アメリカの株式市場は、大幅続伸し360ドルを超える上昇となった。来週月曜日の株式市場がブラック・マンデーとなることはなくなった。
ヘッジフアンドの短期投資筋の作為的な株価操作なのかどうかはわからないが、これから上昇に向かう可能性が高い。
データ
イギリス・ロイター 2021.5.15[14日 ロイター] -
<為替> ドルが主要通貨に対し小幅安。朝方発表された4月の米小売売上高が横ばいと、期待外れの内容となったことが圧迫した。インフレ加速観測も後退した。
終盤の取引で、主要6通貨に対するドル指数は0.5%安の90.317。
4月の米小売売上高は前月から横ばいにとどまり、市場予想の1%増を下回った。
ただ、
貯蓄は過去最高水準にあり、経済活動が再開する中、小売売上高は今後数カ月間で加速する可能性が高い。また、3月の数字は10.7%増に上方改定された。
キャピタル・エコノミクスのシニアエコノミスト、ジョナス・ゴルターマン氏は、小売売上高統計に加え、先週発表された4月の米雇用統計など、一連の低調な経済指標とインフレ高進の兆候の間で、ドルは伸び悩んでいると指摘。
「金融政策の正常化が引き続き鍵となる」とし、来週19日に発表される米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨が注目されると述べた。
ユーロ/ドルは0.53%高の1.214ドル。週初に下落していた米株価が持ち直し、リスク選好度が高まったことがユーロを支えた。
英ポンドは今週、対ドルで約0.8%上昇。堅調な英景気回復への期待に加え、スコットランド独立の是非を問う住民投票が先になるとの見通しが追い風となった。
暗号資産(仮想通貨)のビットコインは1.70%高の5万0517.66ドル。米テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)がテスラ車の購入でビットコインを使った支払いを認めない方針を示したことを受け、週間では13%超下落した。
NY外為市場:[USD/J]
<債券> 4月の米小売売上高が予想を下回ったことで国債利回りが低下した。
米連邦準備理事会(FRB)はインフレ上昇は一過性のものとの見解を示しているが、市場でもこうした見方が広まりつつある。
終盤の取引で10年債利回りは2.4ベーシスポイント(bp)低下の1.644%。3月中旬に1.7%を超える水準に急上昇した後のレンジの中間近辺にある。
4月の小売売上高(季節調整済み)は前月から横ばいにとどまった。新型コロナウイルス対策の一つである現金支給の効果が薄れ、市場予想の1%増を下回った。
3月の数字は前月比で当初発表の9.7%増から10.7%増へ上方改定された。
12日発表の4月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は、総合指数が前年比4.2%上昇し、2008年9月以来、約12年半ぶりの大幅な伸びを記録。
市場ではインフレ率がFRBの目標を超えて上昇し、予想より早く利上げが実施されるのではないかとの観測が出ていたが、この日の小売売上高が軟調だったことでこうした見方は後退した。
みずほ証券の米国担当チーフエコノミスト、 スティーブン・リッチウト氏は「需要サイドによる物価上昇は一過性のものというFRBの見解が証明された」と語った。
ただ、コモディティー(商品)価格の上昇や供給網の阻害のほか、人材の採用難を反映した賃金の上昇などで物価は上昇するとの見方も根強い。
インフラストラクチャー・キャピタル・マネジメント(ニューヨーク)の創業者、ジェイ・ハットフィールド氏は「インフレは一過性のものではなく、加速している」とし、FRBは「むしろ間違えている」と述べた。
30年債利回りは2.5bp低下の2.362%。
物価連動国債(TIPS)と通常の国債の利回り差で、期待インフレ率を示すブレーク・イーブン・インフレ率(BEI)は、5年物が2.69%、10年物が2.543%。
米金融・債券市場:[US/BJ]
<株式> 大幅続伸。ダウ工業株30種は360ドル値上がりして取引を終えた。一方、週間では2月下旬以来の下落率となった。
ウェルスパイア・アドバイザーズの上級副社長、チャック・カールソン氏は「きょうは買いが膨らみ軒並み上げた」とした上で、「今週の大幅な相場変動は、長期投資というよりも短期トレードの動きを反映しており、市場は次の持続的な買い手掛かりを探している」と指摘。
「インフレが最大の懸念材料であることに変わりはないが、金利が過去の高水準を超えない限り、強気派が相場の主導権を握り、それまで売り叩かれていた銘柄の一部を買い戻すだろう」と述べた。