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ウクライナ危機(トルコは、ロシア軍艦のボスポラス・ダーダネルス両海峡通過拒否を求めるウクライナの要請にどう対応するのか)[2022年02月25日(Fri)]
2月24日遅く、トルコのチャブシュオール外相と米国のブリンケン国務長官はウクライナの最新の動向について電話会談した。チャブシュオール外相は、ウクライナでのロシアの軍事作戦を拒否し、それは国際法違反であり、ウクライナの領土の一体性と政治的統一を支持していることを繰り返し述べた。米国務省のプライス報道官はブリンケン国務長官がウクライナの主権と領土保全を擁護する強力で明確な支援を表明したトルコに感謝したことを強調した。
トルコはNATOのメンバー国であり、黒海を通じ、ロシアともウクライナとも隣接している国である。トルコは、上記のとおり、ウクライナの主権と領土の一体性維持の必要性を強調し、ロシアのウクライナに対する軍事行動を強く非難した。それでは、トルコは、言葉の批判に加えて、痛みを伴う制裁をロシアに対して発動するのであろうか。24日、ウクライナは、トルコに対して、ロシアがウクライナへの攻撃を開始してから数時間後、黒海と地中海を結ぶボスポラス海峡とダーダネルス海峡をロシアの船舶に対して閉鎖するよう要請した。1936年のモントルー条約(注:1936年にスイスのモントルーで調印された、トルコ領内のボスポラス海峡・マルマラ海・ダーダネルス海峡の通航制度を定めた条約)の下で、トルコは地中海と黒海の間の船舶の通過を管理しており、ウクライナへのロシアへの軍事侵攻が明白になった今、トルコが、ウクライナの要請にどのように対応するのかが注目されている。
(参考)モントルー条約とは
1936年、英、仏、ソビエト連邦などの世界大国は、スイスのモントルーで、黒海でロシア、ウクライナ、ルーマニア、ブルガリア、ジョージアに近接するトルコがボスポラス海峡とダーダネルス海峡を支配することに合意した。海峡の管理に加えて、この条約は、戦時中にすべての外国の軍艦に対して海峡を閉鎖することを含め、海軍船舶の通過を規制する権限をトルコに与えている。トルコはまた、トルコと戦争をしている国からの商船の通過を拒否することができる。ロシア、ウクライナ、ブルガリア、ルーマニア、ジョージアを含むすべての黒海諸国は、海峡を通って船舶を運航することを希望する場合、トルコに8日前に通知しなければならない。 これに対して、黒海沿岸諸国以外の国々は15日前に通知する必要がある。ただし、黒海沿岸諸国は、潜水艦が黒海の外で建造、購入、または修理のために運航する場合に限り、事前の通知なしに潜水艦を通過させることができる。航空機が海峡上空を越える場合にも航空機の領空通過をトルコ政府から許可を得る必要がある。条約は、第二次世界大戦中、枢軸国がソビエト連邦を攻撃するために海軍船舶が海峡を通過することを阻止した。
条約の第19条は非常に明確であり、トルコが交戦者でなければ、軍艦への通過を許可する必要があると考えられている。一方、ウクライナ政府は、同じ条項がトルコに海峡を閉鎖する権限を与えていると主張している。この条項は確かに軍艦の通過を許可しているが、戦時中であれば、交戦国に属する戦艦へのアクセスを拒否できるとしている。 これは解釈の余地があるが、実際に戦闘に従事している軍艦は通過できないと一般的に理解されている。一方、条約の第20条は、トルコ自体が交戦者である場合、海峡を軍艦に開放しておくかどうかを決定するのはトルコの決定次第であるとしている。 第21条はまた、トルコが差し迫った戦争の危険にさらされていると考えれば、海峡を閉鎖することができると規定している。
(コメント)モントルー条約との関連でいえば、ウクライナがNATOのメンバー国であれば、トルコもNATOの一員であり、ロシアは同盟国を攻撃する敵対国であるととらえ、ロシアの軍艦のボスポラス海峡とダーダネルス海峡通過を拒否することができると考えられる。しかし、ウクライナはNATOのメンバー国ではなく、トルコにとって共同防衛の対象国ではない。欧米のNATOメンバー国でさえ、直接ウクライナに軍隊を送って、ロシア軍と戦う選択肢はとっていない。したがって、トルコは条約を理由にロシアの軍艦の通過を拒否することはないと考えられる。トルコのエルドアン大統領は、シリア内戦、リビア内戦、ナゴルノ・カラバフ紛争などの非常に危機的な部分でプーチン大統領と直接渡り合ってきた経験から、プーチン大統領がどのような思考の持ち主なのかを十分知りぬいている。仮に、トルコが、ロシアの軍艦の海峡通過を拒否すれば、プーチンの怒りが爆発し、しかもいつまでも続くことを認識している。欧米の腰が引けて、軍事的対応を躊躇っている中で、ロシアから天然ガスの供給をうけ、原発を建設中で、貿易・観光でも深い関係にあるトルコが、欧米に突出して、対ロシア制裁の先頭を走ることはありえないといえる。
https://www.dailysabah.com/politics/diplomacy/turkey-us-top-diplomats-talk-latest-ukraine-developments
https://www.middleeasteye.net/news/russia-ukraine-war-turkey-black-sea-power-montreux-explained
https://www.aljazeera.com/news/2022/2/24/ukraine-asked-turkey-to-close-black-sea-waterways-to-russia

Posted by 八木 at 16:52 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

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