
日本人はナショナリズムを乗り越え、卒業した。つまり、日本人は国家を超える感覚をもったのです。これはじつに喜ばしいことです。
中国や韓国ではいまでも「国が侮辱された」といったことで騒ぎます。これはナショナリズムで、国家の成熟度としては、まだその段階なのです。
でも、日本は違います。もう抽象的な演説などでは騒いだりしない。それだけの成熟をしたのです。
いわゆる国民国家は、昨今世界のどこでも災いのタネになっています。でも、国民ごとにまとまる国家というシステム以外に、世界を秩序立てる形態は今のところは見当たりません。国家は必要悪なのです。
異なる国が接して暮らしていて、 トラブルが起こったときに感情的になる。ナショナリズムはひとつの病気です。
ナショナリズムを刺激する側面があるオリンピックやサッカーは、戦争の代わりをやっているようなものです。
