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2020年06月28日

【2020質疑応答2久米】起業・ベンチャーに関する質問

こんにちは!くめです!

みなさんからいただいたたくさんの質問にお答えする第二弾、起業やベンチャーに関する質問にお答えいたします。

明大生からの質問2020-2.jpg


【ベンチャー就職】

Q 起業する、またはベンチャー企業に勤めることのメリットとデメリットをそれぞれ教えて頂きたいです。

A 一言で言うならハイリスク・ハイリターンですが、激動期の今は大企業や公務員のリスクも高いです。


ご想像の通り、ベンチャー企業に勤めると波乱万丈の人生に突入します。お手本やマニュアルの無い中、頭にも体にも汗をかき、ここぞという時には時を忘れて働かねばならないこともあります。しかも10年後、企業が存続している可能性がどれほどかもわかりません。

しかし、成功すれば、普通の就職をしていては得られないもの、例えば、所得や資産、役職や働き甲斐を得ることもできるでしょう。

ですから、先日の「起業の喜び」授業でもお話しましたが、自問自答することが大切です。何も無い平穏無事な人生が幸せか、常に何か変化がある劇的な人生が幸せか、よく考えて決めた方が良いでしょう。人によって幸せの形は違うから正解はありません。

ただし、コロナショックというより、デジタルトランスフォーメーションにより、ビジネスモデルも働き方も大きく変わるので、それに対応できない大企業や自治体も破綻の可能性があります。一見、安定して見える仕事のリスクも高まっていることを、きちんと自覚して、仕事選びをしてください。


【人生観】

Q 先生の行動や活動のモチベーションとなってることは何かありますか。
Q 行動力の源泉は何ですか?
Q 人生におけるこれだけは譲れないという信念はございますか?
Q チャットでもあったのですが、生きていく上で自分が大事にしている軸は何か教えていただきたいです。

A 天隋=人の法より天の法を意識しつつ、ラジカルでロックンロールなヴィジョナリーとして生きることです。


「天隋」という色紙を遺してくださった故余語翠厳老師はじめ、私が惹かれる師匠には、共通の軸があると気づきました。

ラジカル=常識や既成概念に縛られず、自由自在に独創的に発想する。
ロックンロール=現況や過去の成功体験に甘んじず、時流に合わせ変化し続ける。
ヴィジョナリー=大所高所から、はるか先を見通す目と導く言葉を持つ。

尊敬する師匠たちは、生涯若々しく元気で、目をキラキラさせて楽しそうです。私もそんな境地に近づくべく生きてゆきたい。そして笑顔で死にたい。


Q 講義中に仕事の理念、人生の理念についての質問がありましたが、それについて私も詳しく知りたいので、ぜひ今度時間をかけて教えていただきたいです。
Q 仕事理念、人生理念のお話が聞きたいです。
Q 経営者として会社を経営する中で、貫き通している考えや軸は何でしょうか

A 三方よしを超える八方よしを実現して、100年続くような未来企業づくりの応援をしたいです。


毎回冒頭で授業理念として「三方良し=買い手良し、世間良し、売り手良し」を追求しようと唱和しています。今年になって、それを一歩進めて、八方良しという考えに至りました。

八方良し.jpg

この図の通り、エンドユーザー、販売パートナーだけでなく、仕入先・外注先にも喜んでいただき、社員や株主も喜び、地域社会、地球環境、文化芸術にも貢献するというものです。

もちろん、例えば、今のコロナショックを乗り切るために、八方のどこかに無理を言わなければならない時もあるでしょう。しかし、経営者や自社も痛み分けをした上で、好調時には逆にお返しできるようなバランス感覚が八方良しです。

また、日本は百年以上続く老舗企業が世界一多い老舗大国です。これが百年後も続いてほしいと思います。老舗企業が未来企業として永続するために、私の理想をまとめた図がありますので、ご高覧ください。

未来企業.jpg


Q 挫折の経験などはありましたか?そのような困難な壁にぶつかったとき、どのような気持ちで、どのように乗り越えましたか?
Q 人生に大きな挫折があれば、そこからどう立ち直ったのかを聞いてみたいです。

A 風邪をひくぐらい頻繁に挫折していたので、いつしか自然免疫と3日3カ月3年で直るとの目算力がつきました。


みなさんも風邪をひいたり、インフルエンザにかかって、時に高熱にうなされたことはあるでしょう。でもそれらには特効薬はないので、免疫力を高めるか、かかったら安静にして時が解決するのを待つかしか方法がありません。

無菌状態で外にでなければ風邪もひかないかもしれませんが、それでは人生の楽しみも味わえません。逆に、波乱万丈・紆余曲折の人生に飛び出せば、喜びや楽しみを味わう代わりに風邪をひくことも増えるはずです。でも、時に寝込むことがあっても、自然治癒した結果、風邪にかかりにくい免疫力ができます。さらには、かかった時には3日も寝てれば直るという目算や度胸も身につくはずです。

挫折が多すぎて、いつどこでどんな挫折があったか、どれが大きな挫折だったかも、もはや思い出せませんが、3日寝込むところが3カ月になったぐらいの違いでしょう。例えば、東日本大震災直後のパニックも3カ月たてば落ち着きました。さすがに、バブル崩壊は、その後失われた20年につながりキツかったですが、それでも3年で先が見えました。

ですから、新しい危機的な状況への対応力は、3日3カ月3年の壁を越えれば、自然に身につくと自分に言い聞かせています。同じように、どんなに辛いことも3日3カ月3年と心得ておけば、悩み過ぎることもないと思います。



Q 学生時代はご実家の家業を継ぐことを将来像としてお考えになっていたとのことですが、いつ頃どのような心境の変化があって様々なことに取り組もうと思ったのかについてお聞きしたいです。

A 常に絶滅危惧種の家業存続ファーストで考えました。ご縁に恵まれ期待に応えようとするうち取組が増えました


心境の変化はなかったのです。数年前に弟に社長をバトンタッチするまで、一貫して家業のことを考えていました。

Tシャツ屋にとっては全方位どんな法人個人もお客様候補です。そこで、インターネット通販等で注目され、講師をと声がかかれば、どこへでもどんな団体でも出かけて熱弁をふるいました。そしてご縁を大切にすべくネットでつながり、ご縁ができた方を応援する記事などを発信し続けました。

その結果、本業の活動、講演の内容、ネットでの情報発信などに着目してくださった方々が、ありがたいことに少しずつ現れて、様々なご縁をくださったのです。

正直言えば、私ごときにとっては場違いなチャンスが多かったとも思います。だからこそ、失敗しても失うものがないと割り切って、素人の自分が思ったこと考えたことを発言し行動してきました。

その結果、おそらくは変人枠扱いで、さらに様々な仕事をさせていただけるようになったのでしょう。


Q 決断に迷った時はどうされていますか?

A 縁・運・勘を頼りに生きているうちに迷わなくなりました。


考えれば考えるほど行動できなくなるものです。ですから、自分よりもはるかに賢い師匠からのご縁を大切にして教えを受けました。その教えを活かし、どんな辛い逆境期でも自分は運が良いと信じ、失敗を重ねながら勘を磨いていくことを心掛けました。

振り返れば、若いうちから師匠を探して学び、逆境に飛び込んで、失敗をしているうちに迷わなくなったのでしゃないでしょうかる。

ですから、若いうちは、こうした質問をしているのも良いですが、なるべく多くの挑戦をして決断を重ね、失敗を貯金するぐらいの気持ちで、自分を磨くと良いと思います。


Q 現時点での将来の夢は何ですか?

A さまざまな起業家・社会起業家が育つお手伝いをしたいです。


今年から、iU 情報経営イノベーション専門職大学で、本格的な起業家教育に挑戦できるご縁に恵まれました。イノベーションプロジェクト・地域創生担当として、4年かけて志の高い学生たちを起業に導きます。

もちろん世界を変えるようなユニコーン企業が生まれるのも楽しみですが、地域密着で愛される個店を創ったり、社会課題を解決するNPOを立ち上げたりする学生も熱烈応援したいです。

その際、懇意にしている地元を中心とした中堅中小企業・ベンチャー企業とのコラボレーションを生み出して、地域創生にも結びつくようにしたいと考えています。

未来実現.jpg


【コロナ後の業界】 

Q 今後のエンタメ業界はどう変わっていくとお考えですか。私は、収束後も自粛ハラスメントが懸念されます。

A デジタル配信とリアルイベントとの最適ミックスを、TPOに合わせて可変できる企業が残るでしょう。


サザンオールスターズが無観客の有料ネット配信を成功させました。しかし、何でもデジタルで良いわけではなく、本来は現場で盛り上がりたい人が非常時で応援してくれたのが現実でしょう。お客様の気持ちに合わせて、デジタルとリアルの組合わせを考える人が必要です。また、大規模イベントと、少数上得意客限定のネットサロンなどの組み合わせも研究の余地があるでしょう。

いずれにせよ、自粛がずっと続くわけではなく、その後の反動で巨大フェスの盛り上がりも期待できます。とはいえ、また定期的にパンデミックや自然災害にも見舞われるでしょう。

ですから、危機管理体制を常に考え、なにか有事の時は、デジタルシフトを含む戦略A、戦略Bなど事前に決めた善後策シフトするといった柔軟な経営体制が、特にエンタメや旅行・飲食業界では重要になるでしょう。


【海外ビジネス】

Q 海外でビジネスをする際、日本でするときとの違いは何かありましたか?(例えば日本では通用したのに海外ではうまくいかなかったことなど)

A 海外で展開したことはないのですが、インバウンドについては国別の好みの差が大きいので対応が必要です


例えばTシャツで言えば、海外からの旅行客は、日本人以上に和柄や漢字が好きです。

日本酒の蔵印Tシャツでを見れば、日本人は、控えめな色合いの小さ目な文字が好きですが、海外の方は、派手なコントラストで大きな文字を好みます。また北斎の知名度は欧米の国の方が高いので、アジア系の人にはまだ人気がありません。

つまり、国別に好みが違うので、きめ細かく対応しなくてはなりません。

ですから、新大学iUでは、留学生のみなさんと国内のものづくり企業とコラボして、国別・世代別に最適化したものづくりとサービス展開をしていきたいと考えています。



【起業・経営】

Q 私の周りには起業している友達が多くいます。その中には失敗してしまう人もいれば、成功している人もいます。どのような点が起業するうえで大事になってくるでしょうか?

A 業種・ビジネスモデルによって違うので一言では言えません。経営者の心得としては、左脳=先輩経営者の失敗に学ぶことと、右脳=縁運勘を共に磨くことが大切だと思います。


起業の成功要因は、大雑把に言えば、まだ誰もやっていないことを、早すぎず遅すぎず良いタイミングで、誰よりも速く、うまいビジネスモデルでやることです。しかしながら、百の起業があれば、百の成功要因・失敗要因があるので具体的には申し上げることができません。

ただ、経営者が何を間違い何に溺れるとつぶれやすくなるかは、パターンが絞られるので、過去の失敗例から学ぶことができます。まずは日経ビジネスの名物コーナー「敗軍の将、兵を語る (https://business.nikkei.com/article/NBD/20120206/226889/)」を読んでから、経営者の本をたくさん読むと良いでしょう。

あとは一度や二度の失敗でへこたれずに、縁・運・勘を磨くしかありません。


Q 既存のジャンルで起業するのもアリですか?

A もちろんです。デジタルトランスフォーメーションで全業種の在り方が変わるのでチャンスです。


iUの起業パターンで学生たちに勧めたいのも、知る人ぞ知る古くからある本物志向のものづくりやサービスを、デジタルトランスフォーメーションとグルーバル化の大波に乗って変容させる起業です。

先行者利得と一緒に覚えて頂きたい知恵が、残存者利得です。既存のジャンルで、それもニッチな差別化された領域で、最後の一社になれば、利益率も存続確率も高くなるでしょう。


Q 私の父も自営業をしています(中略)いざ事業を継承したときに顔の効くような業界にファーストキャリアは就きたいと思います。(中略)そこで先生はどのような業界が将来に事業継承した場合、役立つとお考えでしょうか?父の事業内容に限らず学生の時に行ったほうがよい習慣はありますか?
Q 将来、家業を継ぐ際に社員や取引先との関係を維持できるかなどや、その他の大変なことを経験からのアドバイスをいただきたいです。
Q 将来は家業を継ぐという思いがあったと思うのですがそのために学生のうちにしていたことや、しようとしていたことは何だったのでしょうか?
Q 将来、経営企画に関わる仕事をしたいのですが、今からできることは何がありますか

A 家業や関連業種よりデジタルトランスフォーメーションに対応した異業種でインターン・バイト・就職した方が良いでしょう。


私も構造不況業種の後継者でしたが、ありがちな、取引銀行、取引商社、取引アパレルなどで修業しなくて正解だったと思っています。なぜなら、世界が変わりゆく中で、これまでの成功法則を学んだり、取引関係に縛られては、かえって戦略自由度や発想が狭まるからです。

むしろDXの波にのって新たな顧客・取引先を開拓したり、ビジネスモデルを刷新した異業種で学んだ方が、将来役に立つと考えます。


Q 計画とかプランどうしますか?自分は何事にもきちんと計画してから動くタイプなので、講師はアドバイスとかありますか?

A 授業計画はもちろん大切です。ただしタイミングを逸することに注意。さらに計画が外れた時の対応には失敗体験も必要です。


事業計画書がなければ、出資者も現れず、銀行もお金を貸してはくれません。(ちなみに、以前、明治大学でも「起業プランニング論」を担当していましたが、受講生も少なく、完走者はさらに少ないので廃止になりました。)事業計画立案については、図書館や本屋さんに山ほどあるので勉強してください。

ただし、計画に時間をかけすぎて、チャンスを逸することもありますので注意してください。また起業ステージでは、トライアル&エラーの日々調整経営も必要になるので、縁・運・勘とのバランスを考えてください。


Q 日本の将来は不安定だという印象があると思います。もしそのなかで起業するとすれば、重要になるのは「信念」でしょうか。それとも、根拠のある「情報」でしょうか

A 目の前の課題と解決手段を見つけ出す「観察力・洞察力」、私がやらねば誰がやるという「気概・気迫」が大切です。


「情報」というと、メディア経由の二次情報という感があります。起業に必要なのは、メディアよりも先に、自ら現場で社会課題や新技術を見つけ出す「観察力」と、その解決手段・ビジネスモデルを考え抜く「洞察力」です。

また、そんなチャンスが目の前にあっても、それを自分ごととして考えるには、「信念」に基づいて困難に立ち向かう「気概」と、社員や取引先を巻き込む「気迫」が必要です。なぜなら、そのビジネスチャンスは放っておけば、必ず誰かがものにするので、わざわざ自分が苦労してやる必要もないからです。社員や取引先も、リーダーほどには未来が見えていないからです。

即ち「私がやらねば」という志と行動力を持っている人でしょう。


Q 来年の4月から公認会計士として、大手監査法人で働きます。ただ、10年を目安に独立・起業を考えています。分野は地域発展・教育に興味があり、直接会計士の仕事と直結するものというわけではありません。(もちろん会計士の仕事もやりたいことの一つです。)そういうこともあり、「将来」と言っている時点で覚悟がないと言われることもあります。その点についてもしお考えがありましたら、教えていただけたら嬉しいです。
Q 私は将来、起業やフリーのプログラマーとして生きていきたいと考えています。ファーストキャリアでSIerの技術職は適切でしょうか?
Q どの事業においても共通する必ず求められる能力やスキルは何ですか?(または学生時代にやっておくべきこと)

A 将来にやりたいことがあるなら、専門と真逆のスキルも学び、オフタイムに勉強会やNPOに参加しましょう。


企業に就職するということは、似たような人と働き、似たような取引先と付き合うということです。それでは縁・運・勘は磨かれません。そこで、自分の専門外の勉強をすべく、勉強会・研究会に通えば、ふだんとは全く違う人たちと出会えます。

またオフタイムにNPOなどで活躍するのも良いでしょう。会計やプログラミングの知識を活かしてNPOに貢献できますし、地域発展・教育・起業に関わるNPOであれば、現場での勉強もできますし、師匠やパートナーが見つかりそうです。


Q 未来のホットスポットは予測できるものなのでしょうか。またどのように予測するのかといったことを教えていただきたいです。

A 日本経済新聞や日経産業新聞を見れば大体わかります。あとは勉強会やイベントに出かけ、自分で体感・納得すればわかります。


昨今は新聞を読んでいない大学生が大半ですが、日経できれば日経産業も毎日ナナメ読みすれば、トレンドが自然に頭に入ってきます。

そこで気になるようなテーマは、必ずイベントや研究会が開かれているので参加しましょう。そこに面白そうな人が集まってきているかどうかを見ます。もちろん自ら試してみましょう。そこで「これは面白い!」と感じられれば、そこがホットスポットです。
この記事へのコメント
久米先生、いつも授業でお世話になっております。
数日が経ってしまいましたが就職活動が完全に終了した後に先生の質問に対するご回答を拝見させて頂き、コメントさせて頂きます。授業後のレポートでは、「自分がしたいことに沿った人生の師匠を見つけること」が、久米先生が一番伝えたかったことと理解し、提出させて頂きました。そして今回の質問に対するご回答の中で一番印象に残ったことは、目の前の課題と解決手段を見つけ出す「観察力・洞察力」、私がやらねば誰がやるという「気概・気迫」が重要という言葉です。ここが今の自分に絶対的に足りない部分だと就職活動を経て実感していたので、私自身がやらねばという気持ちを核にし、自ら行動した先の課題を把握してビジネス機会を生み出していきたいと考えました。そして、挫折は自然免疫と3日3ヶ月3年で治るとのお言葉、まさにその通りですし、今後の励みになります。ありがとうございます。
Posted by 祖川満里奈 at 2020年07月04日 17:40
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