コラム:政局大転換が日本株押し上げ、世界の緩和マネーの受け皿に=藤戸則弘氏
By 藤戸則弘 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 チーフ投資ストラテジスト [2021年09月08日(Wed)]
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株屋さんの観測であるが、日本の政局の大転換がおとずれるという観測のようになるかどうかであるが、自民党が敗退して民主党政権が生まれるということはあるまい。
民主党も政権構想を出してきており、政権交代の意欲を強く出すことはよいことである。政権を交代させるために野党がありその意欲を国民に示すべきだ。 菅首相は地味だが打つべき手を打ってきているといってよいだろう。しかし、支持基盤がないのと二階氏の不支持であっさりと退陣するというのは潔い。 イギリス・ロイター 2021・9・8 [東京 8日] - 8月米雇用統計において、非農業部門雇用者数は前月比23.5万人増にとどまった。 内訳を見ると、娯楽・ホスピタリティ部門が横ばい、レストラン・バーが4.2万人減と、明らかに「デルタ株」の感染再拡大が、サービス部門に悪影響を及ぼしていると思われる。 資産運用者は常に有利な投資先を求めて世界中に目を配っているが、そ こに飛び込んできたのが、日本の政治情勢の劇的な転換だ。 藤戸則弘氏のコラム。 しかし、基調としての雇用の回復を示す数値も出ている。失業率は前月の5.4%から5.2%に低下し、平均時給は前月比プラス0.6%と事前予測のプラス0.3%を上回り、前年比でもプラス4.3%の高い伸びだ。週平均労働時間も34.7時間と高止まりしている。 しかも、7月の非農業部門雇用者数は、当初の94.3万人増から105.3万人増に上方修正されており、「デルタ株」による一時的な下振れと解釈するのが妥当と思われる。 <米欧緩和に長期化余地> 象徴的なのは米債券市場の反応で、雇用統計の発表直後には、米10年国債利回りが反射的に1.262%まで低下する局面があった。 ところが、その後は徐々に長期金利が反転し、結局、前日比0.039%の上昇で引けている。やはり、投資家は、米雇用の改善傾向自体が腰折れしたとは見ていないようだ。 ただし、米連邦準備理事会(FRB)はテーパリング(量的緩和策の段階的縮小)に関して、雇用を注視する姿勢を表明していたため、テーパリング開始時期が後ズレするシナリオが台頭する可能性はある。 もし、コロナの感染拡大が続いて雇用の回復が鈍化するならば、FRBがテーパリングの年内開始に執着する必要はない。 つまり、現行の超緩和策のさらなる長期化も想定できる。FRBのバランスシートは、9月1日時点で8兆3492億ドルにまで膨張しているが、一段とカネ余りが拡大・継続すると思われる。 一方、欧州中銀(ECB)は、FRB以上に超緩和策長期化の可能性が濃厚と思われる。 一部の各国中銀総裁からは、「PEPP」(パンデミック緊急購入プログラム)の資産購入を見直すべきとの声も出ている。 マークイットの8月PMI(購買担当者景気指数・総合)を見ても、ユーロ圏は59.0で、米国と逆転するまでの回復を見せている。 また、4─6月期の実質国内総生産(GDP)成長率も、前期比プラス2.2%、前年同期比同14.3%の高い伸びだ。 |



