
【ソウル時事】2007年以来で、3回目となる南北首脳会談が27日、軍事境界線のある板門店の韓国側施設「平和の家」で開かれる。
議題は「朝鮮半島の非核化、恒久的な平和定着、南北関係の改善」が中心で、韓国政府は新たな共同宣言を採択する方向で検討している。
北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長が「非核化の意思」を表明し、6月初旬までに開かれる見通しの米朝首脳会談につなげられるかが焦点だ。
北朝鮮は20日、平壌で開かれた党中央委員会総会で、核実験や大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を中止し、核実験場の廃棄を決定した。
非核化への姿勢をアピールした形だが、核放棄に関する言及はなく、「核保有国」の立場を堅持する構えは崩していない。
このため、南北首脳会談では金委員長がどこまで核放棄に踏み込むかが注目される。
韓国の文在寅大統領は19日、国内メディアとの懇談会で、「北朝鮮は完全な非核化の意思を表明している」と明らかにしており、共同宣言にも盛り込まれる可能性がある。
また、文大統領は1950〜53年の朝鮮戦争以来続く休戦状態を終わらせ、「終戦宣言を経て、平和協定の締結に進まなければならない」と強調している。
韓国政府高官も「『終戦』という表現かは分からないが、南北間の敵対行為禁止に向けた合意が宣言に含まれるよう期待している」と話しており、朝鮮半島の平和体制についても議論される見通しだ。
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[時事通信社]2018-04-22 15:35