米・イスラエルによるイラン攻撃(シーア派世界はどう反応するのか)[2026年03月05日(Thu)]
2月28日の米・イスラエルのイラン攻撃で、イランの最高指導者アリー・ハメネイ師が殺害されたが、それに対して、隣国イラクのシーア派最高指導者アリー・アル・シスターニ師の反応が注目されていた。3月4日、シスターニ師の事務所は、以下の声明を発出した。
◆イラクのシーア派最高権威シスターニ師事務所の声明(2025年3月4日)
3月4日、イラクのシーア派宗教指導者大アヤトッラー・アリー・アル・シスターニ師の事務所はイランに対する米国の継続的な軍事侵攻を強く非難し、ここ数日の攻撃により、国防軍関係者、数十人の子ども、その他罪のない民間人を含む多数の民間人が殉教したと述べた。同事務所は声明で、イランへの軍事攻撃は数日間続き、「祖国を守る多くの英雄」を含む多くの市民、そして数十人の子どもやその他の非戦闘員が殉教したと述べた。
また、軍事侵攻の範囲は他の複数の国にまで拡大し、多くの地域や施設が前例のない被害と破壊に見舞われたと付け加えた。同事務所は声明の中で、「国連安全保障理事会の理事国が、特定の条件を課したり、その政治体制を転覆させたりするために、他の国連加盟国に対して全面戦争を開始するという一方的かつ独立した決定は、国際憲章に違反するだけでなく、非常に危険な前例となる」と警告した。同事務所は、このような行動は地域的および国際的に重大な結果をもたらし、広範な混乱と長期的な不安定化を引き起こし、地域全体の人々の苦しみを深刻化し、他者の利益を損なう可能性があると述べた。声明はまた、高位宗教的権威は「この不当な戦争を強く非難する」と述べ、世界中のすべてのイスラム教徒と自由な人々に対し、この戦争を非難し、「抑圧されているイラン国民」との連帯を表明するよう呼びかけた。最後に、同事務所は、宗教指導者は改めて、すべての国際的主体と各国、特にイスラム諸国に対し、侵略を即時停止し、国際法に基づきイランの核問題の公正かつ平和的な解決を追求するためにあらゆる努力を尽くすよう強く求めたと述べた。
https://www.islamtimes.com/en/news/1267627/ayatollah-sistani-s-office-condemns-us-aggression-on-iran
(コメント)イラクのナジャフを拠点とするアリーシスターニ師は、シーア派世界の最高指導者のひとりで、2014年にイスラム国ISISがイラクでの実効支配を宣言した際、同勢力の打倒を促すファトワーを発出し、それを受けて、人民動員部隊(PMF)が結成され、ISIS駆逐作戦を開始した経緯がある。シスターニ師は、2月28日の米・イスラエル軍によるハメネイ師とその家族殺害に対して、弔意を表明していたが、米・イスラエルのイラン攻撃にどのような立場を表明するのか注目されていた。声明は、事務所名でのもので、シスターニ師自身のファトワーとまでは言えないものの、「この不当な戦争を強く非難する」と述べ、特にイスラム諸国に対し、侵略を即時停止し、国際法に基づきイランの核問題の公正かつ平和的な解決を追求するためにあらゆる努力を尽くすよう強く求めている。現在、自国内をイランから攻撃を受けたサウジアラビアやUAEが自衛権行使のためにイランへの反撃に出ようとしているとの見方もある。そうなれば、地域のエネルギー関連施設全体が攻撃の応酬に巻き込まれ、市民の犠牲も拡大し、周辺国が泥沼に巻き込まれることも排除されない。現在254日分の石油備蓄を有するものの、2025年に原油輸入の94%を中東に依存してきた日本のエネルギー安全保障にも甚大な影響が及ぶことは避けられない。シスターニ師事務所の声明は、決してシーア派イスラム教徒にイランとともに武器をもって立ち上がれというメッセージではない。今こそ、イスラム諸国、そして国際社会が地域の安定と市民の被害を抑制するため、停戦実現を団結して働きかけることを期待したい。
◆イラクのシーア派最高権威シスターニ師事務所の声明(2025年3月4日)
3月4日、イラクのシーア派宗教指導者大アヤトッラー・アリー・アル・シスターニ師の事務所はイランに対する米国の継続的な軍事侵攻を強く非難し、ここ数日の攻撃により、国防軍関係者、数十人の子ども、その他罪のない民間人を含む多数の民間人が殉教したと述べた。同事務所は声明で、イランへの軍事攻撃は数日間続き、「祖国を守る多くの英雄」を含む多くの市民、そして数十人の子どもやその他の非戦闘員が殉教したと述べた。
また、軍事侵攻の範囲は他の複数の国にまで拡大し、多くの地域や施設が前例のない被害と破壊に見舞われたと付け加えた。同事務所は声明の中で、「国連安全保障理事会の理事国が、特定の条件を課したり、その政治体制を転覆させたりするために、他の国連加盟国に対して全面戦争を開始するという一方的かつ独立した決定は、国際憲章に違反するだけでなく、非常に危険な前例となる」と警告した。同事務所は、このような行動は地域的および国際的に重大な結果をもたらし、広範な混乱と長期的な不安定化を引き起こし、地域全体の人々の苦しみを深刻化し、他者の利益を損なう可能性があると述べた。声明はまた、高位宗教的権威は「この不当な戦争を強く非難する」と述べ、世界中のすべてのイスラム教徒と自由な人々に対し、この戦争を非難し、「抑圧されているイラン国民」との連帯を表明するよう呼びかけた。最後に、同事務所は、宗教指導者は改めて、すべての国際的主体と各国、特にイスラム諸国に対し、侵略を即時停止し、国際法に基づきイランの核問題の公正かつ平和的な解決を追求するためにあらゆる努力を尽くすよう強く求めたと述べた。
https://www.islamtimes.com/en/news/1267627/ayatollah-sistani-s-office-condemns-us-aggression-on-iran
(コメント)イラクのナジャフを拠点とするアリーシスターニ師は、シーア派世界の最高指導者のひとりで、2014年にイスラム国ISISがイラクでの実効支配を宣言した際、同勢力の打倒を促すファトワーを発出し、それを受けて、人民動員部隊(PMF)が結成され、ISIS駆逐作戦を開始した経緯がある。シスターニ師は、2月28日の米・イスラエル軍によるハメネイ師とその家族殺害に対して、弔意を表明していたが、米・イスラエルのイラン攻撃にどのような立場を表明するのか注目されていた。声明は、事務所名でのもので、シスターニ師自身のファトワーとまでは言えないものの、「この不当な戦争を強く非難する」と述べ、特にイスラム諸国に対し、侵略を即時停止し、国際法に基づきイランの核問題の公正かつ平和的な解決を追求するためにあらゆる努力を尽くすよう強く求めている。現在、自国内をイランから攻撃を受けたサウジアラビアやUAEが自衛権行使のためにイランへの反撃に出ようとしているとの見方もある。そうなれば、地域のエネルギー関連施設全体が攻撃の応酬に巻き込まれ、市民の犠牲も拡大し、周辺国が泥沼に巻き込まれることも排除されない。現在254日分の石油備蓄を有するものの、2025年に原油輸入の94%を中東に依存してきた日本のエネルギー安全保障にも甚大な影響が及ぶことは避けられない。シスターニ師事務所の声明は、決してシーア派イスラム教徒にイランとともに武器をもって立ち上がれというメッセージではない。今こそ、イスラム諸国、そして国際社会が地域の安定と市民の被害を抑制するため、停戦実現を団結して働きかけることを期待したい。
Posted by 八木 at 10:31 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)



