宇宙開発を進める中東諸国―UAEはトップランナーになるか―[2021年12月15日(Wed)]
中東諸国の宇宙開発に関する研究会メンバー新井春美さんの第二弾です。
宇宙旅行が現実となりつつある昨今、新たなビジネスチャンスとして宇宙は魅力的である。しかし各国は単に商業的な利益や夢を追って開発にいそしんでいるのではない。国家の生存をかけ、戦略的に開発を行っている。中東ではトルコが開発を進めていることはすでに報告した通りであるが(https://blog.canpan.info/meis/archive/464)、宇宙進出を目指しているのはトルコだけではない。UAEの積極的な姿勢も目を引く。
UAEには宇宙開発に活路を求める切迫した事情がある。それは石油依存体制からの脱却が不可欠になってきていることだ。今日、世界的な環境への関心の高まりは石油をはじめとする化石エネルギー利用の減少を招きつつある。この先いつまで産油国として石油に依存できるか不透明である。このためUAEは産業の多角化、人材の育成、雇用の創出などを図っており、宇宙開発プログラムもこの流れに沿っている。2014年にはUAE Space Agencyが設立された。UAEは火星探査を国家プロジェクトとして掲げ、2020年7月には日本の企業とともに火星探査機HOPEの打ち上げに成功、2021年2月には世界で5番目、アラブ諸国では初めて火星周回軌道に到着するという成果を上げている。またアルテミス合意にも署名し、各国との協力体制づくりも着実に進めている。
HOPEの成功によりUAEはアメリカ、欧州、インド、中国といった火星探査で先行していた国々と肩を並べることとなった。UAEが豊富な資金をバックに先進国と組んで宇宙開発に突き進んでいくならば、宇宙開発のトップランナーに躍り出ることもあり得るだろう。
UAE Space Agency https://www.iafastro.org/
日本企業との協力についてはhttps://www.mhi.com/jp/news/20200720.html
火星探査の状況についてはhttps://www.sed.co.jp/tokusyu/mars.html
アルテミス合意は宇宙探査、利用等の諸原則に関しての政治的宣言。アメリカ、日本、UAEなど8カ国が署名している。https://www.mext.go.jp/b_menu/activity/detail/2020/20201014.html
宇宙旅行が現実となりつつある昨今、新たなビジネスチャンスとして宇宙は魅力的である。しかし各国は単に商業的な利益や夢を追って開発にいそしんでいるのではない。国家の生存をかけ、戦略的に開発を行っている。中東ではトルコが開発を進めていることはすでに報告した通りであるが(https://blog.canpan.info/meis/archive/464)、宇宙進出を目指しているのはトルコだけではない。UAEの積極的な姿勢も目を引く。
UAEには宇宙開発に活路を求める切迫した事情がある。それは石油依存体制からの脱却が不可欠になってきていることだ。今日、世界的な環境への関心の高まりは石油をはじめとする化石エネルギー利用の減少を招きつつある。この先いつまで産油国として石油に依存できるか不透明である。このためUAEは産業の多角化、人材の育成、雇用の創出などを図っており、宇宙開発プログラムもこの流れに沿っている。2014年にはUAE Space Agencyが設立された。UAEは火星探査を国家プロジェクトとして掲げ、2020年7月には日本の企業とともに火星探査機HOPEの打ち上げに成功、2021年2月には世界で5番目、アラブ諸国では初めて火星周回軌道に到着するという成果を上げている。またアルテミス合意にも署名し、各国との協力体制づくりも着実に進めている。
HOPEの成功によりUAEはアメリカ、欧州、インド、中国といった火星探査で先行していた国々と肩を並べることとなった。UAEが豊富な資金をバックに先進国と組んで宇宙開発に突き進んでいくならば、宇宙開発のトップランナーに躍り出ることもあり得るだろう。
UAE Space Agency https://www.iafastro.org/
日本企業との協力についてはhttps://www.mhi.com/jp/news/20200720.html
火星探査の状況についてはhttps://www.sed.co.jp/tokusyu/mars.html
アルテミス合意は宇宙探査、利用等の諸原則に関しての政治的宣言。アメリカ、日本、UAEなど8カ国が署名している。https://www.mext.go.jp/b_menu/activity/detail/2020/20201014.html
Posted by 八木 at 14:57 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)