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2020年08月23日

【2020質問まとめ】半期講義のお礼と残りの質問へのご回答

受講生のみなさん

こんにちは!くめです!半期の受講ありがとうございました。みなさんの講義の感想やリクエストもすべて拝読いたしました。

後期も講義をとの嬉しいお声も多数いただきましたが、それは私が決められることではありませんし、後期は多摩大学の講義があります。やっぱりリアルでとのお声には来年はお応えできたら嬉しいです。

さてそれではみなさんからいただいたご質問の残りをまとめてお答えいたします。

明大生からの質問2020-3.jpg

【学生時代にすべきこと】

Q 学生のうちにしか出来ないと感じることはありますか。長かった学生生活も残り2年となり、何をすべきか焦りを感じています。
Q 大学中で苦手な環境に飛び込むというのは、どういったものがあるでしょうか。インターンシップしようにも必ずしもできるわけではないと思うので気になります。
Q やりたいことを見つける際に、何から始めればいいか、または何を見聞きすればいいでしょうか?
Q 学生時代にチャレンジしておけば良かった、と感じることはありますか?あれば具体的にどんなことですか?
Q 学生の時にやっておけばよかったと後悔していることはありますか。
Q 学生の時に行ったほうがよい習慣はありますか?
Q 経歴が多岐に渡っていらっしゃいますが、全ての経験において「これはやっておいてよかった」「役に立った」というスキルや実体験はございますか?
Q 興味のある領域を見つけるのに最適な方法は何でしょうか。やはり、本を読んだり人に」会うことが大事でしょうか。
Q 自粛期間を有効に使うには何をすればいいか
 
A 古今東西の名作に出会い、味わって、美意識を磨くこと。美を生涯積極的に味わう楽しみ・喜びを知り、習慣化することが大切です。


人生、死ぬまで勉強(楽しい)ので学生のうちにと特には思いません。しかし、社会人になって忙殺される前に、自分の好みでないコンテンツを楽しみ、美を感じ、そこから学ぶ習慣を身に着けると、一生楽しく勉強できるモードに入れます。本・映画・音楽・美術など、古今東西の名作を味わい尽くしてください。こうして、美意識を磨けば、AIやロボットに大半の仕事が奪われる中でも、人しかできない独創的な仕事ができる可能性があります。また働き方改革と人生百年時代で、有り余る時間も退屈せずに済みます。

幸いにして、明治に通う東京近郊在住のみなさんは、私の学生時代よりも恵まれています。お金をかけずに古今東西の名作に触れられるのです。明大はもちろん、都内は国立・都立の図書館が充実しているので本は読み放題。2カ月間有効2200円のぐるっとパスを使えば、都内や近郊の美術館・博物館の半分はタダでしし、明大の割引もありますね。映画も音楽もサブスクリプションサービスで月わずかの金額で見放題・聴き放題。また、私が評議員をつとめる新日本フィルハーモニー交響楽団なら、定期会員になれば、毎回2000円前後で、日本でも指折りの音響を誇るすみだトリフォニーホールで生オーケストラが楽しめます。

つまり、世の中では格差の問題が取りざたされますが、美を探求する好奇心と情報収集力、そして時間さえあれば、貴族のような暮らしができるのが、今の東京なのです。時間のある学生時代にこそ、この特権を活かさなければなりません。

ちなみにみなさん以上に私は焦った方がいいかもしれません。健康寿命で考えると、元気に仕事ができる時間が20年を切ったので。しかし、この砂時計が落ちて残り少なくなる感じも悪くはありません。学生の頃より、何倍も美しい物を感じることができ、何を見ても泣きそうになりますので。

Q 人生で今まで将来の夢を持ったことがないのですが、夢を見つけるためにすべきことは何がありますか?
Q 自分のやりたいことをどうやって見つけていきましたか?自分にどんな可能性があるのかまだ見いだせていません。先生がどのように道を切り開いていったのかお聞きしたいです。
Q やりたいことを見つける際に、何から始めればいいか、または何を見聞きすればいいでしょうか?

A 私も受け身で夢の無い人間でしたが、師匠に言われるがままやっているうちに夢が見つかりました


ですから、10人の師匠を探して、真似をする、言われたことをすぐやるうちに夢が次第に形になり、人生の後半戦で明確になるという感じではないでしょうか?

この明大講義でゲスト講師をしてくださった素晴らしい方々の中から、師匠を探すのもいいですね。

つまり、人生の最終的な夢を今探すのではなく、とりあえず、明日変わっても良いから今の夢を持ち語るトレーニングをしようというのが最終スピーチの狙いです。これは経験則でもありますが、夢を持ち夢を語る人の方が、縁・運・勘に恵まれやすい気がいたします。そこで、満足度半分の50点の夢でもいいから、スピーチしてください。その内容について採点はしませんからご安心ください。みんな違ってみんな良いからです。


Q 日本ではやたら集団の調和を重んじる傾向がありますが、この「個」の力をつけるためにはどうすればいいでしょうか?
Q 先生が授業中におっしゃっていたように、SNSで講義関係などの発信をして意識高い系のように思われることが正直怖いです。このようなマインドに対する対処法、心持ちなどはありますか?

A フツーの大学生や若者がやることの反対をしましょう。そうすればシンギュラリティを乗り切るホモデウスになれます。


一言で言うなら、みんなの眼を気にして同調圧力に屈する人は、これからの時代の変化に苦しむことになります。誰がやっても同じ結果の出る仕事、同じ発想しかできない人は、早晩AIやロボットに取って代わられ、居場所を失うことになるからです。

そもそも意識高い系を笑って揶揄するのは、意識低い系の学生であり、意識高い系の大人が一緒に仕事をしたいのは意識高い系の若者=一見変人に見えるオタクだけです。つまり、どんなにみんなに笑われようと大学時代のたった四年間のことなのです。

しかるべき意識高い系の会社に入ったり、起業すれば、意識高い系の人たちと接することになり、やるべきことを次々と見つける中で、烏合の衆とつきあう暇など無いことを知るでしょう。

偉そうに言う私も、企業に勤めている時は、夜の酒場で会社や上司の悪口を言い合う意識低い系の人間でした。だから愚痴る面白さ気楽さも知ってはいますが、今考えれば無駄な時間でした。リーダーになったら、周りが面従腹背、陰で悪口を言われていようと、未来に対応していかなければなりません。

ですから、意識高い系として「個」の力を身に着けたいなら、友達とつるむ時間を半分以下に削りましょう。毎日、古今東西の名作に触れ、現場で起きていることを観察・洞察し、それに対する自分の意見や感想を実名でSNS発信をしましょう。そうすれば、意識高い系の師匠や大人の目に留まり、新しい世界が広がります。似たような同年代の友達とつるむより、はるかにエキサイティングな知性・感性・品性が磨かれる人生の航海に船出することができるでしょう。


【人間関係 心理】

Q 当時イマジニアでの飛び込み営業業務で心掛けていたことを具体的に教えていただきたいです。
A おもちゃ屋さん店主の悩みを知ることと、それを解決するために汗をかいたことです。


おもちゃ屋さんの店主からすれば、売れないファミコンソフトを少しだけ創るメーカーの営業と話をしても、何のメリットもないことに気づきました。知りたいのは、売れ筋のドラクエやファイナルファンタジーをいくつ仕入れたらいいかでした。なぜなら、ファミコンソフトは完全買い取り仕入れで返品ができず、しかも最初の一週間しか売れない、半ばバクチのような商品だったからです。

その悩みがわかったので、ヨドバシカメラ本店、銀座博品館など、おもちゃ屋さんがベンチマークにしそうな有名店の担当者と仲良くなり、次のドラクエを何本仕入れるのかなどの情報を聴き出して、おもちゃ屋さんにレポートしました。これは大変喜ばれて、いつしか私の話や営業にもつきあってくれるようになりました。

つまり、売り込む前に、相手の悩みを解決するということで、営業も起業も大切な基本は一緒ということです。つまり営業、それも飛び込み営業は大変クリエイティブな仕事で、AIではなかなかできない仕事です。むしろ、みなさんがあこがれる本社のホワイトカラーの仕事の方がデジタルトランスフォーメーションの大波をかぶるでしょう。


Q 私は思い込みが強く、一度自分がこうだと思ったものの認識を変えるのがとても難しいです。先生は学生時代に中小企業の息子ということで刷り込まれたとのことですが、その常識を壊すに至ったものは一体何だったのですか?

A 真逆の世界を体験するのが一番です。ベンチャー・大企業・家業・NPOの長短所を体感し、相対化と客観視ができるようになりました。


人間は環境の動物です。3年もすれば、その環境固有の考えと行動様式に順応するようにできていると考えます。私が驚いたのは、証券会社に転職して3年次研修に参加した時、誰もが証券マンになっていたことでした。

私が恵まれていたのは、いじめっ子がいじめられっ子になったり、下町の町工場のこせがれが山の手のお坊ちゃん学校にいったり、真逆の環境を数多く味わえたことです。さらには創業期ベンチャーから大企業・NPOまでインサイダーとして内部事情を知ることができました。

そうすると、どんな人にも共感できるようになり、同時に「となりの芝生は青く見える」「人の幸せが妬ましく、不幸は蜜の味」といった自分で自分を不幸にする悲しい羨望や嫉妬の心が薄まります。どこに行っても、良いこと悪いこと、楽しいこと辛いことがあること、逆に、どこに行っても楽しめる人もいれば、楽しめない人もいるということを知ったのです。

そうなれば、どこにいようが、たとえ修羅場に立とうが、「ここが天国」「やるべきことはここにあり」と考えられるようになります。そして新しい世界の新しい常識や作法を貪欲に吸収して、一歩前に進めるようになったのです。


Q 初めから積極的な性格でしたか?

A いいえ。ものぐさ信ちゃんと呼ばれていました。今でも受け身で、実は縁・運・勘に流されて生きています。


前回の講義でもお話をしたように、今の自分が学生時代の自分に出会ったら、友達になりたくないような半鬱人間でした。

facebookなどをご覧いただくと、様々な方々と楽しそうに交流しているように見えるかもしれませんが、実は、ひとりでいる方が好きな、みなさんから見れば「暗い人間」かもしれません。

ただ、目の前で、あるいはネットの向こうで、今ここでつながったご縁のある方には、全力で接しようと思っていた結果、ご縁や運に恵まれ、今のような生活になったのです。

言い返せば、積極的な人間でなくとも、日々の出会いを大切にして、SNSで発信を続ければ、楽しい人生を送れる時代になったということでしょう。


Q 異業種の人とコミュニケーションを取るときに意識していることはなんですか。
Q 様々な方とコネクションを持っている要因も、先生が仰っていた事前準備からフォローアップまでの一連のアクションを起こされ続けたからでしょうか。
Q 今後”繋がる経済”が特に重要になってくると感じております。先生は様々な取り組みを行う中で、どうやって周囲の方々と繋がっていきましたか?(勉強会や講演会に行くなど)また、特に気をつけていたことはありますか?
Q 授業の中で人との縁を大切にするために下調べやSNSの活用を行っているとおっしゃっていましたが、実際に対面した時にコミュニケーションの方法として気を付けていることは何ですか。

A 仕事の話よりも、その人の好きなもの・こと・ひと=心の合鍵を好きになり、一緒に体験することです。


私に会いたいという人の多くは、何か目的があってお願いに来る人なのですが、そんな人とは仕事上のつきあいで終わりがち。個人的な交流までには、なかなか進みません。

私のポリシーは、良い意味での公私混同。せっかく出逢ったのですから、個人的な共通点も探して仲良くなりたいのです。特に、事前にググって、その人の好きなことがわかれば、初対面でも話はスムーズです。名刺交換の瞬間に「facebookを拝見しましたが〇〇の写真すばらしかったですね」と切り出すだけで良いからです。

飛び込み営業とも通じることかもしれませんが、相手が一番話したい事を気持ちよく話していただける雰囲気をつくることが大切です。それは決して難しいことではありません。相手が好きなものを自分も好きになり、目を輝かせて傾聴すればいいからです。

そこで興味を覚えたら、実際にご一緒に勉強会や研究会に参加すればよいでしょう。ですから、コミュニケーションをうまくとるとか、コネクションをつくるというより、ご縁を通じて、自分を磨いていくという感覚でしょうか。宝探しや冒険の旅に出かけるきっかけが、初対面との人との面談なのです。

それなのに、多くの人が、仕事の話だけしかしないで、もったいないですね。


【表現法】

Q 文章を書くのが苦手です。何か改善法や、おすすめの文献を教えていただきたいです。
Q これから学生団体のアカウントでブログを週一回書くのですが、メールマガジンや本の執筆など文書を書く上で意識していたことを知りたいです。私が書きたいのはこれまでに触れてきた大きな影響を受けた小説や映像作品の紹介です。伝えるにはまずその記事を読んでもらえないと話になりません。知らない人に読んでもらうために意識していたことがあればお聞きしたいです。

A 当たり前のことですが、本を読んで名文に触れることと、毎日facebookで1感動!は発信することです。


自分の心が動かなければ、読み人の心にも響きません。そこで、文章を読んで感動する体験を、数多く味わうことが大切です。まずは読書をするということになるでしょう。

文章術の本を読むよりも、好きな作家を何人か見つけて、まずは軽めの短いエッセイから読み進めるといいでしょう。おかたいものからくだけたものまで、日常的なものからSF的なものまで、どんなものでもかまいません。

私が推薦書を挙げるよりいい方法があります。何しろみなさんは恵まれています。日本一の本の街に通っているのですから、神田の古書店を巡って「文章が素敵なエッセイや随筆を教えてください」と尋ね歩けば、コミュニケーションの練習にもなりますし、読書の喜びも教えていただけるでしょう。

それから、読む以上に大切なのは書くことです。匿名&炎上文化のtwitterではなく、実名&大人とつながれるfacebookに、1日1つは感動したことを文章化してみましょう。新聞か雑誌に連載している気分です。

大きな影響を受けた小説や映像作品のことを書くのであれば、やはり自分の心から沸き上がり喜怒哀楽を表すエモーショナルな言葉が大切です。映画の解説より、あらすじ解説よりは、「ラストシーンで涙がとまらなかった」と感情を吐露してくれた方が伝わるのです。とかく、文章に慣れていないと、一文が長く、難解な表現も交えて、くどくなりがちです。なるべく、シンプルで簡潔に書くようにしたいです。詳しい情報については、ネット時代はリンクで飛ばせばいいので、書く必要が無いのです。

あとは、amazonミュージックのプレイリストのようですが「King Gnuが好きな人におすすめ」というように、読者がイメージしやすい「関連の固有名詞」を使うのも良いでしょう。そのためには、様々な古今東西の作品に触れて、引き出しを増やしておく必要がありますね。そのためにも読書、映画・音楽・美術鑑賞が大切です。


【情報収集・思考法】

Q 流行を知る上で、必要な姿勢について。
Q 今特定のプロダクトや有形商材に興味を持てていません。将来の起業も視野に入れているため、アンテナははり続けたいと考えているのですが、幅広いモノに関与された先生はどのようにして特定のモノに興味を持ったのでしょうか。
Q デザインはどこからインスパイアされますか?

A 流行というより不易流行。特定ジャンルの老舗の逸品から学ぶことが多いです。


例えば、私はアコースティック・ギターを弾くので、いつかは手に入れたい憧れの楽器に興味を持ちました。中古でも良いので、マーティンやギブソンの名器を買おうと、お茶の水の楽器店に通っては眺め、バイトでお金がたまると弾かせていただき、悩みに悩んで手に入れました。

もちろん今でも愛用していますが、名器のデザインはどれだけ見ても飽きることなく、音は弾けば弾くほどよくなります。こうした老舗の逸品を愛用することで
本当に良いデザインやものづくりは何かを知ることができます。

ひとたび、何かのジャンルで審美眼が養えれば、世の中が美しい物であふれていることに気づきます。美術館や博物館に行くのも楽しくなります。

さらに、それを昔ながらの手仕事で創っていることを知れば、そのプロセスまで含めて尊いと感じることができるでしょう。身の回りにあるものを、すべてお気に入りの美しいものにしたくなります。例えば、陶器市やガラス市に通って、作り手の顔を見て、会話をして、想いを感じながら、お気に入りを手に入れる喜びを知るでしょう。

そんなことをしているうちに、いつしか、様々なものごとに興味を持つようになりました。たとえ、最初は好みでないものでも、そのジャンルの一流の本物を3年見続ければ、大好きになるだろうと実感し、好き嫌いもなくなったのです。


Q 発想へ至る視点等、授業でまた触れていただければ嬉しいです。
Q 先見の明を磨くには
Q 新しいプロジェクトが思い浮かぶ先生なりのルーティンなどはありますか?

A 古今東西の発明家や偉人の自伝を読むこと。毎日、1000本ノックのように新しいことを自問自答すること


みなさんもエジソンの自伝ぐらいは読んだことがあると思いますが、日経「私の履歴書」のように、ありとあらゆる偉人を読んでいけば、閃く瞬間にある種のパターンがあることに気づくでしょう。

まず、ある課題を、考えに考え抜いて、インプットにインプットを重ねること。しかし、そこで閃きが生まれることはなく、一時忘れたり、熟成させる時間が必要です。そして、仕事とは無縁の何かに熱中して、頭を空っぽにすること。散歩、ジョギング、入浴、瞑想など何でも構いません。そして、何か、一見無関係に思えるような出来事に出会ったことが引き金になって閃くことが多いようです。

しかしながら、大学生を含め、多くの人は、最初の考えに考え抜く、インプットにインプットを重ねる経験が不足しています。ですから、iUでも毎回「コロナ後の遊具は」「コロナ後の水泳教育は」といった課題を考え抜くようにしています。自分が、この会社の社長だったらという気持ちで考えるようにしてください。


Q 授業中になぜそんなに質問が思いつくのか気になりました。単純に知識の差でしょうか?

A 知的好奇心の差だと思います。それから、毎回、必ず質問をしようという意気込みの差です。



想像できないかもしれませんが、今、私は、大学生時代の3倍は向学心に燃えています。何もかも勉強になり、勉強がしたくてしたくてたまらないのです。だから、質問をしたいことが、いくつも自然に浮かんでくるのです。

その質問も、みなさんのように、就職やスキルアップに役立つHOW TOを知りたいというわけではありません。純粋に知りたい、もっというと世界の秘密のカギを開けたいということになります。この純粋な知的好奇心がみなさんの年代にあれば、さらに人生が楽しくなったと思います。そして、私が尊敬する師匠は、私以上に向学心があるから驚きです。

しかし、そんな状態になるにはプロセスがありました。20代、30代には、経営者修行のために、ありとあらゆる勉強会に出ましたが、その時、必ず真っ先に質問するように心掛けました。そうすると、講演を聴きながら、質問を常に考える回路ができるようになります。だから自然に質問ができるようにもなったのでしょう。


【表現法・コミュニケーション】

Q 自分の考えの言語化を上手にするために心がけていることは何ですか
Q 久米先生のようにロジカルで伝わりやすい講義資料を作成するために意識すると良いことはありますか?

A 結論から一言で短く言うこと。その後で、理由を箇条書きで言うこと。それは最大7つ、標準5つ、最少3つにすること。


日本人は、学校教育で、起承転結で最後に結論を言うように習っています。それをいったん忘れて、結論から短く言いましょう。その後で、理由を箇条書きでいいましょう。まずは3つ、慣れたら増やしてもいいですが、人間は7つ以上のことをいっぺんには憶えられないようにできているそうです。

あとは、場数です。とにかくSNSで毎日発信をし、授業毎に質問し、先生や友人と対話をしましょう。

ちなみに、私は、今、私を多摩大学に誘ってくださった久恒啓一先生から、図解を学ぼうとしています。ですから60歳ぐらいからは、もっとわかりやすく説明できる人間になっていることでしょう。


Q 初対面の人と話す際、どうやって話題を作り出しますか。

A もし予備情報が無ければ、その人に真摯な関心を寄せ質問を繰り返します。


事前にネットで心の合鍵=その人の好きなものやこと=を探して切り出すのが基本ですが、いつもそんな準備ができるわけでもありません。

そこで、まずは、どんな人も自分の知らない世界を生きてきた、私に何かを教えてくれる先生だと考えます。そして、名刺・身なり・持ち物などを見つめて、関心を持ったものから、質問をいたします。どんなことをしているのか、どんなものなのか、なぜ気に入っているのかなど。つまり、その人や、その人の愛用品に関心を持つことが何より大切です。

もちろん、自分が知っていたり、好きなものであった時は、話が簡単ですが、むしろ知らないものの方が、その後、話が弾んだ時の、学びも大きいでしょう。つまり、誰かと会って、話ができるのは、勉強なのです。もし、それがつまらないことだと場合は、たいてい、自分の知識・関心不足によるのです。つまり自分がつまらない人間だと思った方が良いでしょう。


Q 断られた際の精神的ショックを和らげるにはどうすればいいですか。

A たくさん断られる経験をすれば、どのぐらい断られれば成功するか確率がわかって、失敗を気にしなくなります。


断られることなしで成功できることなどほとんどありません。もし断られないようなことがあれば、営業がいらないほど商品やブランドが優れているか、たまたま運
が良かっただけでしょう。断られることで、自分や商品の不備を知り、お客様選び、お客様のニーズ探索の失敗を学ぶことができるのです。

つまり、山登りの際に、尾根を下ったり上ったりを繰り返すように、断られることも成功に至るプロセスの一部なのです。断られることが少ない仕事があるとすれば、ケーブルカーで山頂近くまで登れる初心向けの観光登山のようなもので、生涯をかけて昇るほどの価値はないでしょう。

今、思い返しても、私が懇意にしている方の中には、最初は断られたり、邪険にされたりした方も少なくなりません。つまり、断られることは、仲良くなるための必要なプロセスという場合もあるのです。


【SNS】

Q SNSでの発信が得意では無いのですがどうしたらSNSでの発信を楽しむことができるようになりますか?
Q 学びを発信すべし、と講義でも書籍でもおっしゃっていますが、自分のようにごく一般的な学生が何を発信できるのか迷ってしまいます。よろしければ、再度ご教示いただきたいです
Q SNSなど継続するコツや意識していることなどあれば教えていただきたいです。

A まずは、もうひとりの自分、特に未来の自分が喜び役立つことを記録するパーソナルメディアとして使いましょう。


SNSを、みんなに「いいね」されて好かれるためのメディアだと思っていると、「いいね」がこないとか「炎上するのでは」とか、とかくストレスが溜まります。同じく、ひとさまのSNSを見ると、自分と比較したくなり、勝ちたくなるとか、劣等感を持つとか、最悪の場合、嫉妬心の塊となって、ここでもストレスが溜まります。

実は、私がSNSを書くときに一番意識するのは、普段の生活では周りに合わせてホンネを言わず黙っている「もうひとりの自分」です。「真なるオタクの自分」と言ってもいいですね。

偉そうに、教授づら、団体役員づらしている時に、なかなか「いい電線がある」とか「とんがったアニメを見つけた」という話はできませんよね。周りもそんなことは期待していませんし、理解もしてくれないでしょう。

だからSNSを書くのです。いちばん喜んでくれる「もうひとりの真なる自分」のために。

もうひとつの有効な使い方は、「未来の自分」に役立ち、喜んでもらうように書くことです。

みなさん、若い人はまだ体験されないでしょうが、年を重ねると、すぐ物事を忘れます。例えば、「長崎に出張が入ったけれど、数年前に食べたあの美味しいカステラ屋さんの名前が思い出せない」といった具合です。

そんな時、自分のfacebookで「長崎」と検索すれば、ちゃんと、これまで、長崎を訪ねた時に感動した記事の数々が一覧表示されます。それが引き金となって、記憶が鮮やかによみがえるのです。「そうだ、路地裏のあのちゃんぽんもおいしかったんだ」とか「軍艦島の廃墟をもう一度見たいな」とか、旅の予定も立ってしまいます。また、私の場合、観光地域づくりの講演も多いので、かつて長崎で感動した記事の数々をレジュメに貼り付けて紹介することもできて、一挙両得です。

逆に言えば、感動したことをその時その場でfacebookにアップしておけば、すぐに忘れても良いのです。Facebookという外部脳に記録するのです。すぐ忘れることで、逆に脳のメモリが解放され、感動するためのワークスペースが拡大されて、もっと五感センサーが働くことになります。

というわけで、教科書などでは、師匠とつながり、同志を増やす使い方を強調しておりますが、実のところ私はかなりのウエイトで「自分の幸せのため」にSNSを使っております。

ですから、みなさんも、まずは抑圧している自分を解放し、その自分が喜ぶような記事を、未来の自分のために書き続けてはいかがでしょうか。毎日のストレス解消手段として使うところから始めるのです。

それを続けていた結果、学校や職場では見つからない、オタクな同志が見つかるかもしれませんよ。私で言えば「電線クラブ」のメンバーのような。


Q facebookなどで企業の方々と連絡を取り合うことがあるということを友達から聞いたのですが、実際にどれくらいの人がSNSで連絡を取り合ったりするのでしょうか?

A facebook友達なら、メールよりメッセンジャーの方が連絡を取りやすいです。


ビジネスのやりとりでは、現状メールが基本だと思いますが、社内外の様々なメールが飛び交い、重要なメールが見つかりづらい欠点があります。

また大組織のエライ方の場合、秘書室や部下を通すなど、かえって時間がかかってしまい話がややこしくなることも少なくありません。

一例をお話すると、先日、iUのビジネスプレゼン大会の審査員を、墨田区のキーパーソンである東京商工会議所墨田支部の会長・事務局長、墨田区商店街連合会の会長・事務局長、墨田区観光協会の理事長、東京東信用金庫の理事長にお願いすることがありました。

みなさんfacebookの友達で、日々公私混同で投稿などを目にしている方々だったので、メッセンジャーのグループで一括してお願いいたしました。その後、前日に突然リアル開催がオンライン開催に変わったり、当日はZoom会議室のトラブルなどがあったり、ハプニングの数々もありましたが、お互いメッセンジャーでつながっていたので、ほぼリアルタイムで対話ができて事なきを得ました。

ですから、みなさんも、この授業を通じてSNSでプロフェッショナルの人たちと友達になり、メッセンジャーでやりとりをする練習をしてほしいと願っています。


Q 先生は Instagramではあまりお仕事の投稿はしていないように思いますが、SNSごとに使い分けをしていますか?また、Instagram、Facebook、Twitter 以外に SNS はやられていますか?

A インスタ→twitter写真記事同時投稿。Facebookは加えてシェアすべき情報


私は、インターネット前夜のパソコン通信時代から、同報メール→メールマガジン→ブログで情報発信を続けてきた人間ですが、まずはtwitterから始めました。それなりに便利ではありましたが、匿名メディアで荒れやすいのと、文字制限、写真不掲載の制限から、facebookにシフトしました。

Facebookはtwitterほどの拡散性はありませんが、不満点が解消されていたので、今ところ5000人の友達上限制約と疎遠になった友達削除機能がないこと以外は、それなりに満足しております。地元墨田区のキーパーソンを中心に、経営者仲間にも推奨して、友達になったため、みんな仲良しになった上、連絡も取りやすくなり、大変便利です。またYouTubeなどの外部リンクも貼りやすいので、毎晩DJ気分で音楽紹介をするなど、好きなものごとをシェアして友達に知らせるのも簡単になりました。

ただ数年前に、ある明大生からfacebookはおじさんしかやっていない、若者はInstagramと言われたので始めてみました。写真中心で短文のオープンメディアは、自称?写真詩人の私の感性にぴったりで、かつパーソナルな記憶金庫にもなるため、すぐのめりこみました。一応twitterのアカウントも生きているので、インスタ投稿はそのままtwitterにコピー転載される設定にしています。

今のところSNSは、それにYoutubeを加えたぐらいですが、また便利で友達が乗り換えるものがあれば移動します。


Q SNS発信の際に、自己主張が強いと炎上の恐れもありそうですが(特に文字数制限があるTwitter)気をつけていること等ありますか?今日のお話でもっとSNSを活用していこうと思ったため教えていただきたいです。
Q 情報発信をする上で、特に意識、工夫をしていることがあれば、教えて下さい。

A 意識していることは「ほめるだけでけなさないこと」と「情報三分法」


SNS上には、批評・批判・誹謗中傷することでアイデンティティを満たそうとする人が少なくありません。しかし、私は怖くて、誰かをけなすことなどできません。世の中、2:6:2の経験則で、誰からも好かれることなどできません。2割に好かれれば2割に嫌われるのが世の常です。陰口でさえ、批判は当人に伝わるのに、ネットで公開批判などしようものなら、「私はあなたがキライです」と世界中に叫んで2割の敵?に戦線布告をするようなものです。

また2:6:2の経験則を引用するなら、「けなす人」は「けなす人」で集まり、「ほめる人」は「ほめる人」で集まるものです。わたしは、お互いに実名でほめ合い、励まし合うグループの方に属して、縁・運・勘に恵まれるようにしたいのです。

もちろん人間ですから、好みに合わないものもありますが、その大半は、自分の偏見や知見・経験不足によるものなので、批判する権利はないと考えます。どうしても頭に来たら、穴でも掘って叫べばいいのですが、幸いにして60近くなるとスルーする力が鍛えられて、頭にくることも少なくなるのです。SNSをうまく使ったからかもしれません。

もう一つ意識しているのは、「情報三分法」

自分の仕事・ライフワークのPRが1/3、好きなもの・こと・ひとのシェアが1/3、もう一人の自分のオタクな趣味が1/3

と気持ちの上でバランスを取ることです。

自分の宣伝ばかりしても嫌われます。むしろ仲間のことや、好きなもの・こと・ひとを応援する記事を書けば、いつしか相手も自分のことを好きになって紹介してくれるかもしれません。自分で宣伝するより信頼できる人のクチコミの方が大切なのがネット社会。だからこそ誹謗中傷よりもお互いに良いところをほめ合う記事を書きましょう。

そして実は大切なのがオタクな趣味。21世紀はタモリ倶楽部に出られるような「ほとんどの人にはまったく価値がないが、ある種の人にはとても大切で面白い趣味」を持っている人が尊敬される社会だと思っています。なぜならオタク以外のフツーなことは、AIとロボットの方が上手ですからね。

特にみなさんが偉くなったり真面目な仕事についたりした時ほど「あの人の以外なお茶目なところ」が大切になります。それをオフィスで発言するとみんなにドン引きされるかもしれませんが、ネットで発言する分には間合いがありますし、想定外のご縁も広がるのでおすすめです。


Q 先生が繋がりたいと思うような人はどんな人ですか?

A カッコ良く言うなら「道を歩み続ける人」わかりやすく言うなら「何かのオタク」


たとえどんな夢であれ、自分の目標があり、そこに向かって歩み続けている人が好きです。

特に、自分の知らない道を歩む人、しかも楽しそうに地道な努力を続けている人とつながりたいと思います。

なぜなら、その道の達人との出会いは、みなさんが、この授業で感じたように、私に元気と勇気を与えてくれるとともに、もっと頑張らなくてはと背中を押してくれるような気がするからです。そして、未知なる世界を知ることは、過去の経験で濁った私の目からウロコを落としてくれ、新たな驚きと喜びを与えてくれるからです。

ですから、私にとってSNSの活用は、さらに言うなら人生は、自分色に染まり凝り固まった自分を、多様なご縁や体験を通じて、少しずつ透明でしなやかなものに変えていく手段であり目的そのものでもあるのです。


Q 人間関係を築く方法
Q SNSやリアルの場でどのように人とつながっていくのか具体的な行動を知りたいです。私自身、社会人になった際、外部の社員の方ともお話して知見を広げていきたいと考えています。

A 講義でお話ししてお勧めしたように「ググってウィキして会いに行け」です。


この授業でゲスト講師に対して、お勧めしてきた方法が、私の答えのすべてです。

誰かとお会いする前には、その人の好きなもの・こと・ひとをネットで調べて関心を持ち、試せるものは試して、自分も好きになれれば最高です。

そして、お会いして最初にあいさつをする時に、相手が好きなもののこと、それを自分も好きになったことについて一言お話をしましょう。きっと初対面でも話が弾むことでしょう。

面談中は傾聴して、相手が一番話したかったこと、自分の心に刺さったこと、今日から始めることをメモしておきましょう。また、SNSをその場でフォロー(できれば友達申請)してよいか、今日、学んだことをSNSでシェアして良いか尋ねましょう。

そして面談直後に、今日の出会いをSNSで発信してから、できれば手書きのお礼状にSNS記事を同封して、そこまでできなければお礼メールに記事リンクを添えて送りましょう。

その後は、定期的に相手のSNSをチェックして、いいねやコメントをしましょう。そして新商品発売などのニュースは積極的にシェアしましょう。なにより参加できるイベントなどがあれば積極的に出向きましょう。

何より大切なのは、その大切な方、師匠となるかもしれない方にも読んでいただけるように、毎日有意義な情報発信を続けましょう。


【自己管理・スキルアップ】

Q 色々なことにチャレンジなさっていてパラレルで活動なさっていたこともあると思うのですが、一番忙しかった週のスケジュールを聞いてみたいです。
Q 時間の使い方で工夫していることなどはありますか?
Q 先生が様々なことに同時に着手しているあたりを見ると、非常に合理的で時間の使い方が上手な印象をうけました。自分はタスク管理や時間の使い方が下手なので、時間の使い方のコツがありましたらご教授いただければ幸いです。

A 会社のグループウエアで時間管理。公私混同で休日や朝晩も含めて隙間時間を有効活用


たぶん10年ほど前に経営者をやりながら、地元団体やNPOの役員もやり、週11本の連載記事を抱え、子育ても忙しかった時期がピークでしょう。

予定はクラウドのスケジューラーで全社共有、外部会合や社内での面談もひっきりなしで、一日数本。メールは1日数百通も来るのでスキマ時間で対応します。SNSの発信もしなくてはなりません。

ジムに行く時間がないので自転車通勤で体力づくり。原稿書きは帰宅後、それから土日に愚息たちを囲碁教室などに送って待っている間にカフェで書きました。

睡眠時間は、平均で4時間半ぐらいだったと思います。その頃に比べれば、今は6時間は眠れているのでまだ楽ですね。


Q ゲーム制作をした時に、プログラミングが必要だと思いました。いつ、どのような方法で勉強したのですか?
Q 起業する際に、必要だったパソコンのスキルはありましたか。
Q 事業を始める際に、わからないことはどのように解決していきましたか。
悩みを克服したいときどのような行動を起こしていますか?

A その場その場で達人と教則本に教わりつつ、自分なりの方法を考えました。


私は、文系の経済学部出身でしたが、ワープロで卒論を書いた最初の世代でしょう。つまりワープロ(一太郎)ぐらいしかできませんでした。ただし、父の経営する中小企業の請求書発行システムのパッケージ導入のお手伝いはしていました。

その後、飛込営業担当だったゲーム開発会社で、夜はゲーム作りに抜擢されました。人が次々にやめて少なかったことと、ディスクシステムはコピーが氾濫しているのでやめるべしというレポートがロジカルだったので選ばれたようです。

プログラミングの知識はゼロでしたが、4人のチームで、どうしたら面白くなるかのアイディア出しでした。ここでは、ゲームをやったことはなくとも、学生時代に本・映画・音楽をむさぼるように味わった経験や、童話を書いていた創造性が役立ちました。

証券会社に転職して、今度はいきなりAIを使った相続診断システムのプロジェクトマネージャーを任されました。富士通総研のプロスタッフに教わりつつ、ゲームを創った時の要求仕様書のフローチャートなどを思い出して作成しました。ここでもプログラミングよりも、どんなシステムを創れば、お客様、相談する店舗スタッフが喜ぶかを考える方が重要でした。

そして、父の会社に戻ると、私が大学時代に入れた古いシステムが動いていたので、それの刷新。さらに集金→手形管理→経理の仕事をしていて気づいたパッケージシステムにはない問題点を解決すべく、自分で桐というプログラミング可能なデータベースソフトを使って顧客与信管理から会計作業の合理化までできるシステムを自作しました。マニュアル本一冊読んだだけです。

そこで、みなさんに申し上げたいのは、オフィスソフトとSNSの活用は最低限身に着けるとして、プログラミング手法そのものよりも、問題発見、顧客共感、論理的解決法、運用改善の実践的スキルの方が大切だということです。それは、これからみなさんが現場で体験して身に着けるものです。その時、先輩の教えと、教則本を活用しながら、自らを鍛えてください。

Q もとからすぐに行動起こす方でしたか?それとも途中から行動をすぐに起こすように切り替わりましたか?後者である場合、何かきっかけのようなものはございましたか?
A 違います。大学で生涯の師である平野絢子先生に出会ったこと。その後の修羅場体験がきっかけです。

ものぐさ信ちゃんを変えてくれたのは、大学の恩師、そしてその後次々に出会った師匠のおかげです。

同時に、その後、多いがけない修羅場の数々に遭遇して、すぐやる生き方をせざるを得なかったことがきっかけだと考えています。


Q 先生自身の長所、短所

A 長所 多様な人と付き合い何でも飛び込むいい加減さ、一方独りぼっちでも楽しめるところ。短所 片付けが苦手。特に自分の作品や成果物などの整理整頓が苦手。


私は群れるタイプではないのですが、どんな人がいる、どんなところにいっても、そこそこ?楽しめる、いい加減でおっちょこちょいな人間になれました。

ところが、一人遊びも大好き。ぼっちで何かをするのも好むので、美術館めぐりから一人ゴルフまで、孤独を孤独と感じない自由人にもなれました。

ただし、片付けが苦手。本当に苦手。オンライン授業のために地下の物置を仕事場に改造中なのですが、これまで本やCD、さらにはこれまで書き飛ばしてきた連載記事や取材コピーなどの整理がまったくできていません。どうなることやら。


Q 前向きな姿勢が印象的なのですが、そういったマインドセットのために取り入れている習慣などはありますか?

A 面白いもの・こと・ひとにたくさん出会う。それに感動して発信する。そして忘れて次へ。


前向きだと自分で思ったことも、なろうと思ったこともありません。(強いて言えば、会社が経営危機の時に、銀行や仕入先の前では明るく振舞おうとしていました)

人は元気な人と会えば元気になる。

実にシンプルなことですが、私のささやかな実体験です。そして、この明治大学ベンチャービジネス論を15年続けてきた結論です。みなさんも、ゲスト講師、元気で楽し気な大人に出会うことで、前向きになれたのではないでしょうか?


Q 私生活において習慣化していることはありますか?
Q 自分の心の内の感情とはどう向き合っていますか?(友人や家族に話すなど)
 大人になるにつれてこの問題に立ちはだかることが多いです。

A 瞑想的な時間を大切にしています。それから20年以上続く仲間の会


ココロを空っぽにできる瞑想的な時間を持つようにしています。

朝起きたら、神棚に祝詞を奏上してから、独自の瞑想を2〜30分。最後は般若心経で締めます。夜寝る前も同じような感じです。

自転車通勤や、公園を自転車で回る時間も大切な瞑想の時間です。体を動かし、風を感じると頭が空っぽになります。逆にラジオで達人のインタビューや音楽なんかを聴くのも逆に頭の働きを和らげるのでおすすめです。

同じように、美術館めぐりやコンサートに行くのも瞑想的で、心のリセットに役立ちます。

それから、20年以上、年齢・性別・国籍・業種の異なる経営者数名で毎月4時間にわたって行っている会も心の平安に役立ちます。社内や家庭内でも話せない悩みをお互いにシェアし合い、相互にアドバイスをするという会です。この会と心友のおかげで、メンタルがこわれないで済んでいると感謝しています。


【社会貢献】

Q 社会貢献できる人が成功していくのか、成功している人が社会貢献できるのかが気になります。
Q 私はCSRやESG投資、SDGsなどに興味があります。考えるにあたり「良い企業」とはどのような企業なのかという壁に当たりました。先生はどのようにお考えでしょうか。(私は誰かの幸せを目的にし、結果として利益を得られている企業なのではと考えました)

A 社会貢献と成功の区別、企業とNPOの区別が希薄になっていくでしょう。


「働くように遊び、遊ぶように働く」というのが私の理想ですが、同じように「世のため自分のため」に働きたいとも思っております。

成功(例えば寄付)しなくとも社会貢献(例えばボランティア)できる方法はたくさんあります。何か条件がそろったら何かをするのではなく、やりたければいま「すぐやる」方法は探せばあるのです。つまりやる気の問題です。

これは企業やNPOも同じこと。これらは対立概念ではなく、「優れた企業」と「優れたNPO」の経営理念を見比べてみれば、あまり差がないことに気づくでしょう。上場企業の場合は利益を株主に還元する必要がありますが、オーナー企業ならば、むしろNPO以上に経営効率高く、社会課題の解決ができるかもしれません。

また「良い人」「良い企業」「良いNPO」の基準は、あくまでも主観です。みなさん自身が、経営理念に賛同し、リーダーの考えやスタッフの笑顔に感動し、ユーザーのロイヤリティーの高さを実感したら、それが「良い」ことになります。私や親に尋ねても、それは本当の答えではありません。


Q 先生は多くのコミュニティで評議員などをされていますが、参加を決意するときの基準などはありますか。また、主にどういった方法でこのような集まりがあることを知りますか。
Q 本職の他にも墨田区観光協会 理事や新日本フィルハーモニー交響楽団 評議員など多くの活動をなされていると思いますが、今までに仕事を断ろうとしたことはないのですか?とりあえず「やってみる」のでしょうか?

A ユーザーとして参加し感動する、活動理念に共感する、尊敬する方に誘われる時には飛び込むようにしています。


まず、自分自身がその活動に参加して、お客様として感動すること。そして、そこで働くスタッフの生き方や笑顔に共感することがベースになることが多いです。例えば、新日本フィルハーモニー交響楽団がこのケースです。

あとは、その活動理念に共感することで参加する場合もあります。例えば、私のSNSでの発信を通じて、墨田区観光協会の発起人理事のお誘いを受けた時がこのケースです。

一番多いのは、私が尊敬する方に声をかけていただいた場合です。例えば、社会貢献支援財団、日本舞台芸術振興会、日本吟剣詩舞振興会などがこのケースです。


Q 未来企業の8つの定義というものを挙げていましたが、先生が今この定義に当てはまっていると思う会社はありますか。

A それを探すのがみなさんの就職活動です。堀 潔先生のスゴイ会社を参考に。


きっとたくさんあると思いますが、私はベンチャー企業研究者ではなく、教育者であり実践者なので、調べておりません。

また、教育者なので、この定義をみなさんが考えるヒント、就職活動に役立てていただくのが私の役割です。授業でも申し上げましたように、親や先生のすすめを妄信せずに、自分で考え、自分でリスクを取ることが、私の授業の主旨なのです。どうぞご理解を。

と言っても不親切なので、私が尊敬するベンチャー・中小企業研究の大家、桜美林大学 堀 潔教授のSNS「すごい会社」シリーズをフォローされてはいかがでしょう。

#すごい会社
https://www.facebook.com/excellentJapaneseCompanies/


【ライフワーク】

Q 非常に多岐にわたる活動をされてきていますが、なぜこれほど多くの活動をしようと思ったのでしょうか。現状に満足せず新しい分野に挑戦し続ける野心をお伺いしたいです。

A 私は野心家ではなく、本来受け身の人間です。多くの活動はご縁の結果なのです。


私の経営者時代の20年あまりは、とにかく会社をつぶさないために活動していました。そのためにお金をかけずに自分でできることは何でもやらざるを得ませんでした。

異業種の方々、NPOの方々にも会いに行き、インターネットを試して自ら発信を繰り返し、頼まれれば何でも引き受ける。

元来ものぐさな私が、やむを得ず、積極的に動いた結果、今の活動につながっているのです。ですから挑戦する野心というよりも、ご縁にお答えして報いていくという感覚が近いと思います。


Q 様々な職などをご経験されているが、最もやりがいのあった仕事、うまくいかなかった仕事はなんでしょうか。
Q 起業をして楽しかったことは何でしょうか?
Q たくさんの企業経験があったりいろんな分野にかかわっていらっしゃいますがその中で一番わくわくしたものはなんでしたか!?

A いつでもどこでも今取り組んでいることが一番わくわくします。


これは私の長所でもあり欠点でもあるのですが、過ぎたことの多くを忘れてしまいます。(過去の話をするのは、本を書くときと、授業をやる時に必要に迫られてなのです。)

その反面、今ここでやっていることが一番好きで面白いと感じるのです。

もう少し細かく言うと、いくつもの仕事をパラレルでやることを続けていると、スイッチの切り替えが必要になるので、今、面談している時は、目の前の案件に集中し、明大で授業をやっている時はそれに集中するという感じです。

この瞬間を「自分なりにベストを尽くしたい」「人と違うやり方で成果を出したい」というゲームを続けていると言ってもよいでしょう。

ですから、人生という長いゲームの中で、どんなステージにおいて、どんなキャラと格闘しているかは、その時々のステイタスでの楽しみなので、終わったら忘れて、どんどん先に行くという感じです。


Q 「やり抜く」中で挫けそうになった(もしくは挫けてしまった)経験はありますか。またその際どのように立て直しましたか。

A もちろんあります。諦めなければ、時が解決してくれることが多いです。


もちろん最初からうまくいかないことも、もう少しというところで失敗することもあります。しかし成功や失敗は確率変数の問題です。成功するまで、一定以上の失敗を貯金する必要があるのが人生なので、あまりくよくよしていても仕方はありません。

他の仕事もこなしたり、スキルを磨いたりを続ければ、時が解決してくれることもあります。

もし解決してくれなければ、時流にあっていないか、実力が足りないか、縁・運・勘にめぐまれていなかったということでしょう。しかし、人生には、他にもやることは山ほどあるはずなので、そちらに邁進していれば、機が熟すということもあるでしょう。


Q 20代は仕事に勤しみ、キャリアを上げていくことが正解と考えていました。どうお考えですか?

A 20代ところか60歳近くなった私が、今一番、仕事に勤しみ、キャリアを上げていく必要を感じています。


どうやら、勉強は一生続くようです。突然、本格的な起業家育成の専門職大学のクラス担任になったり、Zoomで授業をすることになったり、もう一生分の修羅場くぐりと勉強は終わったかと思いきや、また次なる新たな仕事と勉強が待ち構えていました。

でも、それを大変だと思うか、面白くてありがたいと考えるか、気の持ちようです。

あまりに辛いことが多くて不感症になったのか、マゾになったのか、エリート企業に入って、役職定年になり生きがいもやることもなくなった同世代よりも、私は恵まれている?!死ぬまで勉強と仕事を続けたい?!と考えるようにしています。


Q フリーランスという生き方について

A フリーの良さも勤め人の良さも味わえる複業人生が今後注目されるでしょう。


私も、中小企業の経営者をしながら、執筆や講演を行うフリーランスの活動をしています。だから両方の良さも辛さもわかります。

フリーランスの方が自由気ままで、うまくいけば稼げると思われているかもしれませんが、実は大変なことも多々あります。まずは、仕事の山谷があるので収入が安定せず、今のコロナの時期には半年間も講演の仕事がなくなりました。またフリーとはいえ、お客様あってのか弱き個人事業主なので、注文が少ない時は、わがままなクライアントのニーズに答えなくてはならないかもしれません。

そこで第三の道。それは企業に半分勤めて、半分フリーをする生き方です。

既に、働き方改革で先進的な企業が試していますが、社員の副業というより、フリーランスの個人事業までOKの複業を認めるトレンドが進みつつあります。会社に現状維持でぶら下がる社員より、複業をするような社員の方がクリエイティブな貢献をしてくれるという期待もあるのでしょう。

もちろん、どちらか一方の人生よりも忙しく勉強も努力も必要ですが、その分収入も増えつつ安定し、世界も広がり楽しく生きられます。

願わくば、そこにNPO活動、地域貢献・社会貢献の時間も取っていただくと、発想・ご縁など、さらにフリーの良さが生きる、仕事にも役立つと思います。


Q なぜ大学の教授になろうと思ったのですか?
Q なぜベンチャービジネス論を講義しようと思ったのか詳しく聞きたいです。
Q どのような経緯で明治大学のベンチャービジネス論の講義を担当することになったのか。

A 尊敬する人に出会い、講師になるよう勧められたからです。


特別講義でもお話しましたが、明治大学の場合は、経営情報学会で出逢った村田 潔先生に、経営者を講師にするクリエイティブビジネスコースでベンチャービジネス論を創設したけれど、講師がいないとお誘いをいただきました。

多摩大学の場合は、先に客員教授になっていた師匠 橘川幸夫さんと副学長の久恒 啓一先生に誘われたからです。

iUの場合は、近未来研究会で再会した当時 楽天常務の高橋理人さんから、iU開設準備室長の宮島徹雄さんを紹介されて意気投合したからです。

つまり大学の先生になろうと思ったわけでなく、ご縁をいただいた方からありがたいお声がけで、気が付いたら先生になっていたということです。


Q 社会人は大変そうなイメージが大きい中、久米さんが仕事を楽しめる秘訣があれば教えていただきたいです。

A 学生時代に50ぐらいのアルバイトを試して仕事を楽しむ秘訣を身につけました。


一言で言うなら「どんな仕事も達人になるのは大変で、道を究めることはやりがいがある」ということです。

引っ越しなら引越し、店舗キッチンの掃除なら掃除で、はやくうまくきれいにやるのは難しいことに気づき、先輩の凄さに見とれました。

もちろん向き不向きはあるでしょうが、できない理由のほとんどは自分の努力と経験不足ということもわかりました。

また、レタス畑の収穫など一見きつそうな肉体労働ほど終わった後の充実感は大きく、競馬場のガードマンなど一見楽そうな何もしない仕事ほど退屈で辛いことも知りました。

つまり大変そうなことが面白いことだと気づいたのです。


Q 人との繋がりを大切にする上で意識していることはありますか?
Q 自分の趣味を見つける何かいい方法はありますか。

A 夢を抱いて道を歩み続ける人、それも自分と違う道を歩む人とつながる


どんな内容であれ、夢を抱いている人、そこに向かって歩み続けている人に惹かれます。そして、自分もそうありたいと思います。

そんな人同士で、しかも違う道を歩む人同士で、惹かれ合いつながることで、お互いの元気や勇気が相互作用で倍増するような気がします。しかも、自分の知らない知恵や、見たことのない世界を知り合うこともできるのです。

そして、思いがけない趣味を教わり、自分もその趣味にはまることも少なくありません。私の場合は、新たな趣味を見つけることは、新たな師匠や同志との出会いから始まることが多かったと思います。


Q 新しいことを始めるのにリスクがあると思いますが、どのように思い切っていますか。
Q 本当に様々な経験をされてきていますが、そのような行動力はどのようにすれば身につきますか、教えて頂きたいです。
Q 常に活気がある人生を送るにはどのようにしたらいいですか。

A リスクのある厳しめの状況に身を置けば、いつしか、リスクも怖くなくなり、行動力が身に付き、活気のある人生を送れるようになるでしょう。


私の場合は、何の因果か、リスクを求めたわけでもないので修羅場の連続でした。当時は運が悪いと思っていましたが、今は運が良かった、そのおかげでご縁と勘にも恵まれたと思っております。

その点で言うと、みなさんも実に運がいいのかもしれません。大学生活の締めくくりをコロナ禍真っ只中で迎え、就活に悩み苦しみ、社会人生活もゼロリセットに近いDX革命進行下で迎えることになるからです。

つまり、去年までの、学業にも就活にも悩みの少なかった先輩方よりも、自ずと向学心・行動力・危機意識などが高くなるからです。

ここで運が悪いと落胆せずに、逆にリスク耐性と修羅場に対応した行動力が磨かれるご縁に恵まれたと考えてはいかがでしょう?


Q久米先生は多種多様な方面でいろいろなことをされていますが、私も将来はそのような生き方をしたいと思っています。現在も私は好奇心旺盛な方で、気になったことにはなるべく挑戦しいろいろなことに手を出しているのですが、その分全てが中途半端になってしまっているような気がしています。久米先生のように幅広くたくさんのことをこなすコツなどがあれば教えていただきたいです。
Q多くの仕事をする上で、混乱したり、嫌になったりしないのですか?

A3日3カ月3年10年の壁を越えれば何かが変わります。多くの仕事をパラレルでやる方が乗り越えられることもあります


結局のところ、人並みになるためには3年コツコツ努力を続け、一人前になるには10年続ける必要があるのです。だからといって、一つのコト一本に絞ると、上達は早くとも、飽きるのも早くなったり、疲れてイヤになったりします。

ですから、私の場合は、多くのことをパラレルで少しずつ努力するから、上達は遅くとも、逆に飽きずに長続きするのかもしれません。10年続けられれば、一人前になれる可能性が高いのですから、ご自身にあった形で、道を究めて行きましょう。


Q 何かを挑戦するときにどんな人に協力を仰いだり、応援してもらっていますか?
また、応援や協力してもらうためにどんな取り組みをしていますか?

A まずは自分で挑戦することも、先に人が集まってから挑戦することもあります。


これはケースバイケースなのでお答えしづらいのですが、今はネットを使って自分でできることも増えています。ですから誰かを巻き込む前に、小さく自分で試す場合も少なくありません。

また不思議なことに、プロジェクトの立ち上がりと同時に、次々に人と出会い、自然にチームが出来上がることもあります。

いずれにせよ、日頃からGive and Giveの精神で利他の情報発信を続けていると、応援や協力も自然に集まってくるものです。ネットのみならリアルの世界でも、お役に立てることがあれば、無私の精神で積極的にお手伝いしましょう。

それが、いつか自分の出番の時に役立つこともあるのです。


Q久米先生が感じる明治大学生とiU情報経営イノベーション専門職大学生の違いについて教えてください。

Q明大生がiU生に見習うべき点について教えてください。

A iU生の多くは最初から起業をする覚悟を持ち、親も納得させて入学しています。


iU生は、まだ高校を卒業して半年ほどの学生が大半(社会人もいますが)なので、知識や学力などもみなさんの方が上だと思います。

ただし、開学前で実績もない怪しい学校を見つけ出した発見力。起業する覚悟で新設の起業家養成専門職大学に入る勇気と覚悟、親を説得・納得させる交渉力を持ち合わせている学生が多いかもしれません。

とは言え、成果が出るのは、まだまだこれからですので、比較は難しいと思います。


【女性活躍】

Q私は女性だからということもありますが、将来バリバリ働くと結婚して子供を産んでという女性としての幸せを得ることが難しくなるのではないかとの不安があります。先生の周りで、活躍している女性がいらっしゃるようでしたらその人の家族との付き合い方だったり仕事以外の面での生き方を知りたいです。

A多くの経営者が女性の方が優秀であると認識しているので、産休や時短など働き方改革に熱心な会社も増えてきました。


例えば、マンガすぐやる技術の舞台になった松山油脂の河口湖工場を見学する際、同社の女性スタッフと往復の車中で歓談しましたが、同社は産休の充実など女性も大変働きやすいそうです。ただし、指示待ちではなく、自分で発言や提案をしないと、同社の良さを活かせないと言っていました。

つまり、やる気がある女性なら、面白い仕事も任せられるし、かつ産休なども認められる会社だということでしょう。


Qゲストが男性メインですが、女性の起業家の方は先生の周囲の世代にはあまりいらっしゃらないのでしょうか。

Aたくさんいます。今年は例年よりも女性の受講生が多かったのが想定外でした。


もちろん、優秀な女性起業家の友人もたくさんいますし、私の大学の授業にコミットしていただくこともあります。例えば、地域密着型の専門職大学iUのビジネスプレゼン大会の審査員をお願いした墨田区観光協会理事長(元Jcomの支社長)も、東京商工会議所墨田支部事務局長も優秀な女性でした。

ゲスト講師にたまたま男性が多いのは、毎年アンケートで好評で、明治大学出身の方を選んだ結果であって、特に他意はありません。


【アイデンティティ】

Q私はよく、他人と比べてしまって例えば成績に関してもこんなに頑張ったのにその友達に負けてしまったりと自分を肯定的に考えることがなかなかできないのですが、久米先生はどのようにして自分を肯定的に考えていますか?

A誰かと比較しているうちには自己肯定感は得られないと思います。


私にとっての自己肯定感とは「みんなが嫌がる仕事でもやる」「お金にならなくとも意義があればやる」「やる以上は全力でやる。しかも独自のやり方でやる」といったことが中心です。もし比較をするとしたら一年前の自分よりも成長しているかどうかでしょう。

時間軸も長くとり、結果を焦りません。死ぬ直前に、よくがんばった、良い人生だったと思えれば、それが最高の自己肯定感でしょう。

【その他】

Qゲートボールをeスポーツにというお話に興味を持ちました。様々な弊害があるとは思いますが、競技を根本から帰るようなことになりかねないと思います。

Aおっしゃる通り、ルールからまるごと変えないと難しいでしょう。


そこで、新ゲートボールの検討が始まっています。その前提の一つがeスポーツ化しやすいものということになります。

他にもチームがなくとも一人で参加できる、会場を問わないなどの条件をクリアしないと、新展開は難しいでしょう。

逆にアイディアがあったらぜひ教えてください。スタッフに伝えます。


Q スマホでの幅広い情報収集にオススメのサイトやアプリはありますか。InstagramやTwitterばかり見てしまうのですが、長く使用すると偏った情報や決まったアカウントの情報ばかりになってしまいます。
Q ビジネスや世の中のニーズをとらえるために、久米教授が日経新聞やSNS以外でどのような手段を用いて情報収集をしているか教えて頂きたいです。

A NHK-BSのワールドニュース。達人縁者のSNSや勉強会。現場を歩いて体感。


InstagramやTwitterは、私にとって情報発信ツールであり、ほとんど情報収集で使うことはありません。

日本に移り住んだ海外の友人が驚くのが、NHK-BSのワールドニュースです。世界中の主たる放送局のニュースをダイジェストで見られるのです。私は「世界の今」を知るため毎日録画してでも見ていますが、日本のメディアが、いかに日本国内の狭い範囲のニュースしか報道していないか思い知るでしょう。

それから、マスメディアもネットコミもほとんどが二次情報、三次情報です。私が信頼するのは、リアルやネットでつながった親しい師匠や仲間が自分自身で行っている一次情報です。もちろんネットには書けないことが大半なので、実際にお会いした時にお互いに「ここだけの本当の話」をしあうのが一番信頼できます。

さらに信頼できるのが、自分で現場を歩いて、観て、聴いて、感じた「兆し」です。私が、みなさんとこうして対話をするのも、そして旅を愛するのも、半分は今現場で起きていることを体感する取材のためなのです。


Q 文化、芸術に明るいとのことですが、美しさとは何だと思いますか?

A 言葉にできない非日常な感激、時に頭を稲妻で打たれたような、時にやさしく抱き留められたような感覚です。


まず、私は文化・芸術に明るい専門家ではなくと、理屈抜きに見とれ聞き惚れているやじうまにすぎません。そして、文化・芸術を言葉で勉強したり、美しさとは何だと考えたりすると、かえって美を素直に感じ取る心が死んでしまうと感じています。

今年は、明治大学の先輩で日本を代表する彫刻家の山田朝彦(ともひこ)先生のお話を、お聞きいただくことができませんでした(Zoomでは伝わらないということで講師を辞退されました)山田先生が毎年強調されるのは、美術館を見る時に、解説を読まない、音声ガイドを聴かないで見てほしいということです。

おそらく、論理や言語をつかさどる左脳が働くと、感情をつかさどる右脳が働かなくなるからでしょう。

また、私が、毎月10近くの展覧会を見て歩くのも、美しさを求めているわけではありません。何だこれは!と驚くようなもの、人から見れば醜いと感じるものでさえ、私にとっては出会いたい何かであり、心が動くのです。

ですから、特に20代のころは、文化・芸術の勉強などせずに、何も考えずに展覧会をわたりあるいてください。私も愛用している2カ月間有効2200円で都内や近郊の美術館・博物館の大半が無料から割引になる「ぐるっとパス」を使えば、名家の御曹司よりも多くの美術品に日常的に触れることができます。

そんな展覧会めぐりを10年も続ければ、美しさとはなにかという疑問なども消失していることでしょう。


Q リモートワークはどのくらい普及するとお考えですか?

A 普及というより主流になると考えます。


例えば、先日、地元の会合で、アサヒビールの総務の方とお話をしたら、これからは原則テレワークで、ハンコも撤廃すると、当たり前のようにおっしゃっていました。人と会う営業の仕事も、本社に来ないで直行直帰となり、お客様のところに伺うか、あるいはそれさえもテレワーク。

つまり、テレワークは、コロナ対策ではなく、コロナが引き金を引いた、デジタルトランスフォーメーションの不可逆なトレンドなのです。

もちろん、人と実際に接することで喜びを生み、感動を呼び覚ますようなサービス業は、コロナ後に無くなるどころか、もっと需要が生まれるかもしれません。


Qメッセンジャーで伺いましたが、瞑想の方法。
Q朝のルーティンのようなものはあるか(朝でなくても毎日続けていること)

A神仏習合、ヨガ、気功法なども取り入れた独自の瞑想を朝晩しています(約30分)


なぜ? 心地よいからです。身心に元気がみなぎるからです。

朝起きたら、神社系ボーイスカウトだった私は、まず以下のルーティンを。


1 神棚に向かって祓い詞を奏上して二礼二拍手一拝
  https://tinyurl.com/svosqhs

2 ベッドに腰かけて、背筋を伸ばし、合掌して唱えます。
  「祓え給い、清め給え、神かむながら守り給い、幸わえ給え」
(お祓い下さい、お清め下さい、神様のお力により、お守り下さい、幸せにして下さい)
  https://www.jinjahoncho.or.jp/omairi/osahou/tonaekotoba


ここからは、古今東西の瞑想法のいいとこどりです。

続いて、手を上に向けて、ひざの上に置いて座ります。
ここからは、ずっと座ったままの瞑想です。

3 自律訓練法(2セット)
  これは自分の体の各部をイメージすることで重み・温感・冷感を感じる訓練

   右手が重いとイメージ→同じく左手→右足→左足
   下腹部(臍下丹田あるいは太陽神経叢)が温かいとイメージ
   額(第三の目あるいはブラウチャクラ)が冷たいとイメージ

  最初は感じられないと思いますが、次第に「右手が重い」と心に唱えるだけで
  そこが重く感じられるようになります。

  もはや私は「重い」などと唱えずともコントロールできるので、
  お遍路をして歩いた亡き祖父から教わった「光明真言」を唱えています
  https://www.kongohin.or.jp/recite.html


4 ヨガの片鼻呼吸法(3セット)
  第三の目を右人差し指でおさえ、親指と中指で交互に右と左の鼻をおさえて呼吸
  https://letronc-m.com/1345

  私は片鼻から息を吐き出すときに、般若心経の一節を唱えています。
  「阿耨多羅三藐三菩提(あのくたらさんみゃくさんぼだい)」
  https://www.mitsuzoin.com/nanda_hannya17.html


5 座禅のポーズで、尾てい骨から頭頂部まで気を巡らす(3セット)

  息を吐ききって、尾てい骨の先端をイメージして、一瞬息を止める。

  そこから大きく息を吸いながら、気のエネルギーが
  背骨の後ろ側を通って上昇して頭頂部に至るイメージ。

  そこで息を止めて、今度は息をゆっくり吐きながら
  第三の目、喉、胸、など、いわゆる7つのチャクラを通って、
  尾てい骨に戻る。
  https://www.torinji-tenmangu.com/2016/01/12/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%81%A8%E3%81%AF/

  ちなみに、私は、心臓のビートに合わせながら、
  普回向の略三宝を唱えて行っています。
  「十方三世一切諸仏、諸尊菩薩摩訶薩、摩訶般若波羅蜜」
  http://soto-tokai.net/ok_eko03.html


6 ムドラー 地水火風空 

  ヨガの手で印を結ぶ行ですが、良い説明サイトや動画がなく
  説明が難しいので割愛させてください。
  私は「南無阿弥陀仏」と唱えながら行っております。


7 白隠禅師の健康法 軟酥(なんそ)の法

  両手を膝の上に上向きにおいてリラックス。
  頭の上に、なんそ=バター、あるいはエネルギーの玉をイメージ
  それが溶け出して、顔から肩から胸から癒していくように
  深呼吸しながら気を足元まで流していきます。
  http://zutsuu-daigaku.my.coocan.jp/hosp/22hakuin.htm

  私はCTスキャンのように、体を輪切りで癒していく
  イメージで行っています。

  足の裏まで体を気で包み込んだら、
  私は、鼻、鼻の奥、喉、肺、胃と、今度はカラダの内側を
  なんそでコーティングしていくような瞑想をします。

  そして、健康を守ってくださる薬師如来のご真言を
  唱えながら行っています。
  「おん ころころ せんだり まとうぎ そわか」 
  https://ichibata.jp/?page_id=927


8 最後に合掌して、般若心経と普回向をとなえます。
  https://www.kongohin.or.jp/recite3.html

9 あとは自分で自分にリンパマッサージ
  https://mitsuraku.jp/kiji/lymphatic-massage-self

10 あいうべ体操
  https://mirai-iryou.com/aiube/


その他、ヨガ的ストレッチや、体幹トレーニングを、朝晩組み合わせていますが、これは山ほど教科書や動画があるので割愛いたしますね。

いずれにせよ、私が申し上げたいのは、せっかくグローバルな情報化社会に暮らしているのだから、古今東西の人々が身心の健康を求めて編み出した様々な方法を試してみてはいかがかということです。その中から、私のように、自分にとって効果的だと思ったものを組み合わせて、ルーティンにしたらよいと思います。


Q 鬱になられた際に、瞑想のほかにどんなことをされていましたか?

A 肉体労働の日雇いバイトをたくさんするようにしました。


何もしないと考え始めてしまうので、引っ越しや宅配など、キツめの肉体労働バイトをたくさんやりました。

そうすると、バイト中は何も考えることはできませんし、夜になれば疲れて寝てしまえるのでおすすめです。

また、どう考えても私よりも大変な状況にいらっしゃるオトナが、明日の安定も保障されないなかで、それなりに楽しく暮らしているのを見て、ちょっと楽になりました。


Q 本を出版しようと思ったきっかけはなんですか、もとから本を出版したいという夢はあったのですか。

A 社員向けのメール活用法メルマガが「メール道」に。明大の授業が「すぐやる技術」に。


縁・運・勘に恵まれたとしか、言いようがありません。

ネット通販を始めたため、メール応対を社員に広める必要があって社内研修メルマガをはじめ、それならネットでつながる縁者にも配信しようということになりました。それが目に留まって、NTTコムウエアの公式コンテンツになり、NTT出版から「メール道」として出版され、amazonでビジネス書2位の人気書籍になりました。

また、明大でベンチャービジネス論を始めた時に、懇意の日本実業出版社の編集者が聴講してくれて、「すぐやる技術」が生まれ、シリーズで25万部のベストセラーになりました。

それらをきっかけに、様々な本を書いてほしいとオファーが集まるようになったのです。


Q 今回のコロナウイルスをきっかけに、地方創生や日本のものづくり復興がかなり進むと個人的には考えています。先生はどのように予測されていらっしゃいますか?

A 私もそう思います。ただチャンスを活かせるか否かは地方・企業で大きな差が出るでしょう。


既に、脱東京など大都会、脱巨大オフィス、脱通勤電車などの動きが加速しています。今後のパンデミックや災害対策を考えても、都市の一極集中のデメリットが明らかになるでしょう。

とは言え、どの地方が元気になるかは、ご当地の産官学金のリーダーと、その土地に移り住んだヨソモノ・ワカモノ・バカモノのコラボレーションがどれだけ進むかにかかっています。ですから、神山町のように成功する場所と、逆に衰退する場所とに分かれてしまうでしょう。

ご関心があるようでしたら、ぜひ、以下の8/29日本未来学会オンライン例会にご参加くださいませ。

【8/28日本未来学会オンライン例会(無料)にご参加を
 コロナ時代、あなたにとっての"脱"とは何ですか?】

尊敬するアミタホールディングス・信頼資本財団 代表の熊野英介さんと、アフターコロナのパラダイムシフトについて議論します。Zoomで無料なので、特にiU・明大・多摩大の学生に参加していただきたいです。テーマは「脱」。脱都会、脱オフィス、脱大企業、脱通勤、脱市場経済...多方面で議論をしたいので、みなさんもお気軽にご参加いただき、チャットで「脱」テーマやご意見を寄せてくださいませ。

#信頼資本財団 #熊野英介 さん
https://shinrai.or.jp/introduction/kumano_eisuke.html

日本未来学会8月オンライン例会
テーマ:「コロナ時代、あなたにとって“脱”とは何ですか?」
(話題提供:熊野理事+久米理事)
時間: 2020年8月28日 (金)7:30 PM 開始
https://us02web.zoom.us/j/87620827229




















今日、挨拶を交わした人数。















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