
鈍行で単線を旅する 両毛線 小山―高崎間
両毛線というのは昔から気になっていた路線である。今回、思い切って乗ってみることにした。単線ではあるが一部複線化してはいる。
駒形駅―前橋駅間、と岩船駅と佐野駅間である。関東平野の両毛地区と言われる平野部を走り抜け、遠くに赤城山や足尾山地を遠望しながら田園を走る。この地区も関東の穀倉地帯である。
関東の両毛地区に両毛鉄道として1888年(明治21年)に開業して、1897年に国鉄に合併されている。
駅数は18駅、営業距離数は84.4kmである。約2時間かけて結んでいる。駅数はもっとあったがかなり廃止されているので現在は18駅となっている。
小山、栃木(小江戸)、佐野、足利(小京都)、桐生、国定(国定忠治の墓、養寿寺)、伊勢崎、前橋、高崎と内陸部の主要な都市を結んでいる。
しかし、運行本数は少なく、日中は1時間に1本である。接続が難しく駅で1時間近く待たされるというのが、ローカル線の旅というものでそれを覚悟しておかねばならない。
この両毛地区と呼ばれるのは、栃木県南西部、群馬県南東部をいう地域をいい、この地区の主要な産物、生糸、桐生織に代表される織物の輸送するために建設された鉄道である。

利根川、思川、渡良瀬川などの河川を横断していく。
小山から乗り込み、少し走ると田園が広がる。稲が黄金色にきらきらと光っていた。
山あり、川あり、田圃ありの風景の中、比較的大きな都市を結んでいるので、住宅街と田園が交互に現れてくる。のどかな旅ではあったが、乗客は比較的多かった。学生がやはり多い。
わたらせ渓谷鉄道のトロッコ列車に乗るために桐生にて下車して宿泊することにした。
いささか、腰が痛くなるのが鈍行列車の旅であるかもしれない。

