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カショーギ氏殺害(対立が深まる米議会とサウジ指導部)[2018年12月19日(Wed)]
カショーギ氏殺害事件については、米議会とサウジ政府との対立が深まっている。主な関係機関の立ち位置、対立構造は次のとおり。
1. 米国議会:米上院は、12月13日上院合同決議69号を全会一致で口頭承認し、ムハンマド・ビン・サルマン(通称MbS)皇太子がジャマール・カショーギの殺害に責任があるとの立場を明確に打ち出した。さらに同日、イエメンにおける米議会の承認のない米軍部隊による敵対行為(自国以外の戦闘機等への給油を含む)からの退去等を求める上院合同決議第54号を賛成56、反対41で採択し、イエメンへの軍事介入を開始し、内戦の終結に影響力を有するMBS皇太子ならびに皇太子を支えるトランプ政権への圧力を強化した(注:同決議の成立は下院で承認され、さらに大統領が拒否権を発動しないことが条件となる)。
2. 米国CIA:12月上旬ハスペルCIA長官から米議会幹部に対して実施された分析報告は非公表で詳細知る由もないが、コーカー上院外交委員長やグラハム上院外交委員のコメントを聴く限り、CIAの説明は、MbS皇太子が殺害を指示あるいは関与した疑いは極めて濃厚であるとの判断を示したことは間違いない。
3. 米行政府:トランプ大統領は、CIAの分析報告に対して、皇太子が関与したかもしれないし、そうでないかもしれないとコメントの上、サウジとの関係の重要性にかんがみ、これまでどおりの関係を継続する意向を表明。ポンペイオ国務長官も、MbS皇太子が直接殺害を指示した証拠は有していないとして、米議会の批判をかわそうとしている。11月15日米財務省は、カショーギ氏殺害当日、在イスタンブール・サウジ総領事館で殺害に関わったとされる15名プラス犯行の現場となった総領事館の主であるオタイビ総領事ならびに本国から暗殺団一行を指揮したとみられるカハタニ(前)王宮府顧問に資産凍結・取引禁止等の制裁を発動した。
4. トルコ政府:エルドアン大統領の立場は、殺害責任者とサウジ王家指導体制の維持を明確に分離するというもので、サルマン国王の下で、殺害を命じた人物に責任をとらせ、執行部の交代等を期待しているとみられる。カショーギ氏殺害の全体像がほぼ明らかになったのは、エルドアン大統領のイニシアティブの下、トルコ側が把握するに至った捜査情報を主要メディアに小出しにリークし、サウジ側やそれを支えるトランプ政権に圧力をかけ続けてきた結果といえる。トルコ側は、サウジ人容疑者引き渡しによるトルコ国内での裁判の実施をサウジ側に要求したが、サウジは拒絶している。米国との間では、10月23日来訪したCIAハスペル長官と情報交換したほか、トルコ情報部MITのフィダン長官を米国に派遣し、12月6日、ハスペルCIA長官同席の下、米議会幹部にトルコ側が所有している情報を提供したとされる。
5. サウジ政府:11月15日にサウジ検事総局は、カショーギ氏殺害の容疑で5名に死刑を求刑し、その他6名を起訴する意向を明らかにした。その後、MbS皇太子は「みそぎ」の旅を開始し、UAE、バーレーン、エジプト、チュニジアを訪問。11月末にはブエノスアイレスでのG20サミットにサウジを代表して出席。その後、モーリタニア、アルジェリアを訪問し、国際舞台への復帰を果たしている。12月13日米上院が、MbS皇太子が殺害に責任を有すると考えているとの決議を採択したことに対し、サウジ外務省は、12月16日、サウジアラビア王国は根拠のない主張や申し立てに基づき、王国の内政に露骨な干渉を行い、王国の地域的および国際的役割を損なう米国上院によって最近表明された立場を拒絶する、との声明を発出し、内政への干渉、とりわけ二聖モスクの守護者(注:サルマン国王)と皇太子によって体現されるサウジ指導部を侮辱するいかなる形の非難も一切拒絶すると発表した。事件にかかわったとされるアッシーリGIP(元)副長官、カハタニ(元)王宮府長官は、10月19日にポストを解任されたが、諜報用機器の調達のためにイスラエルを訪問したとの報道(WSJを引用した12月18日付ミドル・イースト・アイ記事)もあり、現在の処遇が注目されている。
これに関する電子書籍はこちらにあります。

Posted by 八木 at 12:49 | イスラム世界で今注目されている人物 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)