
アメリカ第一主義
トランプが唱える保護主義は、アメリカの保守派の伝統である “アメリカ第一主義”が台頭してきたということである。
また、民主党でヒラリークリントンと争ったサンダースが 社会主義者を掲げながらもかなりの支持を得ていたということも 特筆される。
左派のサンダースと右派フアッショの色彩が濃い トランプが多くの支持を得たということはアメリカ社会が変動期に 来ているということをまず認識しておくことだ。
戦前のドイツを想起させる。
第二次世界大戦前のドイツでの選択が共産化かファッシズム 化か、しかないというときにドイツの民衆は共産化を嫌い、 右派のフアッシズムを選択したことを想わずにはいられない。
トランプを選択というところが、民衆の選択の 方向性が似ているということを指摘しておきたい。 そして、明らかにアメリカ社会は変動期に入ったことも。
アメリカは、現在大きな亀裂が起こっていると考えておくべきである。アメリカ第一主義のトランプ派と、戦争経済を求める従来の産軍派というべき反トランプ派に割れている。
アメリカは、大恐慌の後のニューデール政策は、当初は成功していたが途中でやめてしまったことによりその反作用で経済がいきずまっていた。ルーズベルトは困っていた。
いわゆる公共投資のバラまき政策であるが、困ったルーズベルトは第一世界大戦で経済が潤ったことを教訓にして、戦争への参加による経済の立て直しを目指した。
ルーズベルトは日本との戦争を望んでいた一面である。
もう一つの側面は人種差別である。ジャップ(日本人)の台頭に我慢がならなかったのであろう。
そして、大東亜戦争(第二次世界大戦)でアメリカ経済は復興して巨大化した軍事産業を誕生させた。
その企業群を維持させるためには、弾薬などを消費する戦争を継続させる必要が生まれたのである。世界の警察官として、戦争に首を突っ込んでいくという。
現在まで、アメリカは軍需産業が主体となる産軍派が主導権を維持してきたが、トランプが待ったをかけているところであろう。
トランプのアメリカ第一主義は、言い換えれば、戦後継続してきた戦争経済を止めようとする政策で、遅れた国内のインフラの整備と雇用を拡大しようとすることである。
アメリカの産軍派は自己の存続の基盤が危うくなるので、必死の巻き返しを図っているというのが、アメリカ国内の亀裂である。
それ以外の要素ももちろんあるが、トランプも一直線にはゆかないところが現況であろう。
