GECFには、11か国のメンバー国と7人のオブザーバー国が含まれている。フォーラムでは、2日間の閣僚会議が開催される。
ロシアのプーチン大統領がフォーラムに出席するかどうかはまだ確認されていない。ロシアと米国の間の緊張が高まる中、米国のバイデン大統領は、ロシアがウクライナへの侵攻を開始した場合、ロシアから欧州へのノルドストリーム2ガスパイプラインを閉鎖するとの意向を表明した。独のシュルツ首相は正式にはそれを言明していないが、米国等と協調すると表明している。ノルドストリーム 2ガスパイプラインはすでに完成しているが、まだ天然ガスを独に供給していない。欧州の天然ガスの約40%を供給しているロシアが、ウクライナに侵入した場合、対ロシア制裁、あるいはロシア側の供給制限措置により、欧州へのガス供給が制限され、冬のピーク時に欧州の企業や家庭に深刻な打撃を与える可能性がある。
米国は、カタールを準NATO友好国とみなして、欧州向けの輸出拡大を期待している。カタールから欧州へは直接パイプラインで運ぶことはできないため、カタールからLNG船を利用して、欧州にガスを運搬することになる。カタールは、自国一国では対応できないとしており、緊急時の対応として、来るGECFメンバー国にも打診するとみられている。但し、ロシアやイランが、フォーラムの主要メンバーであること、ならびにフォーラムは、OPECと異なり、生産調整や価格調整を行う機関ではないため、会合の成果には限界があるとみられる。
https://www.middleeasteye.net/news/qatar-host-gas-exporters-summit-amid-russia-ukraine-tensions
2.LNG輸入大国日本の対応
日本はLNGの世界有数の主要な輸入国である。ウクライナ情勢の緊迫化をうけた米国バイデン政権の要請をうけ、欧州で天然ガス不足を回避するため、日本政府は国内に必要なLNG(液化天然ガス)を確保したうえで一部を欧州向けに融通する方針を固めた。欧州は、電力などに必要な天然ガスの需要のおよそ4割をロシアからパイプラインを通じて供給を受けている。仮にロシアがウクライナに侵攻した場合、欧米はロシアに対してノルドストリーム2の閉鎖を含め経済制裁に踏み切る可能性が高く、ロシアが対抗措置として欧州向けの天然ガスの供給を絞るのではないかという見方が浮上している。日本政府は、国内の電力を安定的に供給するための十分な量は確保したうえでLNGの権益を持つエネルギー企業などに協力を求め、欧州を支援する意向を固めたとされ、早ければ9日中にも正式に表明する見込みで、今後、融通する量や時期などの検討を進めることにしている。
因みに、日本はウクライナ危機とは関係がないものの、昨年バイデン政権の要請に基づき、原油価格を押し下げるための国家原油備蓄の取り崩しに協力した経緯があり、その際は、価格調整ではなく、タンクに備蓄された原油を入れ替える時期を早めるという苦肉の説明を行って、米国の要請に協力した経緯がある。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220209/k10013475021000.html

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北京五輪への欧米の外交ボイコットにかかわらず存在感を示した中東アラブ諸国首脳[2022年02月06日(Sun)]
2月5日、北京冬季オリンピック開催の機会に周近平国家主席主催の午餐会が人民大会堂ホールで開催された。欧米諸国が外交的ボイコットを行い、日本も閣僚の出席を控える中、オリンピック開会式後に開催された午餐会には、プーチン・ロシア大統領やセルビアの大統領、キルギスタン、カザフスタン、タジキスタン、トルクメニスタン、ウズベキスタン大統領(中央アジアは中国にとって一帯一路構想の関連でも重要)、パキスタンのイムラーン・カーン首相(インドとの対抗上もパキスタンと中国は連携強化)など20カ国以上の首脳が出席したが、とりわけ存在感を示したのが、中東のアラブ諸国首脳であった。確認できた範囲内で、エルシーシ・エジプト大統領、ムハンマド・ビン・サルマン・サウジ皇太子、タミーム・ビン・ハマド・カタール首長、ムハンマド・ビン・ザーイド・アブダビ皇太子が出席した。エジプトは、中国との間で戦略的パートナーシップ合意を結んでおり、スエズ運河回廊等の開発への中国の参加を期待している。中国は、無償で新型コロナ・ワクチンを供給した。サウジは、中国にとって最大の原油供給国である。カタールにとって中国は、有数のカタール産LNG輸入国のひとつである。UAEも中国との間で包括的パートナーシップを有し、同国への主要な原油供給国である。新疆ウイグル自治区の問題では、サウジ、UAEとも中国への直接的批判を控えてきている。一方で、ウイグル問題では、たびたび中国に批判的な発言を行ってきたエルドアン・トルコ大統領は、最近中国への発言を軟化させているものの中国訪問を行わなかった(エルドアン大統領はオミクロン株に感染したとの報道もある)、2021年3月中国との間で、25年間の戦略的パートナーシップ合意を結び、米国の対イラン経済制裁の中でも数十万b/dレベルの原油を購入し続けているとされる輸出先国にもかかわらず、イランのライシ大統領は、中国に姿を見せなかった
https://www.aljazeera.com/news/2022/2/4/winter-olympics-which-world-leaders-are-attending-beijing-2022
https://www.thenationalnews.com/uae/2022/02/05/sheikh-mohamed-bin-zayed-meets-chinas-president-xi-jinping-in-beijing/

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