金正恩氏は「非核化できない」 脱北した元大使代理に聞く [2021年02月02日(Tue)]
北朝鮮の金正恩総書記が核兵器を手放すことはないものの、疲弊している北朝鮮経済に対する国際社会からの制裁を緩和するために核兵器の削減については交渉することもありえるという。
北朝鮮の野望は核保有国としてアメリカに認めさせることにある。それで、金王朝が継続することができると考えている。 データ アメリカ.CNN 2021・2,2, 韓国ソウル(CNN) 在クウェート北朝鮮大使館で大使代理を務め、その後脱北したリュ・ヒョンウ氏はこのほど、CNNの取材に応じ、北朝鮮の金正恩総書記が核兵器を手放すことはないものの、疲弊している北朝鮮経済に対する国際社会からの制裁を緩和するために核兵器の削減については交渉することもいとわない可能性があるとの見方を示した。 リュ氏が1年以上前に韓国に亡命してから初のインタビューとなった。リュ氏はCNNの取材に対し、「北朝鮮の核兵器は体制の安定と直接結びついている」と述べ、金総書記が自身の生き残りの鍵を握っているのは核兵器だと信じている可能性が高いと指摘した。 リュ氏はまた、これまでの米政権は北朝鮮との交渉前に非核化を要求することで自らを困難な立場に追い込んでしまったと述べた。 リュ氏は「米国は非核化から引き下がることができない。そして、金正恩総書記も非核化は出来ない」と述べた。 リュ氏はここ数年で亡命した北朝鮮高官のうちのひとり。2019年にはイタリアに駐在していた大使代理が亡命したほか、北朝鮮の駐英公使だった太永浩(テヨンホ)氏は2016年に亡命した。太氏はその後、韓国国会議員に選ばれた。 リュ氏と家族は2019年9月に韓国に亡命した。しかし、その行動は先週まで公表されなかった。リュ氏は、10代の娘により良い人生を与えると決断したと振り返り、リュ氏と妻はクウェートに住んでいた約1カ月の間に脱出を計画した。 リュ氏は、もし捕まれば、北朝鮮当局は何らかの罰を与えるため即座に全員を平壌へと送り返しただろうと述べた。金体制にとって亡命はとてもばつの悪いものであるとみなされ、軽んじられることはないという。 最終的に娘に計画を伝えたのは、彼女を学校に送るふりをして自動車を運転していたときだった。 リュ氏は当時の様子を振り返り、自由を見つけるために母親と父親と一緒に来るよう告げたと語った。娘はショックを受けたようだったが、「分かった」とだけ返事があったという。 リュ氏は家族を連れて在クウェート韓国大使館を訪れ亡命を申請し、数日後、韓国に渡った。 北朝鮮からの亡命には多大な犠牲が伴う。脱北者は北朝鮮に残してきた全ての家族とのきずなが即座に断たれるからだ。 リュ氏によれば、北朝鮮はたいてい、国を離れるのを思いとどまらせるため脱北者の家族や近親者を罰する。特に外交官はそうだという。海外に配置される人たちはたいてい、人質として利用するために子どもを残しておくよう強制される。そうやって、両親が亡命しないようにするのだ。 |