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3時間にわたって瓦礫に閉じ込められながらもイスラエルの攻撃を生き延びたシャムハニ・イラン最高指導者顧問のインタビュー[2025年07月01日(Tue)]
イラン最高指導者アリー・ハメネイ師の上級顧問であるアリー・シャムハニ氏は、6月13日テヘランの自宅を狙ったイスラエルの空爆を生き延びて以来、6月28日(土)に初めて公の場に姿を現した。シャムハニ顧問は、イランの首都で催された空爆などで死亡した60名の高官や核科学者の合同葬儀に参列した。同日の朝、テヘランの革命広場には数千人が集まり、「ライオンのように」作戦中のイスラエルの攻撃で殺害された軍・治安機関高官や核科学者らの追悼式で、弔問者の中には、イランのマスウード・ペゼシュキアン大統領、アッバース・アラグチ外相、行方不明とみられていたゴッズ部隊のエスマイル・カーニ司令官、ゴラム=ホセイン・モフセニ=エジェイ司法長官、そしてアリー・シャムハニ・ハメネイ師上級顧問の姿があった。ハメネイ最高指導者の姿はそこにはなかった。シャムハニ顧問は、1955年のフーゼスタン生まれで、IRGCの上級司令官、イラン・イラク戦争、1997年〜2005年に国防大臣を務め、2013年〜2023年まで、国家安全保障最高評議会(SNSC)の書記も務めたイランの安全保障分野の最高幹部のひとりである。
イスラエルの攻撃後の最初の報道では、シャムハニ顧問は死亡あるいは、重傷を負ったとも報じられた。6月29日、イランメディアは、シャムハニ氏の自宅の瓦礫の映像を放映した。30日にPressTVが公開したテレビのインタビューで、彼はこれまで3度危険な目にあったが、「生きる運命だった」と語った。シャムハニ氏は自宅の部屋で就寝中にイスラエル軍の2方向からの3つの爆弾の攻撃をうけ、13日の午前3時半〜6時半までの3時間にわたって瓦礫の下に閉じ込められ、腕が負傷し、動くことはできなかったと語った。現在は内傷から回復中であることを明かした。自宅は完全に破壊されたが、隣の部屋で寝ていた妻は軽傷であったと語った。息子は攻撃の10分ほど前に自宅から離れていたとのこと。瓦礫で、胸が押しつぶされた、とシャムハニ氏は、肺のリハビリテーション用の人工呼吸器を通して語った。酸素圧と状況のショックで、当時ははっきりと話すことができなかったと付け加えた。瓦礫の下で朝の祈りを捧げた、と述べた。 最初は地震だと思ったが、車の音が聞こえて、違うと気づいた。なぜなら、地震であれば、テヘラン市内の車両で通行できなくなることを知っていたからで、イスラエルの攻撃によるものだとわかったと語った。
シャムハニ氏は、なぜ自分が攻撃されたのかは明言を避けたが、イスラエルはなぜ私を攻撃したのか知っている。私も知っている。しかし、今は言えない、と付け加えた。
https://www.presstv.ir/Detail/2025/06/30/750350/Interview-Admiral-Shamkhani
https://www.ynetnews.com/article/syqxn6pexx#

(コメント)今回のシャムハニ顧問のTVインタビューは、イスラエルの攻撃を生き延びたイランの高官の肉声を伝えるもので、一見の価値がある。シャムハニ顧問といえば、2023年3月10日の北京での王毅外相のもとでの、サウジアラビアとイランとの国交正常化合意のイラン側の代表として出席した場面を覚えている人も多いと思われるが、イランの革命体制を支える安全保障分野の最高幹部のひとりであることは間違いない。今回の12日間にわたるイスラエルのイラン直接攻撃で、イランの核関連施設が狙われただけでなく、軍やIRGC幹部や核科学研究者が標的となり、また、イランの国営放送局、刑務所、石油貯蔵施設、天然ガス関連施設が爆撃をうけた。当然、民間人も多く犠牲になっており、いまだに身元の確認が続いているとされる。犠牲になった治安部隊幹部の中には、ムハンマド・バゲリ参謀総長、革命防衛隊(IRGC)航空宇宙司令官アミール・アリー・ハジザデ氏、革命防衛隊(IRGC)司令官ホセイン・サラミ氏、ハタム・アル=アンビヤ中央司令部司令官アリー・シャドマニ氏が含まれていた。2020年1月に米軍のドローン攻撃を受けて死亡したカーセム・ソレイマニ司令官の後任のIRGCコッズ部隊のイスマイール・カーニ司令官は、生き延びたことが確認された。アリー・ラリジャニ元国会議長の発言によれば、同議長は、犠牲になりたくなければ、12時間以内に国外に脱出しろとの連絡を受けていたことを明らかにした。アリー・シャムハニ氏の命を狙った空爆やアリー・ラリジャニ氏の出国への脅しからは、今回のイスラエルの攻撃は、イランの核開発能力阻止を狙ったというよりは、ハマスが力を失い、レバノンのヒズボラもナスラッラー書記長の殺害などで、大打撃を被り、長年のイスラエルにとっての敵国で、ヒズボラへの補給路でもあったシリアのアサド政権が崩壊し、イランの域内での影響力が低下している中、あわよくばハメネイ師とその側近を根こそぎ排除し、イラン民衆の蜂起を期待し、イランの革命体制を崩壊させることを狙ったものとも解釈できる。ラリジャニ氏は、この戦争はテヘランの敵対勢力にとって失敗だったと明言し、心理戦と内部分裂によるイランの不安定化の試みが裏目に出たと強調した。
https://english.almayadeen.net/news/politics/-israel--failed-to-topple-iran--lost-12-day-war--larijani-sa

Posted by 八木 at 10:45 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

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