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バイデン大統領、MBS皇太子、プーチン大統領の来る重要会談に向けての思惑[2022年07月13日(Wed)]
バイデン米大統領は、7月13〜16日の中東訪問の一環としてサウジアラビアを訪問します(他は、イスラエルとパレスチナ。なお、イスラエルでは、6月30日にクネセトが解散され、11月1日に総選挙が実施されます。ベネット首相は退陣し、現在外相を務めていたラピド氏が暫定首相を務めています)。米大統領の中東訪問直後、ロシアのプーチン大統領が7月19日にイランを訪問します。関係国首脳の今次訪問と会談にむけての思惑を勝手に考えてみました。これは、あくまでも筆者の想像で、現実のものではありません。念のため

1.バイデン大統領:2022年11月の中間選挙で民主党が上下両院で過半数を失えば、バイデン政権は一挙にレイムダック化するおそれがある。米国民の生活苦を軽減するため、これまで、著名なサウジ人ジャーナリスト・カショギ氏殺害やサウジのイエメン軍事介入を理由に、サウジの実質的指導者であるムハンマド・ビン・サルマン(通称MBS)皇太子とは距離を置いてきたが、サウジ訪問中、MBSと握手して関係を修復し、サウジによる原油増産を働きかけ、原油価格を低下させ、あわよくば、2016年以来OPECプラス(注:サウジ主導のOPEC13か国プラスロシア主導の非OPEC10か国)の枠内で原油生産調整を維持してきた非OPECの主要産油国ロシアとの間に亀裂を生じさせ、ロシアの石油収入に打撃を与えるとともに、原油価格低下によるガソリン価格下落を実現し、中間選挙での民主党の勝利を実現したい。そのためには、今次サウジ訪問においては、カショギ氏殺害という人権問題への追及を棚上げする。

2.MBS皇太子:2018年10月2日のカショギ氏殺害をサウジ政府、就中、MBSの承認の上で実行したとの見方を米国情報機関に発表させ、サウジと米国との関係を冷却化させたバイデン大統領は許しがたい。しかし、ロシアのウクライナ侵攻を受けて、石油価格が高騰し、世界の指導者による世界の原油市場の動向に大きな影響を有するサウジアラビア詣出でが続いている。4月28日、エルドアン・トルコ大統領が、紅海の都市ジッダを訪問し、アッサラーム宮殿でサルマン国王ならびに自分と会談した。エルドアン大統領は、自分と抱擁を交わし、イスタンブールで進んでいたカショギ氏殺害容疑者の欠席裁判の裁判権を放棄し、サウジ側に移行すると宣言した。過去3年以上自分は、このせいで、西側諸国との関係発展に大きな障害に直面していたが、トルコのエルドアン大統領が追及を放棄し、サウジとの経済関係強化を選択した。今や、バイデン大統領も同様の選択を行うべきだ。米国がもはや過去の問題にこだわらず、サウジの協力を得たいということであれば、サウジも応分の対応を行う用意がある。6月のOPECプラス会合では、米国の増産要請を受け入れる形で、ロシアを説得した。OPECプラスは、8月までは日量64万8,000バレルの増産ペースを維持する(注:2020年春にOPECプラスで合意した970万b/dの減産自体は、8月で解消するとのこと)。一方で、サウジはこれからもOPECプラスの枠組みは維持する。ロシアのプーチン大統領は、カショギ事件を問題視したことはなく、自分との友好関係を維持してきた。米国へのカードを維持するためにもロシアとの関係は重要である(注:サウジのアブドルアジズ・エネルギー相は6月にロシアで開催された国際経済フォーラムで、ロシアとサウジの関係は「リヤドの天気のように良好だ」と発言。ロシアのノバク・エネルギー相も、ロシアは2022年より先までOPECプラスと協力できると強調した、とのこと。)。さらに、米国の中間選挙結果を見極める必要もある。将来の共和党政権誕生を期待しており、バイデン大統領との関係でハードルを引き下げる考えはない。

3.プーチン大統領:自分にとって、イラン訪問は、ウクライナへの特別軍事作戦開始後、2回目となる外国訪問(旧ソ連域外は初めて)である。今回の訪問は、2017年1月にシリアでの停戦、緊張緩和を実現するために設けられたロシア、トルコ、イラン三者で構成されるアスタナ・プロセスの一環としてテヘランを訪問するものである。自分は、2015年11月23日、ガス輸出国フォーラム首脳会議に出席するためテヘランを訪れた機会に、ハメネイ最高指導者とも会談した。今回は、7月19日にエルドアン大統領、ライシ大統領との三者会談が予定されているほか、ライシ大統領、ハメネイ最高指導者、エルドアン大統領とも個別に会談する予定である。イランとの間では、シリア問題のほか、エネルギー、軍事、イラン核合意を巡っても突っ込んだ話し合いを行う予定。イランが、ロシアに対して、数百機の軍事用ドローンの供給を行う用意があると聞いており、それについて確認を行う予定。また、欧米の経済制裁を受けている国同士として、経済金融面でどのように協力できるかも話し合う予定。ロシアはメインテナンスのため、ノルドストリームを通じた天然ガスのドイツへの供給一時停止を発表したが、1ユーロがほぼ1ドルと記録的なユーロ安を記録している。西側の対ロシア制裁は、西側にとっても大きな代償を支払うものとなることを思い知らせたい。この点で、ロシアとイランの考えは完全に一致している。しかし、調整すべき点もある。ロシア産原油とイラン産原油の販売先が一部の国で競合している。両国の利益を損なわないよう調整したい。
トルコのエルドアン大統領とは、シリア内戦、リビア内戦、ナゴルノ・カラバフ紛争で立場の違いを乗り越えて協議し、停戦を実現してきた実績がある。エルドアン大統領とは頻繁に電話会談を行っており、7月11日にも電話会談し、黒海での穀物輸送のための安全な「回廊」を設けるための方策を協議した。トルコは、NATOメンバーであるにもかかわらず、欧米の対ロシア制裁には加わらず、ロシア産天然ガスの供給、原発の建設、ロシア人観光客の受け入れなどの経済面での協力関係を続けている。スウェーデン、フィンランドのNATO加盟問題でのエルドアン大統領の両国への譲歩については驚いたが、クルド人関係者のトルコ送還実現には司法の判断が求められる問題が関わっており、この問題は「決定」ではなく、入り口に入ることが許されたに過ぎない。また、トルコが、穀物を輸送するロシア船舶の停船を、ウクライナ側の要請をうけて実行したことには怒りを覚えたが、トルコ側がロシア側の抗議をうけて、船の航行を認めたことを評価している。トルコは、ロシアにとって重要な隣国であり、首脳レベルでの協議は今後とも継続する。

Posted by 八木 at 10:38 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

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