女性王族の駐米サウジ大使誕生の光と影[2019年02月25日(Mon)]
2月23日、王宮令で駐米サウジ大使に王女のリーマ・ビント・バンダル(Princess Reema bint Bandar)が任命された。 王女リーマは、サルマン国王の息子で、ムハンマド・ビン・サルマン(MBS)皇太子の実弟ハーリド・ビン・サルマン(Khalid bin Salman)大使と交替することとなった。王女リーマは、サウジ初の女性で在外公館に駐在する大使となった。王女リーマは、1983年から2005年まで駐米大使を務めたバンダル・ビン・スルタン王子の娘で、同王女自身23年間米国に滞在し、1999年ジョージ・ワシントン大学の博物館学の学位を取得している。サウジでは、2017年6月に、サウジで女性の運転が公式に認められたほか、同時期、女性の映画鑑賞、スタジアムでのスポーツ観戦も認められるようになり、今回の女性王族の駐米大使任命は、保守的なサウジ王国における女性の社会進出を象徴する出来事であると考えられる。
一方、サウジ政府の今回の人事異動は、米国内で今も静まっていないサウジ指導部のサウジ人ジャーナリストであったジャマール・カショーギ氏殺害疑惑に関し、ハーリド大使が、カショーギ氏から結婚のために必要な書類を得るための電話照会に対して、トルコのイスタンブールのサウジアラビア領事館を訪問するよう勧めたことと無関係ではなく、米国内ではハーリド大使自身、カショーギ氏殺害に関与しているのではないかとの疑惑が生じていた。今回のリーマ王女発令と同時にハーリド王子は、本国で兄のMBS皇太子が国防大臣を務める国防省の副大臣に任命された。 MBS皇太子は、今月、パキスタン、インド、中国をそれぞれ訪問し、人権問題は棚上げにされ、各地で大歓迎をうけ、訪問国夫々で大規模な経済協力の話を進め、国際場裡での存在感をアピールした。昨年末に人事異動が行われ、外相ポストを離れたジュベイル前外相は外務担当大臣として、以前と変わらぬ活躍を行っている。24日にシャルム・エル・シェイクでシーシ・エジプト大統領がホストして開催された初のEU-アラブ連盟サミットには、サルマン国王が出席してEU諸国との緊密な関係をアピールし、サウジ指導部はカショーギ氏殺害疑惑で投げかけられた負のイメージの払しょくに努めている。
一方、サウジ政府の今回の人事異動は、米国内で今も静まっていないサウジ指導部のサウジ人ジャーナリストであったジャマール・カショーギ氏殺害疑惑に関し、ハーリド大使が、カショーギ氏から結婚のために必要な書類を得るための電話照会に対して、トルコのイスタンブールのサウジアラビア領事館を訪問するよう勧めたことと無関係ではなく、米国内ではハーリド大使自身、カショーギ氏殺害に関与しているのではないかとの疑惑が生じていた。今回のリーマ王女発令と同時にハーリド王子は、本国で兄のMBS皇太子が国防大臣を務める国防省の副大臣に任命された。 MBS皇太子は、今月、パキスタン、インド、中国をそれぞれ訪問し、人権問題は棚上げにされ、各地で大歓迎をうけ、訪問国夫々で大規模な経済協力の話を進め、国際場裡での存在感をアピールした。昨年末に人事異動が行われ、外相ポストを離れたジュベイル前外相は外務担当大臣として、以前と変わらぬ活躍を行っている。24日にシャルム・エル・シェイクでシーシ・エジプト大統領がホストして開催された初のEU-アラブ連盟サミットには、サルマン国王が出席してEU諸国との緊密な関係をアピールし、サウジ指導部はカショーギ氏殺害疑惑で投げかけられた負のイメージの払しょくに努めている。
Posted by 八木 at 14:51 | イスラム世界で今注目されている人物 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)