日本の農業について私見−2。農村の高齢化。
[2016年12月25日(Sun)]
日本の農業について私見−2。農村の高齢化。
日本全体が高齢化社会となっていますが、農村も例外ではなく 高齢化が進んでいます。 現状では農家の6割強は65歳以上の高齢者となっており、 新たに農業を始めようとする人も増えていません。 日本の主食用穀物は早期に自給率を100%にして 日本人の主食を守るために、ドイツ、フランスと 同等にならねばなりませんが、それを誰が担うのかという根本問題 に日本は直面しているのです。 日本の農業を誰が担うのか しかも農村の高齢化により、耕作放棄が拡大し耕地の利用率は 92%まで下がってきています。そして更には米や農産物の 生産調整のため減反や耕作放棄地の拡大により、 実態は農地をフル活用していないのです。 日本は実際には460万ヘクタールの耕地をもち、概算、日本人1人当たり 2000カロリー・1日とすると、それで十分、"自給力"を潜在的には 保持しているのです。 2009年度のお米の生産量は771万トンですが、減反や耕作放棄地 を復活させればお米の潜在的生産可能な量は1400万トン位ある と言われており、お米だけででも日本人を養っていくことは 可能となります。 しかし、農村の高齢化が進むなかで、誰がその農業を担い、 穀物を生産していくのかという 問題に立ち返るのです。 新たな農業の担い手 日本は新たな農業の担い手を創りださなければ、食糧の自給を 確保できなくなるばかりか、世界との農業の生産競争に打ち勝って いくなどは到底、無理な話となります。 高齢化する農民からその技術を受け継ぎ、品質の良いお米を 創りだしていくのは日本の若い農民です。 若い農民を増やしていくしか道はないのです。 日本の農業政策の抜本的改革、農村の再構築、農業人口の確保 など問題は山積しているのです。しかも農業改革を早期に実施しなければ、 自給の確保はおろか、日本の農業全体を衰退させてしまうこと になります。今、政治家に強いリーダーシップが求められます。 改革への提言 1. 農業の目標 日本人の食を守る。主食用穀物の自給率100%達成 2. 農業に経営概念の導入 農業経営意識。 経営マインドを確立"農業は儲かる事業" 3. 農業規模拡大 日本にあった大規模農業化の徹底推進・若い人の職場確保 4. 農業法関連の改革 税法、相続税法など関連法案の根本的改革と新規立法 5. 農地の分割を抑制する特例法と、大規模化を推進する特例法制定 6. 農業の技術伝達研修で若い人に技術の伝承・農業技術者の育成 7. 農産物の輸出力の強化。品質の向上、高くても売れるものを創る。 8. お米の輸出力強化。お米耕作地(水田)の1400万トン・年の生産力を。 9. 日本食[米食]を世界に拡大。日本酒の輸出など加工製品も海外輸出へ。 10. 若い人が喜んで農業に従事出来る仕組みを創る。 世界の中で、綺麗な水、豊かな森、変化ある四季と、日本ほど自然に恵まれた ところは多くない。この自然の恵みは、日本の豊かな水田にある。水田から 水蒸気が立ち上り、適度な雨、雪をもたらし、綺麗な水と、豊かな森林と、美しい 風景を我々にもたらしてくれている。 日本の水田ほど大切なものはない。 日本の農業の根幹、米作と水田は、何としても守りぬかねばならない。 日本の将来は、きちっと農業を改革をしていけば、農家も前途は大きく開けます。 主食の穀物は自給しましょう。やるしかありません。 |