長崎市長「米国の核の傘」ではなく「北東アジアにおける非核地帯創設へ」 [2020年08月09日(Sun)]
ロシアの通信社の報道に注目しておこう。ロシアは核保有国だが、東アジアの非核化の構想の中でどういう位置を占めることになるか。 日本は核爆弾の悲惨さをもっと世界に知らしめる努力が必要とされる。 データ ロシア・スプートニク2020年08月09日 16:03 筆者 : エレオノラ シュミロワ 今年は第二次世界大戦終戦から75年。長崎に原爆が投下された8月9日を前に、長崎市長の田上富久氏はオンラインで会見を開き、外国人記者らに対し、米国の「核の傘」に代わる北東アジアの非核地帯創設について語った。 会見で田上市長は記者らに対し、原爆の被害者となった長崎市は核兵器禁止の考えを推し進めるにあたり特別な使命を持っていると発言。 田上市長はその中でも「核のない世界」の展望を遠ざける核大国に対し、その行動に反対を表明することの大切さを強調した。 広島平和記念公園(2020年7月30日) 「(長崎市では平和を構築するために様々な活動が行われていて、その一つは)ズレを正す活動です。 例えば、核保有国が核実験を行うために核軍拡の方向に向かう流れを作らないよう、核兵器の実験を行わないようにということを発信して、核保有国に対して抗議をしてきました。 例えば、今、米ロ間でINF全廃条約などを廃棄する動きが起きていますが、平和宣言の中などでこう言った動きに対してもそれは違うということを申し上げている、これも一つのズレを正す活動だというふうに考えています。」 田上市長はまた、 抗議や批判を示すだけでなく、具体的な行動を提案することも重要だと加えた。一例として、北東アジアにおける非核地帯創設の考えを挙げた。 「その具体例の一つは、北東アジア非核兵器地帯構想の提言です。 すでに、地球全体で言うと、南半球は殆ど非核地帯になっています。 その中で、日本はいわゆる『核の傘』にいる国の一つとなっています。『核の傘』の下にありながら核兵器のない世界の重要さを訴えるのはおかしいのではないかという意見があります。 被爆地として長崎は『核の傘』ではなく、『非核の傘』を意味する非核兵器地帯構想を提言してきました。 これは日本と韓国と北朝鮮の3カ国を非核兵器地帯にしようとすることです。 南半球に広がった非核兵器地帯も簡単に成立したわけではなくて、非常に長い時間をかけながらこの条約を成立させています。 東アジアの非核兵器地帯もすぐに実現するとは思っていませんが、そういう方向に向けた努力をスタートすることでやがて実現する可能性があるものと考えています。」 田上市長は、核兵器問題を解決する際に世界が広島と長崎の考えに耳を傾けるようになるためには、様々な国際機関との関係を拡大する必要があると指摘する。 |