<資本主義を問う自民党総裁選> [2021年09月17日(Fri)]
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資本主義を問うと大上段に振りかぶっているが、基本的にはおそらく何も変わらない・特に岸田氏は実行力という点で思い切ったことができる器ではない。
データ イギリス・ロイター2021・9・17 岸田氏は新自由主義路線を見直すとともに、「新しい日本型資本主義」構想会議を設置するとも打ち出した。 レーガン、サッチャーの新自由主義革命は、戦後の混合経済を今日のような市場経済(正確には市場メカニズムを優先するグローバルに展開する資本主義経済)へ変貌させる転換点だった。 小さな政府から大きな政府への回帰が志向される時、同時に資本主義のあり方が問われるのは必然なのかもしれない。 資本主義を問うた古典と言えば、マックス・ウェーバー著「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」、カール・マルクス著「資本論」、ヨーゼフ・シュンペーター著「資本主義、社会主義、民主主義」などがある。 ウェーバーはカルバン派の禁欲主義が職業倫理に与えた影響を説いた。マルクスは搾取を伴う資本蓄積に警鐘を鳴らし、唯物史観に基づく革命思想を広げた。 シュンペーターは産業革命、株式会社と並んで資本主義に必要不可欠の要素であるイノベーションがもたらす経済の内生的なダイナミズムを描き出した。 こうした古典に加えて、筆者が個人的に資本主義を考える上でのバイブルとしているのがカール・ポラニ―著「大転換」、イマニュエル・ウォーラーステイン著「近代世界システム」、ジョージ・ソロス氏著「グローバル資本主義の終焉(しゅうえん)」の3つである。 ポラニーは1944年のこの著作で、19世紀は金本位制の下、自己調整型市場がイギリスから世界中に広がる中、資本主義が明確な輪郭を描き始めたと指摘した。 労働力が擬制商品の1つとして売買されるようになったことで、伝統的な地域社会から切り離された人々は疎外されるようになったと喝破しているた。 |



