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イスラム世界との結びつきを通じて、多様性を許容する社会の構築についてともに考えるサイトです。

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究極の二重外交(ティラーソン元国務長官の下院外交委員会での衝撃証言)[2019年06月28日(Fri)]
6月27日、5月21日米下院外交委員会で実施されたティラーソン元国務長官を招いて実施したヒアリングの記録が公開された。同記録は、2018年3月にトランプ大統領によって更迭されたティラーソン氏が国務長官時代、大統領の娘婿で、大統領上級顧問のジャレッド・クシュナー氏の裏外交に当惑させられ、職務履行の邪魔をさせられたのかを生々しく語っている。証言記録は、一部黒塗りになっているが、以下のURLからダウンロードできる。
https://foreignaffairs.house.gov/_cache/files/e/7/e7bd0ed2-cf98-4f6d-a473-0406b0c50cde/23A0BEE4DF2B55E9D91259F04A3B22FA.tillerson-transcript-interview-5-21-19.pdf
1.メキシコ外相・クシュナー顧問私的会合との偶然の鉢合わせ(107頁)
●ある日、ワシントンD.C.でティラーソン長官が、ビジネスランチをするために市内のレストランに来たとき、レストランのオーナーが、メキシコ外相がたまたまお見えですよと耳打ちしてくれた。クシュナー氏とメキシコ外務大臣のルイス・ビデガレイ・メキシコ外相は、クシュナー上級顧問と食事中であった。ティラーソン長官は、彼のメキシコのカウンターパートが米国の首都を訪問していることを知らされていなかった。長官が彼らの食卓に行って、微笑みながらあいさつした時、メキシコ外務大臣の顔面が蒼白になるのを目撃した。長官は、「お二人のじゃまをするつもりはない。次にいらっしゃるときはご連絡ください」と伝えたと証言した。

2.湾岸危機:アラブ4か国によるカタール封鎖(80頁〜106頁)
●長官は、当時のマティス国防長官とともに豪州を訪問中の2017年6月5日サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン及びエジプトがカタールを突然封鎖したことは、想定外であり、驚きであったと証言した。
●長官は、同年5月2日にサウジの外相と会談し、トランプ大統領の初外遊に合わせてサウジで開催される中東サミットの一日前の5月20日にもサウジ外相と会談したが、湾岸危機に関する話は一切出なかったと証言。
●一方、長官は、クシュナー氏ともう一人のトランプ大統領アドバイザーであったスティーブ・バノン氏は、5月20日、サウジアラビアとアラブ首長国連邦の指導者たちとの秘密の夕食会をもったことを全く知らなかったと証言。そして、その席で封鎖が話し合われたことについて感想を聞かれたところ、このような重要な決定に国務省の見解を表明する機会を奪われたことに、怒りを覚えると発言。
●長官は、公開情報で封鎖の一報を聞いたあと、国務省に連絡を取り、報道が正確なのか、何が起きているのかを照会し、これが本当に起きていることを確認した。封鎖4か国に電話で連絡をとったが、彼らが我々に伝えたメッセージは、示し合わせたように極めて整合性がとれていた。カタールの首長にそれを伝えた。その時点では、十分な情報がなく、事態をエスカレートさせないようにというのが自分の対応であった。食糧不足や家族が引き裂かれるという人道上の懸念もあったと発言。
●長官は、4つの封鎖国すべてに対して、これは地域の安全保障にとって非常に有害であり、GCCの将来への脅威であり、ISISとの戦いを含む米国の当地域における利益に挑戦する者であるとして、彼らへの説得を試みたが功を奏さなかったと証言。
●長官は、話をした4か国高官からは、米政府内の誰かにこの件で事前に接触したとか、話をしたという示唆はなかった。同年6月6日、トランプ大統領は、「最近の中東訪問で、過激な思想には一切資金を提供すべきでないと述べ、各国指導者はカタールを指さした。見なさい」とツイートしたが、長官はサミットでそのような議論がされたことも、カタールが名指しされたこともないと証言した。
●クシュナー顧問とサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン(MBS)皇太子の関係について、長官は、両者の間には多くの直接のコミュニケーションがあり、クシュナー顧問は米国大使館に相談することなく、サウジや他の中東諸国をしばしば訪問していた、と証言。その件を長官から、クシュナー顧問に提起したところ、「もっとうまくやります」とクシュナー氏は答えたが、一向に改善されず、長官の仕事をより困難にしたと証言。
●さらに、長官はかつてカタール同様、サウジとUAEは、米中央軍(CENTCOM)をホストすることを申し出ていたが、最終的にカタールがホスト国になった。サウジは、更なる移転を要請したが、自分は与せず、意見を聴取するにとどめたと発言。

Posted by 八木 at 10:48 | イスラム世界で今注目されている人物 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

SPFにおけるイラン副大統領の講演地域情勢部分共有[2019年06月27日(Thu)]
6月27日午前、笹川平和財団(SPF)において、マスメ・エブテカール・イラン女性・家庭環境担当副大統領を招いて、両国外交関係樹立90周年記念講演会が開催されました。同副大統領は、1997年〜2005年までイラン・イスラム共和国初の女性副大統領を務め、2013年からローハニ大統領に任命されて、再び副大統領に就任しています。27日の講演会では、イランの女性の社会進出やエンパワーに焦点があてられましたが、現下の米イラン関係を含むペルシャ湾情勢の緊張についても言及がありました。イラン政府幹部が現下の情勢をどのように見ているのかを知る貴重な機会でもありましたので、関連部分の要旨のみ次のとおり共有します。なお、下記要旨は、あくまで、傍聴者としての寄稿者のメモによるものであり、正確さを欠く部分があることをお断りします。
(ペルシャ湾地域情勢関連部分要旨)
●イランもこの地域におけるダーエッシュ(ISIS)や過激派のテロを根絶するための戦いに積極的に参加してきた。テログループは、本来的にイスラムとは無関係な特殊なイデオロギーグループであり、西欧も含め世界の各地にその細胞が存在している。イランは、近隣のイラク、シリアやアフガンでも、テロとの戦いに参加し、地域の平和と安全の確保に貢献してきた。イランが軍事的介入を行い、原因を作ったわけではないにもかかわらず、過去40年に亘ってイランは国内に3-400万人ものアフガン難民を受け入れてきた。アフガン難民の子どもたちは、イラン国内では無料で、小学校での勉強を継続することができた。さらに、勉学を続けたい子どもたちには奨学金も提供されてきた。イランは、人々に甚大な害を及ぼすアフガン産の麻薬の通行路に位置し、マフィアも関与する麻薬の取引を阻止・撲滅させるために積極的に取り組んできた。これらは、本来国際社会が共同で対処すべき問題である。アフガニスタンには、ソ連と戦うためにジハーディストが多数入っていった。いったいどの国が武器を与えたのか。我々は、米国の冒険主義の犠牲者であり、そのつけを払わされている。我々は、現在、人々の利益に反する暴力のエスカレーションの中で、生きている。我々は、懐疑的な意見があったにもかかわらず、米国を含む当事者との間で交渉を経てイラン核合意(JCPOA)を結んだ。その合意は、安保理も支持した。IAEAも50回に及ぶ査察レポートを発出し、イランが完全に合意を履行していることを確認した。この合意は、「取引」であり、どちらかの当事者のみによる一方的な義務の履行を求めるものではない。相手側の義務の履行が行われず、我々は、やむなく、束縛される義務の数を減らすこととした。マルチの合意であるとの特色はいまや消滅しようとしている。それにもかかわらず、我々は毅然と立ち向かっている。我々は、自らを防衛している。米軍は、最近イランの領空に侵入し、イランはミサイルで、侵犯機を撃ち落とした。我々は、自身を防衛したということである。我々は、長らく平和を愛好する国民である。しかし、我々は、非常に厳しい事態に直面している。我々は、苦境を跳ね返さなければならない。日本の貢献を期待している。
寄稿者:八木正典

Posted by 八木 at 15:51 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

ハメネイ最高指導者への制裁発動を受けたイラン指導部とトランプ大統領の非難の応酬[2019年06月26日(Wed)]
米国が、ハメネイ最高指導者に制裁を発動し、ザリーフ外相を制裁の対象にする見通しを示したことに対して、イラン側は猛反発し、@ホワイトハウスは頭がおかしい、A外交の責任者であるザリーフ外相に制裁を課すということは、米国の対話の提案が嘘であったことを証明している、B欧州が核合意を守らないのであれば、イランのみが義務を遵守するということはありえない7月7日から核合意の義務離脱第二弾に入る、との立場を表明。これに対して、トランプ大統領は、ローハニ大統領の発言を「侮辱」とみなし、イランを力で圧倒し、一部の地域は「消滅」させることができると反応し、双方の非難の応酬はますますテンションを高めている。
1. イラン側反応
(1)ローハニ大統領(6月25日のテヘランでの演説)
●(ハメネイ師への制裁について)ホワイトハウスの行動は頭がおかしい(mentally retarded)ことを意味する。イランの戦略的な忍耐は、我々が(米国)を恐れていることを意味しない。最高指導者への米国の制裁は反人道的で、人権に反する。 最高指導者はイランだけに属しているのではない。レバノン、アフガニスタン、イラク、パキスタンのこれら国々の人々が彼の信奉者である。
●(制裁の一環としてハメネイ師の資産を「差し押さえる」という米国の決定について)最高指導者は、Hosseiniyeh(シーア派の礼拝所)と簡素な自宅を所有するのみであり、海外の口座に何十億ドルもの口座を所有して、制裁でその財産を差し押さえ、または阻止できるような他の国々の指導者とは全く異なる。最高指導者への制裁とは一体何か。米国への渡航を禁じられることか。
●(ザリーフ外相を対象とする新たな制裁の意味)米国によるイランとの対話の提案が「嘘」であったことが証明された。あなた方(米国)は交渉を呼びかけてきた。もしあなた方が真実を語っているのなら、なぜあなた方は同時に(交渉の責任者となる)我々の外相に制裁を課そうとしているのか。あなた方が嘘をついているのは明らかである。
●流線形のドローンを探知することは軍事的には容易ではない。イランがロシアのS-300対空システムではなく、自国製ミサイルで航空機を撃墜したことが米国の怒りを増幅させている。
(2)アッバース・ムーサウィ外務省報道官(6月25日):イランの最高指導者(ハメネイ師)とイラン外交の指揮官(ザリーフ外相)に対し、無意味な制裁を課すことは、外交の道を永久に閉鎖することだ。トランプ政権は、世界の平和と安全を維持するために確立されているすべての国際的メカニズムを破壊している。
(3)アラグチ外務次官(6月25日):欧州側から約束が履行されない状況にかんがみて、イランが一方的にその約束を実行する理由は残されていない。イランは外交の扉を開きつつ、その約束の度合いを次第に減らさざるをえない。
(4)アリー・シャムハニ国家最高安全保障評議会(SNSC)書記(6月25日):イランは、7月7日から(イラン核合意の)義務(の一部)を凍結する「第2段階」を開始する。これはSNSCの決定である。
2.トランプ大統領(6月25日ツイッター)の反応
●素晴らしいイランの人々は、正当な理由もなく苦しめられている。彼らの指導者はその資金のすべてをテロ活動に費やし、それ以外にはほとんど使わない。米国は、イランがIEDとEFP(爆弾)を使用し2000人を殺害し、それ以上が負傷したことを忘れていない。
●25日発出されたイランの非常に無知で侮辱的な声明は、彼らが現実を理解していないことを示しているだけである。イランによる米国人に対する如何なる攻撃も偉大で圧倒的な力に直面させられることになる。一部の地域では、圧倒するということは「消滅」を意味する。もうジョン・ケリーとオバマはいない!

Posted by 八木 at 10:06 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

大川真由子氏を講師とするスルタン・カブース公開講座セミナーへのお誘い(6月29日駒場東大)[2019年06月25日(Tue)]
6月29日、東京大学駒場キャンパスで、東京大学中東地域研究センターが主催して実施される東大におけるスルタン・カブース・グローバル中東研究寄付講座の3回目大川真由子氏を講師とする「オマーンにおける多様なエスニシティと国民統合」を当研究会が協力しています。

次回会合は湾岸の国の中でも極めてユニークな活動を展開するオマーンの活力の原点を探る意味でも大変興味深く、ご関心を有する方々のご出席を歓迎します。無料、事前登録不要です。毎回講師のプレゼンのあと活発な意見交換が行われています。
(実施詳細)https://park-ssl.itc.u-tokyo.ac.jp/UTCMES/topics/965.html

オマーンは、他の湾岸諸国と異なり、スンニー派イスラム国ではなく、イバード派に属するブーサイード王家が支配する国家で、現在の指導者はカブース国王です。

大川氏の講演は、イスラム教のマイノリティで、海洋国家で移民を多数受け入れてきたオマーンがどのように社会統合を実現してきたのか、多様性(ダイバーシティ)を尊重し、さまざまな起源の人びとを統合し、共存の重要さを発信するオマーンを知るうえで、極めて貴重な機会になると思われます。

社会デザイン学会中東イスラム世界社会統合研究会
コーディネーター 八木正典

Posted by 八木 at 16:18 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

イランの最高指導者を大統領令で制裁対象に指定したトランプ大統領[2019年06月25日(Tue)]
6月24日、トランプ大統領は、大統領令で、ハメネイ・イラン最高指導者とその事務所に制裁を発動した。同日国務省は大統領令に関連して、声明の中で、最高指導者のオフィースが、イラン国民の富を奪って私腹を肥やしてきたと指摘し、イランの悪意ある振る舞いを辞めさせることを目的とする包括的な交渉にイランが参加することが唯一の問題解決のための正しい道であると主張した。一方、財務省外国資産管理局(OFAC)は、同日、イランのIRGC(イラン革命防衛隊)海上部隊総責任者と海上管区別司令官の6名、および6月20日のドローン撃墜部隊を指揮する航空宇宙部隊司令官ならびにシリアに展開したIRGC地上部隊の責任者の合計8名のIRGC軍事部門高官を新たに制裁対象に指定した。因みに、IRGCは 2017年10月13日にOFACの制裁対象に指定されるとともに、2019年4月15日国務省により外国テロ組織に指定されている。この制裁について、アルジャジーラ記者は、ハメネイ師が1989年に最高指導者に就任して以来、外国訪問は、1989年の中国訪問が唯一であり、制裁の実質的影響はないとコメントしている。他方で、大統領令は、最高指導者と密接に関係する政府高官も制裁対象になる可能性を示唆しており、その中で、国連駐在経験もあり、西側諸国とも交流を重ねてきたザリーフ外相が制裁対象に指定されるのではないかという見方が浮上してきており、対象に指定されれば、各国は、ザリーフ外相の訪問受け入れ等の場面で、踏み絵を踏まされる可能性が生じる。
1.6月24日付大統領令
ハメネイ最高指導者とその事務所を、制裁対象に指定。イラン政府高官も今後制裁の対象に指定される可能性がある。
(第1条)既に米国内に存在する財産およびそこから生じる利益、今後米国内にも財産および利益、ならびに米国人の所有または支配の範囲内にあるか、またはこれに属するすべての財産および財産から生じる利益は阻止され、送金、支払、輸出、引き落とし、その他の方法で処理することはできない。
その対象は、@イラン・イスラム共和国最高指導者およびイラン最高指導者事務所、ならびに国務長官と協議の上、財務長官が決定した者となる。これらの対象者と取引する者は、制裁の対象となる。
(ホワイトハウス公式サイト 大統領令)https://www.whitehouse.gov/presidential-actions/executive-order-imposing-sanctions-respect-iran/

2.6月24日付国務省声明
●ハメネイ最高指導者とその事務所に対してトランプ大統領が制裁を発動した理由を説明するとともに、イラン政府に、米国との対話に応じることが唯一の問題解決に向けての正しい道であると強調。
@本日、ホワイトハウスは最高指導者およびその事務所に制裁を課し、それに関連した人々に対して更なる制裁を承認する大統領命令を発出した。この措置は、40年間にわたる米国と同盟国に対するテロと侵略に関与してきたイランの政権に対する最大限の圧力キャンペーンの一環として行われた。ごく最近、イランの政権は、米国の無人航空機を標的とするとともに、国際海運への攻撃を仕掛けた。
A最高指導者事務所はイランの人々の犠牲のうえに私腹を肥やしてきた。それはイランの人々に値する自由と機会を奪う専制と汚職の広大なネットワークの上に君臨している。今日の行動は、イランの指導者がテロを広め、イランの人々を抑圧するための財源を遮断することにある。
B前向きに進む唯一の途は、イランが不安定化をもたらすすべての振る舞いに対処する包括的な取り決めに向けて交渉することである。それが行われるまで、外交的に孤立させ、最大限の経済的圧力を加えるという我々のキャンペーンは継続する。イランの政権が暴力を放棄し、外交で対応しようとすれば、途は開かれるであろう。
https://www.state.gov/executive-order-to-impose-sanctions-on-the-office-of-the-supreme-leader-of-iran/

3. 財務省OFACの制裁
●OFACは16日、イスラム革命防衛隊(IRGC)の海上部隊(IRGCN)、航空宇宙部隊、地上部隊の幹部8名を制裁対象に指定
@OFACは、IRGCN司令官アリー・レザ・タンシリ(Ali Reza Tangsiri)を制裁対象に指定。 2019年2月、タンシリ司令官は、米国の制裁措置によりイランの原油輸出が阻止されれば、イランの政権が国際水路であるホルムズ海峡を閉鎖すると脅し、イランの政権はこの地域における米国の利益を標的にしている。 IRGCNの司令官として、本日制裁を課されたIRGCNの5名の海上管区司令官の上位に君臨しており、国際水域での船舶の攻撃に責任を有している。
A IRGC航空宇宙部隊の指揮官アリー・ハジザデ(Amir ali Hajizadeh)も制裁対象に指定された。同人の部隊は2019年6月20日に米国の無人航空機を撃墜した。ハジザデはイランの挑発的な弾道ミサイルプログラムを監督している。OFACは、IRGCの地上部隊の司令官モハンマド・パクプール(Mohammad Pakpour)も制裁対象に指定した。パクプールの指揮下で、IRGC地上部隊はIRGCコッズ部隊と残忍なアサド政権を支援してシリアでの戦闘のため同地に展開した。 2017年、パクプールはIRGCコッズ部隊を支援するためIRGC地上部隊はシリアに展開していたと述べた。
B OFACは更にIRGCNの5つの海上管区司令官を制裁対象に指定した。彼らは、ホルムズ海峡内およびその周辺でのイラン政権による不安定化を招く挑発的な海上行動を担当している。
•IRGCN第1海上管区地区司令官アッバース・ゴラムシャヒ(Abbas Gholamshahi)
•IRGCN第2海上管区司令官ラメザン・ジラヒ(Ramezan Zirahi)
•IRGCN第3海上地区司令官ヤドラ・バディン(Yadollah Badin)
•IRGCN第4海上地区司令官マンスール・ラバンカー(Mansur Ravankar)
•IRGCN第5海上地区司令官アリー・オズマイ(Ali Ozma’i)
(財務省プレスリリース)https://home.treasury.gov/news/press-releases/sm716

Posted by 八木 at 15:56 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

イスタンブール市長やり直し選での野党候補イマームオール氏の勝利とその意味[2019年06月24日(Mon)]
トルコでは、3月31日に統一地方選挙が実施され、エルドアン大統領率いる与党公正発展党(AKP)は、市長選では、トルコ最大都市のイスタンブール、首都のアンカラ、ならびに主要都市であるイズミールで敗北した。4月17日に選挙管理委員会が発表した最終集計によれば、人口1600万人のトルコ最大の都市で経済の中心地であるイスタンブール市長選では、中道左派野党である共和人民党(CHP)公認のエクレム・イマームオール(Ekrem Imamoglu)候補は4,169,765票を獲得し、AKP公認のビナリ・ユルドゥルム(Binali Yildirim)候補は4,156,036票で、 13,729票という僅差であった。しかし、5月6日トルコの高等選挙管理委員会は、不正があったとして、3月31日の選挙結果の取り消しと、再選挙を6月23日に実施すると発表した。

6月23日実施された再選挙の非公式の結果によれば、開票の99.37パーセントの合計で、イマームオール候補は470万票以上の投票の54.03パーセントを獲得し、ユルドゥルム候補は400万票近くの45.09パーセントの獲得に留まった。その差は、777,581票で、前回の13,729票から大きく差が拡大した
イマームオール氏は、勝利宣言を行い、イスタンブール市民に、トルコの1世紀に亘る民主主義の伝統を守ってくれたことに謝意を表明した。ユルドゥルム候補は、敗北を認め、イマームオール氏の勝利を祝福し、「我々は、イスタンブール市民を代表して、彼が行うあらゆる職責において彼を支援しよう」と発言した。エルドアン大統領も、イマームオール氏の勝利を祝福し、敗北を認めた。
(国営アナドール通信記事)
https://www.aa.com.tr/en/politics/chps-imamoglu-wins-istanbul-s-mayoral-poll/1513613

イスタンブールの市長は過去15年間AKPが支配し、エルドアン大統領自身、1994年から1998年の間にイスタンブールの市長を務めた経歴を有する。ユルドゥルム氏は、エルドアン大統領が自らの権力基盤強化のため憲法改正によって首相職を廃止したため、共和国最後の首相を務めた人物であり、こうした状況からも、エルドアン大統領にとっては、自身の面子をかけた絶対に落としたくない市長選であった。
2018年の公式統計によると、イスタンブール市の地方交付金を含む全体予算は、約426億トルコリラ(75億ドル)であり、その規模は、トルコの国防省のおよそ80億ドルの予算とほぼ同額であり、法務省、保健省、外務省を含む他の省庁を上回るものであるとのことで、エルドアン大統領は、「イスタンブールを失うことは、すなわちトルコを失うことだ」と宣言していた。

今回の選挙は、表向きの与党候補と野党候補の市長選挙のレベルを超えて、一面で大統領への権限集中を図り、イスラム色を強めるエルドアン大統領の信任を問う選挙であるともとらえられていた。これにトルコの中流階級、ホワイトカラー、クルド人が反発し、また、野党側の有権者を投票所に足を運ばせる戦術も効果を発揮し、予想以上の大差で、イマームオール氏の勝利が決定したといえる。野党候補がやり直し選挙でも、票差を拡大して勝利したこと、エルドアン政権も今回は速やかに結果を受け入れざるを得なかったことは、トルコの民主主義が機能している証左といえる。同時に対外的には、米国に対しても一歩も引かない強い大統領として、また、世界のムスリムの権利を擁護する強いリーダーとしてのイメージを高めるエルドアン大統領であるが、国内的には、経済状況の改善による中産階級への配慮、厳しい締め付け策をとるクルド系国民に対する政策の見直し等国内基盤の立て直しを迫られることになる。さらに、注目されるのは、かつてエルドアン大統領自身がそうであったように、イスタンブール市長は国政での指導者となる登竜門でもあり、トルコ最大の都市の顔となるイマームオール氏が、イスタンブール市長として実績を重ね、支持者を拡大させれば、将来、長期政権を試みるエルドアン大統領への挑戦者となりかねないことである。イスタンブール議会は、与党公正発展党が多数を占めており、エルドアン政権は、議会のAKP勢力を通じて、イマームオール新市長への締め付けを強化していくことは間違いない。
(前回関連ブログ投稿)
https://blog.canpan.info/meis/daily/201905/07

Posted by 八木 at 09:40 | イスラム世界で今注目されている人物 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

バーレーンWSを目前に控え、ホワイトハウスが公開した「繁栄に向けての平和(Peace to Prosperity)」の中身[2019年06月23日(Sun)]
6月25日、26日、バーレーンで開催される米国の新中東和平プラン「世紀の取引」の経済的側面に焦点をあてたワークショップを直前に控え、ホワイトハウスは、「繁栄に向けての平和(Peace to Prosperity)−パレスチナ人とより広がりを有する中東への新たなビジョン−」と題するHPを起ち上げ、米国のプランが如何にパレスチナ人に明るい将来の展望を切り開くものであるかのアピールを開始した。HPでは、パレスチナ人は何世代にもわたって平和を知らずに暮らしてきており、西岸とガザは、長引く危機に陥っているとして、新プランを、@概観、A解き放たれた経済的ポテンシャル、Bパレスチナ人のエンパワー、Cパレスチナ人のガバナンスの向上の4項目に分けて、主要点を説明するとともに、プランの詳細を記した冊子を公開した。
(Peace to Prosperity 専用サイト)https://www.whitehouse.gov/peacetoprosperity/empowering-palestinian-people/
(Peace to Prosperity冊子)https://www.whitehouse.gov/wp-content/uploads/2019/06/MEP-narrative-document_FINAL.pdf
1.Peace to Prosperityの主要点
500億ドルのグローバル投資ファンドを創設し、179のインフラ・ビジネスプロジェクトをカバーする。
●米国は、500億ドルの大部分の資金を裕福なアラブ湾岸諸国から調達することを期待。
●全体のうち、280億ドルが10年で、パレスチナ自治区の西岸とガザにもたらされる。
ヨルダンは75億ドル、エジプトは90億ドル、レバノンは60億ドルの経済的恩恵を受け取る。
●全体は、150億ドルは贈与(グラント)、250億ドルは譲許性の高い融資(ローン)、および110億ドルが民間資本で構成される。
●50億ドルをかけて西岸とガザを結ぶ交通回廊が設けられる。

2.バーレーンWSアジェンダ
こうした中、サウジ系アルアラビーヤは、来るバーレーンWSのアジェンダを公開した。詳細は、以下のURLから確認願いたい。
https://english.alarabiya.net/en/News/gulf/2019/06/21/Al-Arabiya-publishes-a-draft-of-the-Peace-to-Prosperity-workshop-s-program.html
6月25日
18時 カクテルレセプション
19時 開会スピーチとパネル
20時 開会晩餐会
6月26日
8時30分 ネットワーキング朝食会
9時 イントロ
9時5分 パネル1 :解き放たれた経済的ポテンシャル
9時55分 討論:成長に向けての戦略的セクター

(コメント)今回のWSは政治的側面の議論に入る前に、まず、経済的可能性をパレスチナ人に示して、新和平プランにのっかると如何に良いことがあるのか、次代を担うパレスチナ人にも新たな展望が生まれることを示して、過去にとらわれるな、この機会を逃すなというメッセージを送っている。この果実を選択すれば、湾岸諸国は、投資基金の500億ドルのほとんどを融資し、西岸・ガザのパレスチナ人は、今後10年で280億ドルを受け取ることができると説明している。そして、近隣のヨルダン、エジプト、レバノンは合計225億ドルを受け取るとしている。確かにパレスチナ人の子どもたちが未来を描く機会を奪われていることは事実である。しかし、このプランをパレスチナ人は拒絶している。70年間続いた政治的権利確保のための闘争を「お金」と引き換えに売り渡したということになるからである。パレスチナ難民をホスト国として受け入れているヨルダン、レバノンとこの計画には現在は含まれていないものの、シリアは、提供される資金のかわりに現在受け入れているパレスチナ難民の「帰還の権利」を放棄させるために、自国民として扱うよう対応を求められることになる。また、西岸・ガザのパレスチナ人も、エルサレムの権利を放棄し、西岸におけるユダヤ人入植地の回復を諦めるようにいわれることになる。バーレーンWSには、サウジ、UAEやエジプト、ヨルダン、モロッコほかが出席する見通しであるが、肝心のパレスチナ自治政府は欠席を宣言しており、パレスチナ系のビジネスマンの多くも出席しない見通しとなっている。中東で緊張が高まる中、アラブ世界も分裂した状態で、米国の経済的繁栄に着目した新和平プラン「世紀の取引」の第一弾が、次の「政治的解決」のプロセス開始のはずみになるのかについては悲観的にならざるをえない。

Posted by 八木 at 08:59 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

トランプ大統領はなぜイラン攻撃を思いとどまったのか[2019年06月22日(Sat)]
今回、米軍の出撃直前で、トランプ大統領がイラン攻撃を思いとどまった理由は何であろうか。強い大統領を演出しつつ、大統領自身としては、側近の進言にもかかわらず本音では見通せない戦争を開始したくないとの思いがあると推測される。いくつか理由を考えてみたい。
@ダンフォード統合参謀本部議長をはじめ、現場を抱える軍幹部からかなり強い慎重な意見が出されたとみられること。ヒズボラなどのイランの代理機関ではなく、直接、イラン領内で、米軍がイランの施設や部隊に攻撃を仕掛ければ、国対国の正面衝突となり、米国は軍事力では圧倒的に勝っているとはいえ、米軍兵士の生命が脅かされること。
Aイランとの軍事衝突を始めれば、収拾のめどがたたなくなる恐れが強いこと。イラクやシリアなどでもイランの代理部隊により、米国の権益が狙われて、中東全域に波及する恐れがあること。
B米議会は、トランプ大統領に米軍兵士の命がかかわる戦争開始の白紙委任状を付与することについては、民主党を中心に慎重な意見が強いこと。
C米国が実際に軍事力を行使した2018年4月のシリア攻撃を振り返れば、大量破壊兵器と位置づけられる化学兵器をアサド政権が使用したとの「大義名分」を掲げ、その検証は行われていなかったものの、更なる使用を防止するデモンストレーション効果が期待できたこと。そのために米国の単独攻撃ではなく、英、仏との三国共同作戦であったこと。アサド政権に強い影響力を有するロシアとの間では、偶発的衝突を避けるチャネルが存在し、ロシアが反撃することはなく、ロシアを通じて事前の警告をうけたシリア側の被害も、100発以上のミサイル攻撃を受けた割には極めて軽微であったことがあげられる。今回攻撃を開始すれば、イラン側を抑制する国が存在せず米軍は泥沼に入る恐れがあること。そうなれば、トランプ大統領の再選戦略に赤信号が灯ること。
(参考)
1.トランプ大統領ツイッター発言
●彼ら(イラン)は国際水域上空を飛行中の無人ドローンを撃墜した。昨夜、私たちは3つの異なる地区に報復するために準備を整えていた時、私は何人死ぬことになるのかと質問し、ある将軍は、150人と答えた。攻撃の10分前に私はそれを止めた無人のドローンの撃墜とは釣り合いが取れていないと思ったからだ。
私は急いでいない。私たちの軍隊は態勢を整え、新たに、そして世界のどこであっても最高の状態で行く準備ができている。制裁措置が取られ、昨夜更に追加されている。イランは決してアメリカに対しも、世界に対しても、核兵器を持つことができない!
2.イラン側反応
●イラン・イスラム革命警備隊(IRGC)の航空部隊司令官アリー・ハジザデ(Amir Ali Hajizadeh)は21日記者団に対し、米国のドローンのほかに、35名搭乗の米国のP-8航空機もイランの空域を侵犯しており、それを標的にすることはできたが、米国のドローンを撃墜した我々の目的は、テロリストの米軍に対して警告を与えるためであったからであると発言。
●21日、イランのハタム・アル・アンビア航空防衛基地の第2指揮官であるカーデル・ラヒムザデ准将(Qader Rahimzadeh)は、ドローン撃墜前に幾たびも警告を発したと述べた。アリー・ハジザデ司令官によれば、最後の警告は撃墜の10分前の現地時間20日午前3時55分に出された。
●イランのアッバース・アラグチ(Abbas Araqchi)外務次官は、米国のドローンがイランの空域に侵入していたとの動かぬ証拠があり、その残骸の一部は、イランの領海内で回収されている(残骸の画像を含む記事は下記URL参照)と発言。20日午前、イランにおいて米国の利益を代表するスイスのマルクス・レイットナー(Markus Leitner)大使がイラン外務省に招致され、米国への即時転達を依頼した公文書を受け取った。イラン外務省で同大使は、「イランはどの国とも戦争を望んでいないが、イラン軍部隊はあらゆる侵略に対して壊滅的な反撃に出る用意を整えている」とのメッセージ伝達を依頼された。
(公開されたドローン残骸の画像を掲載したプレスTV記事)
https://www.presstv.com/Detail/2019/06/21/599048/Iran-photos-US-drone-wreckage-persian-gulf-IRGC

Posted by 八木 at 12:20 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

イラン報復攻撃を直前で思い直したトランプ大統領[2019年06月21日(Fri)]
現地時間6月20日未明に発生したイランのKhordad-3地対空ミサイルシステムによる米海軍ドローン・ステルス偵察機の撃墜(米側説明、イラン側説明は下記のとおり)に対して、トランプ大統領が、一旦イラン報復攻撃を命じ、その後、命令を撤回したとみられることがニューヨークタイムズの報道等で明らかになった。当初「イランは大変大きな過ちを犯してしまった」とつぶやいたトランプ大統領は20日、イランがホルムズ海峡上空で無人偵察機を撃墜したことに対する報復攻撃を命じたが、実施予定のわずか数時間前に作戦を中止した、と米当局関係者が匿名で証言している。トランプ大統領がなぜ作戦をやめさせたのか、作戦に如何なる対象が含まれていたのかは、明らかになっていない。米国防総省には6か月間正式に就任した国防長官は不在であり、仮に攻撃を実施しても、そのあとの展開も落としどころもまったく読めない中、大統領が危険な冒険を思いとどまったことについては、世界の多くの人々が安堵したと思われる。
(イランによるドローン撃墜の映像)https://www.presstv.com/Detail/2019/06/20/599007/US-drone-Khordad-3-air-defense-missile-IRGC

◆ドローン撃墜に関する米・イラン双方の主張
1.米中央軍:米中央司令部は、米海軍広域海上監視(BAMS-D)ISR航空機がグリニッジ標準時2019年6月19日午後11時35分にホルムズ海峡上空の国際空域で飛行中にイランの対空ミサイルシステムによって撃墜されたことを確認した。イランは、航空機がイラン領空上にあったと報告しているが、誤りである。これは、国際空域における米国の監視用機器へのいわれのない攻撃であった。
BAMS-Dは、RQ-4Aグローバルホーク高高度長期耐久性(UAS)無人航空機システム(UAS)であり、広大な海域および沿岸地域を対象にリアルタイムの情報を提供し、監視および偵察任務(ISR)にあたっている。
2.ザリーフ・イラン外相:現地時間2019年6月20日00:14、米国のステルス無人偵察機がアラブ首長国連邦から離陸し、イラン空域に侵入した。 Kouh-e Mobarakの近くの座標(25°59'43 "N 57°02'25" E)でイラン時間04:05、同機が標的となった。我々はそれが撃墜されたところの我々の領海内で米軍の無人機の破片を回収した。
(撃墜地点に関する双方の主張)https://www.washingtonpost.com/resizer/G4bil7ShSi_W1SR4SmQTxllIr9M=/1484x0/arc-anglerfish-washpost-prod-washpost.s3.amazonaws.com/public/LWYBNUUTW4I6TFLKRDBJDK24HA.jpg

Posted by 八木 at 15:10 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

サウジ他への武器供給を阻止する米国、英国内の動き[2019年06月21日(Fri)]
湾岸地域におけるイランと米国との緊張が拡大する中、米国の同盟国で最大の武器輸入国であるサウジ他への武器供給取引を阻止しようとする注目すべき動きが生じている。

1. 米国議会の動き
●6月20日、米上院は、トランプ政権によるサウジアラビア、UAE、ヨルダンへの総額81億ドル、22件の武器供給取引を阻止するための決議案を採決し、2件の取引を阻止する決議案は、それぞれ53-45で、残り20の取引を阻止する決議案は、53-45で可決した。前者2つの決議案には共和党の、スーザン・コリンズ(メイン州)、リンゼー・グラハム(サウスカロライナ州)、マイク・リー(ユタ州)、ジェリー・モラン(カンザス州)、リーサ・マーカウスキー(アラスカ州)、ランド・ポール(ケンタッキー州)、トッド・ヤング(ペンシルベニア州)の7名の上院議員が賛成した。後者1つの決議案は、マイク・リー議員が棄権し、リーサ・マーカウスキー議員は反対した。
●去る5月24日ポンペイオ国務長官は、 プレス声明の中で、「武器輸出管理法第36条に従って、ヨルダン、UAE、サウジへの22件の保留中の武器移転の正式な通告を直ちに完了するよう決定を下した。全体で約81億ドルに及ぶ武器移転は、イランの侵略を抑止し、パートナー国の自衛能力を構築する。これらの売却は我々の同盟国を支持し、中東の安定性を高め、そしてこれらの国々が彼ら自身の抑止力を高め、イラン・イスラム共和国から自らを守るのを助けるであろう。」と述べ、「緊急事態」を理由に議会の事前の承認なしで、保留中であった武器輸出を決定した。これに対して、共和党の一部議員を含め議会から、行政府の武器輸出決定に対して議会による歯止めがかからない事態を招きかねないとして懸念が高まっていた。決議案のスポンサーであるボブ・メネンデス上院議員(民主党)は、米議会は、サウジアラビア、ないしUAEとの米国の同盟関係は、「白紙の小切手ではない」というメッセージを送る必要があると主張した。
●民主党が多数の下院でも、武器輸出を阻止するための決議案が早晩採択されるものとみられるが、トランプ政権は、すでに、拒否権を発動する意向を表明しており、議会が、2/3の多数で、大統領拒否権を覆すことはできないとみられることから、中東3か国への武器輸出は実行されることになるとみられる。

2. 英国における武器輸出阻止にかかる動き
●6月20日、武器売買反対運動(CAAT)からの訴えを受けてサウジアラビアへの武器輸出に対する審議を行ってきた英国の控訴裁判所は、武器取引により国際人道法違反が発生したかどうかについて何の評価もせずにフォックス国際貿易担当相が許可を与えたのは、プロセスとして「非合理的で違法」であり、2015年のアラブ連合軍によるイエメンへの軍事介入以来、サウジアラビアとの間で実施した少なくとも47億ポンド(59億ドル)相当の武器取引について、即時審査を行うよう命じた。この判決は、英国政府が新しい武器輸出許可の発行を停止し、法に従ってサウジへの武器輸出を見直す必要があることを意味する。3人の裁判官は、2016年に内密に行われた決定により、ボリス・ジョンソン、ジェレミー・ハント、リアム・フォックス氏を含む主要閣僚がイエメンにおける民間人へのリスクを適切に評価せずに武器輸出を違法に承認したと判断した。
●これに対して、メイ首相は判決に失望したとして、政府として上訴する意向を表明した。一方、フォックス国際貿易担当相は、判決を不服としながらも、新たな決定が行われるまでの間、サウジへの武器輸出を停止する意向を表明した。
(関連記事)https://www.dw.com/en/uk-arms-sales-to-saudi-arabia-declared-unlawful-by-court-of-appeal/a-49275933

Posted by 八木 at 11:36 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

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