政権がパラリンピックの中止を決定する可能性はあるのだろうか?まず、ないだろう。
それこそ障碍者への差別となる。
それよりも感染拡大を抑え込めない政権の無策さが国民の怒りを買っている。特に病院の受け入れ態勢がひっ迫していることが国民の不安を高めている。
データ
ロシア・スプートニク2021年08月11日 20:03
筆者 : タチヤナ フロニ, エレオノラ シュミロワ
オリンピックでの活躍と同時に、新型コロナウイルスの感染者数も過去最高を更新している。
日本ではパンデミックが始まって以来、感染者の総数が100万人を超えた。こうした統計を背景に内閣支持率は過去最低の水準に落ち込んだ。
政府に対する主な不満は、オリンピック開催を含め、有効なコロナ対策がとられていないというものだ。
国内でのさらなる感染拡大を抑え、世論を落ち着かせるために、政権がパラリンピックの中止を決定する可能性はあるのだろうか?
ロシア科学アカデミー世界経済国際政治研究所の日本経済政治グループを率いるヴィタリー・シュヴィトコ氏は、このような展開になる可能性は低いと考える。
「感染流行期でもパラリンピックは感染拡大になりにくい。オリンピックほど大規模ではなく、人数も少ないからです。出場選手も、それに付き添う関係者もオリンピックよりはるかに少ない。
それに、オリンピックに対する日本人の受け止め方も比較的落ち着いたものでした。一般市民の安全性という点では、今年のオリンピックはかなり局所的なイベントであり、選手たちの移動も厳しく制限されていました。」
シュヴィトコ氏は、日本人がパンデミックを比較的落ち着いて受け止めているのは、感染拡大の論理への理解が高まったからである可能性が高いと言う。
「日本の人々はもはや、感染の波とオリンピックを一直線には結びつけていません。というのも、たとえオリンピックを中止していたとしても、いずれにせよ新しい感染の波は起こっていたであろうことが明白になっているからです。
これは、多くの変異株が出現している今の異常なパンデミック拡大の論理を考えると、不可避なことなのです。
オリンピック以前に国内にウイルスが全く存在せず、オリンピックによって日本に持ち込まれたというのであれば話は別ですが、今のコロナウイルスに関しては、そうではありません。
五輪を研究する奈良女子大の石坂友司准教授(スポーツ社会学)も、パラリンピック中止の決定は障害者に対する差別となりかねないため、中止の可能性は低いと考える。
石坂氏:「パラリンピックは今、開催を中止すべきではないかという意見が出ているのは事実です。
ただ、オリンピックを開催してパラリンピックを中止するということになると障害者の人たちに対して差別をしているのではないかという捉え方をされてしまうので、オリンピックに強く反対を叫んでいた人もパラリンピックにはそれほど大きな声で中止は叫べないのではないかと思います。」
それでも、パラリンピックの開催については、詳細な議論を要すると石坂准教授は言う。