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注目のローハニ・イラン大統領の国連一般討論演説(HOPEを掲げつつ、限界を示した大統領)[2019年09月26日(Thu)]
9月25日、ローハニ・イラン大統領は第74回国連総会一般討論演説の中で、米国を除く域内諸国の協力により、ペルシャ湾、オマーン海、ホルムズ海峡の安全保障の確保を目指す「ホルムズの平和への取り組み」(通称HOPE)への参加を呼び掛けた。これは、地域の安全は、米国をはじめとする外国勢力に委ねるのではなく、利害を共有する域内諸国が協力して、自分たちの安全と利益を守るべきであるとの考えに基づくもので、イランに対する包囲網を築き、イランに対する抑止力を形成することで、湾岸地域の安全確保を主導している米国の有志連合構想の真逆をいく提案である。先般のG7ビアリッツ・サミット以来、米・イラン間の仲介に乗り出した仏のマクロン大統領は、ニューヨークで異例の2回ローハニ大統領と会談し、トランプ大統領との対話を呼びかけたが、一般討論演説の中でローハニ大統領は、制裁が解除されない限り、交渉には応じないと宣言し、今回の国連総会出席の機会をとらえた米・イラン首脳会談の見通しはほぼ消滅した。ローハニ大統領が、トランプ大統領との直接会談に臨むには、ハメネイ最高指導者の了承を取り付け、IRGCをはじめとする国内強硬派を押さえこむ必要があるが、米側から具体的な制裁緩和の提示もなく、むしろ、イラン中央銀行等に対する制裁も強化され、IRGCへの資金供給のパイプを米国が実力で遮断しようとしている中で、ローハニ大統領は、最高指導者説得の材料を得られなかったといえる。マクロン大統領としては、自分はできりかぎりの努力を払ったが、イラン側がそれに乗っかってこなかったと自己の立場を擁護するものとみられる。
(参考)ローハニ大統領一般討論演説注目点(9月25日)
●この地域の安全は、武器や介入ではなく、米軍の撤退を通じて提供される。中東の平和と安全を達成する究極の方法は、「内なる民主主義、外との外交」である。
地域の安全は、外国政府から購入することも、提供を受けることもできない。我々の隣人の平和、安全、独立は我々自身のものである。米国は隣人ではない。あなたがたの隣人はイラン・イスラム共和国である。…我々は、お互い隣人であり、米国はそうではない。
●米国はいかなる国の擁護者でも保護者でもない。国の委任状を他の国に委任せず、他の国に管理権を与えない。この地域の問題は米国が対処するには大きすぎる。アフガニスタン、イラク、シリアの問題を解決することができず、過激主義、タリバニズム、およびデダアエッシュ(注:「イスラム国」のこと)ニズムの先導者であった国は、より高度な問題を解決することはできない。
●我々は外国人の挑発的な介入を容認せず、我々の安全と領土の一体性に対するあらゆる種類の攻撃行為にしっかりと対応しなければならない。
●イランは、ペルシャ湾およびホルムズ海峡の海洋安全保障の管理者として、戦略的地域における展開の影響を受けるすべての国々に、「ホルムズの平和への取り組み」(Hormuz Peace Endeavor :HOPE)と呼ばれるイニシアチブへの参加を呼びかける。
●このイニシアチブには、集団的エネルギー安全保障、航行の自由、およびホルムズ海峡とその先にある国々との間の石油およびその他の[エネルギー]資源の自由な流れを提供するための協力などのさまざまな分野が含まれる。
●我々は、国家の尊厳と生計に対して歴史に最も厳しい制裁を適用した人々(すなわち米政府)による交渉への招きを信じることができない。 女性と子供たちを含む8,300万人のイラン人の生活に対し圧力を加え、犯罪を犯したことは、米政府高官に歓迎され、彼らの誇りの源になった。イランの国民は、これらの犯罪を決して忘れないし、許すことはない
●我が国を代表して、制裁の下での交渉に対する我々の反応は「いいえ」であることを発表したい。政府とイランの人々は、過去1年半の最も厳しい制裁に直面して断固とした態度をとり続けており、貧困、圧力、制裁の武器を使用してイランを降伏させようとする敵と決して交渉しない。交渉を開始する唯一の方法は、米国がその(核合意の)約束に戻ることであり、交渉の道が開きたいのであれば、まず制裁を止めなさい
https://www.presstv.com/Detail/2019/09/25/607100/Iran-Rouhani-United-States-Peace-Initiative-Hormuz-Strait-Persian-Gulf-tanker-attack-UN-General-Assembly

Posted by 八木 at 09:34 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

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