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原油価格下落により、現実味を帯びるサウジが純債務国に転落する危機[2020年04月23日(Thu)]
4月22日付ロンドンをベースとするミドル・イースト・アイ(MEE)のデイビッド・ハースト編集長(元ガーディアン紙対外部門編集員)は、ムハンマド・ビン・サルマン(通称MBS)皇太子が、3月にロシアのプーチン大統領と電話会談した際、プーチン大統領に最後通牒を発し、脅したことで、逆に想定外の反発を招き、減産交渉は破綻(注:その後4月12日に、5月、6月にOPEC+全体で970万b/dの減産で合意)し、原油価格が暴落し、サウジが純債務国に転落する危険が現実味を帯びてきたとするショッキングな分析レポートを発表した。MEEがサウジと対立関係にあるカタール系のメディアであることを差し引いても、脱石油を目指すサウジの政府系ファンドの対外投資がうまく機能しない可能性を論じており、注目の記事である。
(MEE記事注目点)
●プーチン大統領に会ったことのある人なら誰もが指摘するように、ロシア大統領とは好きなだけ激しく交渉することができる。トルコのエルドアン大統領が続けているように、シリアとリビアの2つの地域戦争で、両国が正反対の立場にいても、依然として、ビジネス的協力関係を維持することができる。しかし、やってはいけないことは、プーチン大統領をコーナーに追い詰めようとすることである。これはサウジアラビアのMBS皇太子が、(原油減産調整に向けてサウジの意向を飲むよう)プーチン大統領に最後通牒を発し、彼に向かって叫んだことである。プーチン大統領は、ロシアの国際収支はサウジアラビアよりもゲームを行うに適していることを知っており、叫び返しただけであった。MBSは直前、トランプ大統領の娘婿のクシュナー大統領顧問と相談したが、クシュナーはロシアとの減産決裂に異議を唱えなかったとのこと。トランプ大統領は当初、減産調整決裂による石油価格下落は、米国経済に良い影響を与えると考えたが、自国のエネルギー業界に大打撃を与えることには思いが廻らなかったとみられる。
●まもなくMBSは、その対応がどれほど大きな間違いだったかを自ら確認することになった。原油価格は崩壊し、貯蔵スペースは急速になくなり、石油会社は油井にキャップをしなければならないという現実の厳しい見通しに直面している。石油とガスのセクターは、サウジの国内総生産の最大5割、輸出収入の7割を占めているが、それが消滅した。
●世界銀行によると、サウジの一人当たりのGDPも2012年の25,243ドルから2018年には23,338ドルに低下し、富は速いスピードで減少した。IMFは、正味負債が2020年にGDPの19%、21年が27%に達すると予測されており、コロナと石油危機は、2022年までにサウジの借入をGDPの50%にする可能性がある。
●サウジアラビアの財政の下落はしばらく前から続いている。MBSの父サルマンが2015年1月23日に国王に就任したとき、外貨準備は合計7,260億ドルであった。サウジアラビア通貨庁(SAMA)によると、昨年12月に4900億ドルまで減少し、4年間で2,390億ドルの損失となった。
●サウジのソブリン・ウェルス・ファンドの規模は、近隣湾岸諸国と比較しても大きくない。コロナウイルスのパンデミックが定着する前でさえ、IMFは公的投資基金(PIF)を1兆ドルに増やす計画はサウジアラビアが石油から多様化した場合に必要な収入を生み出すには十分ではない。IMFは、サウジアラビアがPIFを現在の3千億ドルからこの規模にまで成長させるとしたら、ポスト石油時代において、金融収益だけでは石油に代わる適切な収入の代替にはならない。1日あたり1000万バレルの石油生産、1バレルあたり65ドルの価値は、現在、サウジアラビア人ひとりあたりの年間石油収入は約11,000ドルに相当するが、原油価格がバレル20ドルを切ると、サウジが純債務国に転落する可能性が現実味を帯びる。
@アブダビ投資庁1.213兆ドル
Aクウェート投資庁が5220億ドル
Bカタール投資庁3280億ドル
C公的投資基金(PIF)(サウジアラビア)3200億ドル。
●さらに、コロナ感染拡大による都市封鎖により、メッカ、メディナへの巡礼が停止されており、年間1千万人、金額にして80億ドルの収入を失う可能性がある。
●PIFの投資先についても疑問がつきまとう。サウジのMBSと日本の孫正義が率いるソフトバンクが設けたビジョンファンドについて、ソフトバンクは、ビジョンファンドが165億ドルの損失を計上すると予想していると発表した。PIFはウーバーに投資したが、株価は下落しており、また、欧州の石油会社やクルーズ客船等への投資も否定的な見方がある。
●コロナ感染拡大をうけて、カタールはGDPの5.5%、バーレーン同3.9%、UAE 同1.8%を費やしているにもかかわらず、サウジは、財政的刺激を与える余裕はなく、1%にとどまっている。サルマン国王はコロナウイルスの閉鎖中に国が保証して、事業者に給与の60%を支払うことを命じたが、サウジアラビア最大の通信会社STCの従業員でさえ、給与の10%しか支払われておらず、それは、政府がSTCに資金を提供していないからとされている。サウジ保健省は、ホテルに対して、病院として運営するよう要求している。しかし、実態はホテルの所有者に一時的な資産の損失を補償したり、原価を支払う代わりに、部屋の消毒に加えて運営コストを自前でカバーするよう強制している。またサウジの民間医療部門で働いているエジプト人医師は、年次休暇中は給与を受けられず、感染のリスクを減らすために病院の交代勤務で自宅で仕事をするように指示された人は、年次休暇からその時間を取るか、無料で仕事をしなければならない。
https://www.middleeasteye.net/opinion/what-happens-saudi-arabia-when-oil-stops

Posted by 八木 at 15:26 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

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