シリアのクルド人勢力の将来に関連する注目されるクルド人指導者発言[2024年12月31日(Tue)]
アハマド・シャラア率いるシリア暫定政権にとっての目下の最大の懸案のひとつは、トルコからみてPKK同根のテロ組織と位置付けられていながら、シリア北東部を実効支配し、米軍の支援を受けているシリアのクルド人部隊(SDF、YPG、YPJ)やクルド人政治勢力との関係をどのように構築し、彼らの武装解除を進め、シリアの統一と領土の一体性を確保していくかである。この関連で、サーレハ・ムスリム元PYD共同代表の発言内容は興味深いので、以下のとおり紹介する。さらに、クルド系政党HDPから名称変更し、緑の左派党(左翼党)を経て、改称したDEM党(人民平等民主党)議員2名が、12月28日、トルコ法務省の許可を得てひさびさにイムラル島の刑務所に収監されているアブドッラーオジャランPKK党首(創始者)を訪問し、オジャランの最近の地域の政治情勢を踏まえた見解を紹介し、その中で、トルコ与党指導部とともに問題解決に向けた取り組みを行う意欲を示していることで、トルコ政府は、クルド人勢力排斥ではなく、彼らを取り込むこともシリア問題解決のための今後の選択肢に含めようとしているともみられ、その動きも併せ紹介する。
1.シリアのクルド人政党「民主統一党(PYD)」大統領評議会メンバーで元共同代表のサーレハ・ムスリム氏は、トルコの最近のシリア政策、ダマスカスとの会談、クルド人へのアプローチについて以下のとおり語った。
(1)最近のトルコ政府要人のHTS指導者との会談
トルコは、HTSの指導者アフマド・アル・シャラア(アブー・ムハンマド・アルジョーラーニ)とさまざまなレベルで接触した最初の国となった。シャラアは12月12日に国家情報機関(MIT)イブラヒーム・カリン長官と、12月22日にハカン・フィダン外相とダマスカスで会談した。トルコの最近の2回のダマスカス訪問は、この地域のクルド人に対する新たな計画の一環であり、トルコがダマスカスで行った会談で何が話し合われたのか正確には分からないものの、トルコ側は『クルド人と交渉するな、自治政府といかなる関係も築くな』というメッセージを発しているとみられる。トルコの政策の中心にあるのは、クルド人の(新生シリア)参加を阻止することである。
(2)トルコに対する見方
トルコはシリアに平和を望んでいると言っているが、これらの発言は正直ではない。トルコはシリアからテロを排除したいと言っている。しかし、彼らの『テロリスト』の定義には、この地域で平和に暮らしているクルド人やシリア北東部自治政府の人たちも含まれている。彼らは恥知らずにもYPGやSDFをテロリストと呼び、これをシリアへの介入の口実にしている。これは受け入れられない。かかるトルコの姿勢は、かつての仏のシリアに対する委任統治に似ている。今日、トルコは全力を尽くしてシリアを自らの支配下に置きたいと望んでいる。しかし、これはシリアの人々にとってもシリアの将来にとっても受け入れられない。
(3)クルド人武装勢力
SDF(シリア民主軍)、YPG(クルド人民防衛隊)、YPJ(同女性部隊)は、2011年以降、国民が(北東部シリアに実現した)成果に対する攻撃の結果として誕生した。我々は、自分たちの土地で自分たちを守るために組織された。もし彼ら(クルド人部隊)が武器を放棄するとしても、それは脅威が排除されて初めて可能になる。国民に対する攻撃が止まり、保証が与えられれば、武器は必要なくなる。しかし、我々は現在も脅威にさらされており、そのため、防衛を放棄することはできない。クルド人の安全だけでなく、アラブ人、シリア人、トルクメン人、そしてこの地域に住む他のすべての人々に対する脅威も排除されなければならない。我々の成果が標的にされている限り、これらの部隊は、自分たちを守るという我々の当然の権利を体現している。
(4)HTSとの関係
これまでHTSとクルド人の間に直接衝突はなかった。我々が受け取ったメッセージは、彼ら(HTS)がクルド人を攻撃しないというものであり、彼らはこれまで約束を守ってきた。トルコの支配下にあるグループ(シリア国民軍等)は絶えず我々を攻撃している。HTSの最近の声明は、シリアのすべての武装組織はシリア政権と連携すべきだというものだ。我々はこれを完全に拒否しているわけではない。我々はシリアが分離されることも望んでいない。我々の国民に対する脅威が取り除かれるなら、それは可能だ。ジョーラーニ氏もトルコの支配下にあるグループの存在に反対しており、それらを解体したいと考えている。もしトルコがシリアから手を引いて、分離を企てる努力をやめれば、我々はジョーラーニと合意に達することができるだろう。
(5)クルド人同士の団結の重要性
ENKS(シリアのクルド人国民評議会)と協議中である。トルコがクルド人の団結を阻止する政策をとっているにもかかわらず、前向きな結果を達成したい。我々は常にクルド人が目標を達成し、彼らの要求が満たされるように団結を支持してきた。トルコとのつながりがあるにもかかわらず、我々のENKSとの協議は続いている。彼らは多国籍軍やマズルム・アブディSDF司令官とも連帯し、要求を表明した。我々は将来、他のクルド人政党とも協議する予定である。我々はすべての人々を代表してダマスカスに行くことを目指している。我々はシリアの新政権とともに問題を解決したい。我々はシリアの一員であり、解決プロセスに加わりたい。我々はともに法律を制定することで、あらゆる課題を公式の基盤にすることができる。対話を通じて問題を解決することが、私たち全員にとって最も健全な方法である。
https://anfenglishmobile.com/rojava-syria/salih-muslim-we-are-part-of-syria-and-want-to-be-included-in-the-solution-77111
2.DEM党議員のオジャランPKK党首獄中訪問
2024年12月28日、DEM党のペルビン・ブルダン議員とスルリ・スレイヤ・オンデル議員はイムラリ島の監獄でアブドッラー・オジャランPKK党首(注:1999年逃亡先のケニアで拘束され、トルコに引き渡されて、その後、今日までイムラリ島で収監されている)と会談した。彼の健康状態は良好で、士気は高い。彼の(地域情勢に関する)評価はクルド人問題に対する恒久的な解決策を見つけることを目指しており、極めて重要であった。中東とトルコの最近の展開の評価を含む会談で、オジャラン党首は、暗い未来シナリオに対抗するための前向きな解決策を提案したとし、彼の考えとアプローチの一般的な枠組みを、要約すると次のとおり。
@ トルコ人とクルド人の同胞関係を再び強化することは、歴史的な責任であるだけでなく、すべての人々にとって極めて緊急かつ重要な課題でもある。
A このプロセスを成功させるには、トルコのすべての政治グループが主導権を握ることが不可欠。狭量で短期的な利益にとらわれることなく、建設的に行動し、積極的に貢献する。こうした貢献の重要なプラットフォームの一つは、間違いなくトルコ大国民議会である。
Bガザとシリアでの出来事は、外部介入によって慢性的な問題に変貌させようとしているこの問題の解決をこれ以上遅らせることはできないことを示している。野党の貢献と提案もまた、解決を達成する上で極めて重要である。この問題の深刻さに見合った解決策を模索するべきである。
C 私はバフチェリ氏(MHP党首)とエルドアン大統領(AKP党首)が支持する新しいパラダイムに必要な前向きな貢献をするために必要な能力と決意を持っている。
DDEM代表団は私の見解を政府と政治の双方と共有するとしている。こうした状況において、私は必要な前向きな措置を講じ、呼びかける用意がある。
Eこうした努力はすべて、国を相応しいレベルに引き上げ、民主的変革の貴重な指針となるであろう。
F今こそトルコと地域の平和、民主主義、そして友愛のために。
https://anfenglishmobile.com/news/abdullah-Ocalan-positive-contributions-are-essential-for-the-process-to-succeed-77153
(コメント)サーレハ・ムスリム元RYD共同代表の発言で注目されるのは、YPGを主体とするシリアのクルド人勢力は、トルコが支援するシリア国民軍などからの攻撃を受けているものの、ダマスカスを解放したHTS暫定政権との間では、武力衝突はなく、今後、HTS暫定政権を含むシリアの各政治勢力とのシリアの将来を話し合う会合に、クルド人の代表として参加する意思を表明したことである。それも、PYDなど北東部シリアを実効支配するクルド人勢力のみならず、トルコとも連携するクルド人勢力を含むENKSとも協議を続けており、さまざまなクルド人の利益を排除しない形で、新生シリア建設の枠組みに参加する用意があると表明したことである。一方で、クルド人勢力への武力攻撃が継続する限りは、武器を捨てるわけにはいかず、防衛を行う正当な権利を有するとしている。トルコが支援するシリア国民軍などは、YPG、YPJなどが防衛しているティシュリーンダムなどへの攻撃を続け、クルド人側にも犠牲者が多数発生しているとみられる。HTSの事実上の代表であるアハマド・アルシャラアには、すでにトルコのカリンMIT長官やフィダン外相などが接触したとされており、HTS暫定政権が、PYDなどの政治プロセス参加の条件として、クルド人武装勢力の武装解除を要求するのか、その場合、クルド人勢力はどのように対応するのか、米国は、これまで連携してきたクルド人勢力とトルコとの関係改善に真剣に取り組むのかが不透明な状況になっている。こうした中で、トルコのクルド系政党DEMの現職議員2名がトルコ法務省の許可を得て、ひさびさにイムラル島の刑務所に収監されているアブドッラー・オジャラン党首との会談が許された。オジャラン党首に対しては、2024年10月中旬の党グループ会議での演説で、バフチェリMHP党首が、「テロの終結と彼の組織の解散を一方的に宣言する」よう求めた。今回のDEM議員訪問で、オジャラン党首は、バフチェリ党首とエルドアン大統領(AKP党首)が支持する新しいパラダイムに必要な前向きな貢献をするために必要な能力と決意を持っていると述べ、トルコ政府と対立するのではなく、共存の途を模索する姿勢を表明した。オジャラン党首の考え方は、シリアのクルド人勢力にも一定の影響を与えるとみられ、一方でトルコで2015年に途切れた政権側とPKK対話の動きを復活させ、他方で、シリアで、トルコ軍とその支援勢力が、クルド人支配地域への攻撃を停止し、ENKSなどの枠組みを通じて、クルド人の新生シリアにおける和平プロセスへの参加が約束されれば、HTS政権側とクルド人勢力との武力衝突は回避され、新生シリアにおける和解と安定に向けての展望が開かれていく突破口になるのではないかとも期待できる。
1.シリアのクルド人政党「民主統一党(PYD)」大統領評議会メンバーで元共同代表のサーレハ・ムスリム氏は、トルコの最近のシリア政策、ダマスカスとの会談、クルド人へのアプローチについて以下のとおり語った。
(1)最近のトルコ政府要人のHTS指導者との会談
トルコは、HTSの指導者アフマド・アル・シャラア(アブー・ムハンマド・アルジョーラーニ)とさまざまなレベルで接触した最初の国となった。シャラアは12月12日に国家情報機関(MIT)イブラヒーム・カリン長官と、12月22日にハカン・フィダン外相とダマスカスで会談した。トルコの最近の2回のダマスカス訪問は、この地域のクルド人に対する新たな計画の一環であり、トルコがダマスカスで行った会談で何が話し合われたのか正確には分からないものの、トルコ側は『クルド人と交渉するな、自治政府といかなる関係も築くな』というメッセージを発しているとみられる。トルコの政策の中心にあるのは、クルド人の(新生シリア)参加を阻止することである。
(2)トルコに対する見方
トルコはシリアに平和を望んでいると言っているが、これらの発言は正直ではない。トルコはシリアからテロを排除したいと言っている。しかし、彼らの『テロリスト』の定義には、この地域で平和に暮らしているクルド人やシリア北東部自治政府の人たちも含まれている。彼らは恥知らずにもYPGやSDFをテロリストと呼び、これをシリアへの介入の口実にしている。これは受け入れられない。かかるトルコの姿勢は、かつての仏のシリアに対する委任統治に似ている。今日、トルコは全力を尽くしてシリアを自らの支配下に置きたいと望んでいる。しかし、これはシリアの人々にとってもシリアの将来にとっても受け入れられない。
(3)クルド人武装勢力
SDF(シリア民主軍)、YPG(クルド人民防衛隊)、YPJ(同女性部隊)は、2011年以降、国民が(北東部シリアに実現した)成果に対する攻撃の結果として誕生した。我々は、自分たちの土地で自分たちを守るために組織された。もし彼ら(クルド人部隊)が武器を放棄するとしても、それは脅威が排除されて初めて可能になる。国民に対する攻撃が止まり、保証が与えられれば、武器は必要なくなる。しかし、我々は現在も脅威にさらされており、そのため、防衛を放棄することはできない。クルド人の安全だけでなく、アラブ人、シリア人、トルクメン人、そしてこの地域に住む他のすべての人々に対する脅威も排除されなければならない。我々の成果が標的にされている限り、これらの部隊は、自分たちを守るという我々の当然の権利を体現している。
(4)HTSとの関係
これまでHTSとクルド人の間に直接衝突はなかった。我々が受け取ったメッセージは、彼ら(HTS)がクルド人を攻撃しないというものであり、彼らはこれまで約束を守ってきた。トルコの支配下にあるグループ(シリア国民軍等)は絶えず我々を攻撃している。HTSの最近の声明は、シリアのすべての武装組織はシリア政権と連携すべきだというものだ。我々はこれを完全に拒否しているわけではない。我々はシリアが分離されることも望んでいない。我々の国民に対する脅威が取り除かれるなら、それは可能だ。ジョーラーニ氏もトルコの支配下にあるグループの存在に反対しており、それらを解体したいと考えている。もしトルコがシリアから手を引いて、分離を企てる努力をやめれば、我々はジョーラーニと合意に達することができるだろう。
(5)クルド人同士の団結の重要性
ENKS(シリアのクルド人国民評議会)と協議中である。トルコがクルド人の団結を阻止する政策をとっているにもかかわらず、前向きな結果を達成したい。我々は常にクルド人が目標を達成し、彼らの要求が満たされるように団結を支持してきた。トルコとのつながりがあるにもかかわらず、我々のENKSとの協議は続いている。彼らは多国籍軍やマズルム・アブディSDF司令官とも連帯し、要求を表明した。我々は将来、他のクルド人政党とも協議する予定である。我々はすべての人々を代表してダマスカスに行くことを目指している。我々はシリアの新政権とともに問題を解決したい。我々はシリアの一員であり、解決プロセスに加わりたい。我々はともに法律を制定することで、あらゆる課題を公式の基盤にすることができる。対話を通じて問題を解決することが、私たち全員にとって最も健全な方法である。
https://anfenglishmobile.com/rojava-syria/salih-muslim-we-are-part-of-syria-and-want-to-be-included-in-the-solution-77111
2.DEM党議員のオジャランPKK党首獄中訪問
2024年12月28日、DEM党のペルビン・ブルダン議員とスルリ・スレイヤ・オンデル議員はイムラリ島の監獄でアブドッラー・オジャランPKK党首(注:1999年逃亡先のケニアで拘束され、トルコに引き渡されて、その後、今日までイムラリ島で収監されている)と会談した。彼の健康状態は良好で、士気は高い。彼の(地域情勢に関する)評価はクルド人問題に対する恒久的な解決策を見つけることを目指しており、極めて重要であった。中東とトルコの最近の展開の評価を含む会談で、オジャラン党首は、暗い未来シナリオに対抗するための前向きな解決策を提案したとし、彼の考えとアプローチの一般的な枠組みを、要約すると次のとおり。
@ トルコ人とクルド人の同胞関係を再び強化することは、歴史的な責任であるだけでなく、すべての人々にとって極めて緊急かつ重要な課題でもある。
A このプロセスを成功させるには、トルコのすべての政治グループが主導権を握ることが不可欠。狭量で短期的な利益にとらわれることなく、建設的に行動し、積極的に貢献する。こうした貢献の重要なプラットフォームの一つは、間違いなくトルコ大国民議会である。
Bガザとシリアでの出来事は、外部介入によって慢性的な問題に変貌させようとしているこの問題の解決をこれ以上遅らせることはできないことを示している。野党の貢献と提案もまた、解決を達成する上で極めて重要である。この問題の深刻さに見合った解決策を模索するべきである。
C 私はバフチェリ氏(MHP党首)とエルドアン大統領(AKP党首)が支持する新しいパラダイムに必要な前向きな貢献をするために必要な能力と決意を持っている。
DDEM代表団は私の見解を政府と政治の双方と共有するとしている。こうした状況において、私は必要な前向きな措置を講じ、呼びかける用意がある。
Eこうした努力はすべて、国を相応しいレベルに引き上げ、民主的変革の貴重な指針となるであろう。
F今こそトルコと地域の平和、民主主義、そして友愛のために。
https://anfenglishmobile.com/news/abdullah-Ocalan-positive-contributions-are-essential-for-the-process-to-succeed-77153
(コメント)サーレハ・ムスリム元RYD共同代表の発言で注目されるのは、YPGを主体とするシリアのクルド人勢力は、トルコが支援するシリア国民軍などからの攻撃を受けているものの、ダマスカスを解放したHTS暫定政権との間では、武力衝突はなく、今後、HTS暫定政権を含むシリアの各政治勢力とのシリアの将来を話し合う会合に、クルド人の代表として参加する意思を表明したことである。それも、PYDなど北東部シリアを実効支配するクルド人勢力のみならず、トルコとも連携するクルド人勢力を含むENKSとも協議を続けており、さまざまなクルド人の利益を排除しない形で、新生シリア建設の枠組みに参加する用意があると表明したことである。一方で、クルド人勢力への武力攻撃が継続する限りは、武器を捨てるわけにはいかず、防衛を行う正当な権利を有するとしている。トルコが支援するシリア国民軍などは、YPG、YPJなどが防衛しているティシュリーンダムなどへの攻撃を続け、クルド人側にも犠牲者が多数発生しているとみられる。HTSの事実上の代表であるアハマド・アルシャラアには、すでにトルコのカリンMIT長官やフィダン外相などが接触したとされており、HTS暫定政権が、PYDなどの政治プロセス参加の条件として、クルド人武装勢力の武装解除を要求するのか、その場合、クルド人勢力はどのように対応するのか、米国は、これまで連携してきたクルド人勢力とトルコとの関係改善に真剣に取り組むのかが不透明な状況になっている。こうした中で、トルコのクルド系政党DEMの現職議員2名がトルコ法務省の許可を得て、ひさびさにイムラル島の刑務所に収監されているアブドッラー・オジャラン党首との会談が許された。オジャラン党首に対しては、2024年10月中旬の党グループ会議での演説で、バフチェリMHP党首が、「テロの終結と彼の組織の解散を一方的に宣言する」よう求めた。今回のDEM議員訪問で、オジャラン党首は、バフチェリ党首とエルドアン大統領(AKP党首)が支持する新しいパラダイムに必要な前向きな貢献をするために必要な能力と決意を持っていると述べ、トルコ政府と対立するのではなく、共存の途を模索する姿勢を表明した。オジャラン党首の考え方は、シリアのクルド人勢力にも一定の影響を与えるとみられ、一方でトルコで2015年に途切れた政権側とPKK対話の動きを復活させ、他方で、シリアで、トルコ軍とその支援勢力が、クルド人支配地域への攻撃を停止し、ENKSなどの枠組みを通じて、クルド人の新生シリアにおける和平プロセスへの参加が約束されれば、HTS政権側とクルド人勢力との武力衝突は回避され、新生シリアにおける和解と安定に向けての展望が開かれていく突破口になるのではないかとも期待できる。
Posted by 八木 at 16:23 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)