CANPAN ブログ検索
Loading
  • もっと見る
イスラム世界との結びつきを通じて、多様性を許容する社会の構築についてともに考えるサイトです。

« バイデン大統領、MBS皇太子、プーチン大統領の来る重要会談に向けての思惑 | Main | バイデン大統領のサウジ訪問の成果 »

検索
検索語句
<< 2022年08月 >>
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      
最新記事
最新コメント
タグクラウド
カテゴリアーカイブ
月別アーカイブ
プロフィール

中東イスラム世界社会統合研究会さんの画像
日別アーカイブ
https://blog.canpan.info/meis/index1_0.rdf
https://blog.canpan.info/meis/index2_0.xml
ウクライナ危機終結に向けて初めて見えた薄明かり(ウクライナ産穀物海上輸送のための安全回廊設置)[2022年07月14日(Thu)]
アカル・トルコ国防相は、7月13日に一時間半にわたって開催されたロシア、ウクライナ、トルコ、国連によるイスタンブールでの四者会議で当事国は、ウクライナ産穀物安全輸送のための回廊設置に向けて、イスタンブールに調整センター設立で合意したと述べ、世界的な食糧危機の懸念の中で大きな突破口が開かれる見通しとなった。
アカル国防相は、ロシアとウクライナの代表団は7月17日に始まる週再びトルコで会合し、黒海からの世界市場への穀物の輸出に関する協定に署名することが期待されている、と述べた。
ロシア軍に囲まれたウクライナの港では、数十隻のコンテナ船が封鎖されており、小麦、ひまわり油、その他の食料品、作物用肥料の輸出が妨げられている。黒海における輸送船の航海は、ロシア軍とウクライナ軍の両方によって配置された地雷によっても妨げられてきた。
会談参加者は、輸送ルートの航行の安全性や港の出入り時の共同管理などの技術的問題に関する合意に向けての共通の土台を見出すことができ、会議を前向きで建設的なものとみなした。国連のアントニオ・グテーレス事務総長は、これを包括的合意に向けた「重要かつ実質的な一歩」とみなし、「最終合意」が来週署名されることへの希望を表明した。
ロシアとウクライナの戦いの中で、何百万トンもの穀物がウクライナの港に停滞し、それが、世界中で食糧価格の高騰を招いている。ウクライナでのロシアの攻撃と西側の制裁は、世界の小麦供給の30%を生産する両国からの小麦と他の商品の供給を混乱させ、世界中に食糧不足と飢餓のリスクに対する懸念を煽っている。特に、アフリカでは最大1億8100万人の飢餓を悪化させる可能性があるとされる。

(参考)リトアニア外務省は7月13日、ロシア本国から飛び地カリーニングラードへの鉄道による貨物輸送について、一定規模を認めると発表した。これは、欧州委員会が、対ロシア制裁に関する加盟国向けの新たな指針を打ち出したことを受けた措置で、欧州委の指針は、ロシア本国と飛び地間の物資輸送において過去3年間の平均量を超えない範囲ならば禁止しない、但し、軍需物資等禁制品の輸送は認めないとするもの。

(コメント)今回ウクライナ東部で激しく戦闘を継続している当事国であるロシアとウクライナがトルコと国連の仲介の下、ウクライナ産穀物を海外に海上輸送する船舶による黒海内の安全航行を保障する回廊設置に原則合意したことは、穀物を輸出できずに困っていたウクライナ農民や世界最大の穀物地帯からの小麦等の供給停止の危機に陥っていたアフリカ諸国民にとって朗報であるばかりでなく、ロシア・ウクライナ戦争の停戦実現に向けての突破口、実質的第一歩になる可能性がある。トルコのエルドアン大統領は、7月19日、イランのテヘランで、プーチン大統領とシリア問題で会談する。しかし、世界が注目しているのは、シリア問題ではなく、ウクライナ危機に関連するプーチン・エルドアン直接協議の成果である。プーチン大統領とエルドアン大統領は、2016年以降、シリア内戦、リビア内戦、ナゴルノ・カラバフ紛争で、お互い、違う陣営を支援していながら、その都度、武装勢力間の停戦実現に貢献してきた。プーチン、エルドアン両大統領とも、数々の厳しい交渉過程で、お互いのメンタリティ、どこで妥協する可能性があるのかを十分承知している。トルコはNATOメンバーでありながら、ロシアから対空防衛システムS-400を購入し、トルコストリーム、ブルーストリームの二本のガス・パイプラインを通じて天然ガスの供給をうけ、アックユで建設中の原発もロシアの支援を受けて行われている。2021年、トルコには、400万人以上のロシア人旅行者が訪れ、トルコにとっての重要な収入源になっている。このような背景からトルコはNATOのメンバーでありながら、対ロシア制裁には参加していない。トルコにとって、ロシアは、経済的に重要なパートナーであるといえる。他方、エルドアン大統領は、ウクライナへのドローンの提供や、北欧の2つの国スウェーデンとフィンランドが、クルド人抑制策をとることを条件に、NATOメンバーに加わることにゴーサインを出した。また、黒海でウクライナ産穀物を積み込んで航行している疑いがあるロシア船舶の停船を命じることもあった。エルドアン大統領は、ボスフォラス、ダーダネルス海峡の管理者として、ロシアの思い通りにはさせないとのメッセージも発している。ウクライナ侵攻当初、キーウへの軍事作戦を展開し、戦略的な失敗を冒したプーチン大統領は、ノルドストリーム経由のドイツへの天然ガス供給一時停止の揺さぶりをかけたりして強気の姿勢を崩していないものの、ウクライナ東部で親ロシア勢力が一定の支配を確保しつつあるなかで、停戦のタイミングを見極めようと動き始めていることは想像に難くない。プーチン大統領は西側の制裁や軍事的脅威に対して、鏡のように対応していくとの姿勢を明らかにした。今回、穀物輸送でロシアが一定の譲歩を見せたのも、カリーニングラード鉄道輸送の制限措置を欧州が緩和することとのバランス措置であった可能性がある。小さな実務的信頼醸成措置を重ねることが停戦への途を開くことにつながる。プーチン大統領が、バイデン大統領の中東訪問に続く形で、7月19日にエルドアン大統領と会談する決断を行ったことは、穀物海上輸送回廊設置に向けた成果を超えて、ロシア、ウクライナ間の停戦実現の可能性が高まったことを間接的に示していると言えよう。
https://www.trtworld.com/turkey/russia-ukraine-teams-to-meet-in-t%C3%BCrkiye-again-to-seal-grain-export-deal-58814

Posted by 八木 at 11:49 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

この記事のURL

https://blog.canpan.info/meis/archive/513

トラックバック

※トラックバックの受付は終了しました

 
コメントする
コメント