ロシア本土とサハリンをつなぐ鉄道橋を建設し、その後北海道へ延長する案は数十年に渡り審議されている。
まだ実現計画は一切の進展を見せていないが、日本のビジネスは投資に関して急がない。
だが今週、プーチン大統領が評価したところのこの「惑星規模プロジェクト」のニュースに新たな波が生まれた。
データ
スプートニク日本2018.7.29
報道が何らかの具体的な実現プランに基づくものなのかを明らかにしようと、スプートニクはロシア鉄道公開株式会社の広報担当とロシア国立研究大学経済高等学院輸送経済・輸送政治研究所のパーベル・ジュジン氏に話を伺った。
ちなみに、ロシア鉄道は世界の鉄道会社で3指に入る。
ロシア鉄道は「最終決定まで」コメントを控えると回答した。
北海道とサハリン、ロシア大陸部をつなぐプロジェクト すでに実現化へGO
一方でジュジン氏は、現在ロシアには技術的にはこのプロジェクトを実現するための最も適した条件がそろっていると説明した。
「ケルチ海峡にかかるクリミア大橋建設完了後、ロシアでは新たな橋の建設に不可欠なパワーが空く。製造業者との物流チェーンも構築され、今度は極東の作業につながる可能性もある。
さらに、プロジェクト第一部の実現は、日本の投資家のサハリン-北海道橋建設への将来的な関心のための不可欠な条件であり、土台だ。」
− このプロジェクトに関してすでに行われたことはあるか?調査や費用算出は?
「サハリンから本土に橋を建設する候補地はコムソモリスク・ナ・アムーレの北東約500キロにある。
20世紀半ば、本土とサハリン間のもっとも狭い場所である地峡ですでにトンネル工事、そしてコムソモリスク・ナ・アムーレから地峡に向けて地下鉄線の工事が進められていた。
つまり、こうした工事のさいに調査はすでに行われており、ゼロからの工事であってもその調査は有益だ。」
付記
ロシアのスプートニクがこのような報道をしていることの意味を考えねばならない。
プーチン氏の発言が、このプロジャクトを推進する方向に向かわせているということだ。
日本側に受けて立つことを促しているのであろう。
日本側にはサハリン天然ガス開発プロジャクトの経験から慎重な姿勢にならざるえないだろう。
20世紀にロシア本土とサハリンを結ぶ地下鉄の工事が実施されていたというのは、軍事機密であったのであろう。知られていない。現在は途中で中断ということになっているようだ。
ロシア側はロシア本土とサハリンだけを結ぶのでは経済効果が十分でなく、北海道まで延長して初めてその効果があると計算している。
確か、ロシアは広域線路で、日本は狭域線路であるので連結するのは稚内で乗り換えということになろう。日本が施設した樺太(サハリン)内の鉄道は現在廃線となっているらしいが。