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究極の二重外交(ティラーソン元国務長官の下院外交委員会での衝撃証言)[2019年06月28日(Fri)]
6月27日、5月21日米下院外交委員会で実施されたティラーソン元国務長官を招いて実施したヒアリングの記録が公開された。同記録は、2018年3月にトランプ大統領によって更迭されたティラーソン氏が国務長官時代、大統領の娘婿で、大統領上級顧問のジャレッド・クシュナー氏の裏外交に当惑させられ、職務履行の邪魔をさせられたのかを生々しく語っている。証言記録は、一部黒塗りになっているが、以下のURLからダウンロードできる。
https://foreignaffairs.house.gov/_cache/files/e/7/e7bd0ed2-cf98-4f6d-a473-0406b0c50cde/23A0BEE4DF2B55E9D91259F04A3B22FA.tillerson-transcript-interview-5-21-19.pdf
1.メキシコ外相・クシュナー顧問私的会合との偶然の鉢合わせ(107頁)
●ある日、ワシントンD.C.でティラーソン長官が、ビジネスランチをするために市内のレストランに来たとき、レストランのオーナーが、メキシコ外相がたまたまお見えですよと耳打ちしてくれた。クシュナー氏とメキシコ外務大臣のルイス・ビデガレイ・メキシコ外相は、クシュナー上級顧問と食事中であった。ティラーソン長官は、彼のメキシコのカウンターパートが米国の首都を訪問していることを知らされていなかった。長官が彼らの食卓に行って、微笑みながらあいさつした時、メキシコ外務大臣の顔面が蒼白になるのを目撃した。長官は、「お二人のじゃまをするつもりはない。次にいらっしゃるときはご連絡ください」と伝えたと証言した。

2.湾岸危機:アラブ4か国によるカタール封鎖(80頁〜106頁)
●長官は、当時のマティス国防長官とともに豪州を訪問中の2017年6月5日サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)、バーレーン及びエジプトがカタールを突然封鎖したことは、想定外であり、驚きであったと証言した。
●長官は、同年5月2日にサウジの外相と会談し、トランプ大統領の初外遊に合わせてサウジで開催される中東サミットの一日前の5月20日にもサウジ外相と会談したが、湾岸危機に関する話は一切出なかったと証言。
●一方、長官は、クシュナー氏ともう一人のトランプ大統領アドバイザーであったスティーブ・バノン氏は、5月20日、サウジアラビアとアラブ首長国連邦の指導者たちとの秘密の夕食会をもったことを全く知らなかったと証言。そして、その席で封鎖が話し合われたことについて感想を聞かれたところ、このような重要な決定に国務省の見解を表明する機会を奪われたことに、怒りを覚えると発言。
●長官は、公開情報で封鎖の一報を聞いたあと、国務省に連絡を取り、報道が正確なのか、何が起きているのかを照会し、これが本当に起きていることを確認した。封鎖4か国に電話で連絡をとったが、彼らが我々に伝えたメッセージは、示し合わせたように極めて整合性がとれていた。カタールの首長にそれを伝えた。その時点では、十分な情報がなく、事態をエスカレートさせないようにというのが自分の対応であった。食糧不足や家族が引き裂かれるという人道上の懸念もあったと発言。
●長官は、4つの封鎖国すべてに対して、これは地域の安全保障にとって非常に有害であり、GCCの将来への脅威であり、ISISとの戦いを含む米国の当地域における利益に挑戦する者であるとして、彼らへの説得を試みたが功を奏さなかったと証言。
●長官は、話をした4か国高官からは、米政府内の誰かにこの件で事前に接触したとか、話をしたという示唆はなかった。同年6月6日、トランプ大統領は、「最近の中東訪問で、過激な思想には一切資金を提供すべきでないと述べ、各国指導者はカタールを指さした。見なさい」とツイートしたが、長官はサミットでそのような議論がされたことも、カタールが名指しされたこともないと証言した。
●クシュナー顧問とサウジアラビアのムハンマド・ビン・サルマン(MBS)皇太子の関係について、長官は、両者の間には多くの直接のコミュニケーションがあり、クシュナー顧問は米国大使館に相談することなく、サウジや他の中東諸国をしばしば訪問していた、と証言。その件を長官から、クシュナー顧問に提起したところ、「もっとうまくやります」とクシュナー氏は答えたが、一向に改善されず、長官の仕事をより困難にしたと証言。
●さらに、長官はかつてカタール同様、サウジとUAEは、米中央軍(CENTCOM)をホストすることを申し出ていたが、最終的にカタールがホスト国になった。サウジは、更なる移転を要請したが、自分は与せず、意見を聴取するにとどめたと発言。

Posted by 八木 at 10:48 | イスラム世界で今注目されている人物 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

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