核汚染に対する被曝医療 あらゆる危険の想定を。
[2017年01月28日(Sat)]
核汚染に対する被曝医療 あらゆる危険の想定を。 日本に対して、核によるテロは、 大地震と同様、突然襲ってくる危険性はないといえるだろうか。 日本人は大地震・大津波に対してだけではなく、航空機の墜落とか、核によるテロなど、 あらゆる危険を想定しておかなければならないと思うがいかがなものであろうか。 日本に50基以上もある原子力発電所は外敵の攻撃に対する防御は万全なので あろうか。ほとんどの原子力発電所が海岸近くだが、 無防備ということはないのだろうか。海から武装した外敵が侵入してくる可能性は 想定されているのだろうか。またその防御策は準備されているのであろうか。 無防備としたらどうなるか。 万が一、原子力発電所がテロなどで攻撃された場合、 周辺住民の退避、安全対策、医療救援等にどう対処するか、 複数の時はどうするのか、などを想定し、防御対策は構築されているのだろうか。 通常兵器での原発への攻撃・破壊は、核によるテロと同様の 悲惨な結果をもたらす。福島原発事故は、 このようなケースの危険を提起したともいえる。 原子力災害という結果からすると、地震・津波という自然力のテロを 受けたともいえると思う。 東京電力・福島原子力発電所の事故が教えたことは。 原発事故が提起した重要なことは、約2か月経過しても 原発事故を終息することができない、放射性物質の拡散、汚染(海を含めて) を止めることができないことである。 此の事は、大変残念なことであるが、原子力エネルギーは、 まだ人間が制御・コントロールできない エネルギーであったこと、制御する方法・技術が確立されていなかったことが 明らかになったことだ。これから日本はどうなってしまうのか。? 原子力発電所事故の恐ろしさ。 そして、放射線の長期の放出・放射能の拡散は、日本の人々を多数、 がんなどの死の病の危険に陥れるという恐ろしさを、 原発周辺は、数十年間はその土地に住めなくなるという、 家を捨て、家畜を放置して、果樹園を捨て、 畠、田圃を捨て、豊かな海を捨て、町、村、 故郷を捨てざるをえなくする恐ろしさを、 日本が人類唯一の原爆被曝国であり、原爆症の恐ろしさを 思い出させたことだ。 過去の痛ましい惨状を思い起こす時であり、教訓を引き出す時だ。 医療機関の核テロへの対応は? 核テロが発生した場合を想定して医療関係者は、すでにその場合 の対処の仕方を準備している。 下記は、核テロに対する被曝医療の対応策である。 医療機関の医師・看護師・技師・医療関係者の非常事態に対する訓練と 準備が大切である。 以下引用。 2001年9月11日アメリカでの同時多発テロ以降 ,核テロに対する被ばく医療について関心が高まっています。 核テロの類型と医療上のポイントについて述べます。 ・核テロの類型 放射能散布兵器 (RDD:Radiation Dispersal Device) (1)核爆発を伴わずに放射性物質を飛散させる装置 (2)飛散させるために通常の爆発物を使用(ダーティーボム) (3)材料の放射性物質は工業や医療を含む広い範囲から使用 (4)殺傷能力は通常兵器や化学兵器より低い 簡易核兵器 (IND:Improvised Nuclear Device) (1)核兵器の改造や独自の構造により核爆発を起こす装置 (2)材料には濃縮ウランまたはプルトニウムが必要 (3)現場では熱・衝撃波・強い放射線が認められ,殺傷力は大きい (4)広く放射性の核分裂生成物が散布される ・核テロ時の被ばく医療のポイント 1. 放射線障害の検討を行う前に,患者の外傷を医学的に 安定な状態に保ちます。その後で外部被ばくか汚染かを判断します。 2. 嘔心,嘔吐,下痢,皮膚紅斑が4時間以内に出現した患者は, 高線量(しかし生存可能かもしれない)の外部被ばくを受けています。 ⇒8〜24時間以内にリンパ球減少がするので全血算を連続的に行います。 輸液,抗生物質,各種刺激因子による支持療法を開始。 皮膚,骨髄,腸管の障害発生に備えます (p56「高線量全身被ばく/急性放射性症候群の対応」参照)。 3. 神経障害(一過性意識消失など)や原因不明の血圧低下の患者は きわめて高線量の外部被ばくを受けています。 ⇒生存の可能性は低いと考えられます。 4. 身体表面が汚染している場合 ⇒脱衣により90%の放射性物質が除去されます。 正常皮膚は中性洗剤(石鹸でも可), 温水(または水),ガーゼ(タオル)で効果的に除去できます。 傷口の汚染は生理食塩水とガーゼで洗浄します。 5. 未知の金属片は強い放射性かもしれません。 ⇒必ずピンセットで取り扱い,除去した金属片は遮へいされた区域に置いて下さい。 ・病院管理上のポイント 1. まず,患者の流れの動線を決めます。 ⇒入り口,出口を決めます。動線がクロスしないようにします。 2. 自分が被ばく・汚染したかどうかを知りたい何千人もの人々が 病院に殺到(サージ現象)します。 ⇒患者の流れを交通整理するチームが必要です。 3. 病院自体にテロリストが紛れ込むこともありえます。 ⇒警備チームが必要です。 4. テレビをつけます。 ⇒外部と十分に連絡が取れないこともあり, したがってテレビが重要な情報源になります。 得られた必要な情報は病院内に伝達します。 ・災害現場からの問い合わせに対して 1. 放射線以外の症状も聴取:視野異常・刺激臭 ⇒化学物質テロも想定します。 2. 現場付近の外傷のない公衆:汚染や被ばくが 続いている可能性もあるので ⇒まず現場から逃げて,着替えまたはシャワーをするように指示します。 消防・警察からの問い合わせに対して: (1)目視できる煙には距離を取るように (放射性物質を含むかもしれない) (2)放射線測定器および化学物質検知器の反応を確認 (3)現場の被災者の人数(さらに増えるのか) ⇔病院受け入れ可能人数の調整を行います。 <データ>詳しくは下記HPを 緊急被曝医療研修 http://www.remnet.jp/index.htmlより引用 |