石油から海底鉱物へ、ノルウェーが目指す採掘シフト [2021年01月17日(Sun)]
日本近海でも、銅、亜鉛、コバルト、金、銀を含む深海の鉱床を確認してきた。海底火山礁の周辺では大量の資源があることはわかっている。
沖縄列島の周辺においてもそれらの礁が発見されている。問題は経済的に見合うコストで採掘する技術の確立である。 海底にある石油や天然ガスを採掘するプラットホームはその開発の手掛かりとなろう。また水溶性の石油に近い物質も確認されている。 日本は、技術の日本、であるのでそれらの開発技術を早期に作り出すことだ。 データ イギリス・ロイター2021・1・17 [オスロ 12日 ロイター] - ノルウェーは油田・ガス田のおかげで世界有数の富裕国となった。だが、今夢見ているのは、深海探査によって石油・天然ガス以外の資源を発見することだ。 ノルウェー政府が目指しているのは、海底に眠る銅や亜鉛などの金属の採掘で主役になることだ。こうした資源に対しては、環境に優しい技術、いわゆるグリーン・テクノロジー分野で旺盛な需要が見られる。 ノルウェー石油エネルギー省がロイターに語ったところでは、早ければ2023年にも深海採掘の認可を企業各社に与える可能性があるという。 電気自動車のバッテリーや風力発電のタービン、太陽光発電に用いられる鉱物を海底から採掘する最初の国の1つということになりそうだ。 とはいえ、ノルウェーはこうした動きによって、世界中の手付かずの海底を開発することによる環境リスクをめぐる論争の最前線に立たされる可能性もある。 ノルウェーは12日、自国の海底を鉱物資源探査・生産に開放するにあたって必要な環境影響調査に向けた準備を開始すると発表した。 この環境影響調査に先立って、ノルウェーは3年かけた調査により、銅、亜鉛、コバルト、金、銀を含む深海の鉱床を確認してきた。調査を実施したノルウェー石油理事会が明らかにした。 ノルウェー科学技術大学(NTNU)の研究者らによる推測値では、ノルウェーの大陸棚における埋蔵量は、銅が最大2170万トン(2019年の世界全体での銅生産量より多い)、亜鉛が2270万トンとされている。 ただ、推測値の平均ははるかに低く、それぞれ690万トン、710万トンとなっている。 「ノルウェーが管轄権を有する水域内での銅採掘事業は、陸上での採掘量に匹敵するものにはならないかもしれないが、将来のグローバル需要に応じる上で大きく寄与する可能性がある」とNTNUのスタイナー・ロエベ・エレフモ准教授は、ロイターに語った。 「深海採掘が、地政学的な条件を変化させる可能性もある」と同准教授は語る。 鉱物は多金属硫化物、いわゆる「ブラック・スモーカー」という形で発見される。海水がマグマに到達して熱せられ、溶解した金属・硫黄を伴って海底に噴出することで形成される。 ノルウェー石油理事会によれば、調査では、岩盤上に形成されるマンガン鉱床中に、エレクトロニクス製品や合金に用いられるリチウム、レアアース金属のスカンジウムも高い含有率で発見されたという。 こうした鉱床は、陸地から最大700キロ離れたノルウェー海の、ヤンマイエン島とスバールバル諸島の間に伸びる大西洋中央海溝沿いに分布している。 <日本も追随へ> 日本も同様の計画を進めているが、ロイターの取材に応じた資源エネルギー庁の当局者によれば、民間企業と提携したプロジェクトの開始は2026─2028年になると見られる。 この当局者は、開始時期は金属市場の価格水準と深海採掘のコスト削減次第であると話している。 |