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米軍によるイラクの親イラン民兵組織カターイブ・ヒズボラ幹部殺害の影響[2024年02月08日(Thu)]
米中央軍(CENTCOM)は2月7日、同軍がイラクの首都バグダッドの東地区で車両に向けたドローン空爆を実施し、親イラン民兵組織カターイブ・ヒズボラ(イラクのヒズボラ旅団。略称KH)の司令官を殺害したと発表した。米軍は、同司令官の名前を発表しなかったが、イラク・メディアによれば、殺害されたのは、アブー・バーケル・アル・サイディ(アブー・バーケル・アルディヤーリとも呼ばれ、シリア責任者とされる)司令官ほか2名で、さらに負傷者もいるとのこと。米中央軍スポークスマンは、「2月7日午後9時30分、米中央軍(CENTCOM)軍は米軍人への攻撃に対抗してイラクで攻撃を実施し、米軍への攻撃を直接計画し参加した責任のあるKH司令官を殺害した。 現時点では巻き添え被害や民間人死傷者の兆候はない。米国は国民を守るために必要な行動を取り続ける。我が国軍の安全を脅かすすべての者に対し、ためらうことなく責任を負う」と付け加えた。
(コメント)カターイブ・ヒズボラ(アラビア語: كتائب حزب الله)は、イラクでISISが台頭した際、イラクシーア派の最高宗教権威であるアリー・シスターニ師の呼びかけで結成された人民動員部隊(PMF)の一部を構成したイラクのシーア派民兵組織。2003年創設とされる。 2003年からの イラク戦争では、米軍を主体とする連合軍と戦った。 この組織は、2020年1月3日に米国の無人機攻撃でバグダッド空港の出口で、イランのイスラム革命防衛隊(IRGC)コッズ部隊のソレイマニ司令官とともに、殺害されたPMF副司令官アブー・マフディ・アル・ムハンディスが指揮していた。 その後、彼に代わってKHの幹部であったアブドル・アジーズ・アル・ムハンマダウィ(アブー・ファダック)がPMFの後継者となり、KHの書記長に、アブー・フセイン・アル・ハムダーウィが就いた。 KHは、イラクにイランと連携した政府を樹立し、同国から米軍を追放し、イラクとその地域におけるイランの地域的・国際的利益を促進することを目指しており、ソレイマニ司令官とアブー・マフディ・アルムハンディスが殺害された2020年以降、とりわけ21年にはイラク国内のアイン・アサド空軍基地やエルビルの米軍基地にも断続的に攻撃を加えていた。
KHを含む親イラン民兵組織は、23年10月7日以降のガザ地区でのハマスとイスラエル軍の戦闘で、米政府のイスラエル支援を非難し、また、イエメン・フーシ派やレバノンのヒズボラの反イスラエル、反米の軍事行動にも連帯してイラク、シリア、ヨルダンの米軍に対して165回以上のロケット弾と無人機攻撃を実行し、イラクの親イラン民兵組織は、攻撃のほとんどについて犯行声明を出していた。1月28日、シリア国境に近いヨルダン北東部の基地「タワー22」ドローン(無人機)による攻撃があり、米兵3人が殺害され、数十人がけがを負ったと米中央軍などが1月28日発表した。これは、ハマス・イスラエルの戦闘勃発後、米軍兵士が殺害された初の事件であり、バイデン米大統領は、「イランの支援を受ける過激派武装グループ」の攻撃だとし、「報復する」と宣言。「米国が選ぶ時期と方法で、すべての責任者に責任を取らせる」と発言していた。1月30日には、KHの書記長アブー・フセイン・アル・ハムダーウィは、異例の米占領軍への停戦をKHメンバーに伝えていた
米軍は2月2日、イラクとシリアのイスラム革命防衛隊コッズ部隊(IRGC-QF)と親イラン民兵組織に対する大規模な報復作戦を開始し、85以上の標的を攻撃し、少なくとも16人の人民動員部隊(PMF)戦闘員を殺害した。 シリア国境に近いイラク西部アンバール州でも36人が負傷したとされる。2月3日には、イエメンにあるフーシ派の36の標的を空爆。そして、4日にもイエメンにあるフーシ派の巡航ミサイルの施設を2回空爆したとされる。今回のアブー・バーケル・アル・サイディ司令官の米軍による殺害は、米軍兵士3名殺害への米国による報復の一環であるが、米軍の国外退去を実現できていないイラク政府としては、首都バグダッドで軍事作戦が実行されたことで訓練・助言対応の部隊を残しつつ、米軍の戦闘部隊は撤退させるとしていたイラク政府にとっては、メンツを失いかねない事態となった。また、直前に米軍への軍事作戦停止を命じたKHのアブー・フセイン・アル・ハムダーウィ書記長のメンツも潰すこととなった。米政府は、現在までのところ、直接イラン国内を標的にする考えはないとしているものの、一旦戦闘行為停止を命じたKHをはじめ親イラン民兵組織がさらなる報復作戦を実施することは避けられず、11月の大統領選挙を控え、弱腰とみられることを嫌うバイデン政権が、報復の応酬の泥沼に引き込まれないよう願うばかりである。
(参考)KH書記長による占領軍への停戦宣言
アッラーのみ名において
我々のいばらの道は困難であり、その対価は高くつき、その道を歩む自由な人々は、神の満足を達成し、抑圧されている人々を支援することを考えると、その代償がどんなに大きくても取るに足らないものであることを理解している。 イスラム抵抗運動、カターイブ・ヒズボラは、ガザ地区で抑圧されながら立ち向かっている人々を自らの自由意志で、他者からの干渉なしに支援する決断を下した。 確かに、(抵抗の)枢軸にいるわが同胞たち、特に(イラン)イスラム共和国の人々は、我々がジハードにどのように取り組むのかを知らないし、イラクとシリアでの米占領軍に対する圧力とエスカレーションにしばしば反対し、我々の果たすべき義務から外れている。我々は人道的およびイデオロギー的使命を果たすために、最も困難で最も残酷な状況において、知恵と思慮を持ち、宗教的および道徳的バランスを注意深く考慮して取り組んできた。
ここに我々は、イラク政府の困惑を避けるため、占領軍に対する軍事作戦と治安作戦を停止することを発表する。 我々はガザの人民を他の方法で守り続けるつもりであり、カターイブ・ヒズボラの勇敢なムジャヒディーンに対し、彼らに対して米国の敵対行為が起こった場合には(一時的に)受動的な防衛に専念するよう勧告する。 (アッラーが既に定められた目的を成し遂げるためであり、そして、目的はアッラーに返されます。)
2024年1月30日 ヒズボラ旅団事務総長 - アブー・フセイン・アル・ハムダーウィ
https://www.rudaw.net/english/middleeast/iraq/07022024
https://www.aljazeera.com/news/2024/2/7/paramilitary-commander-killed-in-baghdad-drone-strike-reports
https://www.washingtoninstitute.org/policy-analysis/kataib-hezbollah-secretary-general-tries-forestall-us-strikes

Posted by 八木 at 15:46 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)