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元日産トップのカルロス・ゴーン被告の驚きのレバノンへの非合法脱出[2020年01月01日(Wed)]
年末の日本に驚愕のニュースが飛び込んできた。レバノンの首都ベイルートから元日産トップで、日本の裁判所から海外渡航禁止の条件付きで保釈されているカルロス・ゴーン被告が、「私は現在レバノンにいる。基本的な人権が拒否されている不正な日本の司法制度によって人質にされることはもうない。正義から逃れたわけではない。不正や政治的迫害から逃れた。ついにメディアと自由にコミュニケーションをとることができるようになり、来週からやりとりが始まることを楽しみにしている」との声明を発出した。

同氏は、関空からプライベート・ジェットで出発し、トルコのイスタンブール経由で、12月30日未明にベイルートの空港に到着したとみられている。レバノン外務省は、カルロス・ゴーン氏が合法的にレバノンに入国したとの声明を発出した(下記参考参照)。ゴーン氏の旅券は、弘中弁護士が保管しており、レバノンに合法的に入国したとの外務省声明は、レバノン、仏、ブラジルの市民権を保有しているゴーン氏がいくつかの旅券を使い分けていたことを想起させる。日本出国の際は、プライベート・ジェット搭乗であっても、保安検査、出国審査を受けることが当然で、日本の出入国管理当局には出国の記録がなかったとされることから、非合法に出国したことは確実であると見考えられる。レバノン政府は、ゴーン被告が合法的に入国したと主張していることにかんがみれば、仏政府発給の正式旅券を使用し、トルコ出国の記録が旅券上残っている可能性が高い。日本とレバノンには身柄「引き渡し」協定は存在せず、ゴーン氏が4月に予定されていたとされる公判出廷のため、日本に戻ってくる可能性は極めて低い。

レバノンでは、1997年日本赤軍のメンバー5名が当局に拘束され、その後、4名は日本に送還されたが、ロッド空港で乱射殺害事件を起こした日本人3人組で唯一生き残った岡本公三については、レバノン政府は、「アラブの英雄」として、日本政府からの引き渡し要請に応じることはなく、同人は亡命を認められ、現在もレバノンで余生を過ごしているといわれる。

(参考)12月31日付外務・移民省声明

本省は、カルロス・ゴーンが30日夜明けに合法的にレバノンに入ったことを確認する。レバノンの公安は、彼の日本からどのようにして出発し、ベイルートに到着したかの状況を我々は承知していないことを確認するとともに、それに関するすべての話は彼の個人的な問題であるとみなす。

外務省は、レバノンが1年前にカルロス・ゴーンに関するいくつかの公式の通信を日本政府に送ったにもかかわらず、何らの回答も受けておらず、数日前に日本の外務副大臣がベイルートを訪問した際に、全体ファイルを手渡したことを確認する。

レバノン外務省は、司法共助または身柄引き渡しに関して日本との合意は存在しないが、両国は腐敗防止に関する国連の条約に署名しており、レバノンが日本当局に送付した通信内容はそれが根拠となっている。

レバノン外務省にとって、日本国との最良の関係に対するレバノンの熱意を確認することは重要である。

Posted by 八木 at 16:13 | イスラム世界で今注目されている人物 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

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