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イスラエルとの国交正常化署名式でのUAE代表者はなぜMBZ皇太子でないのか[2020年09月14日(Mon)]
9月15日にワシントンDCのホワイトハウスで実施されるUAEとイスラエルとの国交正常化合意署名式に出席するため、イスラエルからネタニヤフ首相一行が、UAEからアブドッラー外相一行が訪米の途に就いた。アブドッラー外相はハリーファ大統領の代行として、署名式に出席することになったが、UAEの実質的支配者で、イスラエルとの国交正常化を決断したムハンマド・ビン・ザーイド(通称MBZ)アブダビ皇太子は、出席を見合わせている。

(参考)アブドッラーUAE外相のワシントンDC到着(9月13日、UAE国営通信WAM)
シェイク・ハリーファ・ビン・ザーイド・アルナヒヤーン大統領を代行し、トランプ米大統領の招待により、シェイク・アブドッラー・ビン・ザーイド・アルナヒヤーン外相兼国際協力相が9月15日にイスラエル首相のベンジャミン・ネタニヤフの前で歴史的なアラブ首長国連邦とイスラエルの和平合意の調印式に参加するためにアラブ首長国連邦代表団を率いて、ワシントンDCに到着した。

高いレベルの代表団は、Abdullah bin Touq Al Marri経済相、 Obaid bin Humaid Al Tayer財務担当相。 Reem bint Ibrahim Al Hashemy国際協力担当相、Dr. Sultan bin Ahmed Al Jaber産業・高度技術相。Ali Said Matar Al Neyadi連邦税関庁長官、ユーセフ・オタイバ駐米大使らで構成されている。
https://www.wam.ae/en/details/1395302869602

(コメント)本来ならば、今回のUAE・イスラエル国交正常化合意の立役者であるMBZアブダビ皇太子が、ワシントンDCの署名式典にUAEを代表して出席するのが合理的であり、トランプ大統領もそれを期待していたと思われる。なぜ、MBZ皇太子は、自ら署名式に出席せず、アブドッラー外相をワシントンDCに送り込んだのであろうか。前例をみてみたい。
@ 1979年3月26日 エジプト・イスラエル和平合意署名式(於:ワシントンDC)
●カーター大統領仲介の下、サダト大統領とベギン首相が出席
A 1994年7月25日 ヨルダン・イスラエル間の戦争状態終結を宣言する「ワシントン宣言」署名式(於:ワシントンDC)。
●フセイン国王とラビン首相が両国の戦争状態終結を宣言する「ワシントン宣言」に署名。追って、同年10月26日にイスラエルとヨルダンはイスラエル南部エイラートの北、ヨルダン国境付近のアラバの谷で開催された式典で、平和条約に署名した。ラビン首相とマジャリ首相がクリントン大統領立ち合いの下、調印し、イスラエルのヴァイツマン大統領とフセイン国王が握手を交わした。
B 1993年9月13日 暫定自治に関する原則合意(いわゆるオスロ合意)署名式(於:ワシントンDC)
●クリントン大統領仲介の下、アラファトPLO議長とラビン首相が立会し、マフムード・アッバース(現在のパレスチナ暫定自治政府大統領)とペレス外相が署名。

2019年11月6日、UAEの国家元首である大統領として、7首長国の首長により構成される連邦最高評議会は、ハリーファ・ビン・ザーイド・アル・ナヒヤーン大統領を再任した。任期は2024年までの5年間である。副大統領兼首相は、ドバイのムハンマド・ビン・ラーシド(MBR)・アルマクトゥームであるが、MBZアブダビ皇太子が、2014年1月脳卒中で倒れた兄のハリーファ大統領に代わってUAEの事実上の支配者となっている。ネタニヤフ首相のカウンターパートは、外相ではなく、MBR副大統領兼首相ということになるが、MBRは訪米しないため、国交正常化合意の署名自体は、両国外相が行い、ネタニヤフ首相が見守るという形をとるのか、あるいは、ハリーファ大統領の代行としてのアブドッラー外相とネタニヤフ首相が署名するのかは、はっきりしないものの、MBZ皇太子が、署名式の場に立ち会わないということは、やはり違和感がある。そもそも病気で倒れたハリーファ大統領は、国政の運営を全面的にMBZ皇太子に任せており、2019年11月にさらに任期5年の大統領職を務めることに不自然さを感じるが、MBZとしては、部族社会であるUAEでは、兄を立てつつ、兄の大統領の名のもとに、UAEでの政治・財政の実権を握り、自らの政策を押し通すとのしたたかさが感じられる。今回のイスラエルとの合意は、形式的には、MBZアブダビ皇太子ではなく、ハリーファ大統領が決定したということになる。

Posted by 八木 at 11:30 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)