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米国連邦地裁の押収令状に加え、新たに財務省の制裁対象にも指定されながら、東地中海を漂うイランの大型タンカー「エイドリアン・ダリヤ1」号[2019年08月31日(Sat)]
8月30日、米国財務省は、イランの大型タンカー(「グレース1」改め)「エイドリアン・ダリヤ1」号を米国外国資産管理法(OFAC)に基づく資産凍結義務を課すSDNリストの「カウンター・テロリズム」の分類の下で指定したと発表。「テロ」対策指定での制裁は、米国が同タンカーは「外国テロ組織」に指定するイランのイスラム革命防衛隊(IRGC)がタンカーを支配しているとの見方に基づくものとみられる。タンカーは、7月4日、英国領ジブラルタル当局により、シリアへの原油輸送を禁止するEU制裁違反の疑いで拿捕・拘束されていたが、ジブラルタル当局は、タンカーの積み荷はシリアに届けないとのイラン側からの書面の確約に基づき、8月15日解放した。米国は直ちに反応し、8月16日米国連邦地裁がタンカーの押収令状を発出したが、ジブラルタル当局は、解放の決定を覆さなかった。同タンカーは、ギリシャのカラマタ港に進路を定め航海を開始したが、その後、トルコのメルシン港に進路を変え、さらに自動識別装置AISの設定情報によれば、8月30日早朝トルコのイスカンドルーンに再度進路を変更したとされる。イスカンドルーンは、タンカーの当初の目的地とされるシリアの製油所のあるバニヤス港から200kmの距離にあるとされる。オスロ訪問中のチャブシュオール・トルコ外相は直ちに反応し、同タンカーはイスカンドルーンには向かっておらず、レバノンの港湾であるとは言えないものの、レバノン水域に向け航行しているとの見方を示した。一方、レバノンのナダ・ブスターニ・エネルギー相は、レバノンは製油施設を有しておらず、原油の購入の予定はない、またタンカーからも、レバノン水域通過、レバノンへの入港の要請は受けていないと言明した。8月26日イラン当局関係者は、「エイドリアン・ダリヤ1」号積載の210万バレルの原油は、未公表のバイヤーに売却し、バイヤーが船の行先を決定すると述べていた。船舶は現在キプロスの西方を航行中とされる。喜望峰・ジブラルタル海峡を経由したタンカーが積み荷をどこにも下すことなくイランに帰国することを望まないイランと、イランの原油取引を何としてでも阻止したい米国とのすさまじい闘いが、東地中海で展開されている。
(OFAC指定関連URL)https://www.treasury.gov/resource-center/sanctions/OFAC-Enforcement/Pages/20190830_33.aspx

(OFACのSDNリストとは)
米国には外国資産管理法(Foreign Assets Control Regulations)という法律があります。米国大統領が、国家の安全保障を脅かすものと指定した国や法人、自然人などをSDN(Specially Designated Nationals and blocked Persons)リストとして公表すること、および同リストに記載された制裁対象が米国内に保有する資産を凍結できること等について規定しています。
この法律によって、米国人(米国法人、米国籍保有者、米国居住者)には、資産凍結の義務が課せられ、義務を怠った場合には厳しい罰則が科せられます。この法は、米国の外交・国家安全保障政策に基づく経済・通商制裁プログラム(Economic and Trade Sanctions Programs)を管理・運営する米国財務省外国資産管理局(Office of Foreign Asset Control:OFAC)によって執行されていることから「OFAC規制」と呼んでいます。
(出所)JETRO解説よりhttps://www.jetro.go.jp/world/qa/04A-011104.html

Posted by 八木 at 08:48 | 情報共有 | この記事のURL | コメント(0) | トラックバック(0)

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