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サウジの付加価値税(VAT)率、一挙に3倍に引き上げ[2020年05月14日(Thu)]
国営サウジ通信によれば、サウジアラビアのジャダーン財務相は、現下のコロナウイルス・パンデミックによる経済への影響に対応し、原油価格安の下で財政を維持するために生活給付金を6月から打ち切り7月から付加価値税(VAT)の比率を5%から15%に上昇させると語った。また、同財務相は、経済多角化プログラムのビジョン2030や2020年度の主要プロジェクトからの多くのイニシアチブの割り当て金が削減される、これらの措置は「前例のない世界的なコロナウイルスのパンデミックと最小限の被害でその財政的および経済的影響を克服するために王国の経済を保護すること」を意図していると語った。
https://amp.thenational.ae/business/economy/saudi-arabia-to-raise-vat-to-15-as-kingdom-takes-measures-to-buttress-economy-finance-minister-says-1.1017607
(参考1)サウジの補助金削減と消費税導入
@補助金の削減: 2018年から、政府は燃料と電力に関する補助金を段階的に削減し、 2025年までに現地価格を地域価格と同水準にまで引き上げる政策を導入した。その結果、燃料の価格と電力の税金が引き上げられた。
AVATの導入: 2018年1月1日から、サウジアラビア政府は、 ガソリンとディーゼル、食品、衣類、公共料金、タバコ、ソフトドリンク、ホテル宿泊施設 など、ほとんどの商品とサービスに5%の付加価値税を導入した。
(注) 所得/給与、医療サービス、金融サービス、 公共交通機関は非課税対象である。
(参考2)ビジョン2030とは
•「ビジョン2030」 とは:サウジのムハンマド・ビン・サルマン(通称MBS)副皇太子(当時、現在は皇太子)のイニシアティブで2016年に策定された2030年までのサウジの国家開発計画
•計画の立案: 2016年4月25日、サウジアラビア政府は、サルマン国王主宰による閣議を開き、ムハンマド・ビン・サルマン(通称MBS)副皇太子(発表時点、その後2017年6月21日皇太子に就任)が議長を務める経済開発評議会が米国調査会社マッキンゼーの協力を得て作成
•三本柱:@「活気ある社会」、A「盛況な経済」、B「野心的な国家」の中に96の戦略目標が盛り込まれた。
•趣旨:サウジの経済構造を石油依存型から脱却させ、投資収益に基づく国家建設を目指し、観光、製造業、物流など経済の多角化を図る。民間企業(特に中小企業)の役割を拡大させることで新たな雇用を創出し、国民の生活水準を向上させる

(コメント)サウジでのVAT引き上げは、湾岸諸国の中でも突出している。UAEは、11日に、消費税を引き上げる計画はないことを明らかにした。バーレーンは2019年にVATを導入しているものの、GCC加盟国の中ではクウェート、オマーン、カタールは税を導入していない。サウジでは立法権のある議会は存在しない。サウジ指導部は、莫大なオイルマネーの恩恵を国民にも分け与えることで、サウード王制への忠誠を維持してきた。初代アブドルアジーズ国王以来、第二世代6名の王子が王位につき、現在、サルマン現国王の息子で若干34歳のMBSが実質的な指導者として君臨している。MBSは、2016年に脱石油の多様な経済構造にシフトさせるためのビジョン2030を立ち上げた。このプログラムの下で、MBSは大規模事業に投資するとともに、補助金削減やVAT導入といった国民にとっての痛みを伴う改革を飲ませるため、女性の運転解禁、映画鑑賞、スポーツ鑑賞を認めるといった若者、女性を念頭に置いた措置を矢継ぎ早に発表し、国民の支持を集めてきた。こうした中、コロナパンデミックによる石油需要の低下と原油価格の大幅低下、定期収入となっていたメッカ巡礼の中止などが政府の懐を直撃しようとしている。今回のVAT税率大幅引き上げは、財政維持のためにやむを得ないものとはいえ、各種補助金が打ち切られ、コロナ感染の国内蔓延の中で、民間企業の雇用も打ち切られようとしており(3か月間の無給休暇を飲むか、さもなければ、雇用打ち切りという厳しい措置が多々見られる趣き)、サウジ指導部がこれまでどおり、サウジの若者の支持を集められるのか黄色信号が灯り始めている。

Posted by 八木 at 14:00 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

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