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サウジ巡礼省は本年のメッカ巡礼を国内滞在者に限定[2020年06月23日(Tue)]
6月22日、サウジの巡礼省は、7月28日頃に開始される予定の大巡礼(ハッジ)について、コロナ・パンデミックにより、今年は「非常に限定的な形で」ハッジを実施すると発表した。すなわち、本年については、海外からの巡礼者を認めず、すでにサウジ国内に在留している人々のみに巡礼を認める決定を行った。声明によれば、この決定は、世界中のCOVID-19症例の増加、ワクチンの欠如、多数の巡礼者の間で安全な物理的距離を維持することが困難であることを踏まえたものとのこと。但し、イスラムの長い歴史を振り返れば、異端派の妨害や感染症の拡大で、メッカ巡礼が中止に追い込まれたことはある。

メッカ巡礼は、イスラム教徒にとっての宗教的義務である5行のひとつであり、生涯少なくとも1回は実施することが求められている。昨年250万人が巡礼に参加したが、今月初めに、世界で最も人口の多いイスラム国家であるインドネシアが不参加を表明し、マレーシア、セネガル、シンガポールも同様の発表を行った。サウジは、2月下旬以来、コロナ感染拡大をうけてメッカへの小巡礼(ウムラ)を一時停止しており、2聖地を預かるサウジとしては、宗教的な意味合いだけでなく、原油価格の急落というショックを受けている中で大きな別の財政収入が失われることを意味する。6月22日現在、サウジの新型コロナウィルス感染者総数は、中東第3位、世界第15位の16万1005名、死者1307名となっている。
https://www.worldometers.info/coronavirus/country/saudi-arabia/

(参考)過去のメッカ巡礼の中止
865年:アラファト山の虐殺
バグダッドを本拠とするアッバース朝カリフとの紛争中に、アルサファクとして知られるイスマイル・ビン・ユーセフは、865年にメッカを見下ろす聖なるアラファト山への攻撃を開始し、巡礼者を虐殺した。襲撃によりメッカ巡礼はキャンセルされた。
930年:カールマティア攻撃
930年に、バーレーンに拠点を置く異端派宗派カールマティアの長であるアブー・ターヘル・アルジャナビがメッカへの攻撃を開始した。歴史的記録によると、カールマティア人は聖地で3万人の巡礼者を殺し、神聖なザムザムの泉に遺体を投棄したと伝えられる。彼らはまた、グランドモスクを襲い、カアバ神殿から聖なる黒石を盗んで、バーレーンの島に持ち帰った。メッカ巡礼はその後、黒石がメッカに戻されるまで10年間中断された。カールマティア人は平等主義社会を信じ、巡礼を異教の儀式と見なしたシーア派イスマイール派の一派であった。
983年:アッバース朝とファーティマ朝カリフの対立
政治もメッカ巡礼を混乱させた。983年に、イラクとシリアを支配するアッバース朝カリフと、エジプトを支配するファーティマ朝カリフの間の政治紛争は、メッカ巡礼を行うために旅行するイスラム教徒を妨害した。991年に再びメッカ巡礼が行われるまでには8年の年月を要した。
1831年:ペスト流行
紛争や虐殺だけでなく、ペスト流行によってもメッカ巡礼がキャンセルされた。1831年にインドで発生したペストがメッカを襲い、危険な不毛の地を何週間も旅してきた巡礼者の4分の3を死亡させた。
1837-1858:一連の疫病流行
上記のほぼ20年の間にハッジは3回停止し、巡礼者は合計7年間メッカに向かうことができなくなった。1837年、別の疫病が聖都を襲い、1840年まで巡礼は中止された。その後、1846年にコレラの疫病がメッカを襲い、15,000人以上が亡くなり、1850年までその住民を苦しめた。疫病は1865年と1883年に再発した。1858年、別の世界的なコレラの大流行がメッカを襲い、エジプト人巡礼者たちはエジプトの紅海の海岸に一斉に逃亡し、そこで隔離された。

Posted by 八木 at 13:55 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)