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OPECプラスを彷彿させるBRICSプラスの誕生[2023年08月25日(Fri)]
8月22日から24日まで、南アフリカのヨハネスブルグで開催されたBRICSサミットが、24日、首脳宣言を発出して閉幕した。事前に関心を持たれていたBRICSメンバー国の拡大については、アルゼンチン、サウジアラビア、UAE、エジプト、エチオピア、イランの6か国に正式招待が発せられ、2024年1月から正式メンバーになることが決定した。また、BRICS共通通貨については、新通貨の決定の発表はなかったものの、「現地通貨、決済手段及びプラットフォームの問題を検討し、次回サミットまでに我々に報告する」よう求め、BRICSメンバー間の貿易・金融決済の新たな仕組みを検討することとなった。また、新開発銀行(NDB)については、ジルマ・ルセフ元ブラジル大統領を総裁に選定し、新興国による新興国向けの融資を強化していくこととなった。また、NDBの新メンバーにエジプト、UAE、バングラデシュの3か国が加わったことが発表された。
(参考1)BRICSヨハネスブルグ会合首脳宣言の中での注目項目
44項. 私たちは、迅速で、安価で、透明で、安全で包括的な決済システムの広範な利点を認識している。BRICS 諸国における国境を越えた決済に関する G20 ロードマップのさまざまな要素のマッピングについて、BRICS決済タスクフォース(BPTF) のレポートを期待している。国境をまたぐ決済システムの相互リンクを含む決済インフラに関するBRICS諸国による経験の共有を歓迎する。私たちは、これによりBRICS間の協力がさらに強化されると信じている。そしてBRICSメンバー間ならびに他の発展途上国との貿易や投資の流れを促進するための決済インフラに関する更なる対話を奨励する。
我々は、BRICSメンバー間ならびに他の貿易パートナーとの間で、国際貿易や金融取引において現地通貨の使用を促進することの重要性を強調する。我々は、BRICS間のコルレスバンキングネットワークの強化ならびに現地通貨での決済を可能にすることを奨励する。
45項. 我々は、必要に応じて財務大臣及び/又は中央銀行総裁に対し、現地通貨、決済手段及びプラットフォームの問題を検討し、次回サミットまでに我々に報告するよう任務を与える。
46項. 我々は、加盟国のインフラと持続可能な開発の促進における 新開発銀行(NDB)の重要な役割を認識する。 我々は、元ブラジル大統領ジルマ・ルセフ女史が新開発銀行(NDB)総裁に就任したことを祝福し、彼女がNDBの任務を効果的に達成するためのNDBの強化に貢献すると確信している。 私たちは、NDBが2022年から2026年の一般戦略の実現に向けて、持続可能な開発、メンバー拡大の着実なプロセス、コーポレート・ガバナンスと運営効率の改善に向けて最も効果的な資金調達ソリューションを提供し、維持することを期待している。 私たちは、バングラデシュ、エジプト、アラブ首長国連邦(UAE)という 3 つの新しい NDB メンバーを歓迎する。 我々は、NDB が知識共有プロセスにおいて積極的な役割を果たし、そのガバナンス・メカニズムに従い、国の優先事項と開発目標を考慮して、運営政策に加盟国のベストプラクティスをもたらすことを奨励する。 私たちは、NDB が新興諸国によって新興諸国 のために設立された機関としての独特の地位を備えていることから、グローバルな多国間開発銀行 ファミリーの重要なメンバーであると考えている。
91項.我々は、アルゼンチン共和国、エジプト・アラブ共和国、エチオピア連邦民主共和国、イラン・イスラム共和国、サウジアラビア王国及びアラブ首長国連邦を、2024年1月1日からBRICSの正式加盟国として招待することを決定した。
94項. ブラジル、インド、中国、南アフリカは、ロシアが2024年にBRICS議長国に就任し、ロシアのカザン市で第16回BRICS首脳会議が開催されることを全面的に支持する。
(参考2)NDBとは:JETROによれば、NDBは、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ共和国のいわゆるBRICS諸国によって、BRICS諸国やその他の新興国のインフラや持続可能な開発プロジェクトに融資を行う目的で、2015年に設立された。本部は中国・上海市に所在する。総裁は、創設メンバーのBRICS諸国から選出され、任期は5年。現在の加盟国は、BRICSの5カ国に加えて、バングラデシュ、エジプト、アラブ首長国連邦(UAE)が新たに加わった。2022年12月時点の融資承認総額は328億ドルで、うちブラジル向けが50億ドルを超える。承認されたプロジェクト数は96件。
(解説)今回のBRICSメンバーシップ拡大は、事前の予想を超えた6か国で、それぞれ国際的、地域的に影響力を有する国々が選定された。まず、サウジ、UAEはいずれも中東の大産油国である。イランは米国の制裁下にあるものの、石油・天然ガスを有する資源大国であり、BRICSの発展の潜在力を有する国である。一方、エジプトは、かつての影響力はないものの、アラブ連盟本部をホストするアラブ世界の取りまとめ国で、アラブ諸国最大の人口を有する国である。エチオピアは、AUの本部をホストするアフリカの中心的国家のひとつである。アルゼンチンは、中南米で、ブラジル、メキシコに次ぐ経済力を有する国で、BRICS拡大の第一段階として、これらの国々が選ばれたことに違和感はない。BRICSの中でも、欧米の経済・金融支配に反発するロシアや中国にイランが加わった一方、G7や欧米に対立することを望まないインドや南アにアルゼンチンが加わることで、BRICSが既存の世界秩序と折り合いをつけるのか、あるいは競合する方向性を強めるのか、現時点ははっきりしない。しかし、拡大BRICSが世界のエネルギー資源国と巨大エネルギー消費国をカバーすることで、その影響力、存在感が増すことは疑いがない。いわば、OPECプラスを彷彿とさせるBRICSプラスの誕生ともいえる。今回は、メンバー諸国間の新たな決済手段としてのBRICS新通貨の発表には至らなかったが、産油国がBRICSに加わることで、メンバー間の特にエネルギー取引における自国通貨使用が拡大すると予想され、さらにオイルマネーが投入されることで新興国自身が新興国を支援するNDBの資金力、融資力が増すことは間違いなく、新興国が訴えてきたIMFなど国際金融機関内での先進国優位の決定権の見直しが進まなければ、独自にNDBを通じた影響力を行使していくことになると思われる。
https://www.thepresidency.gov.za/content/xv-brics-summit-johannesburg-ii-declaration-24-august-2023

Posted by 八木 at 12:37 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)