
読書のすすめ 黒潮文明論 3 鉄砲が伝来したという種子島でも砂鉄がとれ、 刀鍛冶がいた
また、黒潮が洗う海岸から砂鉄がとれ、鉄砲が伝来したという種子島でも砂鉄がとれ、 刀鍛冶がいたことが鉄砲を生産することを可能にした。九十九里浜は今でも砂鉄が 多い砂浜という。
日本が砂鉄から鉄を作り出し、刀を作り、その技術から鉄砲を作り出せたということは 日本の技術文化でも誇るべきことであり、日本の自立を支えたといえる。
“米大陸の原住民が鉄を生産しなかったことで、白人に容易に征服されていった 悲哀を考えながら、日本の列島には古くから鉄を生産する技術があったから 自立自尊が保てたのではないかと自答自問する”という。
インカ帝国は鉄を作っていなかったために、わずかな鉄砲により滅ぼされてしまった。
黒潮の流れと、硫黄、硝石、真珠、鉄、鉄砲などが日本にもたらした文化いや、 文明をゆっくりと考えるきっかけになる文明論である。
