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イラク訪問中のローマ教皇とシーア派最高権威であるシスターニ師との会見[2021年03月07日(Sun)]
3月6日、前日から歴代教皇としては初めてイラクを訪問中のローマ教皇フランシスコは、イラク・シーア派の聖地であるナジャフでイラク・シーア派最高の権威である大アヤトラ・アリー・シスターニ師との間で50分間に及ぶ「歴史的な」会見を行った。そこでは、両者は宗教的寛容へのコミットメントを強調した。
(参考)ナジャフとは:イスラム教4代目正統カリフでシーア派初代イマームである預言者ムハンマドの甥で娘婿であるアリーの廟があり、シスターニ師の本拠でもある。
●シスターニ師が外国要人と会見することはめったにないが、宗教間対話の率直な支持者であるフランシスコ教皇の会見を受け入れた。シスターニ師との会見実現には、半年間の調整を要したとされる。
●宗教間対話の強力な支持者である教皇フランシスコは、バングラデシュ、モロッコ、トルコ、アラブ首長国連邦など、イスラム教徒が多数を占めるいくつかの国でスンニー派の聖職者トップと会見してきたが、世界で2億人を占めるシーア派(イスラム世界内では少数派ながら、イラクでは過半数を占めている)宗教指導者トップと会見するのは初めて
●シスターニ師は5歳で宗教学を始め、1990年代にシーア派の聖職者の仲間入りをしてシーア派最高権威である大アヤトラに登りつめた。サッダーム・フセインが政権を握っている間、彼は何年も自宅軟禁で苦しめられたが、2003年のサッダーム政権崩壊後、イラク・シーア派に最も影響力を有する宗教指導者として、公的役割を担い、2014年6月のISISのカリフ国宣言に対しては、ISISを打倒し、イラクを過激派の支配から救うために公式動員勢力(PMF、PMU、ハッシュド・シャアビィともいう)立ち上げを呼びかけた
(ローマ教皇のイラク訪問マップ)https://www.aljazeera.com/wp-content/uploads/2021/03/INTERACTIVE-POPE-VISIT-TO-IRAQ2_1-x-1-with-photos.jpg?w=770&resize=770%2C770
(関連記事)https://www.middleeasteye.net/news/pope-francis-meets-iraqs-top-cleric-ali-sistani-historic-meeting
(参考)ローマ教皇とイスラム世界とのこれまでの接触
1.ローマ教皇とイスラム世界との接触を振り返りたい。パウロ6世は1964年に最初の聖地巡礼を行い、ヨハネ・パウロ2世は2001年にモスクに足を踏み入れた最初の教皇であった。フランシスコ教皇は、在任開始後トルコからパレスチナ、エジプト、ヨルダン、バングラデシュ、中央アフリカ共和国やアラブ首長国連邦(UAE)を訪問し、現場のモスクでイスラムの指導者と共に祈り、二つの信仰の崇拝者たちの間の寛容と平和を呼びかけてきた
2.2019年2月3日夜、ローマ・カトリック教会の第266代教皇であるフランシスコ教皇は、就任後初めてアラビア半島に足を踏み入れ、UAEを訪問した。空港では、UAEの実質的な最高指導者であるシェイク・ムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーン(通称MBZ)アブダビ皇太子兼UAE国軍副司令官(注:UAEのトップ兼国軍最高司令官はハリーファ大統領であるが、行政の執行は弟のMBZに委ねている)による出迎えを受けた。教皇は3日間のUAE滞在中、アブダビのザーイド・スポーツシティ・スタジアムで約13万5千人の信者を対象にミサを行い、2月3日から2日間の日程で、2019年を「寛容の年」として宣言したUAEのアブダビにおいて開催されている「人類の友愛に関する世界会合」に出席した。同会合出席の機会に、フランシスコ教皇は、イスラム世界での最高の宗教的権威のひとつであるエジプトのアズハル機構を代表するシェイク・アハメド・アル・タイイブ・グランド・イマームとも会合した。
3. 湾岸諸国が、宗教対話を主導するのは今回が初めてではない。2007年11月には、アブドッラー・サウジ国王がバチカンを訪問し、ローマ教皇と対話した。翌2008年6月、アブドッラー国王は、メッカにおいて、イランのラフサンジャニ元大統領をはじめとするシーア派代表も招き、イスラム対話を実施。その成果を踏まえ、7月には、イスラム、キリスト、ユダヤ教の融和を目的とする世界宗教対話会合をマドリッドで開催した。それは、同年11月の国連における世界信仰対話会合の開催に結びついた。日本も河野洋平外務大臣のイニシアティブの下、外務省が2002年に「イスラム世界との文明対話」との称する対話を開始し、板垣雄三東大名誉教授らが中心となり計8回対話会合を実施した。文明間対話サウジ会合では、対話出席者へのアブドッラー国王による接見が実現した。
4.ここ数年間は、イスラム世界との間で、スンニー派の代表格であるサウジとシーア派世界を代表するイランとの確執が目立っているが、アブドッラー国王時代は、イランとの間で様々な問題を抱えつつ、イランとの間でも必要以上に関係が悪化しないよう努めてきたことが伺われる。今回のフランシスコ教皇のイラク訪問が、異なる宗教間、民族間の融和を促し、緊張と対立を緩和させるきっかけとなることが期待される。

Posted by 八木 at 10:42 | イスラム世界で今注目されている人物 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

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