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サウジアラビアへの二つの招待状[2024年06月13日(Thu)]
サウジアラビアは伝統的に親米国家であるものの、OPECプラスの枠組みでは、ロシアと協力し、さらに中国とも二国間SWAP協定を結ぶなど経済関係を強化してきている。6月10日、11日、ロシアでBRICS外相会議が開催され、6月13日から15日までイタリアでは、G7首脳会議が開催される。G7首脳会議には、7つの加盟国やEUのほか、サウジを含む12か国首脳に招待が発せられていたとされる。BRICS外相会談にも、トルコをはじめ多くの国に招待が発せられていたとされ、トルコからはフィダン外相が拡大会合に出席したことがあきらかになっている。BRICS外相会議について、サウジアラビアは拡大関連会合にファイサル外相が出席したものの、集合写真に外相の姿はなかった。一方、G7会合については、サウジアラビアの皇太子兼首相のムハンマド・ビン・サルマンは、イタリアのジョルジア・メローニ首相に対し、G7首脳会議に出席できないことを伝えた。このふたつの重要な会合を巡ってのサウジの動きが非常に不透明である。
1.BRICS:サウジは2023年8月の南アでのBRICS首脳会議で、6つの新たなメンバー国のひとつとして招待された。この招待をうけて、UAE、エジプト、イラン、エチオピアは正式メンバーとなった。一方、右派のミレイ政権が誕生したアルゼンチンは、招待を断ったサウジアラビアについては、当然、加盟したとみられていたが、正式には招待を受けいれるとの返答を行っていないことが明らかになってきた。
2024年6月11日付アラブニュースは、以下のとおり報じている。
「サウジアラビアの外務大臣ファイサル・ビン・ファルハン王子は6月11日(火)、ロシアのニジニ・ノヴゴロドで開かれたBRICSアウトリーチ閣僚会議に出席した。同国は同グループへの参加を招待されたゲスト国として出席した。BRICSはブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカを含む新興経済国グループで、今年初めにはイラン、エジプト、エチオピア、UAEが新たに加わった。アルゼンチンとサウジアラビアも参加を招待されたが、アルゼンチンは11月の大統領交代を受けて申請を取り下げ、サウジアラビアは依然として加盟を検討中だとしている。」
https://www.arabnews.com/node/2528611/saudi-arabia
拡大BRICSの最大の特徴は、大産油国と中国やインドを含む大消費国がひとつのブロックに入り、ドル以外の通貨とSWIFTに依存しない決済システムで、石油をはじめとするコモディティ取引を完結できることであり、欧米の制裁を受けているロシアやイランはそれを強く推進しようとしている。また、米国との経済摩擦を抱える中国も脱ドル化に関心を有している。サウジがBRICSに加わっても、欧米のほか、大消費国である日韓などのアジア諸国とはドル取引を継続することができ、サウジが決済システムで困惑することはほとんどないとみられていただけに、サウジが未だBRICS参加を躊躇っているとすれば、その理由は何か、米国の金融支配にくさびを打ち込もうとするBRICSを主導するロシア、中国の動きをけん制するための米国のMBS皇太子への働きかけが功を奏しているのか、しかし、サウジはバイデン政権に恩を売っても、バイデン大統領が次期選挙で勝利するとは限らず、ロシア、中国との関係を悪化させてまで、BRICS加盟を断るのか、背景がはっきりしない
2.G7首脳会議出席断念
BRICS加盟を躊躇する一方で、6月13日からイタリアで開催されるG7首脳会議にMBS皇太子は招待されていた。6月10日に大勢が明らかになったEU議会選挙では、メローニ首相率いる極右政党「イタリアの同胞」は得票率を29%に伸ばして躍進した。一方、他の首脳はそれぞれ国内に大きな問題を抱えている。英国の保守党政権は、解散した議会選挙で劣勢を伝えられている。仏マクロン大統領は、EU議会選挙で大きく後退し、下院を解散した。米国では、トランプ、バイデン両候補の接戦が続いている。カナダも来年が選挙であるが、野党の支持が拡大している。日本は周知のとおり、政治資金問題で政権への支持率が低迷している。要は、1年たつと今のG7首脳の顔ぶれが一変している可能性も排除できないということである。MBS皇太子は、今後も政権が続くであろうイタリアのメローニ首相との関係は維持したいものの、どうしても今回のG7会合の招待に応じなければならないとのインセンティブは強くなかったものと思われる。ましてや、今回のG7会合は、ロシアの3000億ドルといわれる凍結資金の運用分500億ドル程度をウクライナ支援に回す(注:EUはウクライナ支援のため当面16億ドルを流用。ロシアは反発し、6月13日からモスクワ証券取引所でドル・ユーロ取引排除を発表)ことやロシアとの軍事経済面で関連のある中国企業などへの制裁、ならびに中国製EVへの輸入制限(米国は、中国製EVに100%関税を課し、EUは38%課す見通し)など、サウジにとって連携している国に強力な制裁で合意する場に、サウジの代表が居合わせるということは得策ではないと判断した可能性がある。MBS皇太子は、メローニ首相に送った感謝の電報で、皇太子は、6月14日に始まる毎年恒例のハッジ巡礼の運営を監督するという自身の責務のため、首脳会議に出席できないことを残念に思うと述べた、とサウジ紙は報じている。
G7会合https://www.aljazeera.com/news/2024/6/12/g7-meets-in-italy-whats-on-the-table
サウジG7会合出席辞退https://saudigazette.com.sa/article/643555/SAUDI-ARABIA/Saudi-Crown-Prince-will-not-attend-G7-summit-due-to-Hajj-supervision-nbsp

Posted by 八木 at 11:37 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

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