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ウクライナ危機(シリアのアサド大統領、ロシアのウクライナへの軍事侵攻を正当化し、支持)[2022年02月26日(Sat)]
2月25日、シリアのアサド大統領は、プーチン大統領に電話し、今回のロシアのウクライナに対する軍事行動は、ソ連崩壊以後の「歴史の修正」であると語り、ロシアの侵攻への支持を表明した。ロシアは、2015年9月30日に突如、アサド政権を支える立場でシリア内戦に介入し、2016年12月には、ロシアやイランの支援をうけたアサド政府軍が、反体制派の最重要拠点だった第二の都市アレッポを陥落させ、シリア内戦での軍事的有利を確立し、アサド政権は今日にいたる10年間の内戦を生き延びることができた。ロシアにとっては、中東で唯一となる地中海に面したタルトゥース軍港をロシア海軍が使用(注1)し、地中海沿岸の都市ラタキヤに近いフメイミム空軍基地も使用している。現在、63,000人以上のロシア軍人がシリアに配備されているとされ、いわばロシアはウクライナ、欧州の南東からもにらみを利かしていることになる。2月15日には、ショイグ国防相がシリアを訪問し、アサド大統領と会談するとともに、両国軍事演習を視察したことが確認されている。ウクライナ戦線には、シリア人傭兵も投入されている可能性がある。
(注1)2017年、ロシアはシリアとの間で49年間のタルトゥース軍港無料リースを締結し、施設の使用権を延長したとされる。また、ロシアはシリア沿岸都市ラタキア近くのフメイミム空軍基地の拡張の一部を完了したとされ、同基地では過去に、ロシアは基地に核対応の長距離爆撃機を配備したこともある。ロシアはまた、シリアにS-400ミサイル対空防衛システムを配備したとされる(これまでは性能が劣るS-300までを配備していたとされる)。また、ロシアの強襲揚陸艦6隻が今月初めにタルトゥース港に停泊し、給油、保守、補給を行った後、黒海に出て軍事演習に参加した。
(注2)2022年1月、シリアの地元メディアは、ロシアがウクライナでの戦闘に参加するために月額700ドルで、2,500人から4,000人の親アサド・シリア傭兵を募集したと報じた。ロシアがシリア人傭兵を地域紛争に投入するのは今回が初めてではなく、2019年に激化したリビア内戦では、ロシアは、ロシア人傭兵のほか、政権側シリア人を傭兵としてリビア戦線に投入した。一方、リビアで、当時のシラージュ暫定政権を支えたトルコは、シリアのイドリブの反体制派シリア人を傭兵として、リビア戦線に投入した。

(参考)アサド大統領のプーチン大統領との電話会談(シリア国営通信SANA)
シリアのアサド大統領は2月25日にロシアのプーチン大統領と電話をかけた。アサド大統領は、今日起こっていることは歴史の修正であり、ソビエト連邦の崩壊後に失なわれた世界におけるバランスを取り戻すことであると強調し、西洋のヒステリーは歴史をアウトローだけが求める混沌という間違った場所に留めようとするものである、と語った。大統領は、今日のロシアは自らを守るだけでなく、世界と正義と人類の原則を守っているとみなした。
アサド大統領は、西側諸国はシリアとウクライナのナチス、そして世界のさまざまな地域でテロリストを支援するために汚い方法を使用し、人々を支配することを目的とした政策遂行の結果として混乱と流血の責任を負うと述べた。
大統領は、NATO拡大を阻止することはロシアの権利であるという正しい立場への確信に基づいて、シリアがロシア連邦を支持することを強調し、その理由としてそれは、世界へのグローバルな脅威となり、世界の安定に打撃を与えようとする西側諸国の無責任な政策を達成するツールになっているからである、と語った。
アサド大統領は、シリア軍とロシア軍はともにひとつの敵に立ち向かっているとみなした。その敵とは、シリアでは「過激主義」であり、ウクライナでは「ナチズム」であり、ロシア連邦は超大国が軍事力だけで偉大であるわけではなく、法規、高い道徳、人道主義の原則を尊重することで世界に教訓を与えることになると指摘した。
プーチン大統領は、ドンバスでの特別軍事作戦は、過去8年間、そこに住む人々の苦しみを食い止め、安定を回復することを目的としていると強調した。大統領は、ロシアは過去数年間、交渉と外交に依存しており、力を行使する決定は、西側から指図されたウクライナ当局が、議会によって批准された協定を遵守しないと発表した後にのみ行われたと付言した。 両国、そしてドネツク共和国とルガンスル共和国が軍事支援の要請を提出した後、ロシアの兵士がすべての崇高な目標を達成すると強調した。
https://sana.sy/en/?p=264582
https://www.middleeasteye.net/news/russia-ukraine-war-syria-assad-correction-history
https://www.middleeasteye.net/news/russia-syria-defence-minister-arrives-naval-drills

Posted by 八木 at 10:58 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

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