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米中央軍司令官によるイラク国内の民兵組織から駐留米軍への攻撃の評価[2020年09月13日(Sun)]
9月9日マッケンジー米中央軍司令官は、米国が9月末までにイラクでの駐留米軍の規模を現在の5200から約3000名に削減すると発表したのち、米国のNBCのインタビューに答えて、本年前半に発生している米軍基地や周辺に対する間接的攻撃の頻度は増えているものの、それは致命的ではなく、米軍のレッドラインを越えない攻撃を継続することで、米軍のイラク退去という別の目的を達成しようとしているのであろうが、その目的は達成される見通しはなく、イラク政府は、米国との協力で自国のセキュリティを確保しようとしている、一連の攻撃はたとえイランが直接命令したものでないにしても、イラン製の武器が使用されており、イランは倫理的な責任を負っていると警告した。
(参考)米中央軍司令官のフランクマッケンジー准将のNBCとのインタビュー主要点
●本年前半は昨年の前半よりも基地周辺および基地に対する間接的な攻撃が多かった。これらの攻撃の頻度は増加している。それらの攻撃は特に致命的であったわけではなく、それは良いことであるが、彼らの攻撃は継続している。(致命的ではない理由を尋ねられ)彼らは我々に打撃を与えようとはしていない。 (イラク国内の米軍基地への)攻撃の頻度は2019年を超えて増加しているが、各攻撃のロケットの総数は概して低い。 2019年、民兵グループは攻撃で数十個のロケットを発射することがよくあったが、今年のほとんどの攻撃には一度に数個のロケットしか含まれていない。
●我々は、彼ら(民兵グループ)が非常に優れた兵器システムを持っていることを承知している。彼らは効果の大きい兵器システムを採用していない。彼らは所持している他のいくつかの兵器システムほど洗練されていない107 mmロケットや迫撃砲のようなものを採用している。どんな理由であれ、それは仕様によるものかもしれないが、彼らの攻撃はさほど成功していない。そしてそれは祝福されるべきである。
イランの目標は米国にこの地域を強制的に去らせることだ。 彼らはイラク政府に影響を与えて米国人が立ち去るよう頼むことを含め、今年政治的な目標を追求してきた。 しかし、現在、少なくとも私からみれば、その解決策が彼らのために生じないことは明らかであり、イラク政府は、合衆国のパートナーであるNATOとともに、米国との長期的な安全保障関係を維持することの利点を理解している 、それが大規模なものになるという意味ではないが、彼ら(イラク政府)との良好なセキュリティ関係を維持するつもりである。
●今、イランは、彼らのために機能しなかったこの政治的目標追及を継続するのか、それとも他のものにシフトしてそれらがどのように機能するのかを見極めるのかを決定する必要がある。その答えは時間が明らかにするが、我々はそれに備える必要がある。
●米軍は、イランが米国を強制的に域外に追い出そうとする場合に備えて、パトリオットミサイル防衛システムなどの追加の防御機能を導入した。我々は、我々の軍隊を守るために必要とするべきことを実行した。
●イランは、米国がレッドラインと考えるものよりも低いレベルの痛みを負わせることで、他の目的を追求できると考えているのだろうが、我々のレッドラインがどこにあるかについて彼らが理解しているとは思わないので、それは非常に危険である。 彼らは彼らがイラクでロケットとミサイルで我々を攻撃し続けることができ、我々が反撃するとは信じていないかもしれないが、彼らがそう信じるのは非常に危険なことである。
●対応の決定は軍事的決定ではないものの、ここでの危険は、イランが、彼らがしていることのいくつかがどれほど挑発的であり得るかを理解しないということである。
●イラク人の能力向上の結果、米軍はすべての作戦に同行するのではなく、彼らを指導し、より高いレベルで彼らと対話することができるようになった。
●米軍駐留基地の数を減らすことで、米軍が「攻撃面」を減らしたり、標的の数を減らしたりして、悪意のある民兵グループからより適切に守ることができる。
●最近の攻撃はさまざまな民兵組織によって行われており、誰もが直接イランに結びつけられるわけではないが、イランは依然としていくばくかの責任を負っている。イランがどれくらい指示を出しているのか、十分な指揮権と統制を持たない地上の代理人にどれだけ指示しているのかと疑問に思うかもしれないが、最終的に、イランから直接指示が出されていなくても、彼ら(民兵グループ)はプロセスのある時点でイランから通常提供された武器を使用しているため、イランが指示したわけでなくとも、これら(の攻撃)には一定の倫理的責任を負っている。
●(米国がこれらの攻撃に対応するかどうかについて)米国は、イラクにおける米軍の保護に必要なあらゆる措置を講じると考えている。
https://www.nbcnews.com/news/military/attacks-u-s-troops-iraq-have-increased-says-u-s-n1239863
https://blog.canpan.info/meis/daily/202009/10
(コメント) 8月20日のカーディミ・イラク首相訪米の際のイラク・米共同声明では、米軍の撤退に関する言及はなく、記者会見で、トランプ大統領は、駐留米軍の規模は非常に小さくなっているとし、一方、カーディミ首相も、訓練や能力強化の面では引き続き、米政府組織の能力強化への期待を表明した。今回のマッケンジー米中央軍司令官のNBCとのインタビューでの発言の注目点は、@(親イラン系の)民兵グループの米軍が駐屯する基地やその周辺への間接的な攻撃の頻度は、本年前半増えている、Aしかし、それらの攻撃は致命的ではない、Bしかし、攻撃は継続しており、その目的は米軍自体に打撃を与えるというより、米軍のイラク撤退を促すことに目標が置かれているようにみえる、C直接的な打撃を与えないことで、米軍のレッドラインを越えないと考えているとみられるが、それは大きな誤算である、Dイランが、民兵グループに直接指示したものではないにしても、イラン製の武器が使用されており、イランは(攻撃に対する)倫理的な責任を負っている、Eイラクの治安部隊が育ってきており、必ずしも米軍がすべての作戦に同行する必要はなくなっている、Fイラク政府は、米国とのセキュリティ面での協力の継続を望んでおり、駐留米軍の規模は大きすぎることはないが、イラクに留まることになる、という点である。この発言を通して、イラク駐留米軍を退去させようとのイランと親イラン系グループの目的は達せられることはなく、カーディミ政権は、米軍にイラク軍の治安維持の能力強化を期待しており、米軍が直接民兵グループに反撃を行うのではなくとも、政権側の治安部隊が、米軍からの情報と装備の支援を得て、民兵グループに対応することがあるとの示唆である。

Posted by 八木 at 11:20 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)